自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年10月19日日曜日
神、俺TUEEE、ハーレム、これこそが歴史を動かす
ギリシャ神話の英雄ヘラクレス
ギリシャ語だとηρακλησ
つまり、ラテン語や英語で用いられるアルファベットで置き換えるとHraklehsなのだけども
∧∧
(‥ )でもラテン語だとHerculesと
\‐ 表記されるのだね
(‥ )ギリシャ語なら
ヘラクレスあるいは
ヘーラクレース
になるのだ
でもラテン語なら
ヘルクレスだな
日本語でもヘラクレスだったりヘルクレスだったりする。星座の表記はラテン語なのでヘルクレス座が正しかろうが、
∧∧
( ‥)人物名としては
むしろヘラクレスですかね?
( ‥)まあ取りあえずここでは
‐□ ヘラクレスとしようか
ヘラクレスは神々の長、 雷を操るゼウスと人間の間に生まれた子供である。ゼウスには正妻のヘラがいるので、ヘラの呪いによってヘラクスレスはしばしば狂気に襲われ、自分の子供を殺してしまったり、自分を信用してくれた人をも殺してしまったりする。
とはいえしかし、ヘラクレスは神々の長の血を引く半神であり英雄だ。しかも各種技能。つまり、弓、レスリング、格闘術、戦車の操り方、それらをも神々から教えられた。戦士であるだけでなく、軍団指揮官でもある。矢も投げ槍も百発百中であり、敗北したことなどない。例外的なのが多頭の水蛇ヒドラを倒す際に、なんど叩き潰しても傷から再生してしまう首を阻止するため、イオラオスに手を貸してもらったこと、アルカディアの軍勢を率いた時、旅で病にかかり、そのため一度は撤退しなければいなかったこと、それぐらいだ。
神の子にして不敗。生涯負け無し。棍棒と格闘術でことごとく敵を倒す、無敵の英雄。
彼が最後に倒れたのは、半人半馬のケンタウロスであるネッソスの陰謀と毒にかかったためである。
*:参考「アポロドーロス ギリシャ神話」岩波文庫版
∧∧
(‥ )まさに俺TUEEEですねえ
\‐
(‥ )ついでに言うと
ハーレムもてもてとは
言わないけども
まあ
ハーレム状態なんだよな
ヘラクレスは生涯、二度、ライオンを倒した。そのうち、最初の戦いの時、当地の王テスピオスはヘラクレスを歓待し、娘をあてがった。王はヘラクレスの子供が欲しかったのである。ヘラクレスは五十日間の狩りの間、王の娘を抱いた。そして彼は気づかなかったのだが、実はこの女の子、全員、別々の娘であった。
∧∧
( ‥)王に50人の娘がいて
ヘラクレスは
全員と同衾してて
全員を抱いてて
でもヘラクレスさんは
同じ娘だよな?
と思っていたって
どんな設定だよ
( ‥)まあ、なんだろうねえ
‐□ もててるのは
分かるけどね
これは昨今流行りの、ハーレムもてもて、とは幾分違うだけろうけども、似たようなものではあるのだろう。ヘラクレスは他にも幾人かの女性と結婚したり、あるいは犯したりとやりたい放題である。
神の子、俺TUEEE、そしてハーレム
しかも、ヘラクレスの英雄譚は、単純に神話の与太話ではすまなかった。後にギリシャを征服したローマ帝国もギリシャ神話に染まった。当然だけども神話は国家のイデオロギーでもあった。一次文献を読んでいないものの、聞けば、いわゆる五賢帝時代最後の皇帝マルクス帝は、息子のコンモドゥスに帝位を継承させた。しかし、このコンモドゥス帝、ちょっとおかしな人物で、自らをヘラクレスに見立てて棍棒を持ち、闘技場に立つこともあったという。
あるいは3世紀の軍人皇帝時代に一応の区切りをつけたディオクレティアヌス帝は、自らを最高神ユピテル(ゼウス)の立ち位置として喧伝し、副帝であるマクシミアヌスをヘラクレスと位置づけた。帝王たちは神の代理人であり、そして親子であり家族でもある。
∧∧
(‥ )コンモドゥス帝も狂人と
\‐ 位置づけられてるけど
実際どうだったのだろうね
帝国の宗教とその半神として
自分の権威を絶対化したかった
のかもね
(‥ )少なくとも帝国において
ヘラクレス神話は
そのぐらいのインパクトが
あったのは確かだよな
さもなければ
ディオクレティアヌス帝が
あんなことをするわけが
ないからね
神の子にして、俺TUEEEで、ハーレムで、こんなラノベ設定が帝国を動かす。これは一体いかなることか?
人によっては、ローマ帝国って中二病帝国だったんだねwww としたり顔で言うのかもしれないが、話はむしろ逆なんだろう。
∧∧
( ‥)中二病なラノベ設定こそが
人の求める物語の根源であり
それは時として
国を動かす強大な力をも
秘めているです
(‥ )つまりだな
友情、努力、勝利って
お前は何をいってるの?
という話なのだな
人は時としてしたり顔で言う。今の漫画は血統重視ではないか 、結局は生まれ持った才能で話が決まっているではないか。友情、努力、勝利は一体どこへいったのか? と
それに対する歴史の答えは明白だろう。友情、努力、勝利、そんなものは求められていないのだと。
求められているのは、神、俺TUEEE、そしてハーレムである。そしてこれこそが歴史をも動かす。
友情、努力、勝利などと言った時点で、何もかも詰んでいるってことなのだ。
これはhilihiliのhilihili: 無双無敵 俺TUEEEは物語と読者の本懐ぞの続き
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