自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年12月11日木曜日
活字と理解は自己肯定のための仮想現実
「癌は切らなくても直る」
「抗ガン剤を呑む必要もない」
∧∧
(‥ )それを本気で信じている人が
\‐ そういう本を書いた場合
それは”嘘”ではない。
(‥ )間違いではあるがな
だがしかし
意図的な嘘ではないのだ
信じているのだからね
そして店頭にはまっとうな医学の本も置いてある。病院にいけば医師の判断を聞く事も可能であろう。
どの仮説を採用するのか?
仮説を選ぶ選択肢はすでにある。
どの仮説を良いと考えるのか?
判断を下す自由は誰にでもある。
∧∧
( ‥)しかも”意図的な嘘”
ではない
(‥ )嘘ではなく
自由はあり
選択肢もある
何の問題もないな
だがしかし、我々の理解は現実ではない。 ここが地雷となる。
理解は現実ではない。それにもかかわらず、人はしばしば自分の理解は現実だと思い込む。
例えば時に人は言う。
どの遺伝子もどの変異もそれぞれ一長一短である。だからすべての変異が同等である。
あるいはこうも言う、知覚と幻覚はどちらも神経が作るものである以上、同等である。
文化人がしばしば飛びつく詭弁だが、現実はそうではない。
どの変異が有利になるのか、それを我々は知らない。だが我々の無知は 、すべての変異が同等であることを意味しない。自動車を知らない人間にとって、ブレーキの無い車と有る車の有利不利は予め予測できないであろう。だからといって二つの車が同等であるわけではない。
幻覚と知覚も等価ではない。現実に沿っていない幻覚を選択した場合、死ぬ可能性が有意に高まる。
だが人間は理解を現実だと思っている。だから自分の理解に自分の命をたくす場合がある。
そしてその結果死ぬ。
理解は現実ではないからだ。
だがしかし、選んだのは誰か?
心が弱っていたとは言えども、選んだのは誰か?
誰が選んだのか?
間違った選択肢を死者に提示した人間を、ただ一方的に罪に問えるか?
∧∧
(‥ )正直な話
\‐ それは難しいよね
(‥ )ホメオパシーを信じて
他人の子供を
殺した奴がいるけど
それは批判されたのだ
当然であるな
その処置は殺された人の
選択肢ではないからである
自由意志では
なかったからだ
だが、自分で選んで自ら死者になった者を どこまで弁護できる?
確かに弁護はできよう。弁護のために100万語だって容易に語ることが出来よう。なぜならそこで起きた事はあからさまな不誠実であり不義であるからだ。
だがそれでもなお問われる
選んだのは誰か?
誰が選んだのか?
自分の理解を現実と見なし、自分の理解に自分を賭けたのは誰か?
誰であったか?
∧∧
( ‥)しかも意図的な嘘ではない
(‥ )本の持つ恐ろしさ
理解の持つ恐ろしさ
それはここにある
悲しいかな、人は時に理解だけでなく、理解の同意を求める。自分を肯定してくれる理解を求める。
本にはそれが望まれている。そうである以上、
”読者の想いを肯定する意図的でない嘘”
これがどうしても発生してくる。
すべての本に対して、この方向へ進化するよう、猛烈な淘汰圧がかかると考えれば良い。
つまり、本は読者を駄目にする方向へと急激に進化する。
∧∧
(‥ )読書人が危険なのは
\‐ なまじ本を大量に読むから
本と共に
共進化するからだとも言える
(‥ )本が人を駄目にする
駄目になった人が
本をもっと駄目にする
相互作用が猛烈な勢いで
事態を押し進めてしまう
本が人を肯定する。あなたの理解はそれで良いです。
肯定された人が、自分の理解に対して同意する本を選ぶ。もっと私の確信を肯定する本はありませんか?
こうした相互作用はスパイラルになって、あっという間に閉じた極限へと突き進む。
だがしかし、活字は現実ではない。出来は悪いが、活字とはバーチャル空間であり仮想現実なのだ。
活字の世界とは、なんのこっちゃない、自分を肯定するためだけに自ら作った偽りの楽園だ。
いくら活字だ文化だと傲慢に言い立てたとて、そんなもの、自分のためだけに奉仕する巨乳のメイドをはべらせたご都合主義の妄想世界と同じではないか。
∧∧
(‥ )本で人を啓蒙しようなど
\‐ 無理な話
本は人を堕落させる
ツールとして機能する
(‥ )本は人の望みをかなえ
人を駄目にするものとして
進化するのだ
この淘汰圧からかなり自由な領域は、実のところ二つしかない。それは教科書と子ども向けの本だ。
∧∧
(‥ )たとえ意図的な嘘でなくても
\‐ 間違っていることは
子ども向けの本には
書けないからね
(‥ )それはなぜか?
ぶっちゃけた話を言うとな
子供を殺すのは罪だ
だから子ども向けの本で
嘘を書く事は大罪なのだ
それは禁止されているのだ
だがな
大人なら殺してもいいのさ
だから大人向けの本では
平気で嘘を書くのだ
もっと穏便に書けば、大人を殺しても罪にはなりにくい、それゆえに、そう言えばより正確である。
なぜなら、大人は自己判断できるものであり、自己責任を取れるもの、そう見なされているからだ。
だが、ここを突かれて大勢の人が殺されたのである。
殺されたのである。殺されたのだ。
他になんと言える? 他にどんな言い方があろう?
しかも、なお悪いことに、もっと大勢の読書人たちが偽りの楽園へと旅立っていった。そうして彼らこそが意図的でない嘘を次々に量産するのである。
なぜって罪に問われないからだ。それが大人というものではなかったか?
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