自己紹介

イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック

2010年6月30日水曜日

売れるテキスト

 
 
 ∧∧
(‥ )コスプレするなら何がいいですか?
\-
     ( ‥)シェイプス、テクノライズの
       -□

 ∧∧
( ‥)・・・何か変だよ
\-
      (‥ )変じゃねー

 売れる本、売れる本

 ∧∧
( ‥)皆の望みをかなえよ、さすれば売れるであろう

      (‥ )これを読むと適応度がみるみる上がる。

 ∧∧
( ‥)・・・ああ、そういう詐欺ね

      (‥ )マイナスイオン、ホメオパシー
          純粋天然ミネラル無限希釈の奇跡で
          出発進行

 まじめな話をすると、ようするに繁殖の成功度が上がると思われる(思わせる)もの、あるいはその有り様を描いたフィクションを作ればよい。

 ∧∧
(‥ )何の取り柄もない主人公がバトルで勝負で
 □-  もてもてです

      (‥ )努力という投資が0でもハーレム、うはうは
          ベネフィット最大。適応度、絶頂に上昇中。

 ∧∧
( ‥)・・・生物としても人としても間違ってはいませんね
 □-

      (‥ )真面目なテキストを書くやつは、頭が
          おっかしーーーー!!

 
 真面目にやっていると売れないんだよ、、、というのはそれは当たり前。誰も真面目な人生なんか送っていないじゃないですか。

 

月も見る

 
 選挙がやってきた。

 ∧∧
( ‥)あなたの投票の基準は”自分が馬鹿だと分かっている
    馬鹿で信念のない人間”でしたね。

     ( ‥)・・・・・

 選挙がやってきたので、張り出された候補者の顔をのぞく


     (‥ )誰が一番馬鹿なのか分からん・・・・。
       - なんかみんなやる気ありそうな顔で写ってる。
 ∧∧
( ‥)まあ、、、それはそうでしょう

 
 政治家に知能は必要ない。彼らは書類を見ることはできるが読む能力はない。推論するに、文字が読めないにかなり近似。

 ∧∧
( ‥)えらいアバウトなくくりですが、
    まあ、あなたに言わせれば文字を読む能力があるのは
     官僚であると。

      ( ‥)すぐれた/できる人間をそろえたぐらいで
          世の中が劇的に良くなるわけはないけどね。

 結果が分かっていてもイラク戦争への突入に至って行く時、アメリカの官僚はどう感じていたんだか。

 ∧∧
( ‥)破壊的な結果へ至る過程を止められない。

      (‥ )決定論的な未来がやってくる。

 クルド人とはどう定義されるカテゴリーだと思う? シーア派の方が多いとはどういう意味を持つと思う? そのデータから導き出される、”来ると分かっている事態”を阻止もできずにただ見守るだけしかないとはどんな気分かね?
 
 ∧∧
( ‥)でも、できる人間をそろえることは、そろえないことより
    望ましいでしょう。

      (‥ )最低限、あれだ。馬鹿息子の政治家がやることを
          阻止できなくても、分からずに阻止できないのと
          分かって阻止できないのとではえらい違いだろうしね。

 ∧∧
(‥ )官僚の意思決定はどう決定されるのでしょうね?
\-

      (‥ )おかしな人も時々混ざっているし、
          平均的に勘違いやミスもするけども
           やれることはやれるということで近似?
 

 ∧∧
( ‥)政治家の意思決定とは?

      (‥ )事業仕分けから推論するに、
          最低限こうだな、

 書類を読めない作れない政治家がする行動と決定とは、”意思決定”とは言わない。

      (‥ )そんなものは意思決定ではない。
          書類の要望はしたかもしれないが、
          それは意思と知能をもった生物の決定と
           呼ぶに値しない。
 ∧∧
(‥ )月探査に関する日本の予算と
\-  官僚の皆様方の意思決定はどう評価するべきなんでしょう?


      (‥ )内容を本当に詳しく調べないと
          論評できないなあ。
 ∧∧
( ‥)リモートセンシング?
\- 

 
 官僚の動態をしばしばマスコミは、あるいはマスコミ以外の人々も”癒着と不正と汚職と公共事業”で説明するけども、その理論は果たして検証されているんだろうか?

 ∧∧
( ‥)まあ、時に逮捕者が出るからそういう仮説で
    説明されるべき事例はあるんでしょうね。

      (‥ )それを言ったら人間は全員、犯罪者になっちまうけどね。
 
 それが本質なのだ、という考えも解釈も、それは非現実的だと思う。


          

その体系化は何?

 
 この生き物はこれこれの特徴を持つことからA種です

 ∧∧
( ‥)A種であると同定されました
    認識完了

      (‥ )所属するべき最小単位に所属決定

 ∧∧
( ‥)最小単位・・・・

      (‥ )おおむね、個体以上の意味で。

 個体以上=種?

 ∧∧
( ‥)サッカーチームAは個体以上の最小単位ですか?

      (‥ )人間ってすごいよな。サッカーチームAが
          類でも種でもないと、おそらくは共通認識できる。

 認識が共通される。

 ∧∧
( ‥)共通認識・・・・・

      (‥ )神経の構造が共通。およそそういうこと?

 取りあえず、これはあまり深くは追求しない。

 最小単位だ、種だ。

 仮にこれが本当にただ認識の話でしかないとしても

 ∧∧
( ‥)科学するには、まず認識しないといけません

      (‥ )ということだよね。

 ならばそれは必要なのだろう。

 ∧∧
( ‥)同定は必要です。

      (‥ )同定はぜひとも必要だ。

 その能力も経験も必要だ。誰もそれを否定しない。

 はて? では科だの目だのは何のためにある?

 ∧∧
( ‥)認識した最小単位の整理整頓のため、
    じゃないですか?

      (‥ )認識の最小単位をファイルするためのテクニック?

 おや? すると同定と分類体系は違う?

 ∧∧
( ‥)そう?

      (‥ )そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
          でも、そうでないっぽいよね。激しく。
          あるいはこう言えばいい? 距離がある。

 種A、B、Cがあるとする。外群Xと比較した時、派生的な形質1はA+Bを支持するが、形質2はA+Cを支持する。そして形質3はB+Cを支持する。

 ∧∧
( ‥)順列組み合わせ状態

      (‥ )最節約法/分岐学では、ABCの系統関係を
          解くことができない。

 体系化できない。

 それに対し、こう言ってみる。

 分類学は形質1と2を持つことから種Aを定義でき、形質1、3を持つことからBを、以下Cを定義できる。分類学の優位は明らかである。

 ∧∧
( ‥)それは同定の話では?

      (‥ )体系化の話ではないね。

 だから以上はこういうのがより正確? 

 順列組み合わせ状態にある形質の分布は、区別はできるが系統を復元できるデータを含んでいない。

 

 次にこう言ってみる。

 以上の状態で最節約法/分岐学は体系化できない。しかるに分類学者Ω氏は形質1に着目することでA+BをAB科とした。このような状態でも体系化できる分類学の優位は明らかである。


 ∧∧
( ‥)形質2でも3でもなく、形質1がΩ氏の体系化で使われた
    その理由を述べよ。

      (‥ )さあ?

 

2010年6月29日火曜日

分類

 
 
 分類学は自然科学ではない。

 ∧∧
( ‥)あれはいわば認識論であると。

     (‥ )まあ、否定はできんよな。

 分類学は自然科学の基礎である

 ∧∧
( ‥)言い換えれば、認識したものに基づいて科学してる?

     (‥ )当たり前の話であるね。


 分類階級は実在する

 ∧∧
( ‥)認識に必要なものは実在する?

     (‥ )それはあからさまに間違いだろう。

 認識したもの、分類したもの、それの枠組みがすべからく実在するとは限らない。

 ∧∧
( ‥)実在とは何か? というのが問題かと思いますけどね。

     (‥ )こう言い換えればいい?

 何かを検証する過程において、最初に認識したグループ分け、あるいはグループ分けの手法そのものが有効であるとは限らない。

 ∧∧
( ‥)まあ、そりゃあそうでしょう。

     (‥ )認識したもの、分類したもの、区分けの仕方が
         検証の過程で壊れてしまう、放棄される場合がある。


 分類学は自然科学である

 ∧∧
( ‥)例えばある分類体系は反証可能である、とかですかね?
    ポッパさんの言い様ですが。

     (‥ )ポパーさんね。
         しかしどうだろうね? 反証するには
         何らかの比較基準なり、あるいは、いわば計測器が
          必要だろう?



 分類学はパラメーターを持たない

     ( ‥)強烈な言葉だ・・・・
 ∧∧
( ‥)比較手段がないのに科学とはこれいかに?



 分類学は自然科学に必要だ

 ∧∧
( ‥)認識は科学する時に必要だ

     (‥ )そりゃそうだ。



 書類作業は自然科学に必要だ

 ∧∧
( ‥)科学に事務作業は欠かせません。

     (‥ )当たり前であるね。



 自然科学に必要でかつ基礎的なものは科学である

 ∧∧
( ‥)腹がへっては研究ができぬ。

     ( ‥)食事は自然科学だったのか・・・・


 
 必要であるならそれは実在だ

 ∧∧
( ‥)天体の運行を説明するために必要ですから
    天球は実在します。

     (‥ )天球に宇宙船がぶつかっちゃうね。大変だね。
         ぱーん、だね。

 
 分類は外部形態に基づくべき

 ∧∧
( ‥)べき?

     (‥ )主張があいまいだと思います。



 外部形態に基づいた便宜的な分類は非常に便利である

 ∧∧
( ‥)便利ですね

     (‥ )とても有効。アンモナイトで地層と時代を切る。


 
 外部と言わず、内部と言わず、大きさに関係なく、形質が好きだ
 
     (‥ )好きだ!!
 ∧∧
( ‥)あんたの好みやがな

 

 実在するとか言うから波風が立つと思う

 ∧∧
( ‥)思ってますね?

     (‥ )はい

 

 

2010年6月28日月曜日

その技を見よ

 
 夜明け間際。こんな夜更けなのにホトトギスが鳴いている。

 というか彼らは昼間でも夜でも鳴く。あっちこっちで鳴く。公園の丘の上にいたら、公園の端から端までキョキョキョ、キョキョキョと鳴いて飛んでいった。いかにも体力を消耗しそうな行為だけども、あの行動に一体どんなメリットがあるんだろうか?

 さて

     ( ‥)ふと検索をかけたら月の進化の話が
       -□ ひっかかってきたよ。
 ∧∧
( ‥)どうですか?

 月は固い。地球と違って水がないので固い。ドライと表現されていたけどもさもありなん。

 ∧∧
( ‥)地球は水のおかげで柔らかくなってますから

     (‥ )地球が死なずに火山活動が続いてくれるのも
      □-  ひとつは水のおかげだよな。

 さもなきゃ全球凍結以来、地球は今でもかちんかちんに凍っていたかもしれぬ。


 でっ

     (‥ )月の海の溶岩、あれを説明する”再加熱”の
      □-  アイデアと文献が分かった。
 ∧∧
( ‥)ほほー

 つまりそれは、

:月が固いこと(この場合は内部があまり高温でなく、そればかりか、むしろ急冷したことを示す)
:しかし玄武岩マグマが大量に生成する(何らかの形で岩石が融解した状態であらねばならない)

という、素人が聞くに「なんすか? その無茶ぶり??」を満足させうる/あるいはそれを満足させるために提案されたアイデア。

ようするに冷却と同時に再加熱による融解、この2つを可能ならしめるアイデアらしい。

 ∧∧
(‥ )ふーむ、概要を聞くになんかすごく冴えたアイデアに
\-   聞こえますね。

     (‥ )放射性物質の再分配。素人はなーんだとか
         言いそうだけども、物質を移動させるのって
          めちゃくちゃ大変だからな。

 何かを移動させるには浮力を与えたり、あるいは密度を上昇させなくてはいけない。それも当然ながら重力の視点で見た場合にものすごく不均衡になるような状況を作る必要がある。しかしそんな状況を作るにはとんでもないエネルギーが必要だし、与えられた条件で本当にそんなことが起きるのかきちんと論証しなければいけない。例えば化学的な条件はそれを許すだろうか?

 それを必然で理路整然と示してみせたというのは面白い。もちろん解決しなきゃいけない問題は幾つもあるだろうけど、それ自体はどんな科学理論もしょって立つことだ。

     (‥ )素人はさ、こう動けばいんだよーとか
         こんなすっごいイベント起きれば動くよーとか
          しばしば安直に言うけどさあ、
 ∧∧
( ‥)エネルギーの大きさもさることながら、動力が働く
    具体的なメカニズムを説明しないといけませんからね。

 そうね、こういう技が見れるから科学は楽しいのだとも言える。逆にいうとオレ様理論にげんなりするのは彼らの技に、冴えがまるっきりないせいなんだろう。

     (‥ )へたくそで素人丸出しの痛いプレーなんか見せられても
         こっちは嬉しくもなんともないからな。
 ∧∧
( ‥)金返せと物を投げつけると。


 はは、だけどもプロの技を見るのは素敵だ、大好きだ。
     

     ( ‥)そのうち、ちゃんと論文で確認しよう。
       -/
 ∧∧
( ‥)まあ、ともあれ、本日の打ち合わせのために
    仕事をしてください。

 

2010年6月27日日曜日

やはりそれはいつも見ている謎

 
 月、いつも見ているもの。

 月、そのウサギさんマークははるか太古、月の歴史の初期に形成されたクレーターに、流出した玄武岩がたまったもの

 月の火山活動と玄武岩の流出はまだよく理解できず→*

 ともあれ、
 
 ∧∧
( ‥)地球で現在残っているような規模のクレーターと
    隕石衝突で火山活動の誘発は、現在の地球上では、、、

     (‥ )やっぱり怪しいねえ。
      □-

 というかそもそも証拠なんてあるのかね?

 というか、隕石衝突で火山噴火どっかーんなんていう仮説はたいがいの場合、根拠が「タイミングがなんかあってるように見える事例があるぴょん」とかそんなだし。

 だけども月でははるか30億年以上も前に玄武岩がさかんに噴き出して”海”を作った。クレーター形成と因果関係があるかどうかはよく分からんけども、クレーターの内部に玄武岩がたまっているし、高地からどぼどぼ玄武岩が流れた形跡もない(ただし単純な因果関係でないことも明らか→*)。

 ∧∧
( ‥)当時は地殻が比較的薄くて、さらに中が融けていて
    ばりんと地殻ごとはぎとれば融けた岩石が
    噴き出るのだとか?

     (‥ )いやそうなのかなー? と思っていたのだけど
      □-  そこがさ、次のことを考えるとどうも分からん。

 例えば、比較した場合、力学的に不安定な、とでも言えばいいのか・・・・、そういう地形はゆっくりと流れて元の状態に回帰してしまう。

 ∧∧
( ‥)アイソスタシーの話ですね。

     ( ‥)それをこう表現していいのかよく分からないが・・・
       -□

 手持ちの資料では、地球の地殻だマントルだのが持つ粘性で考えると大きなクレーターは地質学的にはごくごく短時間で、”流れる”ことによって消滅してしまう。

 ∧∧
( ‥)事実そうやって消えかかり始めたクレーターが月にある
    そういう話ですね。

     (‥ )でもきっちり残っているものもあるんだよな。
      □-  

 ようするに、初期のある時代や地域によっては地殻だのマントルだのの粘性が地球とどっこいどっこい(なのか?)であったところもあったのだが、つまるところ、それは後に解消されたっぽい。

 ∧∧
( ‥)つまり今の月は昔の月よりも、
    そして今の地球よりも固いと。

     (‥ )という理解でいいと思うのだけどもね・・・・
      □-

 はてなあ、どうも分からん。月の玄武岩の流出って何億年も続いたんだよね? 当初は柔らかい時期があったけども、月は後でこちんこちんになったとして、するとどういうこと? 内部のマントルはどうなっていたわけ?

 ∧∧
( ‥)地球よりもこちんこちんな地殻を打ち破って
    下のマントルを融解させるか、あるいは”まだ融けていた”
    状態、条件を示せ。それもクレーターが流れて消失しない
    ような状態を満足させつつ、、、ということですか?

    (‥ )あー? うー? そういうこと?
     □-  あるいは玄武岩で満たされるとクレーターの
        流れ具合も変わるってことなのかな?

