自己紹介

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2009年4月30日木曜日

昔の名前で出ています

 
 鳥の足に二枚貝が食らいついてましたよー、というお手紙をもらって、そのことを報告として雑誌に紹介したダーウィンさん。その、ごく短い記事が掲載されたのはNature. A Weekly Illustrated Journal of Science, ああなるほど、ダーウィンさんはネイチャーに投稿したのか

 と単純に考えて、そう書いたあの本。

 その後、あれ?本当かね? と思い直してHPのコンテンツで俺、誤植をやらかした?としてアップしたこの事柄。本日ようやく調べてまいりました、遅ればせながら。

 ∧∧
( ‥)で、結局、この雑誌はNatureでよかったんですね
  -□
     (‥ )A Weekly Illustrated Journal of Science の部分は
         なんというか肩書きらしいんだよな。

 日本語に訳せばなんていうの? 週刊、論証に基づく科学雑誌、とでも言えばいいわけ?

 ちなみに今のNature では以上にあたる部分が  International Weekly Journal of Science つまり国際週刊科学雑誌になっている。

 ∧∧
( ‥)いつ変わったんですかね?

     ( ‥)わからん、少なくとも1921年までは
       -□ A Weekly Illustrated Journal of Science 
         なんだよな。

 いつ変わったんだろう?
 
 ともあれ、そもそもNatureはハックスリーたちが作った雑誌なんだよなあ。

     (‥ )ダーウィンのくだんの投稿も1878年で、なんとまあ
         Vol.18 なのだ。
 ∧∧
( ‥)若い数字ですねえ。
  -□ 最新号はVol.458です。

 150年の重みを感じるねえ

 

2009年4月28日火曜日

なぜこんなところに?

 
 先日のことである、2キロ程離れた公園まで散策にいった。公園は谷になっていて、奥にいくと急に浅くなり、そしてついに、谷底から7メートルあまり上にある畑とスムーズにつながっていた。最初は、そうかなるほど、谷は浸食で作られたのだから、奥の部分は削れ始めたばかりで浅いのか、、、と思っていたのだが。

 ∧∧
(‥ )なんか砂岩というか、固まった泥みたいな
    石が露出していますよ。

    (‥ )これ、上総層群の石じゃね??

 それは例えば多摩川の某所で露出している石、というか固まった泥によく似ていた。おまけにぶっかいたら小さな貝殻が出てきた。なぜに? なぜこんなところにこんな石が???

 ∧∧
( ‥)浅すぎですよねえ?

    (‥ )というかなんで関東ローム層を削った谷の”上”にあるんだよ。

 谷の両脇は厚い赤土で、谷の底には半分埋まった防空壕とおぼしき穴があった。それよりも上に貝殻が含まれた砂岩があるっていくらなんでも無理があるんじゃね?

 というわけで

 ∧∧
( ‥)建設や工事で出た残土ですかね?

    (‥ )そうじゃないかなあ。
        谷になっていたから
        これ幸いと捨てたんじゃないか?

 実際、谷の奥は二股に分かれていたのだが、もう片方の谷は他と同様に深い。そしてgoogleで見ると、”埋まっている”部分には近場を通る道路からなんか都合良くのびた、細長い構造が見えるのだけど、、、

 ∧∧
( ‥)なんかいかにも、そこを通ってダンプで
    捨てました、、、ですよねえ?

    (‥ )関係あるかどうかは知らないけど
        周囲は工場だしね。

 埋められたとすると、その部分は50メートル四方の正方形を半分にしたような形で、深さが6メートルぐらいはあるから、それなりな量になりそう。

 ∧∧
( ‥)適当な計算だけど、ざっと言うと
   1万5000立方メートルぐらいですか

    (‥ )多いか少ないかよくわからないけどね。


 まあ、そんなことはいい


    ( ‥)今度、あの周辺を掘ってやる
 ∧∧
( ‥)化石を探す気ですか。


 建設残土でもなんでもいい、そこに化石があればよい。

 ちなみに、砂質は多摩川のものよりも細かかった。


2009年4月27日月曜日

ゴワチン裁判


 
 これはギロチン裁判の続き。ゴワチンと裁判で検索をかけたら、肝心な内容がヒットしなかった。ああ、、、なんということだ。私は悲しい。

 昔、こんなことを言った人がいた。検事の役割は事件を明らかにすること。弁護士の役割は被告人を弁護すること。

 ふーん。つまりこう? 検事が適切な証拠と推論に基づいて訴え出ていることを前提にした場合、弁護士の役割とは必然的に

 ∧∧
( ‥)疑似科学的にならざるをえないってことですか?

