監修作業進行中。やってきました霊長類における小さな小さなローカル分岐群。その名はHominoidea。まんま訳すとヒト上科、つまりSuperfamily Hominoidea。ところが弱ったことに原著の説明と分岐点/系統樹/系統群の名称の配置が整合しない。
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(‥ )そればかりか近年の”分類体系”とも
□- 齟齬していますね。
(‥ )まあ、分類体系であろうが系統関係であろうが
独自のものがあるのは当然なんだけどね。
問題は原著内部において図示と本文の説明とが整合しないということ。直すのは簡単、、、、、のはずなんだけども。
∧∧
( ‥)HominoideaをHominidaeに直したら、そこから先の
分岐点の名称、および、端点の名称がすべて整合しなくなりました。
( — —)全部書き直しかよ。こんちくしょー。
分岐点の名称があからさまにランクを示す語尾になっているので、ランクが変わった以上、影響を受けるすべての名称の語尾を変えなければいけない。当然、テキスト内における固有名詞も同様。めんどくさいったらありゃあしない。類で無視したいけども、ここまで固い、しかも末端の系統群ではそんなこともできず。おまけに他のページと違ってここに関しては入念に分岐点における名称が語尾変化しながらまめに記されているわけで(人間だからですか?)。
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(‥ )Hominini?
□-
(‥ )Tribeだね。
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( ‥)Hominina??
□-
(‥ )Subtribeだね。
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( ‥)Pongidaeはどう直すんですか?
( ‥)Tribe Pongiだね
-□ GorillinaeはGorillinaだな。
いやはや、ジャック・ゴーティエたちが分類階級という拘束具を否定したのはよくわかる(系統学者が直面するのはこんな簡単な状況ではない)。そしてまた反対に分類学者たちが系統学を無視して古い分類体系を堅持しようとする場合があるのもよくわかる。そりゃあ、系統解析の結果を無視したくもなるよなあ。分類学は安定が命らしいし(分類学は科学であるから体系は絶えず検討すべし、という意見も本によっては書かれてはいるんだけども、安定が命の自然科学とはこれいかに?)。
やはり科以上の分類階級は指定が無い限りは記述しないで(原著にもそもそも記述がない)よかった、よかった。一歩間違えれば(一歩間違わなくとも)大変なことになっていたところ(例:下目に綱が包含される)。
( ‥)まあ、family, subfamily, tribe , subtribe , genus と
そろいぶみだから、分類階級マニアは泣いて
喜んでくれるかな。
∧∧
( ‥)いやあ.......
系統樹のトポロジーは変わっていないと言うのになんということなのだ。