自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年10月10日火曜日
一番偉いショーグン ミカドエンペラーはニンジャに命じた
書店の多くがなくなり、残ったのはコンビニの書籍コーナーである。
書籍コーナーを見ると学ばされることが多いものだ。その多くは
こうすれば仕事がうまくいく、こうすれば論理的な思考が身に付いて皆から一目置かれるという自己啓発系のビジネス書であり
あるいはトランプ語録のような、時の耳目を集める政治の簡易なまとめ
あるいは防衛に注目が集まる昨今、戦車や軍艦の簡易な解説書
あるいは鉱物や貝殻のカタログの簡易でぼんやりと楽しめる写真集
∧∧
(‥ )即座に利益になりそうで
\‐ 漫然と眺めて楽しめる
内容の本たちですなあ
(‥ )書店がレストランなら
コンビニの書籍コーナーは
ファーストフード店
みたいなものだからな
手軽で軽い品揃えに
なるよね
そして中には地球の歴史、のような科学の本もある。
だが、これがくっだらない内容で、正直、こんなくだらないもので読者を騙せるのか?? と驚いてしまうような内容
∧∧
( ‥)なによ
俺様の書く本は愚民どもには
高度すぎるかなー?
困っちゃうよな愚民ども
という自慢ですかな?
(‥ )いや、あれはまじで
おかしいと思うぞ
内容が異様に物理、遺伝子に偏っていて、地球の歴史と銘打っているのに地学の話が書かれていない。
あの異様な偏り具合を、皆が基礎知識を持っている日本の歴史に例えるのなら
日本の歴史と称していながら
最初の人類は400万年前のアフリカに現れたアウストラロピテクスです。ホモ・サピエンスは20万年前に現れましたが遺伝子からすると60万年前にはいたはずで、ミトコンドリアイブで出アフリカをしたのが6万年前ぐらいで日本にもジャポニカ系統の米を持ったホモ・サピエンスがやってきて、150年前に明治維新が起こって現在に至ります。
みたいな感じ。
∧∧
(‥ )...これがむしろ分かりやすい
\‐ のではないですかな?
(‥ )その可能性もあるな
確かに以上のようなふざけた日本史の方が分かりやすいということはありうる。
例えば簡略な日本の歴史をここで書き下ろしてみよう
稲作が始まり、地方に豪族が現れて、大きな統一政権ができました。これが天皇家の始まりです。しかしやがて武力に特化した軍人貴族が実権を掌握しました。軍人貴族の時代はおよそ700年続きましたが、どの有力貴族が政権を握ったかで、鎌倉時代、室町時代、戦国時代、江戸時代に分けられています。しかし150年前、西欧列強の世界侵略に直面した日本は、これまでの軍人貴族の連邦国家から、天皇家を中心とすえた民主国家に国を作り替え、工業化を押し進めて現代に至ります。
∧∧
(‥ )多分これでは読者が
\‐ 理解できないと
(‥ )そうだねえ
こんな説明を読者が見たら
あまりに難しすぎて
脳が爆発して死んでしまう
かもしれん
多分、読者に一番易しい説明とは
日本の偉いサムライをショーグンと言います。一番偉いショーグンがミカドエンペラーです。ミカドエンペラーの部下にはゲイシャとニンジャがいて、フジヤマを神として礼拝しています。
というものだろう。こう言うと、馬鹿にするな! と怒る人もいるだろうが、人間の理解力はこのあたりが限界だ。だって以上のショーグンの話を聞いて怒る人も、イスラームからは宗教原理主義者しか出てこない! とか安易に言うであろう? だがこれは学校の授業すら忘れている底の浅い感想でしかない。例えばだ、エジプトのナセル大統領が汎アラブ主義を実行したとか、イランでイスラム革命が起こる前のパーレビ王朝が世俗主義を極端に押し進めたとか、そういうことは教科書、参考書に書かれていなかったか? かように習ったはずなのにイスラームからは宗教原理主義者しか出てこないとかいけしゃあしゃあと抜かすのならば、ミカドエンペラーがゲイシャとニンジャを部下にしているという説明を笑うことなど、誰にも出来ぬはず。
以上はコンビニに置いてる科学の本の内容がどれだけゆがんでいるかを日本史に例えたものだが…
とはいえ、コンビニに置いてある科学の本の内容がくっだらない上に、しかも異様に偏ったおかしな内容になっている理由。それは分かりやすさを追求しただけではないだろう。
∧∧
( ‥)なぜそうおもう?
(‥ )ほとんど同じ内容の本を
以前もみたからだよ
多分、ぱくりだな
事実、今の原稿料では、ライターは何かの本をパクる以外の選択肢が存在しない。
∧∧
(‥ )ぱくりだとして
\‐ ではぱくり元である最初の本は
なにゆえに
おかしな内容に
なるのですかな?
(‥ )地学の本を読む時間が
なかった
それだけじゃね?
地球の歴史と言いながら、物理と遺伝子の話がほとんどで、肝心の地学が抜けている。そして地学は学校のカリキュラムからほぼ抜け落ちている。教科書、参考書にあたるものが事実上皆無であり、場合によっては高価な古本のみである。
2万の原稿料も、本を読むのに3日かかったら日給7000円になってしまう。かような状態に陥っているライター業の連中が地学の本を読むことなどありえない。
∧∧
(‥ )つまり経済的な理由から
\‐ 参考書の多い物理、遺伝子の
ネタで原稿を埋めたけど
肝心の地学は織り込めず
そうして
最初に誰かが作った
手抜きの本を
後続のライターが延々と
ぱくって引用し
ぱくって引用しを
繰り返しているだけだと
(‥ )多分、本も読んでないね
今時のライターは
blogやwikiや
ナショジオの記事を
丸写しにするからな
ただし、結果的にそれが分かりやすい内容になっていることはありうる。
∧∧
( ‥)まるぱくり引用を続けるうちに
人間の認識に合うように
事実がゆがめられて
一番偉いショーグン、ミカドが
部下のニンジャに出撃を
命じるみたいな話に
なっているかもしれない
(‥ )実際、それって
すげー分かりやすいからな
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