     (‥ )まあそういうことになるだろうなあ。

 あるいはこう。いくら証拠が”この人がやりましたー”という状況を強烈に指し示していても、弁護人は弁護する以上、そうした妥当な推論を否定せざるをえない立場にある。

     (‥ )まあ絶えず否定するわけではないな。あまりに証拠が
         強い場合は事実を認めた上で減刑を求める戦略に
         変更するみたいだからね。もっともそれがまた
         不信感を買うんだが。
 ∧∧
( ‥)疑似科学っぽくなるか、あるいは
    詭計をろうせざるを得ないというわけですか。

 なんというかそう見えるよねえ。というかだから凶悪事件の弁護とかで、次のような批判。弁護人は引き延ばし策ばっかり、いくら弁護のためとはいえ、めちゃくちゃいってる。心神耗弱ってまたそれかよ?? それはフェアじゃねーんじゃねーのか? とか批判を受けることにつながるんだろう。

 ∧∧
( ‥)仕事ではあるんですけどね。

     (‥ )仕事だから認めろっていう主張は何も
         保証してくれないよ。

 殺し屋だって、テロリストだって、爆撃や無差別殺戮にゴーサインを出した指導者だって、全部、それは仕事さね。そればかりか、説明の次第によっては他人から賞賛される場合もあるのは誰もが知っている通り。

     (‥ )だからいっそのこと、法律的な詭計を
         用いるのがぼくらの仕事で、データなんて
         知ったこっちゃありません、と主張した方が
 ∧∧
( ‥)はあ、そんなこといったら
    あっという間にぼこられるでしょうに。

 まあ、ゴワチンみたいな訳にはいかん。ともあれ、弁護人の弁護とはなんぞいや? 妥当性を無視することだというのなら、それはなに? そうでないとしたら、では何を守る。そして守ることの正当性の主張は何によって保証されるなりや?

 ∧∧
( ‥)人権とか?

     (‥ )人権がどういうロジックで”正当化”されたか
         知っているかね?
 

 こういう問いになって、初めてようやくこの問いかけが現実に、ほんのわずかだけ接触することになるのだぞなもし。

 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね?

     (  ̄  ̄)たぶんねー
 
 

2009年4月26日日曜日

斑入り植物

 
 前にも書いたように人間が作った植物品種には斑入りのものがたくさんある。しかし野外の野生植物ではそうではない。これは自然選択が働いた証拠でしょ? という話。

 さて、

 実際のところ、野外でも斑入りの植物はあることはある。

 ∧∧
(‥ )写真を撮っている人もいるんですね
 □-  きれいなものもありますよ

     (‥ )クローバーなんかは比較的たくさん見るかなあ。

 とはいえ、人間が色々な種類で品種を作ったようには定着していない。ようするに変異は発生するが、人間の淘汰と自然の淘汰とでは淘汰の基準に違いがあるので、遺伝子の頻度が全然違う頻度になってしまっている(まあウイルス性の斑入りとかあるから厳密な比較はやっかいになるはずだけども)。

 つまるところ、自然淘汰なり自然選択があるということ、そして淘汰の違いで遺伝子頻度が変化すること、これはすぐに分かる。まあこの時点ですでに創造論とか今西進化論とかは役に立たないねになっちゃうんだけども、それはさておき、、、、

 不思議なのがアオキという植物。これ、野山にも普通に自生している植物で、古くから庭にうえられ、斑入りのような園芸品種もある。革のような光沢をそなえた濃い緑色の葉っぱに黄色の斑が星のようにばらまかれているのを見た人は多いはずだ。あれはあれでなかなか見事。

 アオキは家の近所の公園にも生えている。大部分は緑一色なんだけど、斑入りも結構生えている。

 ∧∧
( ‥)斑入りが劣勢なのは一目瞭然ですけど
    斑入りのアオキは自然界でも
    なんかがんばっているっぽいですよねえ?

     (‥ )なんでかね?

 日陰に強いせい? それともなんか別に理由があるんだろうか?

 そもそもどの程度、斑入りのアオキは斑なしより不利なのだろう? 斑なしのアオキの方が概して大きいような気もするが(つまり葉緑素が多いので大きく成長できているように見えるが)よくわからない。

 高さでは一概には言えない。立派に成長したアオキが上ではなく、横にも大きく枝を広げているのを見たことがあるし、公園に生えている斑入りは最近になって生えたもので(例えば今日、見たものは道の脇に列になっており、いかにも植えましたという印象がある)、だから小さいだけかもしれない。

 ∧∧
( ‥)どう調べます?

     (‥ )そうさのう。高さだけでは駄目だしなあ
         さりとてひっこぬいて重さを計るわけにも
          いかないし、、、。縦横高さの大きさかねえ?
 
