ふと読んだ本にあったこんな話。記載されたイカを探そう。そうしたら異なる2つのイカが採取される。一体全体どっちが原記載のA種とB種だろうか? 調べて見ると外套膜腹面のストライプで識別できることが分かり、さらに原記載論文にもその特徴の記述が見つかった。標本を採取し、なおかつ記載を読み直す時は目から鱗が落ちる思いだったそうで。
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( ‥)観察とは心に思い描いていた作業仮説次第だ
そういうことですね。
(‥ )そういうことだね。
現物を見て、論文と照らし合わせないと論文の意味なり、現実感なり、内容の把握なりは従わない。
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( ‥)ヌスビトハギ属の葉脈は葉の縁に届く/届かない
もそういうことになるんですかね?
(‥ )葉脈が届いていない種類はまだ見ていないんだけども
まあそうだね。
言われるまで、そんなところは見ていなかった。すぐれた観察者による原記載なり検索表なりは当たり前だけどもやっぱり役に立つということか。さて、その一方ではとんでもない記載もあるそうで。
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( ‥)”白い”って記載があるそうですね。
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(‥ )正気とは思えないな。
その記載者は「2色、丸い」とかそんな記載をする人だったそうで、しかもあっちこっちの生物/昆虫とかでそんな新種記載をしたそうな。
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( ‥)系統学どころか分類が混乱しそうですね。
(‥ )するだろうね。
その人だったんだっけ? タイプ標本の保存と管理が悪いので、少なくとも幾つかのものは完全に虫に喰われて、あるのはラベルとピンだけだという恐ろしい結果が。もうずいぶん前の人(19世紀とか?)らしいけども、しかし業界では(当然ながら)今でも有名人。