 このあたりの論文はどれを見ればいいのだろうか? そしてそもそもこれってどんな状況? 月の海を作る玄武岩がわんさと長期間に渡って流出する原理を説明しつつ、クレーターが保存されている現状をシンプルかつ満足に説明せよってどんな理論?

 ∧∧
( ‥)まあ、それより今は仕事をしてください。

    ( ‥)はいはい。

 取りあえず、空に浮かぶ謎と不思議を知るのは先送りしてもいいだろう。

 ∧∧
( ‥)でもいつも見ている月が地質学の
    課題や教材になりうるとしたら
    面白いですね。

    (‥ )地球のことも知らなきゃだめだがね。

 まあ、幸いにもここは神奈川県だ。そのうち、色々見て回れば良いだろう。そういう点では恵まれている。

 

差を見て仕組みを知る

 
 ふと思い出した。昔こんなやつがいた。もっともらしく色々なことを、それも断言口調で言うのだが
 
     (‥ )間違っているんだよな・・・

 ∧∧
( ‥)あなたのメモリーによると、共通の友人(?)が彼を
  -□ 次のように評していますね「あいつは知ったかぶりの嘘つきだ」
 
 共通の友人といったら彼はいやがるかもしれない。彼はくだんの人物を嫌っていたから。

 ∧∧
( ‥)くだんの人は自信満々に色々なことを語っているんですね
  -□ ただ、しばしばそれが間違っていたり、
    事実と整合しないことがあるので、
    多くの人から避けられる傾向があったと。

     (‥ )知らないなら知らないと言えばいいし、分からないなら
         分からないと言えばいい。おかしいなと思ったら
          なぜだ? なぜなんだろうね? ただ単に
          そう言えばいい。

 くだんのその人間はそれができなかった。

 言い換えれば、それは知ってる、そのことなら分かっている、それはおかしいから間違いに違いない!! と言うと、どうやらおかしなことになるらしい。

 ∧∧
( ‥)奇妙と言えば奇妙ですね。
    おかしいから間違いに違いない、それは知っている、
    これがどうして危ういことになりうんでしょうね。

    (‥ )僕らは誰しも何もかも知っているわけではない
        単純にそういうことじゃないか?

 何もかも知っているわけではない。だとしたら

 それは知っているが、これは知らない。それは分かるが、ここから先はどうなるの? 理解できないのは、オレが何も知らないってことなんだろうなあ・・・・

 ∧∧
( ‥)というのが妥当だと。

    (‥ )まあそうだよな。

 反対に言えば、くだんのその人物がしばしば煙たがられたというのはある意味、非常に驚くべきことだとも言える。

 ∧∧
( ‥)なんで?

    (‥ )一般の人はそんなことしない、そんなことをする人を
        敬遠するってことだからさ。

 つまり人間の多くは、自分が知らないことがあることを知っている、分からないことを分からないとおよそ正直に言える、あれ? なんでこうなるんだろうと疑問に思っても、ははーん、オレ様が正しくてお前らが馬鹿なんですね? なんてことは考えない

    (‥ )ということだよね?
 ∧∧
( ‥)ああ、言われればそうですね。


 考えてみればそれは大変な能力ではなかろうか。

 それにしても今にして思えばくだんの彼は

    (‥ )オレ様理論屋さんと似ているのかもね。
 ∧∧
( ‥)まあ、そうかもしれませんね。

 例えば種の起源を読んでもいないのにダーウィン批判をする。現在進化理論を知らないのにオレ様独自の進化理論を考える。祖先復元の方法を知らないのに過去の推論をする。ニュートンがどうやって万有引力を導出したのかも知らないのに、それを論理的で完璧だと考える。固体のマントルをどう融かせばいいのか地質学者が考えていることも知らないで、隕石が落ちればマグマどろどろだと思う。地質図も読まないでクレーターの中央丘が火山だと思い込む。

 ∧∧
( ‥)知らない、分からないのに、知っている、分かったと
    言っているのだと。

    (‥ )最低限こうだよな。
        発言が事実と整合していない、一般的な教科書の内容と
        食い違っているということは、文献を読んでいないことは
        明らか。

 とはいえ、だからこそ興味深い。

 ∧∧
( ‥)なぜに?

    (‥ )一般の人の動作とも違う、研究者の動作とも違う。
        そして現時点での妥当な解とは異なる解答に
         飛びついている。

 これはおそらく、妥当な解を彼らが発見できないことを示している。たぶん、問題の解答探索がうまく機能していない。

 ∧∧
( ‥)それのどこが興味深いんですか?
    興味本位で彼らの心をのぞきたいわけじゃ
     ないんですよね?

    (‥ )中性子の内部構造を知るためにこんな実験をした
        人がいるそうな。

 高速度に加速した電子を水素と重水素に照射して電子の散乱する具合を観測した。

 ∧∧
( ‥)水素と重水素の違いは中性子の有無だから

    (‥ )電子の散乱の差は中性子の内部構造を
        反映しているものと考えることができる。

 ではこう?

 オレ様理論屋と一般人、研究者のふるまいの差を計れば人間の問題解決における内部構造の差を観測できる。

 ∧∧
( ‥)つまり推理に関する人間の心の構造を
    そこから観測できると。

    (‥ )明らかな差があるってことは
        構造を推論できることに他ならない。

 ようするに、オレ様理論屋さんというのは人類の問題解決能力とその構造を知る手がかりになりうる存在

 ∧∧
( ‥)だとあなたは考えると。

    ( ‥)とっ、推論してそういう研究がないかを
      -□  調べている。

  

主観と客観のレート

 
 自殺の名所って場所がある。死ぬ人は取りあえずそこへいってみようと思うのかどうなのか、行ってみるものらしい。しかし集まってこられる地元の人にとってはえらい迷惑な話だろう。

 
    (‥ )人間はさあ、自分の価値は地球と同じぐらい
        あると思っているかもしれないけども、
        他人から見ればほとんど無価値なんだよな。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ。

 遠い異国の人の命は自分たちの時給で換算すれば100円か10円か? まあそんなレートだろうってことはおおよそ検討がつくもので。

    (‥ )さもなきゃ、自国の兵士や現地の人々が
        何千、何万と死んでも政権は継続したのに、
         不景気になったら共和党大敗なんてことは
         起きないだろうからな。
 ∧∧
( ‥)まあねえ。

 僕らが望む安い商品は異国のとんでもない低賃金と極貧に支えられている。彼らが不幸かどうかは知らないが、ともあれ、こっちから見れば極貧であることには変わりない。

 ∧∧
( ‥)ようするにあなた達は毎日、どこかの人を
    搾取して生きているのだと。

    (‥ )人の命を喰っているのだとも言えるな。

 これを”人食い”と言った人もいたなあ。

 ∧∧
( ‥)人食いと言ってもなお、改めませんか。

    ( ‥)レートが違うのだということを
      -゜ あからさまに反映している行動であるね。

 つまるところ人間の命のレートは自分≒無限大から見知らぬ遠い人≒100円か1円以下まで色々とあるわけでして。

 それが死んだらどうなる?

 ∧∧
( ‥)生者の価値ではなく、死者の価値を
    推し量ると。

    (‥ )より正確には死者の価値だけでなく、
        死体の価値も推し量ろうというわけかな。

 死者という言葉に人格が、あるいは他人から投影された人格が認識されているのであれば、死体は死者と明らかに違う言葉。

 ∧∧
( ‥)死者は人によっては大事なものでしょう。

    (‥ )近親者にとっては大事なものだろうね。というか
        そういう人がいるからこそ、単なる死体に
         単なる死体以上の価値が出るというの?

 死体に生者の思いが投影されるからこそ、死者という価値あるものが生ずると言えば近似?

 ∧∧
( ‥)株やお金のような感じですか。

    (‥ )大量生産品でもその人にとっては大事な
        ぬいぐるみなどと言えば、より近似。

 ではその価値をはぎとってしまえばどうなるのかというと。

    (‥ )そうなると死体ってさあ、ぶっちゃけた話、
        あれって生ゴミなんだよね。
 ∧∧
( ‥)ああ、、、まあねえ。

 重量、数十キロ、腐りやすく、動物、昆虫があっという間によってくる、そういうしろものだ。液体をぶちまけるし、重いし、辺りも汚れる。

    (‥ )それでもその人には死者としての思いが
        投影されているのだと他人は推し量るから
        おろそかにできんのよ。
 ∧∧
( ‥)地元の人にとってはえらいこっちゃですね。

 そんなものが年に何度も自分の家の近くに放り出されてごらんよ。たまったもんではあるまいよ。
 
 死ぬ人間は自分の価値が0だと思っているのだろうか? 果たしてそうか?


    (‥ )他人からすればその人の命は1円か10円なんだ。
        だが死者になったらどうなる? 0どころか
         マイナスになっちまうだろ?
 ∧∧
( ‥)ああ、孤独死の片付けにはお金がかかりますしね
    価値は0どころかマイナス何万かもしれませんね。

 自分を捨てるのであれば自分の価値は0か? いやそうではない。その時点でもなお自分の価値は何千か何万かあると換算せねばなるまい。他人にマイナスということは相手に出費を押し付けるということで、平たく言うと押し売りすることで、強制的に価格を発生させていることになる(より正確には”それを片付ける人の行為”に価値が発生している。だからこう? 価値を発生させるイベントを強制的に発動している)。

 ∧∧
( ‥)でも、そんなこと考えている余裕はたぶん
    ないんじゃないですか?

     (‥ )だから声かけってやつをするんだろうな。

 青木ヶ原樹海。あれもしかし、1000年も経てば、なにもかも忘却に押し流されて土壌が十分に形成され、たがやされる日がくるということか。

     (‥ )あるいはほんの何世紀かの間に火山灰がふって埋もれて
         豊かな緑に覆われたりしてな。
 ∧∧
( ‥)火山灰や土石流に埋もれた村や人々の上に
    町があるなんてありきたりな話ですからね。

 時間の前に、個人それ自体の存在は感知されず。

 ではその長大な時間の中で君は何を残す?

 
 

2010年6月26日土曜日

そこをえぐれ!!

 
 
     ( ‥)・・・仕事のイラストを大きく
       -□ 描きすぎてしまった・・・
 ∧∧
( ‥)効率が悪くなるでしょうに。

 まあ、やむをえない、ディテールが細かい部分がちょろんとあったから。まあちゃちゃっとすまそう。

 さて

 お月様にある巨大な盆地、South pole-Aitken basin 。

     (‥ )その直径2500km
      □-
 ∧∧
( ‥)太陽系、最大のクレーターだそうですね。

 月のうさぎさんマークはほぼ円形をした構造が組み合わさってできている。ウサギさんの頭、耳、お腹。ようするに太古に衝突してできた巨大なクレーターに玄武岩が滲み出て低地の暗い平原(海)を作っているのだけども。

 ∧∧
( ‥)でもSouth pole-Aitken basin では
  -□ 大きい割には玄武岩が流れた地域が
    ぽつぽつ点在しているだけなんですね。

     (‥ )巨大なクレーターができると条件次第で溶岩が噴出する。
         しかし場合によるとそれほどでもない。
         つまりそれは何かメカニズムなり月の構造なりを
          反映した結果だよね。

 どうもそのあたりを追求した研究/アプローチも当然ながらあるっぽい。これは面白くなってきた。

 ∧∧
( ‥)まあそれよりも仕事とか先にやることが
    ありますけどもね。

     (‥ )はいはい。

 一方、今の地球ではどうだろう? 例えばの話、極端にでかい天体、例えば月が地球に落下したら、まあやっぱりジャイアントインパクト再来、全球が融けて一面マグマーオーシャン、生物リセットになるんでしょう(適当な予測)。だから天体衝突溶岩ドロドロというのはサイズ次第では、というかそうなるともはや溶岩、火山うんぬんではない状態なのだけども、というイベントは確かに発生する。しかしながら、

 ∧∧
( ‥)じゃあどのくらいのサイズなら地殻ぶっとび、マントル融解
    マグマどろどろ、火山がどっかーーん。恐竜ぎゃーー!!
    という、一部の人たちが言うような事態→*になるかというと。

     (‥ )少なくとも、200キロサイズのクレーターで
      □-  火山噴火の誘発ってのは原理的にも厳しいみたいだなあ。

 ではどこまででっかいクレーターになれば溶岩ドロドロかというと分からない。カナダのハドソン湾(異様に丸い)が一部の推測通りクレーター(もしかしたら多重リングクレーター)なら直径350kmになるのだけども、そもそもあれがクレーターなのかは、どうやらまだ判明していないっぽい。

 ∧∧
( ‥)では直径2500キロならどうなんでしょうね?

     (‥ )月と地球、過去の月と現在の地球は全然違うから
         ヒントになるかもしれないけども、比較になるか
         どうなんだろうねえ?

 まあ、おいおい調べれば分かる話。
 
 *2012.10.19追記:以上の続きの”さわり”を知りたい人はこちら=>*
 *数年単位の長い射程で見て、いずれこの内容は本とかで取り上げたい予定。
 
         

2010年6月25日金曜日

アリスタルコスとヘロドトス

 
 昨晩は比較的天気が良かったので月が見えた。

    ( ‥)// というわけで月を望遠鏡でのぞくのだが
      -  ̄
 ∧∧
( ‥)雲がかかったり、晴れたり、なかなか恵まれませんね。

 嵐の海のあたりを簡単にスケッチして寝る。雲がかかる方が多かったので詳しいスケッチは断念。まあ、仕事もあるわけだし、あまりお月様のスケッチに精を出すわけにはいくまいよ。

 でっ、今朝になってネットやら書籍で確認してみると。

 ∧∧
(‥ )マリウス丘陵を明らかに見ているはずなのですけど、
\-   スケッチでは何も描かれていませんね。

    (‥ )先入観や事前情報がないと気がつかない大きさか
        すでに”太陽が十分に上がって影が出来ていない”か
        まあ、その両方なんだろうなあ・・・。

 嵐の海で目立つクレーター、ケプラー、マリウス、ライナーは描いている。マリウス丘陵はあれか、当地で夜明けが来た時(地球から見ると月の昼夜を分つ境界線上に丘陵が来た時)に、影が伸びて陰影が強調されないとこの望遠鏡(口径12センチ)では分からないか?

 その一方で

   ∧∧
\\(‥ )ケプラーの北にある2つ並びのクレーター、
  ̄ -   地形が複雑、かっこよくて素敵ですね。
 
     (‥ )アリスタルコス(Aristarchus)と
         ヘロドトス(Herodotus)だね。

 望遠鏡でのぞいて見てみると、ああこのクレーターの周辺は地形が複雑で色、というか暗さもなんか違う。それにクレーターの脇にちょろ〜〜んとのびた糸のような影が見える。たぶん、谷なんだろう。やや蛇行しているその様子から可能性はあるなあ、と思いつつ、後で確認したらやはり溶岩の流れた痕らしい。

 ∧∧
( ‥)溶岩が川のように流れて岩盤なり、冷えた溶岩なりを融かし、
  -□ 流路に谷間を刻むと。

     (‥ )そうだろうと解釈されている谷間だね
     \-   Schroter's valley という名前がついている。
 
 望遠鏡ではいささか分かりかねるけども、アポロなどの写真を見るとヘロドトスの内部は溶岩で埋められてはいるがクレーターの縁は健在で、谷自体はその脇から始まる。

 ∧∧
( ‥)クレーター内部の溶岩があふれたとか、クレーターの
    縁が支えきれずに決壊して流れ出したとか、
    そういうことではないんでしょうね。

     (‥ )まあ、必然的にそういうことになるねえ。
     \-

 新しくできた方のクレーター(光条がある)、アリスタルコスはインパクトクレーターとして普通の姿、階段状に崩壊したクレーターの縁、衝撃の反動でちょこんとせり上がった中央丘がアポロの写真ではよく見える(手持ちの望遠鏡では昨晩はクレーター内部は影になっていたこともあって、中央丘までは確認できず)。

 ∧∧
( ‥)つまり、古いヘロドトスが出来た時には
    月に火山活動があったのだと。

     (‥ )アリスタルコスが出来た時には
         火山による地質的な変形は受けなかった
         ということだよね。

 あー、うーん、でも不思議だよねえ?