 そうやって調べたら、もしかしたら斑入りと斑なしでは大きさと個体数(というか株数)のばらつきに違いがあるかもしれない、というかあるのだろう。

 もっともその違いは、最近になって斑入りが入ってきましたとか、そういう歴史的っていうの? そういう自然選択とは別の原因によるものかもしれない(他にも色々なことが考えられますわいなあ)。

 でも最大の問題は

     (‥ )実はさ、おいちゃん、アオキが嫌いなんだよね。

 ∧∧
( ‥)はあ、、そうなんですか?


 あの薄暗いところに生えていて、葉っぱが革質というのがいけません。なんか、じめーーーーってした感じでねえ、、、。

 アオキよりはコウヤボウキでしょう。


    ( ‥)先日、いった某丘陵地帯は良かった。コウヤボウキが
        いっぱいでさ。冬になったらもう一度いくぞう
         コウヤボウキのきれいな花がいっぱい見れるはず!!
 ∧∧
( ‥)あら!! あからさまな植物差別!!


 コウヤボウキはいい。小さいしキク科だし。

 アオキはまあ、なんだ、調べましょうよ、はい。しかし好きにはなれそうもない。そりゃあ冬に実った赤い実と緑の葉っぱのコントラスト(常緑性)は見事だけどさ・・・・・


 

神聖不可侵なりとグラフ

 
 何か面白いことは無いものか?

 ふと思い立ってこのキーワードで検索しようとしたら、何か、、までを打ち込んだ時点で、キーワードの候補のひとつとして”何かおもしろいこと:228万件”が出てきた。世の中、つまらない。しかし具体的なことを思いつかない。そこで取りあえず抽象的に検索する人がそれなりに多いのだろうか?

 ∧∧
( ‥)あんたがそうやがな

     (‥ )いや、だって何にも思い浮かばないんだもん

 とはいえ、これはこれでなかなか楽しい。

 閑話休題

 さてー

 つまるところ、進化理論は間違ってるという見解は次の2つの要素から成り立っている

:種は神聖不可侵である
:グラフを描く時、データからの誤差はいくら大きくしてもよい

どうやらたぶんこう。

 ∧∧
( ‥)でも2番目の原則は疑似科学とかでは
    不変的な共通項ですよね

     (‥ )しかり、だから固有の特徴は
         種は神聖不可侵である、ぐらいかな?

 後はたぶん、半順序集合をきれいな順序に勝手に解釈する、ですかね。

 ∧∧
( ‥)それは破綻ですね

     (‥ )破綻した考え方を勝手にして、破綻した、破綻したと
         言い立てているのさ。

 まあ、こんなもんでしょう。
 


ギロチン裁判

 
 裁判員制度。リーガリストのじーさんが曰く、

 誤解があるようですが、普通の方が裁判員になって、そして普通の方の意見を聞かせて欲しいだけですから、安心して皆さん参加していただきたい。

だそうな。いやさあ、リーガリストのじーさんよ、それってようするにこうだよね?

 俺たちはアブノーマルなんだが、アブノーマルな俺たちの思いつきにつきあってね、正常な皆さん〜〜〜

 うわっ、つきあいたくねえよ。俺、仕事あるんだよ、お前らの破綻した暇な思いつきなんかにつきあってらんねーよ。バカじゃないの? バカじゃないの? バカじゃないの?(以下繰り返し)。

 そもそも無罪の人を裁いてはいけないのですとか、そういう目的を達成したかったら検証方法を洗練させればいいだろうに。そういう技術を洗練させる前に素人参加させればいいんじゃねって、なんじゃそりゃ?

 工学とか論理とか、経験で検証しようとか妥当な結論を発見するにはどうすればいいんじゃとかそういう哲学も思想も問題意識も何にも感じられねえ。彼ら、リーガリストは夢の世界の住人なのか?? というかプロ意識なし。素人の皆さんも参加してねってジャンボジェットの操縦なんかさせねーよ。

 いや、でもそうだよなあ。おかしなこと言い出しても不思議はないよなあ。六法全書とかいうゲームブックばっか見ているような連中らしいから。

 ∧∧
( ‥)言い過ぎじゃない?

     (‥ )自覚があるから正常な皆さ〜〜んとか
         言っているんだろ?
         だったら言い過ぎじゃないっぺや。

 そうだよなあ、弁護するためなら完成された科学技術をも一律に否定するのが彼らだもんねえ。(一律に否定、これがみそ。ようするに一部が駄目だから全体も駄目に違いないというありがちな詭弁)

 確かにこりゃあおかしな人間のおかしな発想だでや。つきあいたくねえが、さりとてこのまま放任するのも危険極まりない。なんて危険な連中なんだろう。おまけに人を裁く、弁護するという特権的な地位にいるときたもんだ。おっかねー、、、おっかねーよ、危険、危険だよう。かつてこんな横暴な連中がいただろうか?

 参加したくもないが、しかし参加するのならば、ここはギロチンを用意することを是が非でも要求する。

 ∧∧
( ‥)何に使うんですか?

