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2017年10月11日水曜日

正確な観測を前向きに行いましょう

 
 エントロピーが増大する宇宙。
 
 すべてが真っ平ら、均質、混在、灰色になってしまうこの世界でも、しかし局所的にはその傾向が破れる。太陽エネルギーを使うことで体という秩序を維持することが可能となるのだ。しかし太陽エネルギーも所詮はエントロピー増大に従っているだけであり、緩慢に滅びゆく太陽に依存した我々は、所詮は滅びを代謝へ変換して存立する不自然な存在でしかない。
 
 つまりこの宇宙において命とは不自然なもの。
 
 さらに進化は恐ろしい結果を生み出した。崩壊を余儀なくされている世界で存続するには、自己複製するしかなく、必然的に自己複製するものがあらわれる。
 
 そして失敗したものは死んでしまうので、危険を回避する存在だけが生き残った。
 
 さらに回避するには危険を痛いと感じる必要がある。
 
 しかし本来からして存在が不自然な命にとって、この宇宙のほぼすべてが危険であり、ゆえに世界のほぼ全部が苦痛となった。
 
 こうして出来たものは、不自然な存在であるがゆえに、ひたすら苦痛を感じる、命というものであった。

 
 しかも、死にたい奴はとっくに死んで、生き残ったのは苦痛の中でただひたすらに生きるように調整されたものたちのみ。
 
 つまり必然的に出来上がったのは、苦痛を感じ続けているのに、死ぬのが怖くて死をひたすら回避して苦痛をただただ感じ続けるように調整された存在。
 
 ∧∧
( ‥)これが命であり
    これが生命であり
    これが生物であり
    これが生きるということである
 
  (‥ )だのに我々は
      命は祝福されていると
      考える
      つまりだ認識の根本が
      嘘なのだ

 
 我々は祝福されし存在である。認識の第一歩からして大嘘なのである。なればこの先のすべての認識が嘘、ごまかしということになろう。
 
 これゆえに言うのだ。この世界の前向きな言葉の全ては嘘、まやかし、ごまかしでしかないのだと。
 
 だからこの世の前向きなことを全て殺し尽くさねばならぬ。
 
 そうでないと正確な観測ができぬではないか。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃまた前向きな
    考えだな
 
  (‥ )ははっ
      前向きに考えないと
      人間死ぬでな
 
 
 

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