 ∧∧
( ‥)何が?

     (‥ )2つともほぼ同じサイズのクレーター。
         片や溶岩で埋もれ、片やまったく原型をとどめている。

 月は地質活動において火山が活躍した時代とそうでない時代がある、それがあからさまにはっきりと分かる場所であるんだろうけど、ヘロドトスを埋めた溶岩と谷間を刻んだ溶岩はどっから来たんだろう?

 ∧∧
( ‥)場所は嵐の海(たぶん粘性の低い溶岩が流れて埋めた地形)
    ですよね?
    別に不思議はないのでは?

     (‥ )このあたり、半ば水没したというか
         溶岩に沈んだとおぼしきクレーターがあるのだけど。

 溺れたクレーターの縁がちゃんとぐるりと残っているものがあるのはどういうわけ? どこか離れた場所から溶岩が流れてきたとかなら縁がせき止めてもおかしくないだろう。

 ∧∧
( ‥)すべてのクレーターの底から溶岩がしみ出すとも
    思えませんし・・・、縁が決壊してもいない。
    縁が実はぐずぐずで、縁は原型をとどめながらも
    溶岩は周りからしみ込んでくるとか?

     (‥ )どうなんだろうなあ? 

 そしてもうひとつ。谷間があるってことは、クレーターが溶岩で沈み、溶岩がある程度は冷えて固まってから、再びヘロドトスの周囲で火山活動があったことを意味するんだろう。

 ∧∧
( ‥)ヘロドトスにたまっていたものが流れたとか
    そういうのではないでしょうしね。

     (‥ )それに不思議なのは、粘性の低い溶岩は水と同じで
         水平を保つだろ? 溺れたクレーターを埋めた溶岩は
         理屈の上では同じ水準になるんじゃないかな。

 じゃあ次にどうして”流れる”んだい?

 ∧∧
( ‥)流れるような高低差がどうして生じたのか?
   あるいは高低差があるのならどうしてマグマで
    クレーターが埋められているのか?

      ( ‥)どういう理屈だろうなあ?
          火口がマグマに埋められている一方で、
          火山の脇からマグマがどろどろ流れ出すような
          状況みたいなもんかね?

 そんな事例があるのかどうか知らないけど。 あるいは隆起でもしたんですかね? 

 ∧∧
( ‥)不思議ですね。

     (‥ )不思議だな。

 まあ、そのうち文献なり論文なりを探してみよう。

 

 

2010年6月24日木曜日

水滴レンズ

 
 洗濯物の最中に5円玉が水の中に落ちた。ふと思い立って水滴を5円玉の穴にたらしてのぞいてみる。

 ∧∧
(‥ )なんにも見えませんね
 ゜-
     (‥ )水滴が大きすぎたかな?

 というわけで指でちょいと水をとっていい感じに膨らんだ状態になったのでのぞいてみる。

 ∧∧
( ‥)おー見えます、見えます
  -゜
     (‥ )すこしぼやけて見えるし、ぼよんぼよんと
      ゜-  視界がゆれるけども、そのへんのルーペより
          倍率が高いね。*水滴の形態による。

 5円玉の穴に水滴レンズ。昔なにか本で読んだ知識だよな、と思いつつ、さっきネットで調べたら、凹レンズにすることで小さくする技もあるらしい。やったけどうまくいかなかったが。

 それにしても思うに。


 ∧∧
( ‥)レンズ眼の進化って思ったよりも簡単なんでしょうね。

     (‥ )光を感じる細胞1〜数個と
         レンズになる丸い細胞が1個あればいいだけ
         だからな。

 そもそも細胞自体が水滴みたいなものなんだから、眼の進化は簡単なんだろう(実際、何度も進化している)。

 ∧∧
( ‥)創造論者の人たちは眼のすばらしさとその奇跡を
    うたいますよね。

     (‥ )創造論者だけじゃないけどね。

 科学、科学と言って、物理や工学とかじゃ一見すると破綻していないように見えていた人間が、進化の話題になった途端に「機能的な組織を作り出す合目的で特別なシステム」をいそいそと想定し始めるその有り様は、ありがちであると同時に奇怪でもある。

 ∧∧
( ‥)自然淘汰で説明できないから種が一斉に変わるとか
    神様とかインテリジェントだとかって、呼び名が違うだけで
    どれも「想定する必要がないのに導入された大げさなしろもの」
    ですからね。

     (‥ )その発案者は、機能を作り出すためには
         知性を想定することしか思いつけない知性でした。
         そういうことだね。

 あら無惨。

 昔、かしこい人がいて、知性抜きに機能が出来上がる仕組みを説明したけども、そういうことを思いつける人はごくわずか。

 ∧∧
(‥ )それにしても水滴レンズでここまで拡大できるとは
 ゜-
     (‥ )レーウェン・フックは用いた最初のレンズに
         蜂蜜のしずくを使ったって本当かな?

 

 

月人、地球に着陸す

 
 公園ではホタルが最盛期。夜も更けるとホタルはあまり飛ばなく、光らなくなるけども、いってみればぴかー、ぴかーと光ってた。

 むぉうーむぉうー

 ∧∧
(‥ )ウシガエルさんも鳴いています。

    (‥ )でっかい声だよなあ。

 ぷけっ とも鳴いていた

 ∧∧
( ‥)しゃっくりですかね?

    (‥ )どうだろね?

 さて

 googleで地球を見ると、ああこれは面白いなあと思う。特に植生が少ないとかそういう理由で地質構造が見えているところは特にそう。

 モロッコ、アルジェリアあたりにあるうねったような地形はなんだろう? 大規模な地層の褶曲でも見ているのかどうなのか。今度、文献を調べてみよう。

 ∧∧
(‥ )南アフリカの南端で東西に続く地形も
\-   面白いですね。褶曲っぽく見えます。

     (‥ )ストリートビューだと切り通しで
         地層が見えたりするけども、赤や灰色の層が
         堆積してなんか印象的だったな。

 オーストラリアにも面白いところがあるし、チリやボリビアには火山が、カナダにはクレーターが幾つもあるのがすぐに見つかる。アイスランドなんかもきれいだった。

 ∧∧
( ‥)あなたが月人だったらどこに探査機を
    着陸させますか?

     (‥ )うーん、どこがいいのかなあ?

 ヒマラヤとかアルプスにも降ろしたいのは山々だけども、いくらなんでも無茶っぽいよねえ? 広くて、平らで、周囲に山がなくて宇宙船を安全に着陸させられそうで、なおかつ地質学的に成果を上げられそうなところはどこだろう?

     (‥ )カナダのクレーターは当然なんだろうなあ。
      □- ボリビアやチリの火山とその周辺も
        安全に着陸させられそうだし
 ∧∧
( ‥)阿蘇山も植生がなかったら着陸にはどうなんでしょうね?

 かなり開けているから着陸は可能だろうか? まあ、実際には人間が開墾しているし、人類がいなければ植生に覆われるし、生物がいれば土壌ができて岩石がそれに覆われてしまうわけで、地質学者にはちと困る惑星だし、地域であるのだけど。

 ∧∧
( ‥)でも、モロッコ、アルジェリア、オーストラリアなんかは
    現在そのままの状況でも調査にはかなり理想的っぽいですよね。

     (‥ )ああいう褶曲構造(なのか??)とか堆積岩は
         月にはないだろうから
         月の地質学者なら興味津々なんだろうね。

 とはいえ火成岩も採取して地域の年代、さらには火山活動がどの程度の期間、地球で継続してきたのか調べたいに違いなく。さてさて、それを考えるに、どこへ降りればいいものやら。

 
         

2010年6月23日水曜日

月人、地球をのぞく

 
 一仕事終えた。取りあえず休むにしても
 
 ∧∧
( ‥)〆切りに猶予はできましたが・・・
  -□

     (‥ )状況は楽観できん。

 というか。ああ、それは北村さん良かったですけども、こちらの作業はどうなりますか? と別件の方から心配の声。そうなんだよねえ、時間は1次元だからなあ・・・・

 ∧∧
( ‥)現在が詰まると、未来のすべてが詰まります。

     ( ‥)ドミノだドミノ。

 あるいはこう? 時間を借金する人生。

 さて

 もしも月世界に月人がいて、その地質学者が望遠鏡で地球をのぞいたらどう解釈するだろう?

 ∧∧
( ‥)大気、雲、海があるから天候現象に興味を持つ一方で、
    地球表面のすべてが見られないから歯がゆいでしょうね。

     (‥ )月人は火山をどう解釈するんだろうねえ?

 googleの航空写真で見ると阿蘇山はなんとなくクレーターっぽく見える。

 ∧∧
(‥ )でもインパクトクレーターにしては中央丘が
\-   大きすぎませんか?

     (‥ )おまけにてっぺんに”穴”が開いているもんな。

 たぶん、月人の地質学者もそのことには気がつくんだろう。インパクトクレーターにしては形も比率も変だと。

 ∧∧
( ‥)でも月人の科学者さんはこれが火山だと
\-  気がつくのでしょうか?

     (‥ )うーんどうだろう? 

 ドーム、月にあるむにょっともり上がった、なんというの? 皿を伏せたような高まりのこと。この月のドームは月の火山だとされている(マリウス丘陵はそういうものの集合)。その中にはてっぺんにちょこーんと穴が開いているものもある。たまたま偶然、隕石がちょうどいい具合に衝突して開いたというのでないのなら、多分、火口なんでしょうねえ(少なくともそう解釈はできるよね、とは言われているらしい)。

 ∧∧
( ‥)月のドームから考えると、地球の阿蘇は火山だと
    月の人は解釈するというわけですかね?

     (‥ )でもそういう考えに説得力をもたせるのは
         なかなか大変かもしれないねえ。

 月は時々、発光などの異常現象が報告されることがあって、今でも火山活動がごく小規模に起きている・・・とも言うけども。

 ∧∧
( ‥)あれですよね、明白な火山活動はないんじゃなかった
    でしたっけ?

     (‥ )とするとだ。月人の立場からすればドームという
         地形の成因を説明するために地球の火山を使う
         ということになるんだよな。

 長い時間観測していれば地球の火山が活動していること、円錐の高まりの真ん中てっぺんにしばしば明瞭な穴があること、そこから気体を放出すること、赤く輝く液体も流れるが、それが冷えると黒くなるらしいこと、なにか砂のようなものを放出するらしいこと、それにともない山の形が変化することなども分かるはず。

 ∧∧
( ‥)じゃあ問題なくないですか? 地球の火山には色々な種類があって
    月のドームもこうした活動のある種のものから出来た、
    そう解釈できるでしょう。今はもう活動していない故郷の地形を
    地球を通して理解できるわけですよ。

     (‥ )画期的な研究ではあるんだろうな。
        とはいえ疑問も疑義も残るだろう?

 例えばの話。

:阿蘇山は”火山”の周囲に円形の構造物がある。これはクレーターではないのか?

 ∧∧
( ‥)否定はできるでしょ? 月のクレーターの中央丘は
    火山じゃないんですから。

     (‥ )でもこういう風に考える月人もいるかもしれない。

:阿蘇山は隕石衝突のインパクトによって、中央に火山(月のドームに相当する地球の構造物)ができたクレーターである

 ∧∧
( ‥)あーいやーそのーなんだ。
    あからさまに間違ってますよね?

     ( ‥)他の月人はどう反論するか?
         あるいはそういう仮説では地球の地形が説明できない
         そのことに他の月人は気がつくだろうか?

 例えばこう?

:カナダのマニコーガンクレーター(Manicouagan crater)を見よ、そんな構造があるか? 
:我々がいる月のクレーターを見よ、中央丘が火山か? 違うだろ?
:地球の個々の火山を比べよ、富士山は火口が小さく、大島の火口はやや陥没した中央にあり、箱根はさらに広いではないか

 ∧∧
( ‥)ゆえに阿蘇山の円形構造は火山が自力で作り出すもので
   インパクトクレーターではないと判断しうると。

     (‥ )できるんじゃないかなあ、とね。


 だけども、月人は地球でどうして火山活動が今でも活発なのか? そしてどうして火山が奇妙に片寄った分布を示すのか、その疑問には答えられるだろうか?

 ∧∧
( ‥)例えば地球の内部はまだどろどろに
    融けているのだ、そう考えるかもしれませんね。

     (‥ )だがそうだとしたら火山の片寄った分布を
         月人はどう説明する?

 ∧∧
( ‥)地球の海の下の構造は分かりかねるでしょうねえ。

     (‥ )よもや海底の地形に間接的なヒントが
         隠されているなんて想像もしないだろうな。

 地形が見えたらどうだろう? 地形と火山の分布に対応関係があることは分かるだろう。だけどもその具体的な因果関係は分かるだろうか? そもそも月にプレート運動なんてないのだから、月人はプレートテクトニクスという概念も、プレートが沈むという発想も多分もってないだろう。もっていても、それでもなお、答えにはまだほど遠い。

 そんな彼らが知恵を振り絞った時、地球の火山をどう説明するだろう?

 


2010年6月22日火曜日

地名が分からない

 
 ひさかたぶりに晴れて月が見える。

 ほんの少しだけ余裕ができたので・・・

 というわけで望遠鏡を引っ張りだしてのぞいてみました。

   ∧∧ 
\\(‥ )この月齢ではマリウス丘陵はまだ見えないのでは??
  ̄ -
     (‥ )まあ、予行練習よ

 ただ、地図が手元にないので見ているのがどこなのかさっぱり分からない。まあ、資料は発注したから、そのうち、色々なことが分かるだろう。

   ∧∧ 
\\(‥ )でも、見ているだけでも楽しいですね
  ̄ -
     (‥ )改めて見てみると色々な地形があるよなあ。


マリウスの丘をゆけ

 
 寝ちまった。

     ( ‥)体が少し重い。
 ∧∧
( ‥)適当に寝るからですよ。

 本日、というかもう昨日か、打ち合わせのために横須賀方面へ移動したので、その時間を利用して「惑星地質学」東京大学出版会 2008 に眼を通す。

 前も書いたように世の中には「隕石衝突でクレーターができれば火山噴火が起きる」そう思う人がいる。例えばこんな案配、白亜紀末期の大量絶滅の時、インドでは長期間に渡る大規模な火山活動が起こり、片やメキシコに巨大隕石が衝突しているのだから、、、、

 ∧∧
( ‥)きっと隕石衝突がインドの大噴火を
    誘発したに違いない。

      (‥ )そういう新説を思いつく、言っちゃうのは
          そりゃあ個人の自由かもしれんけどさ。
 
 だけどもそれはもう科学の範疇に入り込んでいるのだから、個人の自由を通り越して科学の土俵で話を展開しなけりゃならぬ。つまり例えばマントルは固体なんだから、地殻を打ち抜かれた状態でマントルが融けてマグマがぼこぼこ大噴火する(あるいは衝突地点はそうなっていないのに、その反対側に火山活動が起きる、その)条件を、、、

 ∧∧
( ‥)地学の人が納得できるように、さらに既存の仮説、理論、
    データを説明できるようにしないといけませんよねえ。

     (‥ )まあそもそもそんな説明が可能なのか?
         ということが問題なのだけどね。

 しかしあの手の提案者は見た限り、そういう説明のはるか手前で止まっているっぽい。例えばの話、メキシコに出来たクレーターは火山と関係あるだろうか? というか火山噴火を実際に誘発させたクレーターがどこかにあるだろうか? あるのならその証拠は何か? それにそもそもマグマがどこでもぼこぼこ噴き出すものなら地球の火山分布って明らかにおかしくね?

 だが、地球から眼を離し、天を眺めやると、そこには謎の天体が浮かんでる(前に書いたのはこんな→*

 ∧∧
( ‥)月の海、お月様のうさぎさん部分は玄武岩
  -□
      (‥ )あれはいかにも巨大なクレーターの底が
          噴出した溶岩にすっかりおおわれた状態。
          *クレーターの奥からしみ出したで
           よさげと思えるけども、その解釈が
           妥当なのかは文献/論文/未確認

 あんな小さな天体で、しかも水もないのになぜあんなに溶岩が溢れ出すわけ? 熱源は何よ? という個人的な謎。
 
 よく聞く話ではあるけども、月の海(玄武岩)を作った火山活動は月の歴史のごく初期(39〜32億年前)に起きた話で

 ∧∧
( ‥)だとすると、地殻の下にある、すでに/まだ融解している状態の
    マントルなりなんなりが噴き出したという理解でOK?