     (‥ )気に入らないリーガリストの首を切る。
         諸君、これはすなわちゴワチン裁判だ。
         ゴワチン裁判はいいぞ。絶対に楽しいぞ。

 リーガリストなんていう特権階級が人を裁くのがそもそも横暴なのだ。是か否かを裁かれるべきは被告人だけではない。リーガリスト達もである。

     ( ‥)それに改革の後には恐怖政治はつきものだしな
 ∧∧
( ‥)フランス革命?


 リーガリストはゲームブックの読み過ぎで現実無視のバーチャル世界に生きる疑似科学の使徒。きわめて危険。

 ∧∧
( ‥)理想的にはどうするべきですかね?

     (‥ )理想的には機械化なんだろうけどね。
         裁判官によって判決に差が出るなんて
         とんでもない不平等だからな。

 とはいえ、機械化というのはとんでもなく難しい話なので、そもそも検証手段とか方法論とかちゃんと洗練させようね、おじいちゃん。でも、そもそもそういう問題意識、あのじーさんにはなかったんだろうなあ。あるいは彼らの目的は”判断の解像度を上げる”にはなかったということなんだろうけど。

 ついでにいうと、昔、検索で見つけたのだが、あるリーガリストと称する人間がブログでフェデューシアの本をすばらしいと書いていた。そして思った。こいつらはどうも駄目らしいと。疑似科学と科学の区別もつかないやつが弁護士っておっかねー。



 

2009年4月25日土曜日

ハトと戦車

 
 ハトの育種家がこれはと選び出したハトを見た時、ダーウィンにはそれらが他のハトとどう違っているのか分からなかった。その事実から彼は多くを学んで、それを進化理論に適用した。

 そこで思い出す話、WW2の最中に作られた戦車、確かドイツ軍のものだったはずだけども、砲塔がほんのわずかだが左右非対称だったのだそうだ。図面からそのことを知って取材にいった日本人(たぶん)に、あちらのドイツ人だか誰だかが答えて曰く。

 えっ?? 日本のプラモデルはちゃんとそうなっているじゃないか

そうなのだ、実は日本のメーカーから出た戦車のプラモデルはちゃんとそうなっていたのだそうな。プラモメーカーのこだわりってすげーなーという話なのだけども、そのプラモを見た時、

 ∧∧
( ‥)おいちゃんには左右非対称なのが
    分からなかったんですよね。

      (‥ )知り合いにさあ、ここですよ、ほら、砲塔が
          と言われて、ようやく気がついたんだよな。

 どっちだったか確かに少しだけ、プラモの砲塔はほんのわずかに膨らんでいた。確かに意識して見ないと左右非対称だとは分からない。なんでも砲芯に弾を込める作業をする際、邪魔にならないようにそうなったのだそうな。オリジナルサイズではほんの2、3センチふくらんでいるらしい。軍事に関しては何も知らないので受け売りではあるが。ともあれ、ここから分かることがある。

 ∧∧
( ‥)極々小さな違い、それでも動作に影響を与えるような
    違いが、人間には認識できないことがあるんですね。

      (‥ )そしてそれを認識できるやつと 
          認識できないやつがいる。

 ハトの話ってこれだよね、たぶん。

 

2009年4月24日金曜日

男2人

 
 ニュースは広まるのが驚く程早かった。メディアの効果、恐るべし。

 ∧∧
( ‥)おめでとうございますとの声が
  -□ 表明されておりますが。

     (‥ )この場を借りて、皆様に感謝します。
 
 
 *2014.04.02追記:ここで言っている話題は、2009年、「ダーウィン種の起源を読む」が科学ジャーナリスト大賞を取った、という事に関する反応のこと

 
 さて

 
 先日、知り合いとこんな話になった。チャールズ・ダーウィンの周囲の人々はみな、キャラが立っている。

     ( ‥)お兄さんのエラズマスは少女漫画キャラ、
       -□ 最前線に立ったハックスリーは熱血もの
         最強の敵オーウェンはホラー/サスペンス系
 ∧∧
( ‥)とうのチャールズ・ダーウィンさんは
    冒険キャラですか。

 フッカーはなんだろう? ワトソン君みたいな立場になるのかぞなもし? 何キャラかな、あの人は。

 ともあれ、この中で強烈なオーウェンとダーウィン。なんとも対照的なこの2人。かたやライバルをその力と才能でことごとく打ち倒し、栄光の頂点に立って、皆の憎悪を一身に背負った男。かたや密かに虎視眈々と執拗に証拠を揃え、武器を磨き上げ、自身は田舎に引きこもったままネットワークと下地作りと戦術、戦略両面で勝利の条件を作り続けてきた男。

 しかもダーウィンは敵を倒すのではなく、敵を全部、自身の理論で解釈分解することにより自分の内部に取り込んでしまったわけで。

 ∧∧
( ‥)つまり、喰った

      (‥ )まあ、そうねえ。喰らい尽くして
          自分のものにしたと言えるねえ。

 ゲーテもキュビエもジョフロア・サンチレールもライエルもヒューウェルもオーウェンさえ喰らい尽くして、、、、、

 ∧∧
( ‥)でっ、それを総動員して攻め込んでくると

      (‥ )オーウェンはどう思ったのかな?

