自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年12月13日土曜日
隣の家の芝は無駄に青く見える
∧∧
(‥ )アジアもEUみたいに
\‐ ひとつになるべきだ
そう言う人がいますよね
(‥ )いつだったかな
我が家にまだテレビが
あった時に
民放のキャスターが
日本も中国も韓国も
もうすぐEUみたいに
ひとつになるんですよ!
そう笑いながら言ってたな
なぜ笑いながら?
あの笑いは嘲笑の笑いであった。
つまり、日本も中国も韓国もEUのようにひとつになる。それは規定事項であるし、それが分からないお前たちは馬鹿だ、という笑いだったと思う。
そもそもそうでないと笑いながら主張したりはしない。
∧∧
(‥ )でも実際にはEUって
\‐ 1000年戦争し続けて
それでも統一できなくて
ついには一千万単位の
犠牲者を出す大戦争を
二回も行って自己破壊して
それでようやく成立した
ものなんだよね
(‥ )ようするにアジアが
ひとつになるには
最低でも
1000年戦争し続けて
一千万単位の犠牲者が出る
大戦争を二回やらなければ
駄目だってことなんだよな
あるいは曰く、日本の安倍首相のような極右の政治家が首相になるなどヨーロッパでは考えられないと。
∧∧
(‥ )でもそれを言えばヨーロッパも
\‐ WW2までは極右だらけだよね
(‥ )1000年戦争し続ける
それはそういうこと
だからな
1000年の戦争で培った西欧世界の戦争文化は無敵のものとなった。事実、世界中を蹂躙し、我らこそ神に導かれた光の民と考えたが、すべては幻想だった。植民地をあらかた取り尽くした西欧世界はお互いに再び刃を向けることになった。それまで世界を蹂躙することに忙しく、互いの戦争はしばらくしていなかったからである。そうして、すべてが幻想であることが明らかになった。当時、西欧の戦争文化はナポレオン以来の民主化でその絶頂期にあった。戦争に勝つには、政治的自由を手にした民衆を愛国心で焚き付け、大量に動員し、隊伍を組ませ、戦線に整列させねばならぬ。勝ち残るには極右でなければならぬ。民主主義がその実態、史上最も精巧に作られた殺戮兵器であるというその本性を最高潮に発揮する時が来た。
しかしそれは致命的な強さであった。退くことを知らぬ正面決戦を心情とする戦争文化。互いの武器をお互いに向けて死力を尽くした時、西欧世界は自らの力により自壊した。戦争の最後を戦った日本とアメリカは西欧諸国ではなかったし、戦後の覇王となったアメリカとロシアは、やはり西欧ではなかった。西欧は自滅し、没落したのである。
∧∧
( ‥)そうして破壊された
西欧世界で
ようやく
協調路線が生まれるように
なりましたとさ
( ‥)そういう歴史的な経緯を
‐□ 考えるとな
西欧ではこうなんだ!
言うのは勝手だけど
無意味だよね
それは、山田さんちではすき焼きにリンゴを入れているんですよ! と言っているようなものである。
西欧には西欧の事情があるが、他の地域には他の事情がある。実際、ロシアのプーチン大統領もアメリカの前ブッシュJrも、そのやり方はWW2以後の西欧世界とはまるで違う。彼らは国家のために、一体、何人を殺したのか?
∧∧
(‥ )他所は他所
\‐ 家は家
ですかね
(‥ )そして隣の家の芝は
無駄に青く見えるものよ
考えるべきは隣の家の芝がなぜ青いか? ではない。隣の家の芝がなぜ青く見えるのか、なぜ青く見える人がいるのか? そこがむしろ問われるべきだろう。
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