      (‥ )最低限、月は過去において、表面からかなり奥の方まで
       □- 1回融けたことがある。そう考えると
          月の表面を作る鉱物が軽い鉱物であることを
          説明できる、そういう理論はある。

 ようするにマグマの海が冷却していく過程で元素と鉱物の分別が起きたとすれば良い、逆にいうと、月の表面が軽いということはそういうことだ、という説明

(*するとこの場合、表面は結晶した軽い岩石で固まっていても、そのずっと奥はまだ融けている? それなら隕石衝突が地殻をはいで、さらに断層が奥まで届けばまだ融けている岩石がマグマとして滲み出て来れる?? ←この解釈が妥当かどうかはまだ未確認 ついでにいうと前半はともかく、後半のおおげさな解釈をする必要があるのか? とも言えそう)


     ( ‥)しかし、鉱物と元素の片寄った分布を説明するために
       -□ 月を融かすとはこの仮説、大胆な。
 ∧∧
( ‥)それだけの膨大な熱がどっからきたの?
    という突っ込み、疑問が必ず入りますからね。

 天体の表面が一様にマグマに覆われるというのは、これは(当たり前だけども)素人が思っているよりも大変なことであるらしく、ジャイアントインパクト説がそれをも説明してくれるのか、さらにここに放射性物質も関わっているのか(関わっていないわけはないけども、関与はどの程度か?)はまだ把握できず。

 ともあれ言い換えればこう? 

 ∧∧
( ‥)月の海を作る玄武岩、かたや地球の海洋プレートやインドの
    噴火で噴出した玄武岩をマグマにまで融かした熱。
    それぞれの熱、あるいは融解の原因はどこからきたのか? 
    それを理解せよ、ということですかね。

      (‥ )由来、というか仕組みがいささか違う
          そう考えるべきなのか、どうなのか。

 地球と月、それは違う(最低限同じではない)と考えるべき、なのかな?

 ともあれ、月と地球の火山活動がだいぶん違うらしい、というのはまあ、火山の有り様を比べれば分かる話・・・、とここまで考えてふと疑問に。

 ∧∧
( ‥)月の海が地球のいわゆる洪水玄武岩(インドなどで噴出した)に
    対応しそうだなあーというのはともかく、
    地球のような火山に対応する地形は月にあるんですか?

      ( ‥)とっいうことも含めて「惑星地質学」に
        -□ 眼を通したのだが・・・・

 嵐の海にあるマリウス丘陵(Marius hills)が例えばその代表らしい。

 ∧∧
(‥ )うさぎさんが餅をつく、臼の下にあたる
\-   ところみたいですね。

      (‥ )画像もひっかかってきたけども、これね
       □-  →the-moon - Marius Hills


 一応、別の文献でも確認。マグマは冷えるに従って鉱物が結晶していくが、この地形はその残りの粘性の高い液がぐりっと出た感じ/解釈をされているらしいけども。
 
 ∧∧
( ‥)素人にはよく分かりませんが、
\-   溶岩流が作ったらしい谷の起点にある
     丸いのは火口なんでしょうか?

      (‥ )どうなんだろうねえ。わからんなあ。


 望遠鏡ではどのくらい見えるだろう? 見てみたい。
   

2010年6月21日月曜日

そりゃあさあ、怖いよねえ、怖いんだよ

 
 
     (‥ )まあ、資料でもなんでも、英語だけど
         眼を通しておいてねって言われたら
         そりゃあみんなブルーになるよな。
 ∧∧
( ‥)面倒くさいですしね


 それもそうだけども、あの、世の中で目にするあまたの不安感たっぷりな反論とか必死の理論武装とかは面倒くさいでは説明し切れないと思う。

 ∧∧
( ‥)まあ面倒くさいと不安感はずいぶん
    離れていますからねえ。

     (‥ )あれだろ? 社会的な立場を破壊される恐怖だろ?

:子供から話せる英語を教えましょう
→英語を話せないオレ様の立場が下克上・・・

:英語話せるようにしないと国際的に通用しない
→今まで「あいつってメジャーじゃ通用しなかったよね〜〜」と外野から言いたい放題だったのが、突然マウンドに引きずり出されて、社会的実力を今こそ示す時、できなかったらお前の実力って何? とにこやかに言われた感じ

 ∧∧
( ‥)恐怖なんですか?

     (‥ )社会生活をするサルにとってはだね、
         社会的地位を失うのは死ぬに近似なんだよ。

 あの必死の抵抗と理論武装と不安感はそうとでも考えた方がたぶん説明しやすいと思う。

 ∧∧
( ‥)怖いんですか?

     (‥ )怖いんだよ。

 家族、同僚、取引先、彼女、子供の前で赤っ恥をかくようなことになってごらんよ? 今まで平均的に適当に生きて、ありきたりな努力と才能でつかんだメッキがぼろーーーっとはがれてみなよ?

     (‥ )死にたくなるか、リセットボタンを探すか
         タイムマシンが欲しくなるだろ。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあ、そうかもしれませんね。


 怖いんだよ。特に〆切り間際は。

 

むごいくらいだ

 
 英語。英語が嫌いな人は多い。というか英語を子供の頃から教えようと言うと、いやその前に日本語を・・・とか言う人が必ず出るし、

「彼氏が和文雑誌に載ってた。別れたい・・・・」

というギャグを聞くと笑うんじゃなくて、そんな場でさえ「いや、その前に日本語を・・・・」と言う人もいるくらい。

 ∧∧
( ‥)みんな英語コンプレックスなんですね。

     ( ‥)劣等感、抱えているからなあ。

 しかしだよ、以上のように「日本語を・・・」と言う連中だって、プロ野球よりはメジャーだとか、どっかのチームよりはイタリア、ブラジルって(たぶん)言うわけでしてね、結局のところはね。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、国内1億2000万と戦うのと
    世界に打って出るのとではねえ、
    求められる実力がねえ、違いますからね。

     (‥ )そんなことは分かっていても、英語と言われると
         ぶつぶつうだうだ言うわけさ。

 気持ちは分かるけど。

 ∧∧
( ‥)あなたも英語だめだめですからね。

     ( ‥)論文を辞書引いて読めるくらいだもんなあ
       -□ *小説や日常会話はさっぱり分からない

 そりゃあ気持ちは分かるけども、だからといってやらないわけにはいかない。というかやらないならグダグダ言わんと、さっさとすっぱり全部あきらめろ。

 ∧∧
( ‥)論文読まなきゃいかんのですよ。

     (‥ )そりゃあね。編集者だっていざとなれば
         英語の論文を苦労して読んで、取材にいく
         からね。

 全員がそうするわけではないですけどもね、もちろん。しかしそうなればやらないわけにはいかんでしょうさ。

 ∧∧
( ‥)英語は国際語ですから

     ( ‥)英語圏の人が思っている以上に国際語だからなあ。
       -□

 以前、ある即売会でオーストラリアの人が「ええ?? 英語ってこんなに世界中の人に使われているの??」ってびっくりしてたから。

 ∧∧
( ‥)大英帝国圏であった、イギリス、アメリカ、インド、
    アフガニスタン、パキスタンは言うに及ばず

      (‥ )日本、台湾、ブラジル、ロシア、ドイツ、フランス
          国際舞台じゃあ共通語は英語だよな。
           参加した連中の使用言語は全部英語だ。

 当然、国際誌ともなれば英語がほとんどメインだし、国際的に勝負するとなるとそれはやっぱり英語です。

 ∧∧
( ‥)野球やサッカーなら腕と足で、
    数学なら数式でカバーできるんでしょうけどね。

      ( ‥)自然科学はなあ、専門用語+科学哲学+英語
          だよなあ。*科学哲学とはこの場合広い意味

 ∧∧
( ‥)そして当然、国際舞台になるとさらなる競争が
    あるわけです。

      (‥ )こんな感じで上下関係とコンプレックスが
          あるっていうかね。

 日本語 < 英語 < 英語+冴えてる < 英語+冴えてる+数学 

 世の中には英語がしゃべれて数学できて、現場で作業して、解析するためのプログラムを自分で組んで、そいでもって論文を書く人間もいるわけで。

 
      ( ‥)しかもあの人、おいらと同じくらいの
          年齢だもんなあ。才能と経験と努力の差は
           圧倒的じゃないか、を通り越して
           はるかにぶっちぎっている。
 ∧∧
( ‥)人間のこの差たるや、何かの歌詞じゃありませんが
    むごいくらいですね。

 さりとて

 ∧∧
( ‥)やらないわけにはいかんでしょう

      (‥ )やらないわけにはいかんな。

 そして、世間は(というか科学界はというの?)こういうことやらないやつに冷たいのよね。

 ∧∧
( ‥)・・・・当たり前でしょ、そんなこと。

      (‥ )当たり前ですよ、こんなこと。

 国際舞台の大乱戦で勝ち抜くことを夢見て、学生時代、院生と泣きそうになりながらも辞書引いて、努力して勝ち取ってきた人たちですよ。そこであんた、「僕ちゃん、英語しゃべれないし読めないし、読む気も努力もしないけど、オレ様の考えた意見を聞いてくださいぴょん」なんて言ってごらんよ。

 ∧∧
( ‥)どっかの誰かさんいわゆるフルボッコ
    だったでしょ?

      ( ‥)まっ、そりゃあなあ。あげくに実験したくないもん
          なんて言った日にゃなあ・・・・。

 世の中にはなんにもしないくせに口だけでかい途方もないへたれがいる一方で、はるか上空を駆け抜けていく人もいる。

 ∧∧
( ‥)そしてあなたは

      (‥ )よろよろ歩くしかないよね。
       □-  この論文、文章が達者なのか
           読むのが大変というか。

 ダーウィンほどではないですけども・・・・・疲れた。

 

 

2010年6月20日日曜日

メタな理解っていうんですかね?

 
 分かった、ということは現実を理解していることではない。あるいは分かったという実感があるからといって、その理解が妥当であるとは限らない。

 
 ∧∧
( ‥)そもそも科学の歴史がそうでした。

      (‥ )分かったと思っていた、正しいと思っていた理論が
          間違っていた/妥当ではなかった、そういうことが
          ”分かる”連続だった。

 よりよく言えばこう? 現実を説明できるより良い理論を発見してしまいました。

 ∧∧
( ‥)古い、良く説明できていた理論Aが”旧分かった”で、

     (‥ )新しくて、より良く説明できる理論Bが
         ”新分かった”

 ∧∧
( ‥)でも世の中の”分かった”は理論を把握した、
    ”この理論はこういう体系です(に違いない)”
    と”自分なりに理解した”ということですよね。

     (‥ )そうねえ、科学の分かったに対して、世間が科学に
         対する理解はいわゆる俗語で言うところの
          メタな話っていうかねえ。

 メタ理解って言うの?

 ∧∧
( ‥)サイエンスライターの分かりやすい文章ってのは
     メタ理解ってことですかね?

     (‥ )ゆえに不正確になるとも言えるかもね。

 不正確が単純に”解像度が荒くなる”のだとしたらまだしも問題は少ないけども、不正確さが、バグを持ち込むとその”メタ理解”は致命的。

 ∧∧
( ‥)でも理解しやすい、分かりやすいってのは
    しばしばバグったメタ理解ですよね?

     (‥ )だから理解した、分かった、という実感で
         確信を持つのは危険なんよね。

 そういえば前にも書いたように、世の中的には地球の内部はどろどろに融けた溶岩で出来ていると思われているらしい→*(某博物館の人に聞いた限りでもやっぱりお客さんの多くはなんとなくそう思っているそうだ)。

 ∧∧
( ‥)でも、分かりやすい勘違いですよね?
    火山からは溶岩がぼこぼこどろどろ流れてきて
    ますからね。

     (‥ )だからきっと内部は融けているに
         違いないってね。

 だけども地震波、地殻内部における温度上昇をそのまま当てはめて(しまって)考える温度、圧力の増大による物性の変化その他もろもろを組み合わせると、マントルは固体じゃんよ、岩石(おそらくはカンラン岩)やがな、融けてなんかいないよ(逆に言うと温度を算出できる)、という話になる。

 ∧∧
( ‥)でも、溶岩が流れることから内部がドロドロに違いないを
     類推したのなら、それ自体はメタ理解とは
     言わないかもしれません。

    (‥ )科学理論を理解したっていうよりは、科学的な作業の
        第一歩という感じだからなあ。

 でも、隕石衝突でクレーターができると地球に穴が開いてマグマがぼこぼこぼこ〜〜〜っと流れる、火山噴火どっかーんだと考える人たちはどうだろう? 中には科学の啓蒙書を読んでそういうことを思いついている人もいるみたいだから、ここまでくるとなんかちょっとメタっぽい? 科学のオレ様理解というの?

 鳥の進化仮説をオレ様全開で論じているどこぞの掲示板。最近はクラス進化論まで飛び出すなど、もう絶頂な感じなんだけども。あっこでは隕石衝突で地殻が吹き飛べばマントルの融点が(融ける程に)下がるとか、衝突で岩石が融けるから火山噴火が起きるとか論じていたのを思い出す。

 ∧∧
( ‥)メタっぽい?

    (‥ )どうなんだろうねえ。ただ、幾つかの正しい
        知識や記述に基づいて解釈しているみたいだから
        ちょっとメタっぽいかもね。

 しかしながら、地球のクレーターの地質調査でそんな火山噴火どっかーんな痕跡がでてきたことあったっけ? ということは言えるだろうし、人間が爆薬で作ったクレーターにも中央丘ができたのはなんでだろうとかなぜ考慮しない?

 ∧∧
(‥ )岩石は融けるでしょ?
\-
    (‥ )ああ、表面が融けた衝撃変成の結晶とかもあるからね。
        あれ、感激だよなあ。
         だから融けることは融けているよねえ。

 ∧∧
( ‥)熱水活動の痕跡があった例もあるみたいですよね。

    (‥ )まあね、でもそれを言ったら東京で温泉付きの
        マンションが販売されたのってどうしてだと思う?
        ということになるんじゃないの。
 
 分かった、これが正しいという確信ってなんだろうか? 実のところそれは、分かったという実感を申し述べているだけで、その科学理論をどの程度理解したのかとか、そのメタな理解が現実とどの程度整合的であるのかとか、そんなことはまったく語ってもいないし、保証もしてくれない。
 
 
 

2010年6月19日土曜日

分かったって何が分かったんだい?

 
 でっ、新江ノ島水族館に行って、そして帰宅。

 
     ( — —)ちょっと疲れました。
 ∧∧
( ‥)さいですか。
 
 
 ゴエモンコシオリエビのお腹を堪能。サガミハオリムシ動いてる。シロウリガイ、追加があったんですね。
 
 
     (‥ )ユノハナガニ落ち着きなーい
 ∧∧
( ‥)せかせかしてましたねえ。
 
 顎脚で触角をぬぐってきれいにする白い陶器のような姿、熱水に空けられた外殻のこげた穴、その有り様と仕草とはすばらしい。
 
 さて

 
 分かった、分かりやすい。はあ? それで一体何が分かったのだと?

 ∧∧
( ‥)一通り読むことで状況を把握しました。
    私なりに。
 
      (‥ )理解。それはこういうことだよねという解釈。
         ようするに理解は仮説だよな。

 科学が無数の仮説と、その妥当性を検証する過程と果てしない戦いの場であるというのであれば、科学の本やその成果を理解したとは、仮説の検証過程が今現在こういう状況? という状況把握。

 というか状況把握の仮説と言えば良い?

 ∧∧
( ‥)仮説の有り様を仮説した?

      (‥ )今、試合はどうなってる?

 1−0でリードしているが9回の裏、ファーボールで満塁。替えの投手なし

 2−0でリードしており、現在、鉄壁のディフェンスでゴールを守備。残り5分

 こうした具体的な状況把握が”分かる””分かった”に近似?

 ∧∧
( ‥)では、分かりやすいって
    どういうことなんでしょうね?
 
      (‥ )2−0で負けたよ。

 勝負の結果を端的に伝える、それが分かりやすいに近似?

 
 ∧∧
( ‥)でもさ、勝負が決まったと思って200年後に
    覆ることだってあるでしょ?