 特にたぶん、オーウェンにとって不利になったのは彼の世界観の中核にあるらしき、神の設計、なるもの。神が作ったのです、ではそもそも説明になっていないのだが、こういう説明になっていない理論に立っていたのがおそらく最大の弱点。

 ここをダーウィンに喰われて、より妥当な形式に還元再構成されてしまっては、

 ∧∧
( ‥)破滅ですね。

     (‥ )家の土台を吹っ飛ばされるような
         もんだからなあ。
 
 後は世代交代を望む戦士ハックスリーがチャールズ・ダーウィンという武器を手に立ち上がればいいわけで。

 ∧∧
( ‥)オーウェンさんの敗北は必然ですか。

     (‥ )そうなんじゃないか?
         こんな状況下で勝利は無理だろう。

 最後、ハックリーが、かの武器をウエストミンスター寺院に打ち立てて勝利の凱歌を歌う。


2009年4月23日木曜日

オッケティングの続き



 日本語でいう、ぶっちゃけオッケティングー 

 ぶっちゃけ:個人的に初めてこれを聞いた、というか見たのは高校生の頃。起源はそれなりに古く、芸能界が由来だとか聞いたがよくわからん。

 ∧∧
( ‥)あなたが最初にこの言葉を
    見たのは漫画でしたね

    (‥ )もう20年以上前の
        話だね

 

 ぶっちゃけの意味はその使用方法からしても発音からしても、”打ち明ける”から来ているらしいことがうかがえる。

 オッケティングー:こちらはOKが日本語で動詞になってなまったか、あるいは”OK的なー”という若者的とでもいうか、そういう言葉に英語の進行形であるingがついたのではないかと思えるけども、よくわからん。もしかしたら....

 ∧∧
(‥ )手持ちの辞書を読むと、
 □-   米国の口語で動詞として
     Ok'ing という活用が
     掲載されていますね。

     (‥ )あら、意外。



 もしかしたらオッケティングとは、OK'ing から直接きたんだろうか? だが、この発音がよく分からない。

 いずれにせよ、ぶっちゃけオッケティングー、とは

 私はあなたのことを承認していることを打ち明けます

 あるいは

 私はあなたを承認している状態であることを打ち明けます

 になるわけで。

 ∧∧
( ‥)あなたの訳:
    わたくしは心からの誠意をもって
    あなたに賛成します
    これは近似ってことですか?

   (‥ )かしこまりすぎたかね?

 

 それにしてもあれだ。日本語と英語の単語がちゃんぽんで、多分、名詞と認識されていたOKが動詞になって(確かに口語としてはもともと動詞でもあるらしいが)、さらに進行形であるingがつくという英語文法まで混在するのだから。

 ∧∧
( ‥)かなり面白い状況では
    あるんですね。

   (‥ )なんか話に聞いた
       オスマンル語って
       やつかな

 オスマンル語。オスマントルコ帝国にあったという公用語、というか公式の文章を記すことに使われたという特別な言語。実態はペルシャ語、トルコ語、アラビア語の単語、文法が混然一体となった言葉で一般には使用されなかったという。

 ∧∧
( ‥)なんか聞いた話では

   (‥ )私  飛ぶing by飛行機 
       みたいなもんだって
       読んだ記憶があるが。

 ぶっちゃけオッケティングー、ってこういうものなのかもしれない。
 
 

 

2009年4月22日水曜日

いばらの道か広き道か

 
 ふと、思う。チャールズ・ダーウィンは愛娘のアニーをわずか10歳でなくした。この時、彼にあった信仰心の最後のかけらが消えた。

 といわれるし、ゆえに時としていわゆる宗教者から、ふん、そんな個人的な恨みで神を殺すなんて信じられない、と評されることがある。

 のだけども、この解釈、本当かね?

 ∧∧
( ‥)なんでそう思います?

     (‥ )神の道をいった方が幸せな解釈ができるのに、
         なぜ恐ろしい解釈の道をわざわざ選ぶ?

