恐竜から鳥が進化した。というか、鳥って普通に恐竜で爬虫類でしょ? というのがもはや系統学の世界の話。実際、鳥が恐竜でないのならアンキロサウルスは爬虫類(ディアプシダ)じゃねえ。
それでもなお、これに反対する人は、というか反対し続ける(しかない)人たちは今もいる。創造論者もそうであるし、一部、”鳥の飛行の起源は樹上にあった”という古典的な仮説を唱える研究者もまたそう。
そして彼らが提示したスタンダードに対する反論の1つが、鳥の指は2、3、4であるが恐竜の指は1、2、3ではないか!!というもの。
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( ‥)主張の半分は正しいわけですよね?
(‥ )発生学のデータと外部形態のデータがコンフリクトしている
そこに”解決すべき問題がある”という点ではまったく
その通りだと思うよ。
問題は、彼ら、つまり創造論者や一部の古典的な鳥進化仮説に拘泥する人々が、”解決すべきコンフリクト”は”解決不可能なコンフリクト”であるから、ゆえに我々の仮説が正しいと”解釈”したことであって。
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( ‥)まあ、解決すべきを解決できないにしたってのは
飛躍ですね。
(‥ )推論過程に飛躍が入っても、ことと次第によっては
かまわないと思うけどね。
もちろん、彼らの主張は根拠の根拠が不明なのでまともな科学者はだーれも相手にしなかったのだけども、ともあれ、ここでひとつ思うことがある。
解決すべきコンフリクト、というのは、実のところそこに論文のネタがあることを示している。しかるにそれを解決不可能であるから、、、としたのは
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( ‥)論文のネタを自ら潰したと。
(‥ )そうなりうるし、結果的にそうなっちゃったね。
まあ、彼らは解決不可能だから、ゆえにコンフリクトが起きない俺たちの論文が正しい、という形式では解決策を提示したし、論文を書いたわけだけど。
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( ‥)でも”解決不可能”と飛躍した時点で元もとあった
ネタは自分から潰したわけですよね
(‥ )実際、このあいだ、あの人にかっさらわれたからなあ。
解決不可能だから、、とさじを投げた時にネタを潰していたってことだった。
おかしなもんで、というか面白いもんでというか、あるいはむしろ当然というべきか。
ここにこそネタがある!!
と思った人は何人もいたっぽい。というか北村の知り合いでも”これって結局こういうことじゃないの?”と、今思えばかなり良い線いっていた推論を述べた人もいたくらいだし(そうなんだよね、何かおかしなことが起きるとしたら、それはケラトサウリアとテタヌーラの分岐点、ネオテロポーダの根っこのあたりということも確かにそうなのだ、テタヌーラも当初は”あれ”だったらしいし)、そして後は材料に巡り会う運と能力次第なわけだけども。
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(‥ )でもそれが現実になるとびっくりしますよね
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(‥ )さすがにね。
ともあれ、見極めねばならぬ。
さて
そういえば以前、昆虫の成体の系統樹と幼虫の系統樹がコンフリクトを起こしている例を上げて、やはり系統解析には限界があるのだ、と述べている人を見た時には、まあなんというか。
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( ‥)ネタをスルーしてますよね
( ‥)その人が仮に学生だったら良い論文、書けないだろうなあ。
コンフリクトしているから駄目だって、その考え方が駄目なんだってばよ。