      (‥ )万有引力の法則とかな。

 今でも使える便利な定規だからほとんどの人は万有引力を敗北した仮説とは呼ばないだろうけども、広く精度その他の意味で相対性理論に場をゆずったのは事実。最低限、万有引力で物理学は終わってしまった・・・という過去の一時にはやった考えは勝利宣言を撤回せざるをえなくなったのもまた事実。

 ∧∧
( ‥)分かりやすいは分かったではない?

      (‥ )分かりやすいも分かったも、分かったという実感、
          それ自体の妥当性を保証してくれるものではない。
           そう言えばどう?

 

趣味の先は

 
 
 ∧∧
(‥ )・・・結婚って要するになんですか?
\- 
      (‥ )仕事だろ?

 ∧∧
( ‥)じゃあ恋愛は?
\- 
      (‥ )趣味じゃねーか?

 恋愛の延長で結婚すると、思うにたぶん不幸になる。

 ∧∧
( ‥)あなたの仕事はまさに趣味の延長の
    ように見えますけどね。

      (‥ )気晴らしってものが存在しないのよ。
          すべての時間が経済に支配される灰色の
           時間っていうの?

 ∧∧
( ‥)趣味と仕事が合体したらもはや楽しみのない
    世界になると?

      (‥ )趣味が仕事になった時、それは
          趣味でなくなると言えば近似?

 それでも、げーげー想いを吐くように仕事する、というか出力する人間もたまにいる。

      ( ‥)ゴッホと子供の時に出会ったおばあさんが
          言うには、彼、ぼそぼそしゃべって臭かった
           このエピソードって本当かなあ。
 ∧∧
( ‥)どうでしょうね? 

 まあ、でもいかにもって感じがすると言えばする。ああいう絵を狂気の勢いで描いて燃え尽きたのなら、いかにもという感じ。妥当性は不明だが。

 
      (‥ )絵を描くやつはまともじゃないんだ。
          うまい絵を描く人間は特にまともじゃない。
 ∧∧
( ‥)それはあなたの持論ですけどね。
 
 
      (‥ )いやそうだって、出力するものが無数に出てくる、
          それを編集する能力がある、それに没頭してしまう
          それはまともじゃないよ。
 ∧∧
( ‥)まあ、まともじゃないかどうかは知りませんが、
    平均的な人間の行動からははずれてはいるでしょうね。

 
 生物学者のヘッケルが絵を描くのが恐ろしくうまかったことを知った時は、、、

 
      ( ‥)不信感持っちゃうんだよなあ。
          絵を描くってのは編集能力もさることながら、
          それ以前に、”出力するもの”を発見してしまう
           能力があるってことだから。
 ∧∧
( ‥)湧き出るアイデアと論証の妥当性は関係ないですからね。
  -□  でもヘッケルさんの絵は空想画ではなくて
     写生でしょ?

 前、国立科学博物館でやっていた微化石の展示は、ああきれいだったなあ。すごいよ美しいよ、なんという集中力だろう、すばらしいよヘッケル。ただ、ある人が言うに彼の絵はうますぎて使えなかったと言う。それは本当だろうか? らしいといえばらしい話。もちろん、確認してみないと分からない。

 
      (‥ )絵を描く人間はろくでなし、
          人として信用ならん。
 ∧∧
( ‥)そういうことを言うとオレ様を侮辱するのか??
    と怒る人が世の中にいくらもいるでしょうに。

 いいんだよ、絵を描く人間は信用ならんと言われて怒るようなやつは能無しさ。

 ∧∧
( ‥)はあ、そうなんですか??

      (‥ )お前ら酸素がぶ飲みきもいんだよ!!
          って嫌気性細菌に言われたからって
          呼吸するのはやめないだろ?

 あふれんばかりの才能があるなれば、呼吸するかのごとく自然にそれをすればいい。それができない程度なら異能者たりえない。そんな奴は中途半端な能無しだ、能無し。

 ∧∧
( ‥)でっ? あなたは

      ( ‥)悲しいかな才能が無いように思えてならないねえ。

 とはいえ、これから仕事で海にいこう。

 ∧∧
( ‥)あふれんばかりの才気がなくても
    仕事ならばやらねばならんと。

      (‥ )井戸が枯渇しようがなんだろうが
          仕事ってのはそういうものさ。

 枯れた井戸でもなんでもいいんだ、必要とあれば掘るべし。そして趣味の延長の仕事はやっぱりろくなもんじゃない。

 



2010年6月18日金曜日

真実を伝えるジャーナリズムが疑似科学

 
 
     (‥ )ジャーナリズムは真実を伝えるべき、
         そういう意見や批判があるよね?
 ∧∧
( ‥)ありますね

 それはこう? ジャーナリズムは真実を伝えるべきものなのに、その義務を果たしていない

 
     (‥ )つまりそういう批判?
 ∧∧
( ‥)たぶんそうでしょう。

 ・・・・・・



     (‥ )逆にこう考えればどうだろうか?
         ジャーナリズムは真実を報道するものではない
 ∧∧
( ‥)はあ

 あるいはこう。構造上の問題で妥当性の追求はすぐに頭打ちになるし、あるいは最初っから書きたい文章があって、”ああたぶんこんなんだろうな”という分かりやすい結論にデータを合わせてしまって記事を書く方が都合が良いし、調べるよりも効率的。


     (‥ )ジャーナリズムが真実を報道すべきとは、
         ジャーナリズムの動態を説明できない駄目仮説。
 ∧∧
( ‥)はあ、それでその仮説を棄却しちゃうんですか。


 どうよ?



 ∧∧
( ‥)なにをいまさらって感じですが、
    ジャーナリズムは妥当なことを報道するべきでしょ?

     (‥ )するべきだ、でもしてない(あるいはできるはずの
         はるか手前で質が頭打ちになる)、という現実を
         前にしてだな、”○○が□□であるはずなのに、なぜ□□
         でないのか??”と説明できない仮説に
         拘泥するのって疑似科学っぽくないかね?

 ジャーナリズムは真実を伝えるべきだ、しかるになぜにこんな体たらくに? という主張は現実を説明できない仮説に拘泥しているのだから、いわば疑似科学状態? あるいはそれに近似、あるいは類似?

 ∧∧
( ‥)でも、虚偽の情報発信は困るんですよね。
    たとえ本人にそんな気がなくても
     迷惑ですよ。

      (‥ )そういう時はあれじゃね?
         これ正しいとは言えないでしょ。
          困りますねー、と言えばいい話じゃねーの?

 ∧∧
( ‥)あー? つまりあれですか?
    単純に、これ虚偽じゃね? と言う分には当然だけども
    真実を伝えるべきマスコミがこんなこと許せない!!
    という理論武装は微妙におかしくね? というご意見ですか?

      (‥ )だってあれじゃんよ。

 真実を伝えるのがジャーナリズムとマスコミの仕事のはずなのに!! といくら言ったところで、その”かくあるべし”が彼らの現実における動態をそもそも説明できていないのなら、そんな正当化に意味なくね?

 ∧∧
( ‥)まあ現実を説明できていない仮説で現実を糾弾するのは
    ちょっと痛いかもですね。

      (‥ )片や、これ嘘じゃーん、だめでしょ、と
          言っている分には問題ないっぺや。

 その指摘がただの事実であるのならなおさらそう。

 

 

それはたぶん上っ面

 
 ∧∧
( ‥)どう考えるべきなんでしょう?

     (‥ )そうねえ

 こう考えてみる。

1:文字を読む力があるのは官僚
2:事実、書類を実際に読むのは官僚
3:書類の文章を解釈できる能力を持つのは官僚
4:ゆえに知性と必然的に起きる間違いを反映させるのは官僚
5:民主世界において、政治家に知性は必然ではない

 ∧∧
( ‥)ゆえに?

     ( ‥)事業仕分けに問題があるとしたら

 そこに判断と勘違い(勘違いは0にはならない)が反映されているとしたらそれは官僚が仕事をしたという証拠。あるいはその反映。

 ∧∧
( ‥)政治家の皆さんは?

     (‥ )この系から抜いてしまっても結果に影響はない。
         最低限、”事業仕分け”という戦術の上ではね。

 たぶんこう考えればどう? 民主党とか”2位じゃいけないんすかー??”というファンタスティック発言ねーちゃんの存在、あるいはその言明は単なる現象の表面。

 ∧∧
( ‥)つまり?

     (‥ )あってもなくてもどうでもいい。
         系の動態を理解する上では抜いてもいい要素。

 あれは単なる上っ面に張り付いたとるに足らない要素で、あってもなくても現象の理解には関係ない。おそらく。

 ∧∧
( ‥)そういうもんですかね?

     (‥ )現時点ではそのように考えるのが
         一番うまく説明できると考える。

 まあこうも言える。公約を実現するのがうまくいかない、のは、実現不可能な公約を発言してしまったこと、なおかつ実現不可能であるとは”思わなかった”ことを示す。それはつまり、実現不可能なことを実現可能だと思っていたことに他ならない。

     ( ‥)民主世界において政治家になって社会をより良く
          しようと思うのなら”嘘”ついてでも当選する
          しかない。
 ∧∧
( ‥)でも本人達は嘘だとは思わなかったんでしょ?

 それはつまり状況が非常に深刻であることを示す。つまるところそれは状況を把握できていなかったにも関わらず、把握できていなかった状況を改善しようと考えていたということだから。

 ∧∧
( ‥)理解できていない系を操作できると
    確信していたと。

     (‥ )それは致命的だよな。

 ぷっ、選挙民ってちょろいよなー、こんな間抜けな公約信じるんだもん。まあそれはそうと適切に現実的に系を操作しなくては、という腹黒い連中の方が個人的には望ましかった。

 

2010年6月17日木曜日

彗星を見に

 
 比較的明るいマックノート彗星がアンドロメダ座のあたりを移動中らしい。

 ∧∧
( ‥)というわけで朝の3:00に公園まで
    出発しましたが

     ( ‥)雲は広がっちゃうし、夜も明けちゃうし
         どうにもならんな。

 今度はもう少し早く移動しよう。もっとも、天気予報を見る限り、天候はあまりかんばしいものではない様子。

 ∧∧
( ‥)どっちにせよ、神奈川県の中央部では
    難しそうですよね。

     (‥ )空が明るいからなあ。

 よほど条件が良い時じゃないと肉眼では見えないのではなかろうかと思いつつ。明日につなぐ。

 

陰謀論は計画的に

 
 陰謀論 陰謀だ陰謀だ!!

 
    (‥  )陰謀論をいう人ってあれだよね?
        計画的に人間が踊ってくれるっていう
        信念の持ち主なわけだよね?
 ∧∧
( ‥)? ああ、まあそうでしょうね。

 陰謀とは計画的に予定のまま動くということに他ならぬ。

 ∧∧
( ‥)あらかじめ予定された通りに個人が
    反応するってことですからね。

    ( ‥)でもさあ、他人がこちらの思惑通りに
        動いてくれるってことあるかなあ?

 まあ、確かに例えばネットで、「お前らばーか、能無し、こんなことも分からないでやんの」とか書けば

 ∧∧
( ‥)許せない許せないって反応は、
    まあそれなりに返ってきうるでしょうね。

    (‥ )でもそれ、集団の中の何割かはそれを見て、
        さらにそのうちの何割かはそういう感情を抱いて、
        さらにそのうちの何割かはその想いを実行する
        そういう話だろ?

 刺激Aに対して個人がリアクションBをとる、というものではないよねえ。まあ確かに時々、冗談みたいにというか打てば響くように刺激Aをすると反応Bを返す人はいるけども、普通、人間の反応はそんなに分かりやすくないし、予想もつかない。

 ∧∧
(‥ )通行人AからZまでにライオンをけしかけたところ
\-   全員が同じ反応、逃走するを示しましたが。

    (‥ )いやその、強烈で根源的な刺激ではそういうことも
        確かにあるんだけどさ。

 逆にいうとこう? 陰謀論を唱える人は、”人間は刺激Aに対して確実に反応Bを返してくれる”と思っているということか?

 ∧∧
( ‥)そうでなければ理屈に合わないでしょうね。
    陰謀論は人間が非常に規則的に正しい
    リアクションをとることを想定していると。

     ( ‥)でもさあ、人間はそういうものではないし、
         そもそも経験からして陰謀ってあったかな?

 思い出せ、思い出せ。

 ああ、そういえば

     (‥ )先生が学校の近くの本屋でエロ本を買っているのを
         生徒に見られて、その生徒に1000円を渡して
         口止めしたんだが、翌日にはそれが話題になっていた
         というのがあったが。
 ∧∧
( ‥)それは陰謀というよりは密約したんだけども
    簡単に破られたって話ですよね?

 ああ、他にないか? ないか?

     ( ‥)小学校の時にホームルームの時間に先生がいうには
         学年のある子が他の子の背中をナイフでばっさり切った
         けども、ナイフはこういう風に使ってはいけません!!
         こんなことはお家の人に話してもいけませんと・・・
 ∧ ∧
(  ̄  ̄)それはもみ消しやがな。

 ナイフで同級生を斬りつける荒れる小学生とか聞くと、へー、最近はもみ消さなくなったんだーという感想を。
 
     (‥ )陰謀ってどうやれば計画的に
         遂行できるのかね?
 ∧∧
( ‥)スキャンダルをもみ消すのが
    精一杯なんじゃないですかね?

 陰謀論、それは計画的に遂行できるほどに予定調和なものなのか?

 

 

2010年6月16日水曜日

ハットンさんは何をした?

 
 公園へいって本を読む。本日の神奈川県は蒸し暑い。湿気が多くて風がふいても丘の上は今ひとつさわやかならず。

 ∧∧
( ‥)読んでいる本は岩波講座「地球科学6」
    地球年代学ですね

     ( ‥)ちょっと面白い箇所だけ飛ばし読みという
       -□ あまりよくない読み方なんだけども・・・

 James Hutton さん。18世紀末の人物だけども、海底に堆積した地層は突き上げられ(ようするに隆起するってことですね)、褶曲し(ようするに波のように地層がたわむ)、陸地になった後で浸食され、それが再び沈下して地層が堆積し・・・・

 ∧∧
( ‥)ようするに不整合(地層の堆積と次の地層の堆積の間に
   地層が堆積しなかった空白がある)の概念とそれが成立する
   メカニズムを最初に考えた人だと。

     ( ‥)だけど、ハットンさん、考えてから自説を裏付ける
       -□ 地質現象を探し求めたって書いてあるんだよな。

 ∧∧
( ‥)理論を考えてから典型的な例を探し求めたと?

     (‥ )でも、理論が何もないところから出るとは
         思えないから、最初に何かを見て
         思いついたんだよな?

 まあそうねえ、身近なところでも不整合の地層はあるわけだし。

 ∧∧
( ‥)あちらはイギリスですけど、こちらでも家の近所を
    見れば河原の堆積物の上に赤土が乗ってますよね。
    イギリスの地層はもっときれいでしたっけ?

     (‥ )思いつくのはありっちゃありなんだよな。
         三浦半島とか足をのばせば深海堆積物の上に
         赤土が堆積しているし、褶曲というか
         下の地層は水平からずれているしね。

 もっとも、家の近所でうんぬんという事例はいずれも赤土で、赤土は火山性の降下物だから、ハットンさんの堆積、隆起、浸食、沈下、堆積、隆起、というサイクルとは言いがたいのだけども(堆積、隆起、堆積/浸食、で後半の沈下と堆積、隆起が抜けている、ということ)。

 ともあれ、たぶんハットンさんは

 ∧∧
( ‥)何か手近な観察からとっかかりを得て、それを
    説明する仮説を思いつき、、、、

     (‥ )それを支持する強烈な例を求め探したって
      □-   ことだよな。

 3年後、ハットンさんは直立したシルル紀の地層を覆う、デボン紀の地層をついに見つけて感動に打ち震えたらしい。

 ∧∧
( ‥)自身が思いついた仮説が強烈に論証された
    瞬間です。

     ( ‥)あー? でも最初は何から思いついたの
       -□ だろうねえ?
 
 理論は思いつきから始まってもかまわない。それがちゃんと論証されればそれでよい。でも最初の思いつきってどんななの?