 愛娘を奪われてうちひしがれたとされる男が、それはたしかに打ちのめされたのは打ちのめされたのではあるのだけれども、私のかわいい天使は、もう苦しんでいないと書いたのだから。

 しかしでは、いったいなんで神の救いでなく、わざわざ生存競争の方を選ぶのだ? なぜよりによって娘が死ぬ理由をぞっとするような冷たい理由で解釈する説明の方を選ぶ? 神への復讐のために、なぜ復讐の理由であるはずの愛娘をもう一度殺すようなこと選ぶ必要があるのだね? この解釈、おかしくねーか?

 ∧∧
( ‥)まあ、解釈に解釈を重ねれば先の結論に
    すりあわせられますけどね、

     (‥ )でも、そういう思考方法は疑似科学だよ。
 

 つまるところ、ダーウィンという人は現実を説明し操作できる使える説明の方を選んだだけじゃないのかね?

 ∧∧
( ‥)まあ、実際、その方が困った時に
     役立ちますからね。

     (‥ )自動車を説明するのが神なのか、あるいは工学なのか。
         クラッシュも経験した時、人はいずれを選ぶなりや?

 だいたい、そうでもなければ、他花受精の問題にあそこまでしつこくこだわったりはしないんじゃないのか。

 

スカレシア

 
 ガラパゴス諸島にはスカレシア属の植物がいる。キク科であり、そしてガラパゴスの固有属で、そして木本。ようするに樹木。低木もあるがものの見事に立派な樹もある。

 ∧∧
( ‥)でも種の起原でスカレシアは
    分化の実例としては
    使われているけど、
    進化理論の着想自体には
    寄与した痕跡がないですよね?

  (‥ )祖先種が不明というか、
      系統がよくわからないから
      じゃないかな?

 ガラパゴズのフィンチやマネシツグミは原産地が南米だってことは類推できる。だがスカレシアではそうはいかない。


 ∧∧
( ‥)だからいかに移住したのか
    ライバルがいないと生物は
    いかに分化できるのか?
    という例にはなるけども。

   (‥ )根が分からない
       系統樹を描けない
       だから進化論の着想
       それ自体には
       寄与しなかったんじゃ
       ないかな?

 そもそもキク科だと気づくかどうかが問題だけども。

 ∧∧
(‥ )写真で見ても微妙ですよねえ
 □-
   (‥ )そういえばおいちゃんも
       あれですよ、
       コウヤボウキの花と
       その姿を初めて見た時、
       キク科だとは
       思いませんでしたよ。

 言われりゃ、ああそうだねって思うけどさ・・・・。
 
*コウヤボウキは日本で見られるキク科の木本植物。つまり草ではなく樹である。ただし、非常に小さい。またキク科ではあるがタンポポの花のような分化はしていない。
 
 
 

2009年4月21日火曜日

ぶっちゃけOk-ting


 ぶっちゃけオッケティングー 

 この言い回しの意味が分からないので調べた。検索ではあるが。

 ∧∧
( ‥)でっ? どういう
    意味なんですか?


   (‥ )訳:わたくしは心からの
   \-   誠意をもって
       あなたに賛成します
 

 たぶん、これでいいらしい。

 


ねこ

 
 進化論は検証できるか?  創造論とどう違うのか? 身の回りの生物を見て、その違いがわかるのか。

 ∧∧
( ‥)創造論でも環境に適した遺伝する形質があることは
    説明はできるんですよね。

     (‥ )神が適切に設計したと言えばいいからなあ。

 だが、遺伝子の頻度までは説明できない。

 ∧∧
( ‥)なぜ設計されているのに最良でない形質が
    存在するのか?

     (‥ )知性あるものが設計したのに
         なんで余計なものがあるわけ?
         ということになる。

 まっ、創造論でも説明はできるんだ。そう作ったと言えばいいから。ただ、それは現実の単なる言い換えでしかないので、なにか説明する原理を導いているわけではない。だから却下。

 ∧∧
( ‥)遺伝子の頻度がそれぞれの形質が持つ
    ”どんだけ子孫を残せるの度合い”に相関するのも・・・

     (‥ )創造論では説明できんな。

 まあ、説明はできるんだ。そう作ったんですと言えばいいから。単に役に立たないだけ。

 ∧∧
( ‥)環境が違うと変異の頻度がまるで違ってくることも
    進化論の証拠になるんでしょうね。

     (‥ )まっ、ネコの毛皮とかね。

 なんで野生ネコは変異が少なくて、敵が少なかったり、獲物を襲うさいにシビアでないだろう家畜ネコでは毛皮のバリエーションが多いのだ?

 ∧∧
( ‥)進化論では説明できますねえ。
    淘汰の違いだろ、あからさまに、ということで。

     (‥ )創造論では説明できん。

 創造論はネコの毛皮すら説明できない。

検証

 
 進化理論は検証できない。よくこういう人がいるけども。そうかあ? ものすごく簡単じゃねーの?

 ∧∧
( ‥)同種とされる生物の遺伝子頻度と
    環境が対応しているかどうか見れば
    いいんですよね?

