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2014年10月26日日曜日

ついにパラダイスが到来する可能性

 
 公園へいってみると、人が多かった。
 
   なにかイベントを
 ∧∧ やっているね
(‥ )
 ‐( ‥)秋だしなあ
     気候も良いし
     蚊もいないしな
     ベンチは食事をしている
     人たちだらけだね
 
 
 ベンチの前の切り株にワインとワイングラスを置いて、それをたしなんでいる夫婦もいた。色々な人がいるものである。
 
 
 さて
 
 農業は植物の成長に依存する。その植物の成長は太陽エネルギーと、それを用いた光合成の速度に制限されている。
 
 ∧∧
( ‥)つまり文明とは本来
    太陽エネルギーと
    植物の化学反応の速度に
    制限されるものであった
 
  (‥ )まあ、その話は以前も
      したことなんだが
 
*=>hilihiliのhilihili: 光合成に規定された未来

 
 光合成の速度に制限された文明。現代文明はこれを突破したけども、それはあくまで過去の光合成の集積である石油や石炭を急激に消費することで成立しているものであった。光合成の束縛から逃れたわけではない。貯蓄を食いつぶしているバブル状態であるだけなのだ。
 
 ∧∧
( ‥)石油に代わる
    真の代替エネルギー
    つまり
    高速増殖炉か
    核融合が実用化しない限り
    現代文明は滅び
    光合成に制限された過去の
    様相へ戻るであろう
 
  ( ‥)逆にさ
    ‐□ 核融合がついに実現したと
      しようじゃないか
 
 まあ、高速増殖炉でも構わないのだが、その場合、文明は今のまま継続できる。確かに制限、それ自体はありうるのだ。例えば電気自動車はバッテリーなり蓄電池なりの性能に制限される。
 
 ∧∧
(‥ )まあなんだ
\‐  実用的な超伝導コイルとかが
    実現したらまた話は
    変るのでしょうけど
    バッテリーの性能に
    制限は受けるよね
 
  (‥ )でも核融合が
      実用化されたら
      基本的に現代の文明は
      そのまま存続できるのだ
 
 事実上、無限に近いエネルギーを手にした人間はどうなるのか?
 
 ∧∧
( ‥)まあ、事実上、無限に近いけど
    単位時間当たりの発電量は
    機械の性能や数に
    制限されるのですけどね
 
  ( ‥)でもこれは大きな
    ‐□ 可能性だよね
 
 例えばの話、生産された食料は、現代は内燃機関で、この世界では電気自動車などで自在に運べる。

 しかし、食料生産これ自体は、地球に入射してくる太陽エネルギーに依存しなければならない。
 
 少なくとも旧来の農業ではそうだ。
 
 ∧∧
( ‥)でも核融合であれば
    それ以上のエネルギーを
    用いて
    それ以上の食料生産を
    可能にできる
    そういう可能性ですか
 
  (‥ )現在でも発光ダイオードを
       用いた
      野菜工場があるのだからね
      電力がもっと自由に使える
      世界であれば
      これがもっと大規模に
      展開できるかもしれぬ
 
 というか、未来技術なのである。光エネルギーと植物を使うどころか、電力から直接、光合成に該当する化学反応を押し進めて、単純な化合物から食料を生産することをやってのけるかもしれぬ。というか出来るだろう。
 
 ∧∧
(‥ )ついに人類が
\‐  食料不足から開放される
    世界ですか
 
  (‥ )人口増加自体は
      食料生産に必ず追いつくが
      現在の社会を見ると
      豊かになって
      出費が増えると
      子育てそれ自体が
      リスク扱いというか
      負担扱いになって
      しまうのだよな
 
 豊かさと豊かさを維持するための労働は過労死を作り出し、そしてなにより人口増加を押さえるように働く。
 
 つまり食料増産と人口増加に因果関係がなくなる状況が起こりうる。そしてそれには、豊かさを維持するために大量の出費がいる、そういう条件が必要。
 
 そして、電気が無尽蔵に生産できる世界でも、電気代はただではないはずだ。発電機、送電網、これらを維持管理するには労働が必要であり、人件費が、つまり金がかかる。同じ理由で他のいかなる生産物も金がかかるし、それは労働で支払わねばならないし、今よりもはるかに豊かな生活である一方で、やはり過労死があるだろう。
 
 豊かではあるが、その維持のために膨大な労力を支払う世界
 
 しかしこのことを言い換えればである
 
 ∧∧
( ‥)条件さえ満たせば
    人類の食料生産がついに
    人口増加を引き離してしまう
    そういう可能性
 
  (‥ )まあユートピアの
      到来であるな
      過労死はあるんだがな
 
 とはいえふと思った。
 
 無尽蔵の電力によって工場で食料を生産する世界。
 
 これ、一回でも壊滅的な被害を受けたら、食料生産、それ自体が二度とできなくなるってことだよな。
 
 ∧∧
(‥ )全地球規模で壊滅が
\‐  起きるのか?
    という疑問はあれども
    ここまで強大な文明は
    今以上にお互いに
    結びつき合って
    全地球規模になって
    いるかもですね
 
  (‥ )でっ、この世界では
      農業ってすでに
      ”ロストテクノロジー”に
      なっているはずなんだよな
 
 まあ、趣向品とか天然物をたっとぶ消費者相手に向けて何か作っている可能性はあるけども、それは大規模な農業生産や輸送を可能にするものではあるまい。そもそも天然ものではあるけども人工照明を用いる野菜工場で作っているのかもしれない。
 
 ∧∧
( ‥)ああ、つまりこれは
    なにかの拍子に
    壊滅が波及して
    食料生産に
    わずかな欠落が生じる
    それが次の破滅を招いて
    社会全体が混乱し
    機能を失い
    食料生産能力が深刻な
    被害を受ける
    ついには...という筋書きね
 
  ( ‥)安全対策は幾つも
    ‐□ 講じているだろうけど
      最悪の場合
      農業を忘れた状態で
      廃墟になった地球に
      膨大な人口が取り残される
      そういう筋書きも
      描けるだろうなあ
 
 まあ、未来には色々な可能性がありうる。基本的な技術を放棄するのは、時として致命的だろう。


 


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