 
 

砂上の楼閣

 
 
 ∧∧
( ‥)それにしても、そろそろ考えているだけでは
    だめですね。

      (‥ )blogだけでも駄目だな。HPのコンテンツに
          していかないと。

 HPのコンテンツにする。つまり、もっとしっかり調べないと。そもそもHPのコンテンツ自体、あちこちにがたがきている。

 ∧∧
( ‥)そして考えてばかりだと
    理解が砂上の楼閣になっちゃいますから。

      ( ‥)そういうのありがちなんだよね。
        -□ まずは仕事なんだが。

 この前、科学哲学の本を送られたから、それをちゃんと読みますか。そしてそこから論文や著作物へ。

      (‥ )今、読んでいるのは堆積岩の本なんだが
       □-  これがやっかいでねえ。
 ∧∧
( ‥)地学は難しいですよ。

 

なんちゃって論理

 
 予想するに

 一律に定義できて・論理的なら良し、という人は物理学では破綻が(あまり)表に出てこない。

 しかし化学、分子生物学となってくると破綻が表に出てきはじめて

 そして、進化学、系統学では破綻のあげくにしょうもない理論に飛びついたりする→*

 ∧∧
( ‥)予想というか、幾つかの事例を説明するために
    あなたが持ち出した仮説ですね。

      (‥ )まあ、一律に定義できるのなら、それは
          論理的に扱えうるから、一律に定義しやすそうな
          物理学の世界では、いかにもそれでうまく
          いっているように見えるだろうな、とね。

 しかし、陽子や中性子や電子が一律に定義できて、なおかつそれが過去、現在、未来においても同じ性質であろうとしても(もちろん、この仮定が正しいという保証は論理的には正当化できない)・・・・・

 ∧∧
(‥ )そこから組立てられた元素からしてすでに
 □-  一律なものではありません。

      (‥ )化学の段階で一律/論理的は怪しいからなあ。

 生物学ではいわずもがな。

 
      (‥ )問題はだ。一律に定義できる、論理的に正当化できる。
          そんなものはごくわずかしかなくてだね。
 ∧∧
( ‥)まあねえ、電子が未来永劫同じ性質を持つものだって
    前提は・・・・

 勝手にそう前提したか、あるいは昨日も今日もそうだから明日もそうでしょ? という帰納論に基づくわけで、つまるところそれは、ゲームの設定と同じか、あるいは論理的には正当化できない推論によった答え。

 ∧∧
( ‥)つまり、論理だ、一律だ、と言っている人々も
    演繹や論理以外の推論方法を用いているわけ
    ですよね。

     (‥ )帰納論やアブダクションを使わないと
         僕らは1秒たりとも活動できないよ。

:5分前の自分と今の自分が同一であることを論理的に証明せよ
:塩をコップの中の水にれたら水がしょっぱくなった、しょっぱくなった原因がその塩であることを論理的に証明せよ
:今見ている光景がバーチャルな映像ではなく現実そのものであることを論理的に証明せよ。

 ∧∧
( ‥)論理的に証明せよ。

     (‥ )無理です。

 できるという人はやってみてください(例題:ビリヤードの玉Aを玉BにぶつけたところAは静止して、Bが動き出した。Bの運動の原因がAであることを論理的に証明せよ)。

 
 ∧∧
( ‥)一律に定義・論理的に真なるものは真なり、
    それをいう人も帰納論やアブダクションを使います。

     ( ‥)だけども、帰納論やアブダクション→*でつまづく。
         いやむしろ、だからこそつまずくというの?


 論理的に答えを出せるはずだ、そう言っていた人が系統学の分野で途端に大破綻したりするのを見たりする。

 ∧∧
( ‥)オレ様鳥進化論者とかですか。→*

     (‥ )まあねえ、該当しちゃうかもねえ。

 ドローの法則に基づいて系統解析すればいいとか(実際にはドローの法則は形質の向きを決定するだけなので、複数の仮説のどれを選ぶのか? という肝心なチョイスでは役に立たない)、こういう進化の経路を通ったに違いない、見ろ、見ろ、とか、

 
    ( ‥)これこれゆえにこうである、
        そうは申し述べているんだけどさ
         それって論理じゃないんだよな。

 ∧∧
( ‥)アブダクションですよね。つまり本当は彼らは
    論理的に考えていないんじゃないですか?

 
 たぶん、、、そうなんだよねえ?(*論理的に考えないことが悪いのではない、帰納やアブダクションの正当化がなっていないということ) 


    (‥ )実際さ、一律定義で論理的であるものが科学である、という
        意見を論理的に証明することってできると思う?
        疑問だよなあ。
 ∧∧
( ‥)”一律定義で論理的”=”科学”か、
    ”一律定義で論理的”は科学を包含する、か
    そうでなくちゃ成立しないんじゃないんですか?

 それを論理的に証明できる?

 あるいは意地の悪いことをいえばこう。再現性のあるものこそ科学だという定義はどう論証すれば正当化できる?  例えばの話、それを論理的に論証することは可能?

 ∧∧
( ‥)無理じゃないですかね?

     (‥ )なんかね、無理っぽいよねえ。

 より意地の悪い質問をすればこう?

 ニュートンの万有引力が論理的に導けることを論理的に証明せよ。

 ∧∧
( ‥)無理でしょ?

      (‥ )まあね、無理だろうね。

 やれる!! という人はやってみよう。

 ∧∧
( ‥)つまり?

      (‥ )論理で科学を語る人って、つまるところ
          なんちゃって論理しているんじゃないのかな、
          とね。

 でっ・・・・・

 

2010年6月15日火曜日

ほら、君のすぐ近くにきっといる

 
 ∧∧
( ‥)でっ? もう3日も前→*の本題ですが

 
     (‥ )こんなサイエンスライターがいた。

 彼は物理系のことを書くと(少なくとも素人目には比較的)問題がないように見えた(あくまで北村の主観:実際に彼の言説をすべてチェックして確認したわけではないし、あからさまにおかしい箇所もあった)。

 だが彼はいざ進化論のことになると書くことがトンチンカンになる。

曰く、今西進化論は断続平衡説の先駆け
曰く、ダーウィニズムなんかでは進化が説明できるわけがない
曰く、自然淘汰と偶然で進化が起きるわけがない
曰く、断続平衡説や中立説などでこそ進化は説明できる

 ∧∧
( ‥)なんでなんでしょうね?

     ( ‥)このトンチンカンな事態を見て、
         幾人かの人がいく通りかの説明をして
         見せたのだけどね。

曰く、勉強不足だろ?
曰く、どうせサイエンスライターじゃんよ
曰く、だってこの人、文系だろ?

 しかし、個人的にはこう説明を試みる。

 彼はごく素朴な科学観の持ち主で、Aはこう一律に定義できる、Bはこう定義できる、Cはこうである、そしてかくかくしかじかでゆえに結論はこうであり、論理的であるがゆえにこの答えは正しい。そう考えていると仮定する。

     (‥ )そういう世界観で生物学や進化理論を
         語ると、どうなると思う?
 ∧∧
( ‥)破綻するでしょうね。
 
 例えば生物種Aは一律にこのように定義できる、と考えた時点で破綻が起きる。種にそんな定義はできない、というか、いかようにでも定義できるだろうけども・・・・

 ∧∧
( ‥)その定義が、その生物種Aなるものの
    現実における振る舞いを記述できなければ・・・・

       (‥ )その定義は便宜的である以前にただの役立たず。

 問題は役立たずの定義からでも論理的に矛盾のない結論が導きだせてしまうということで・・・。
 *すべての衛星はチーズなのだから月はチーズである、という文章は論理的に正しい

 ∧∧
( ‥)つまり、あなたの解釈は、
    彼は素朴な科学観(一律定義・論理的ならよし)を持っていた
    それがゆえに、一律に定義できない生物学の分野で
    破綻を生じさせたと。

       (‥ )実際、分子遺伝の分野では記述に
           さほど破綻が生じないんよね。

 分子遺伝はまだしも”一律に定義できる”ように見えるジャンルだから。

 ∧∧
( ‥)見えるだけでしょ?

       (‥ )見えるだけだね。

 例えば同種とされるA種に所属する個体が持つ酵素、そのそれぞれのアミノ酸の配置や立体構造、その活性はすべて同じだろうか?

 ∧∧
(‥ )分子遺伝の記述がさほど破綻していないのに
\-   進化が理解できないっておかしな状況
     ですよねえ???

       (‥ )生物が無数の、しかも同じ遺伝子座であっても
           異なる遺伝子が離合集散している渦であるとは
           思っていないんだろ?

 そんな渦巻きに淘汰を加えれば、進化が起きるは必然。しかし、すべてが均一で一律であると考えていたらどうなのだ? だったら淘汰では何も起きないと考えてしまうのは必然(しかしおかしなことに、遺伝的浮動による中立説は信じているわけで、これは、彼の理解が根本的におかしいことを暗示していると思う)。

 つまりこう考えればいいのだと思う。実際には分子遺伝の記述と理解においても彼は破綻している。

 ∧∧
( ‥)単にそれが表面化していないだけだと?

    (‥ )たぶんね。

 というか、物理学においても実は破綻しているんだろう。

 ∧∧
( ‥)それが表面化していないのだと。

    (‥ )陽子や電子や物理法則は一律に同じだと仮定しても
        かまわない(ように見える)だろ?
        だから理解の破綻が見えてこないんだよ。

 *実際には、彼は大容量の演算ができる計算機にすべての素粒子のベクトルを入れれば過去も未来も確実に把握できる、未発見の過去の存在物も発見できる、と言っていたから、物理学の分野でも理解の破綻は表面化しているんだとは思う。

 だからこう言えばいい? 論理的で理路整然と科学を語っているだけでは、その人が理解しているのか、それとも破綻した理解をしているのか識別できない。

 ∧∧
( ‥)しかるべき人を集めたつもりでも、
    混ざっちゃってることがあると?

     (‥ )再現実験できないのは科学じゃない、だから進化論も
         科学とは言えないって、そういう不用意な
         ことを言っちゃう科学者がいるわけだろ?→*
         つまり、そういうことじゃないの?

 実はこういう人はたっくさんいるんじゃないですか? ほら、きっと君のすぐ隣にも座ってる。

 
 

2010年6月14日月曜日

馬鹿は馬鹿なりに

 
 こういう記事→*

 ∧∧
( ‥)どう思います?
\-
     (‥ )おいちゃんが持つ現時点の仮説で
         解釈すると。

 「事業仕分け」などで科学研究の成果が見えにくいという批判」
 「予算を増やしていくには国民とのコミュニケーションが避けられない」

 というのは

      (‥ )馬鹿丸出しの意見と解釈。
 ∧∧
( ‥)つまり?

 論点がずれてる
 ちゃんと調べたか?
 それ、ただの思いつきじゃねーの?
 意味ないと思うよ
 おままごとの域を出ていないよね。

 ∧∧
( ‥)人によってはあなたの意見こそ
    説明が不十分だと言うでしょうね。

      ( ‥)そりゃ、説明してないからな。
          まだ説明する気もないしね。

 ははっ、それにしても科学コミュニケーターとかってものも哀れなもんだ、なんの役割も果たせていない。

 ∧∧
( ‥)なんででしょうね?

      (‥ )第1に格で負けたんだろうなあ、そして第2に
          正しいことを分かりやすく伝えるのが仕事だ、
          そんなことが”可能だ”、それをすれば皆が
          理解してくれる、そういう前提が効果的でなかった
          そういうことじゃないか?

 あるいは逆に言うとこう? 分かりやすく説明してもらえれば僕らも納得できるはず、そう思い込んで(勘違いして)いる政策立案者(消費者)がそれを格の高い人間に要求した、しかしこうなるとこれは最悪に問題。

 ∧∧
( ‥)まあねえ、分かりやすい説明、
    そういう説明はすでに不十分ですからねえ、
    分かりやすいから分かった!! という理解は
    致命的に間違っていることがありますから。

      (‥ )それにだな、成果が見えにくいって発言がそもそも
          馬鹿っぽいんだよな。

 見えにくいじゃなくて、まずは自分で理解しろ。自分の眼で直に見ろ。理解できる頭も眼もないのならあきらめろ。口だすな。それでも知りたいなら馬鹿なりに努力しろ、他人に頼るな、説明しろなんて言わないで、せめて自分で相手に聞きにいけ、聞く前にまず下調べしろ、読め、歩け、怠慢に逃げるな、他人に振るな。取材もしないでいきなり当事者に説明させてどうする。


      (‥ )馬鹿でもいいんだ。自分が馬鹿だって分かっているなら
          だけども馬鹿で無自覚で怠慢であることは罪に値する。
          他人に迷惑だろ?
 ∧∧
( ‥)はあ、まあねえ。


 実際に当然の義務だと迷惑かけようとしているし。

 学校の授業で分からないことがあると、オレは馬鹿なんだろうな、と思ってそのこと自体はあきらめる。だけどもいざ社会に出ると、オレ様が分からないのだからオレ様に分かるように説明しろと相手を呼びつけようとする。弱ったことだ。

 みんな学校時代の謙虚だった自分を思い出せ〜〜〜
 
      (‥ )馬鹿は馬鹿なりに努力せんと、
          馬鹿を通り過ぎちゃうぜ
 ∧∧
( ‥)どこにいくんでしょうねえ。

 説明の義務を言い立てる前に調べる義務をまず果たせ。調べないと説明の意義さえ行方不明になって多分無意味に終わるだろう。
 
 
 

2010年6月13日日曜日

浮かぶデブ

 
 街へいったらぴっちぴちのシャツを着たデブが階段を降りるところで、ぼよん、ぼよよん、と体中にさざ波が走って、反射した。

     ( ‥)地球に大きな地震が起きると
         あんな感じなのかな?
 ∧∧
( ‥)いや、その、それはどうでしょう・・・

 そしてまた、

 ∧∧
( ‥)あなたも運動しないと

     ( ‥)むー、太ってしまったからなあ
       - 

 運動しないと太り、そして体力がなくなると本も読まずに資料にも眼を通さなくなる。この国はデブが多くて、人間の体型も崩れてる。


     (‥ )人のことは言えん
 ∧∧
( ‥)困ったことです。

 

 街中では街頭演説、通り過ぎがてら聞いた限りでは、人口は減り、老人は増え、若者への負担は増大し、借金を子孫に残す。これでは国が保たない。消費税を上げて、孫のためにお金を使おうという呼びかけだったらしい。

 ∧∧
(‥ )当選するでしょうか?

    (‥ )あー?

 絶体絶命の時、悪魔が現れて言った。助けられるのは1人だけだ。孫を助けるか? お前が死ぬか? 

    (‥ )どちらの選択肢が勝利者たりうるか?
 ∧∧
( ‥)遺伝と血と気合いを見せるんだったら
    孫を助けて自分が死ぬでしょうね。

 まあ、孫を見殺しにして自分が助かったら、たぶん、今度は別の目的で悪魔を召還したくなるだろう。

 
 人が来て言った。今、あなたが我慢するとお孫さんに将来当たり前な利益が生じるでしょう。

    (‥ )選択肢やいかに?
 ∧∧
( ‥)びみょー、ですね
 
 不確実で当たり前な将来の利益は当たり前に手に入れられるだろうから、目の前の肉、オレはとります。

 ∧∧
( ‥)動機はともかく理屈は壊れ気味です。

    (‥ )理屈は動機を正当化した気になればいいのであって、
        正当化のためなら、理屈の壊れ具合ってのは
        しばしば無視される。

 将来の日本のために今、増税を

 ∧∧
( ‥)それを良しとするならとっくに
    やっているでしょうね。

    ( ‥)将来の日本には孫も含まれているけど、
        指示対象の大部分は赤の他人だからなあ
        将来の日本なんて、自分の年金の100円分
         ぐらいの価値しかないんじゃねーの?

 日本のためにこれだけがんばったのだ、と臆面もなく言う人も普通にいるわけだし。

 ∧∧
( ‥)日本のためではない?

    (‥ )自分のためだろ? 本当に集団のためなら
        役立たずになったら集団の利益を最大にする
        ために消える方を選ぶだろ?