     (‥ )そして、個々の遺伝子ごとに
         どんだけ子孫を残せるのか見れば良い。

 自然淘汰説が正しい場合、対応するはず。中立説であっても同様。多型状態である場合、それは残せる子孫の数に違いが無いか、あるいは平衡多型の状態にあると予想されるわけだから、それを調べればよい。

 やっかいなのは遺伝子が多面発現したり、相関したりすることだけども、それだって各々調べればいいわけで。何がどう困難なのか理解不可能。

 ∧∧
( ‥)まあ、絶対的には難しいですよね
    というか大変でしょ?

     (‥ )口で言うのは簡単だが
         野外観察は骨が折れるからなあ

 でもあれだよね、例えば品種改良されて作られた斑入りの植物が野生化しているか、とか斑入り植物がわさわさ森に生えているかというと。
 
 ∧∧
( ‥)まあ、ぱっと見ただけでも
    いないってわかりますよねえ。

     (‥ )確かに野生植物でも斑入りって時々みるけどね
         *やっかいなことにウイルス性のがあるから
          遺伝子を反映しているか判別が難しいのだけど。
 
 とはいえ、そうであってもわさわさ生えているわけではない。ようするにこれ、斑入りが不利だから消えちゃうっていう実例だろう?(斑入りはそうでない植物よりも葉緑素が無い分、光合成能力が劣る)。ましてや真っ白な植物は寄生植物だけだし(葉緑素0では不利ですどころの騒ぎではない)。

 なんのこっちゃない、思い出すだけで自然淘汰説の検証完了ですよ(もっとも科学者はこれだけだとつまらないので、どうなっているんだー、どうなっているんだーとテストを繰り返したり、個別の事柄について調べているんだけども)。

 ∧∧
( ‥)でも、創造論者とかアンチ進化論者はこう言いますよね?
    見ろ、突然変異では子孫が残らないではないか。

     (‥ )でもそれって自然淘汰を認めていることに
         他ならないんだよな。

 彼らが言い様がよりもっともらしく聞こえるようにするためにはこうする。

 突然変異は有害である。遺伝子の変異もすべて有害である。有害なものは自然淘汰では消滅するので、ゆえに有益な器官や構造は淘汰による累積では成立しない。

 ∧∧
( ‥)でも、その論法って論理は正しいけど
    言葉が間違っていますよね。


     (‥ )変異と突然変異の区別、というかカテゴリーが
         なっていないんだよな。

 ようするにこう。有害な突然変異というカテゴリーに”すべての変異”が包含される。これが間違っている。なんだ、これでは真円の中にはすべての楕円が包含されると言っているのと同じではないか。
 
 要するにこう。この手の理屈は自然淘汰を認めた上で誤ったカテゴリーで破綻した結論を導いて、自然淘汰説を否定しようという試み。理屈は正しいが、無内容。




境界線問題

 
 先日のことである。写真使わせてくださいというメールが来た。来たのはいいのだが、宛先の名前(ようするに北村の名前)が書いてない。しかも知らないサイトからの紹介できましたという内容で、おまけに聞いた事もない人にお金を支払う用意がありますと書いてある。なんじゃこりゃ? 誰に向けてメールを送信しているんだこれは?

 ∧∧
( ‥) 一応、相手が所属していると主張する
  -□  会社名は実在するみたいですが・・・・

     (‥ )会社が実在するから人間が所属しているとは
         限らんだろ。

 しかもどういうわけか初対面で添付ファイルつき。これ、思いっきりスパムメールじゃねえの?

 ∧∧
( ‥)スパムメールを送信する業者が
    自分たちの名前を書いたり、しかも
    受取人の名前をわざわざ、しかも間違って書きますかね?
 
     (‥ )だからスパムメールだとしてもおかしいんだよねえ。
      □-  スパムメールってもっとちゃんとスパムしている
         もんだがなあ・・・・・・。

 ようするに仕事の依頼なのかスパムメールなのか分からない、すっごいおかしなメール。こういうことがあると思い出すのがアンドロイドは電気羊の夢を見るか?って話。

 ∧∧
( ‥)よくできた機械と感情の起伏が少ない人間との区別がつかないって
    話ですよね。

     (‥ )まあ、人間は大量生産品でもないし、
         恣意的なものでしかないってことなんだろうけどね。
 

 こんなものに境界線問題を見るとは、世の中、広い。

 
 

2009年4月20日月曜日

いつから狙ってた?

 
 エマ・ウェッジウッドはいつからチャールズ・ダーウィンを狙っていたのか?

 ∧∧
( ‥)親戚だから子供の頃からお互い知っていた
    わけですよね?