 人間は利己的じゃない。人間は遺伝の奴隷ではない、そう声高に叫ぶ人が、いざ給料の話になると、集団のために働いたのだから対価をよこせと、露骨にエゴイスティックな要求をするのは当たり前。

 ∧∧
( ‥)これだけ頑張ったのだから、
    これこれの支払いを要求するというのは
    個人のポイントですからね。

    (‥ )それをエゴイスティックと普通は呼ばないのは、
        人間全員が自分の利益を追求するくせに社会性の動物だから、
        自分の利益を尊重させる見返りに、相手の利益も尊重する
        からだよなあ。

 対価をよこせ、は当然の要求だけども、それが他人や皆のための要求であるということはないだろう。それとも彼らは本気で自分のこれは他人のためだと思い込んでいるんだろうか?

 ∧∧
( ‥)するとどうなります?

    ( ‥)孫のために増税。
        まっとうな主張かもしれないけども
        当選するのか怪しいもんだな。

 無駄をはぶけば100兆の予算なんてすぐに作れますとか言った方がいいんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)さすがにそれはばれるでしょう。

    (‥ )露骨な嘘は耳に心地よくないからねえ。
        さすがに皆さん、耳が肥えていらっしゃる。

 ∧∧
( ‥)あなたはどうします?

    (‥ )どんどん膨らんで肥大化していく
        この有り様を見てかね?
         死ぬまで待つさ。

 世界はアドバルーンみたいにぷかぷか浮いて、中身はからっぽ。問題としては深刻であるが、その価値はとるに足らない。とるに足らないものが膨らむから問題は深刻だ。

 ∧∧
( ‥)ひどい言い様ですね。

    (‥ )子孫をしぼませるのは子孫をとるに足らないと
        評価したことにほからない。違うかね?

 ならば、それをしたものを評価しないは理。

 ∧∧
( ‥)そして、あなたの媒体は彼らではないですよね?

    ( ‥)だから死ぬまで待てるのさ。


 そして自分はどう死のうか?

 

2010年6月12日土曜日

再現性≠経験可能で考える

 
 ∧∧
( ‥)でっ?

    (‥ )再現できないものは科学ではない、
    -   つまり再現実験できるものこそ科学だ、
        という定義を申し述べる人がいるが、
        それは相当に奇妙→*

 再現できない人生経験から得た「再現できないものは科学ではない」という結論の正当性は何?

 ∧∧
( ‥)少なくともその人にとって、
    科学の正当性が科学的である必要は、
    はないのかもしれません

    (‥ )定義を申し述べることで正当性をはかる
        矛盾がない美しい体系を作れるかもしれないけども、
        それはあまりいいことではないよなあ。

 矛盾がない、というだけでは、それが経験的に妥当なのかどうか分からない。矛盾がないことはまったく何も現実を語っていない。語っているかどうかは現実と照らし合わせなきちゃいけない。

 ∧∧
( ‥)科学を経験的なものにしたいから、再現性を求めたのかも
    しれませんね。

    (‥ )再現できるのなら、それは経験可能である
        からね。

 しかし、再現性=経験可能、ではないよなあ。再現できないけども経験できるものはいくらでも、というか普通にある。

 ∧∧
( ‥)再現できないけども、経験可能とは?

    (‥ )例えば化石だろ?

 A種とB種は幾つかの証拠からすると類縁関係があるらしい。その仮説はA種とB種の中間形態(半順序な意味で)ありうることを予想する。


 ∧∧
( ‥)発見された化石C種はその中間形態に
    かなり近いものでした。

    (‥ )D種はA種とC種の中間で、E種は
        B種とC種の中間でした。

 ∧∧
( ‥)それは論証ではあるんでしょうけども、
    人によっては経験的とは認めないでしょうね。

    (‥ )例え自分が発掘していても、調査が進むにつれて
        最初の仮説が補強されていくのを目の当たりにしても、
        それでも以上の過程を経験的と
         認めない人はいるかもね。

 人によってはそれは経験ではなく、ただの推論だと言うかもしれない。

 ∧∧
( ‥)もっともそれを言ったら私たちの人生経験は
    すべからく推論ですね。

    (‥ )手持ちのデータから推論した過去だからなあ。

 僕らの記憶は全部断片的で、連続しているなどとはとうてい言えぬ。

 
    (‥ )すごい意地悪な話をすればさ、5分間の記憶を
        人間が完全再生できるのだったら5分かかる
        わけなんだよな。
 ∧∧
( ‥)記憶の早回しってものは聞いたことないですしね。


 走馬灯に人生を思い出してみせても、それは早回しっていうよりは断片的な、ごくごく劣化した記憶の荒くて雑な寄せ集めじゃないですかね?

 人生経験とは断片的な記憶の集積。それは単なる推論。みなが語るごたいそうな人生なるものはただの仮説だ。それも相当に片寄った。

 
    ( ‥)事実、僕らは新しい証拠を見て自分の
        勘違いに気がつく時がある。
 ∧∧
( ‥)経験的な推論を経験的に補正した瞬間です。
 
 そしてしかし、その経験的な補正は再現ではない。
 
 再現可能は経験して検証するための重要なツールだけども、再現可能以外は検証も経験もできないという主張であるとすれば、それはカテゴリーの包含関係を誤って理解しているのだと思う。
 
 ∧∧
( ‥)でっ?

      ( ‥)それでだな、本題はこれからなんだが・・・

 それは次にメモするべ。

 ∧∧
( ‥)仕事のお時間です

     ( — —)あーだりー

 
   
 

 

実験は再現できるが実験した自分が再現できない

 
 再現できないものは科学ではない

 ∧∧
( ‥)それを言っている人の人生も再現できないから、
   その人は科学でない根拠で科学でないと主張
    しているのかもしれませんね。

     (‥ )まあ、「再現できないものが科学でない」と
          本に書いてあったら”再現できる”とは言える
          のかな?

 再現できる、というのは”指示対象であるそれ”が未来においても過去においても均一で同一であるということを示す。あるいはそれが前提。おそらく。

 ∧∧
(‥ )個物を対象にするのが科学である、そういう主張
 □-  なのでしょうか?

     (‥ )さあどうだろうね? 個物とは何か?
         そもそもそれがよく分からないからなあ。

 もしかしてその人にとっては「再現できないものは科学でない」と記述してあって、何度でも手にして読むことができる”その1冊の本”は個物なのかもしれない。

 ∧∧
( ‥)個物ってindividualのことでしょ?(個体と個物は同じ)
   1冊の”その本”が個物ってのは言葉的には正しそうですよね?

     (‥ )まあそうねえ。
 
 まあ、ようするにこう?

 ”科学とは均一で、過去においても未来においても性質が変わらないものを対象にして、なおかつ実験によって反応や動作を行うことができて、しかもその結果が人間の手で確認、観測できるものである”

 ∧∧
( ‥)ということになりますか。ずいぶん不便な
    世界観ですけどもね。

     (‥ )生物学や地学、天文学では役に立たない
         考え方であるねえ。

 水は? 水とかはどうなるんだろうか?

 ∧∧
( ‥)純粋ではないですし、例え純粋であるとしても
    同位体が混ざっているでしょ?

     (‥ )元素や水、化合物、鉱物の同位体の比率は
         生物や周囲の温度で変わっちゃうしね。

 *生物は軽い同位体を使うし、温度が上がると、例えば水では蒸発しやすい同位体が飛んでしまって比率が変わる。そういうことからその鉱物を生物起源だと推論したり、過去の水温などを計測することが可能。一方でかなりおかしなふるまいを示す生物がいるので(高温状態では重い同位体を使用する)ややこしいこともある。

 ともあれ、あれだ、水は均一な性質を持つ、元素、同位体、化合物の混合したものだから、水は以上の定義でも科学として扱えるものだ、と考えるのかもしれない。

 ∧∧
( ‥)でも、、、元素って言葉を使うのは
    すごく怪しげですよねえ・・・。

     ( ‥)そうねえ、元素って言葉は複数の同位体を
         含む言葉だからねえ。

 再現できるものが科学であるというのなら、元素って言葉は使えないかあるいは最低限こう? 同位体の比率を指定してからでないと(厳密な意味では)使えないというべき?

 ∧∧
( ‥)まあ、ただの便宜的な言葉だ、と言い立てる
    こともできますよね。

     (‥ )種、みたいにな。

 でっ、いつも不思議になる。”再現実験できるものこそ科学である”、この言葉を真に受けて進化理論は科学でない、と主張する人間は意外といる。

 ∧∧
( ‥)最低限、言葉の上では矛盾はないでしょ?
    そう設定したのだからそうなのだ、再現実験うんぬん
    という大前提は、進化理論は科学でない、という
     結論を包含しています。

     (‥ )まあ、言葉に矛盾はないわなあ。
         矛盾がない=妥当、ではないのだけども
         矛盾はないよねえ。

 すべての衛星はチーズで出来ている、月は衛星である、ゆえに月がチーズで出来ている、これと同じくらい矛盾はないと思いますよ、そりゃあ。

 ∧∧
( ‥)再現できないから進化は科学じゃない、
    この言葉は矛盾もなければ
     妥当性も不明、それだけの話です。

     (‥ )そして、こういう主張をする人は
         再現できない歴史を科学として扱うことを
         放棄したわけだよね?

 問題は、科学として扱うことを放棄するのはいいのだけども、ではどういう選択基準で歴史をチョイスしたのか? ということで。

 ∧∧
( ‥)その人たちは歴史をチョイスしますか?

     (‥ )チョイスしてると思うよ。

 自分の人生、自分の経験、世界史、日本史、生物の歴史、これらに対してまったくなんの意見も持っていないなんてことはありえない。

 
     (‥ )科学である私の実験は再現性があって確かだが、
         その実験を行った私の経験は再現性がないので
         科学でもなければ確かでもない、なんて言わないだろう?
 ∧∧
( ‥)まあねえ、自分の人生は再現できないから科学でないのですよね。
    でも自分が行った実験は再現できるから科学であると。
    ずいぶんおかしな話ですし、でもそんなこと言いませんよね。

 実験は再現できるが、実験した自分はもはや再現できない(同じ服を着て、同じことを考えても体を構成する原子入れ替わってるよね?)。

 やった実験は科学だが、実験をした自分の経験は科学ではない、そんなことを言うやつは見たことがない。

 でもその言い様は実は正論ではあるまいか? しかし正論であるはずなのに見たことも聞いたこともないとはこれいかに?
 
 人生も日本の歴史も世界の歴史も生物の歴史も再現できないから、科学でない。それはいいのだけども、昨日こういうことをした、5年前にこういうことがあった、1000年前にこういうことがあった、古代エジプトでこういうことがあった、1万年前にこういうことがあった、それらすべてが科学でないとしても別にかまわないのだけども、


 ∧∧
( ‥)何らかの意見をチョイスしていない、ということは
    ありえないと。

       (‥ )ありえないね。

 問題は、そのチョイスの基準は何? ということで。

 
 ∧∧
( ‥)実は疑似科学なチョイスがありうると?

      (‥ )疑似科学なチョイスがありえない、ということは
          最低限ありえないね。

 それは科学の領域でない、と言ってしまったのだから、他の科学の定義や感覚や進化学や生物学、天文学、地学の観点からすると疑似科学的と言えるチョイスをしてしまうことはありうる。

 区別できないと自ら言ってしまっているのだから、そのチョイスがありえない方がおかしい。

 

2010年6月11日金曜日

お茶という静かな時間を

 
 古生物をカラーで描くのめんどくさい。ちっちゃなエビのような動物の場合、リアルに描くとどれも同じようになるし、差別化しようとすると根拠もなく派手になる。というか色の根拠なんかほとんどねーじゃん。

 
     ( ‥)迷って頭を抱えるくらいなら
       -□ 今度はモノクロで描こう。
 ∧∧
( ‥)はあ

 形さえとれればそれでいいだろう。色と引き換えに形をおろそかにするのはもういやだ。

 ∧∧
( ‥)古生物学は形の学問でもありますから。

     (‥ )形をちゃんと真剣にやっているのは
         もはや古生物学ぐらいなものだって
         意見があったけども、やっぱそうなのかな?

 さてさて、次回はペンにするか、あるいは鉛筆でいくか、さてどうする?
 
 さて
  
 ∧∧
(‥ )自分は相手に迷惑をかけているのじゃないか、
\-   迷惑をかけているから相手に嫌われているのじゃないか
     そう不安になっているそうです。

     (‥ )ああ?? うーん、まあ誰しもそういう懸念は
         抱くもんだけども、そうねえ、それは気にしすぎ
         だと思うよ。
 ∧∧
( ‥)でも、かんしゃくを起こして物を壊して
\-   しまったようですよ?

     (‥ )不安にかられたあげくに、さらに不安になる
         ことをしたわけか。だから相手に嫌われたと
         思い込んで落ち込んでいると。

 それはとても不器用なことだ。

 ∧∧
(‥ )不器用であれ、なんであれ、
\-   その子にとっては非常に深刻なことですね

     (‥ )まあ、お皿を割ったぐらいなら大したことは
         あるまいさ。

 人間、存在して生きているだけで相手に何かしら迷惑と負担をかけているわけだし。それは誰でもお互い様だ。互いに負担で、互いに必要であるのなら、差し引き0だ。それは交換だ。いちいち気にすることなどあるまいよ。

 ∧∧
( ‥)・・・・いつも思うんですけどね、
\-   あなたのそういうフォローってお猿さんの社会では
     かなり無神経だと思うんですよ。

     (‥ )相手に負担をかけるのが、相手から通貨を奪うことなら、
         じゃあ、相手に対価である通貨を支払えばいい。
          それで差し引きは0さ。

 ∧∧
( ‥)またそうやって、心の問題を通貨(お金)に
    置き換えて話をする。

     (‥ )通貨ってのは望むもの、必要なもの、必要な度合いを
         抽象化したものだろ? お金は馬鹿にはできないぜ。

 必要なものを差し計るために導入された共通のもの、それが通貨。通貨そのものは代理人でしかなく、それ自体は幻想かもしれないけども、それが表現しているものは重い。

     (‥ )きれいな水や必要な電気、それらを維持する人件費や
         必要経費、それを表現したのが電気代や水道代。
         通貨がいくら軽くても、通貨が表現しようとしたものは
         命と等価であるほどに重い。
 ∧∧
(‥ )まあ、ねえ、皆が支払うおかげで占める原価が減って
\-   大変お安い金額になっていますけどね。


 相手に迷惑をかけたとくよくよするくらいなら、そんな時間を忘れて相手に支払いをすればいいのさ。

 ∧∧
( ‥)どうやって?

     (‥ )相手と一緒にお茶でも飲めばいいんじゃねーの?


 忘れられがちではあるが、まともな人間は孤独には耐えられない。しかし、こんな基本的なことさえ忘れてしまうのは、ほとんどの人間がいつも誰かと一緒にいるからだ。だから、一緒にいてあげれば喜ぶさ。

    
 ∧∧
( ‥)あなたたちは集団でいないと
    生活できないんですよね。

     (‥ )もう何十万年もこんなことをしている。
         一緒にいてあげるだけで、相手は
         ほっとするんだよ。

 なるほど、人間は利益よりも失うコストの方を恐怖して、ささやかなお茶という利益を軽く見るやもしれぬ。

     (‥ )だけど毎日一緒にいて、静かな時間を相手に
         与えているのであれば、それで十分だろう。
 ∧∧
( ‥)ああ、ささやかなお茶、静かだけど一緒の時間が
    集まれば、割れたお皿を戻せるだろうということですか。

 だから一緒にお茶を飲んであげればいいさ。


 悩む時間があったら、静かで一緒な時間を相手と過ごせばいい。悩むなんてのは時間の浪費で意味がないから、そんなの忘れろ。


 ∧∧
( ‥)そんなあなたはどうします?

     ( ‥)もう一仕事したら公園にいこう
       -/

 風が涼しいのは、ありがたい。

 

2010年6月10日木曜日

上り坂になってますか?

 
 なんとなく頭のすみに置いてはいるけども、すっと調べていない問題が誰だって幾つかあるもんで

 ∧∧
( ‥)現在の食料生産、物流、運輸、技術、通信、人の移動を
    受け止められる国家のキャパシティー、
    これらが対応しきれなくなる温暖化の速度とは
    いかほどなものでしょうか?

      (‥ )わからん。調べてもないし、
          検討もつかないね。
 
 そういうレポートがあったとしても(あったような気もするが)、その内容がどの程度妥当なのか読んでみないと分からない。

 ∧∧
( ‥)そして、あなたたち人間はそういう
    不利な未来を前にしても、現状を維持して、得られるだけの利益を
    ありったけかき集めて、手に入れようとすると。

     (‥ )それがたぶん、一番利益が出るからな。

 現状のままでは長期的に見ると利益が下がる、と主張する人もいるだろうけども、人間が感じる”利益”というのはどうもそういうものではないっぽい。

 ∧∧
( ‥)未来の不確定なコストと利益よりも、

     (‥ )目前のコストを嫌って
         確実で当面の利益の方を選ぶ。


 当たり前と言えば当たり前。明日を迎えるには、まず今日を生き残らなくてはならぬ。

 ∧∧
( ‥)今日のために明日を犠牲にする
    場合もありうると。

     (‥ )未来の健康を売ってタバコを吸う。
         別にありきたりなことさ。

 ∧∧
( ‥)でも、それを良しとしない人もいます。

     (‥ )そりゃあね、人間は工業製品でも
         大量生産された機械でもないからね。

 しかし、”目前のコストと確実で当面の利益”の前では、そういう理念が効果的とは思えないし、事実として効果的ではないっぽい。

 
     ( ‥)理想は、たとえその道が妥当であっても、
         当面の利益が得られないと誰も登らない。
 ∧∧
( ‥)なんか耳かじりで進化論やった人が
    陥る壁みたいですねえ。

 例えばこう。力学的に考えると鳥はこう進化したに違いない!! 得意満面で進化の経路を説明する素人とか時代遅れの研究者とか日本にもアメリアにもいっぱいいるけども。


     (‥ )系統解析と祖先復元から推論したのならいざ知らず、
         ”論理的にここを通ったに違いない”という提案には
         意味がないんだよな。
 ∧∧
( ‥)力学や計算で示しても、そこを実際に通ったことに
    ならないこともさることながら、、、、、

 生物って利益が上がる方向にしか動けないんだよ? ”通れる”だけじゃだめなんだ。

     (‥ )そこが絶えず上り坂になっていることを
         示さなくちゃいかん。
 ∧∧
( ‥)最小限、経路のすべてに渡って
    利益が得られることを示さないといけませんね。


 コストとベネフィットはちゃんと計算したか? そしてその経路は上り坂になっているか? 現在の生物を観察してさえコストとベネフィットを論じるのは容易ではないのに、ちゃんと論証できるか? 

 そして哀れなるかな、人間も利益が上がらないと上がらない。

 ∧∧
( ‥)理念や理想は

     (‥ )この道を通るべしと主張するものの、
         その道が”上り坂”になっていることを
          保証しているわけじゃないからな。

 未来の利益をいくらいっても無駄だろう。人間は未来の利益に興味がない。

 ∧∧
( ‥)他の動物たちよりは
    未来的ですけどね。

     (‥ )明日のために準備するからな。


 でも、せいぜいそこまで。

 

2010年6月9日水曜日

乖離と乖離

 
 つまるところ温暖化懐疑論は(原則的に)見るに値しないしだろうし、そしてそこには嘘や勘違いが大量にあるんだろう→*


 ∧∧
(‥ )でもあれですね、エコや温暖化脅威論にも
\-   雑な話や勘違い、思い込み、嘘が混じっているじゃないか!!
     そう言われるかもしれませんね。→*

    (‥ )そうねえ、だからより正確にはこうかな


 温暖化懐疑論も温暖化脅威論も、どっちも科学そのものではないだけに、現実から乖離気味?

*注:ここでいう「温暖化脅威論」とは、”温暖化を止めるための社会的なムーブメントを起こそう”という積極的な行動そのもののことで、論文や仮説、妥当性の追求のことではない。

 あるいは、こう言えばいい? 

 温暖化と化石燃料の燃焼による二酸化炭素の増大との間における因果関係の妥当性。理解すべきはそれであって、それを知ればいいだけの話。そしてそれを論じるのは仮説の妥当性を論ずることであるのだから比較が可能

 しかし、そこから一歩はずれて、保護する、阻止する、無視する、反発するとなると、それ自体は信念の話であって、それをそれ自身によっていくら正当化しても意味がない
(*宗教と同じでお互いの比較はできるが、その比較と正当化自体には意味がないんじゃねーの? という意味)

 ∧∧
( ‥)論ずるに値しないと?
 
    (‥ )論ずることに意味がない、と言えばより正確。


 でもこう尋ねられるんだろか? 温暖化を止めないと大変なことになるのに、あなたは何をやっているのですか?? 温暖化を止める活動をするべきではないのですか??

 ∧∧
( ‥)問われたら、あなたはなんと答えます?

     (‥ )化石燃料の使用が経済的に優位な状態で
         二酸化炭素の排出量を減らす緊急性が
         求められた時、どの選択肢が有利であると
         人々は推し量るだろう?

 選択肢はたぶんこんな?

1:率先して排出量を削減する
2:削減を可能な限り引き延ばす

 ∧∧
( ‥)排出量を減らせばコストがかかる
    さりとて削減を引き延ばしてもコストが
     かかりますよ?

     (‥ )しかし、それぞれのコストが等価だと
         人々は判断するだろうか?


:排出量を減らせば今すぐ困る
:削減を引き延ばせば、将来困る、かもしれない


     (‥ )排出量を減らした場合のコストは
         比較的簡単に算出できそうだよね?
 ∧∧
( ‥)削減の引き延ばしと、温暖化による農業や社会に対する
  -□ ストレスと、その結果にともなうコストは
    どう計算したらいいんでしょうねえ???

 人間が直近の未来で、なおかつ具体的なコストの方を高く評価するとした場合、さて、人々は以上どちらの選択肢を利益ありと見なす?

 ∧∧
( ‥)2の「削減を可能な限り引き延ばす」、
    を取るだろうと・・・・

     (‥ )たぶんそうだし、事実としてそうじゃね?


 さらに、2の選択肢をとる集団がいた(実際にいる)場合、1の選択肢をとるのが(状況にもよるが)割に合わなくなる。俺たちが頑張って無理しているのに、奴らが2を選択したら意味ないじゃんよ、となるから。

 ようするに、1を選択した人々が、2の選択肢をチョイスした人間達におんぶお化けされている状態なので、不満が高まるだろうと予測。

 というか事実そう?

 
 ∧∧
( ‥)だとしたら余計に選択肢2はチョイスされないと。

     (‥ )場合によっては選択肢2をチョイスしたこと、
         そのこと自体を放棄するかもね。


 だから信念や感情を抜きにして、科学と経済(というか日々のそろばん勘定)から温暖化と社会の話をすればこう?

:温暖化と二酸化炭素の増加には因果関係がある

:しかし人間は削減を可能な限り引き延ばすことを選択する
        
 ∧∧
( ‥)つまりあなたは温暖化懐疑論にも温暖化脅威論にも
    興味がないと?

     (‥ )むしろ、ざっくりと言うと、懐疑論も脅威論も
         現実をうまく説明できずに現実から乖離して
         しまった状態であるから、ゆえに採用しない、
         ということかな。


:率先して削減することに不満だからといって、手堅く論証された因果関係までも”てきとー”に否定する必要はないでしょう

:脅威に対して率先して削減すべきだといっても、人間はそんな論理と動機では動かないし、事実として動作していないでしょう

 
 要するにたぶん、どっちも現実の説明に失敗している。

 ∧∧
( ‥)だから

      ( ‥)どっちも採用できない。



幸せにするために夢を売れ

 
 二酸化炭素による地球の温暖化。でもまあ、二酸化炭素を減らせ減らせ、エコだエコだと連呼されると飽きるというか、

  
     (‥ )あるいはあれかな、
         ◯◯しろ、◯◯しろ、と連呼されるのが
         果てしなくうっとうしいとうの?
 ∧∧
( ‥)ああ、小言をいわれているみたい
    ですからね。

 というわけで一部では温暖化懐疑論が浮上中。だが、世間のどのくらいがこの意見に興味を持っているのか?


 ∧∧
(‥ )温暖化懐疑論で検索すると
\-   ヒット数は110万件ですね

      (‥ )まあなんだ、赤道ギニアよりはヒット数が
          多いみたいね。

 適当に検索してみた人気漫画とかの10分の1以下だけども、そうねえ、110万件なら十分に市場として成立する大きさではあるっぽいよなあ。はあ、温暖化懐疑論ね。エコエコ言っている反動でそんな市場が成立するとは予想外な事態。ははは、この宇宙はやっぱり驚きで満ちている。

 ∧∧
(‥ )今年の夏は冷夏では? という予報が
\-   出ているみたいですが。

      (‥ )あれかな、「ほら見ろ、暑くなんかなってない!!」
          って冷夏を見越して書いたら売れるかな?

 ∧∧
( ‥)論文に眼を通すの大変でしょ?

      (‥ )まるっと嘘を書けばいい。あるいはこう?
          思いつきを書けばいいんよ。

 だってそう思ったんだもん、嘘なんかついてないもん、と言えるから。

 というか論文を読まないのならめちゃくちゃ楽だし。

 いやいや待て待て、論文を読むんだ。そして理解できないところがあったら「この論文は間違っている!!」と決めつける。

 ∧∧
( ‥)ああ、ありがちなオレ様理論ですね。
    理解できないのでなんとか理解できるように論文を
    曲解した結果、「ありもしない間違い」に気がつくという。

      (‥ )あれ、本人達は素でやってるからね。

 まあ、なんだ、どうせやるならだ


      (‥ )いもしない研究者の名前を出したり、ありもしない
          論文を引用してだな。
 ∧∧
( ‥)ばれますよ。


 問題ない、温暖化で一儲けをもくろむ産業界に消されたって言い訳するから。

 というか

      (‥ )そもそも、こういう本の読者はそんなこと
          調べたりしないから大丈夫さね。
 ∧∧
( ‥)そう?

 偏見? いやいや 本を読む人間がいちいち情報を調べたり、裏をとったりするわけがないじゃないですか。

 ∧∧
( ‥)はあ、、、そうなんですか?

      (‥ )本を読んで何か知れるだろう、という発想の人は
          裏なんかとらないよ。

 知るためのヒントになるだろう、と手にするのなら裏はとるかもしれないけども、本を読んだから「これで分かった」「分かるはず」と思っている人は裏なんかとらない、たぶん。

 ∧∧
( ‥)やっぱ偏見じゃないですかね?

      (‥ )じゃあこう表現しよう。

:本を読んでまで調べる人間は少数
:本を読んで調べた上で、さらに裏までとる人間はもっと少数
:だから露骨すぎる嘘や思いつき、思い込みを書いてもばれやしねー

 
 ∧∧
( ‥)いや、ばれますって

      (‥ )問題ない。

:本を読んでまで調べる人間は少数
:本を読んで調べた上で、さらに裏までとる人間はもっと少数
:本を読んで裏までとって、間違い、ねつ造、思い込み、勘違いに気がつく人間はさらにさらに少数 
 
      (‥ )恐れることはありません!!
 ∧∧
( ‥)恐れなさいよ。

 まあなんだそういう極少数派が何の脅威にもならないのは疑いない(あくまで売り上げ的には、という意味でね)。

 ∧∧
( ‥)はい、質問です。
  -

      (‥ )なんですか?
 ∧∧
( ‥)売り上げ的にはともかく、
    人としてどうなんですか?


 大丈夫、みんなを幸せにする時間と夢を売っているのです。そう言えば問題ない。

 ∧∧
( ‥)まあ、溜飲を下げる方がいらっしゃるやも
    しれませんけどね。

      ( ‥)逆にいえばあれだな、皆の溜飲を下げる内容を
        -□ 淡々と、しかし扇動的に書けば勝利だな。

 でっ? どう書けば溜飲が下がるのだぞなもし?
 
 
      (‥ )夢って言葉はだいっ嫌いなんだ。
 ∧∧
( ‥)ゆがんでますねえ。

 
 とはいえ、不信感が出るのにはそれなりな理由もある。その溜飲を下げるというのはあるべき行為といえばそう。問題があるとしたら

 ∧∧
( ‥)そのために嘘をつくことはないでしょうに

      (‥ )そういうこっちゃな。

 
 ではどうやってこの小言めいた世界の救済をはかればよい?

 

2010年6月8日火曜日

未来から見ればきっと一瞬

 
 ∧∧
( ‥)何かを販売して儲けを出すには・・・

    (‥ )仕入れ値や加工、輸送費、もろもろの必要経費
        例えば人件費+手に出来る利益で何かしら
        販売しなくちゃいかん。

 手にする利益が、”仕入れや生活を維持する(人件費)ために必要な金額”より下がってはいけない。

 ∧∧
( ‥)下がったら、その時点で
    その事業ははじけちゃいますね。

    ( ‥)理想的には安い人件費でそこそこな商品を作って
        金持ちに売れば、これがもう、うはうはだ。
 
 ∧∧
( ‥)でもみんなはもっと利益が欲しいし、利益の分け前を
    望むから人件費が上がりますね。

    (‥ )そうして「うはうは」終了。

 しかしバブルが終わってからもうずいぶんたつのに、まだ「収入が上がる状況になるはずだ」と思っている人がいるらしい。いやしかし、あの連中は一体、何を売るつもりなんだろ?

 ∧∧
( ‥)才能と実行力がある個人であれば右肩上がりは
    可能でしょ?

    (‥ )皆が望むそれだけの価値を生産できる
        能力と才能があればね。

 まあなんだ、それがない人間はそうだなー

1:これ以上、収入が上がるわけがないとあきらめる
2:誰かにたかって収入を増やす

この選択肢があるのかな。

 ∧∧
( ‥)誰かにたかって利益が得られるのなら・・・
    たかるでしょうね。

    (‥ )たかるだろうな。

:成功した人間にたかる
:成功した会社にたかる
:社会にたかる
:若い働いている人間にたかる
 
 ∧∧
( ‥)でも、無限にたかれるわけありませんよね?

      (‥ )そりゃあ無理だね。働いても
          たかられてしまうのなら、能力のある
          人間が働かなくなるからな。

 最小限以上働かないことが最適な解になると、昔なつかしの共産国みたいにほとんど全員が貧乏状態に収束して不満が積もる。

 反対にあまりに富が偏っても当然のことながら不安定。

 ひとにぎり大金持ちと全員貧乏の間のどこかの状態に収束(あたりまえ)

 ∧∧
( ‥)でっ? あなたのモデルだと民主制は
    知能抜きの回答探索法なんですよね?→*

    (‥ )それでこうだとするならばだ→*

:収入はもう上がらない
:才能のある人間と無い人間の間で格差は当然広がる
:たからせろという圧力は増すが、たかること自体にも限界がある
:たかることで利益が得られる有権者の数で政策は決定される


 ∧∧
( ‥)つまり?

    (‥ )たぶん、均衡状態が保たれたまま、
        あと20年ぐらい同じこと言っているんだと思う。

 税金を上げるべきだ。いやだよ無駄をなくすのが先だよ。うわ、具体的じゃねえ。埋蔵金!! アメリカ型を目指すのか? 北欧型か? パイを増やせ、いや大企業から金をとれ。公務員は甘い汁を吸っているに違いない、有権者は勉強するべき、マスメディアは怠慢、政治家は馬鹿ばっか、民度が低い、バブルの時はよかった、いやさ、愚痴こぼす前にお前、仕事してる? 

 ∧∧
( ‥)まあなんだ、税金(消費税)を上げるべきだって話は

    ( ‥)おいちゃんは、子供の頃からそういう話を聞い
        て育った覚えがあるからなあ。

 そうねえ、将来から振り返れば50年ぐらい言い続けていることになるのかな? 未来人は我々のところを馬鹿だ、アホだと言うんだろうか? いやいや、そんなこと言わないで

 ∧∧
( ‥)こんな堂々巡りのことをずっとしていたってことも
    彼らは覚えてないのでしょうね。

    (‥ )未来から振り返れば、50年なんてあっという間だからな。

 私たち自身、過去50年の記憶(読んで得た知識も含む)を掘り起こしてさっと記述したところで、それは何文字程度だろう? 50年なんて一瞬だ。

 ∧∧
( ‥)あなたはどうするんです?

    (‥ )商売するだけさ。
 

 議論に熱中する文化人を尻目に、「いらんかね?」、と路上でゴサ敷いて商品陳列。
 

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