     (‥ )でもチャールズが航海に出る前までは
      □-  関心はなかったようだ。

 というか、お互いに関心がなかったらしい。エマに関していうと、航海中あたりからチャールズに関心を持つようになった節が少しあるものの、チャールズの方はそういう興味をまったくもっていなかったらしい。手紙の証拠も残っているようなので、これから確認。

 ∧∧
( ‥)帰国してからは?

     (‥ )少なくとも最初のうち、チャールズは
         やっぱり関心がなかったみたいだね。

 どうも帰国直後の時点ではエマのほうがやや積極的か?

 ∧∧
( ‥)一部の著作家の記述からすると
   エマはチャールズのお兄さん、エラズマスと
    チャールズを天秤にかけたらしいですが。

     (‥ )というか、エラズマスがエマにラブなんだが
         エラズマスはお金持ちだがぷー太郎だってのが
         問題で。

 確かにチャールズもぷー太郎なんだけど、ロンドンでこぎれいに生活している兄と、南米のパンパスをガウチョと一緒に駆けめぐり、大冒険を繰り広げ、標本を集め、化石を掘り、アンデス山脈を幾度も越え、博物学者にこのままなってしまうんじゃないのか、というかなし崩しにそうなるよなあ、という弟のどっちをとるかというと・・・・

 ∧∧
( ‥)エマは将来性をとったんでしょうか?

     (‥ )だとしたら彼女は賭けに勝ったのだ。

 


 

2009年4月19日日曜日

シュメール語とアッカド語

 
 アニセ イムドゥグド ダム

   ( ‥) 訳:彼の傍らには神の鳥「旋風」がいた
     -□  ですか・・・・
 ∧∧
( ‥)シュメール語だそうですね
    途中で本文に入る楔形文字、ディンギルと
    ムセンは神と鳥の限定詞ですか。

 もちろん、まったく歯が立ちません。そりゃあ、英語もげろげろ、ギリシャ語、分からん。セム語族のアラビア語に関しては何にも知らんし、ヘブライ語に至っては聞いた事もないのだから、当然のことながら楔形文字もアッカド語も、その元というか影響を与えたシュメール語の様相も文法も何も、すべてがさっぱり理解不可能。

    (‥ )ギルガメシュ叙事詩(もちろん和訳)を
     □-  読んでいるのだが・・・
 ∧∧
( ‥)こちらだと原文は基本的にアッシリア語、ようするに
    アッカド語(バビロニア語とアッシリア語の総称)
     ですよね。

 翻訳をした人々の苦労が知れる。「アッカド語 楔形文字と文法」も買ったけども、アッカド語とか楔形文字なるもの、本を買って読んですぐに理解し、分かるものかというとそうではない。


 ∧∧
( ‥)弱りましたねえ

    ( ‥)こつこつやってゆくしかないねえ。

 ともあれ、ウルガタ聖書は本日購入。

 ∧∧
( ‥)あなた、ラテン語の文法、知らないじゃないですか

    (‥ )辞書しか持ってない・・・
     □-
 
 そういえば、ギリシャ語に至っては辞書すら持っていなかった。
 
 
 

楔形文字


 「楔形文字入門」読み終わる。


 ∧∧ 付録のこの文章、なんて読むのー
( ‥)
 -( ‥)ディンギル、エンリル・・・ルガル、クルクラ
   -□ アバ、ディンギル、ディンギレ、ネケ・・・??

 もちろん楔形文字が直に読めるわけもなく。付録につけられたローマ字の発音を読んでいるだけ。でもそれすらよくわからない。

      (‥ )なんか音にダブりがあるという話らしい
       □-  のだが、こういう読み方でいいのだろうか?
 ∧∧
( ‥)冒頭のディンギルは神様という限定詞なんじゃないの??
  -□ これ、果たして読むんですかね?

 限定詞:この言葉はこの手のカテゴリーの意味ですよー、というやつだそーだ。


   ( ‥)・・・アニセ、、、イグデュグド、ダム
     -□  シグバ、ニアセ、、、、アマル、カム
         ジダ、グブナ、、、、ウグ、イナナ ??
 ∧∧
( ‥)冒頭それぞれ、彼のかたわらに、彼の足下に
    彼の左右に、、、、これ、どういう格変化なんですか?

 なにがなんだかわからないぞなもし。

 

   

2009年4月18日土曜日

均一ではない

 
 ある水の沸点を計測したら100度だった。別の水の沸点を計測したら100度だった。これらから次のことがいえる。水の沸点は100度である。

 ∧∧
( ‥)この推論過程は帰納ですかね?

    (‥ )たぶん。でもかなり強力に言えるよね。

 でも、もし仮に次のことが起こったらどう?

 ある水の沸点を計測したら85度だった。1気圧で可能な限り純粋にしたにも関わらず、その水は85度で沸騰した。

 ∧∧
( ‥)もしそんな水があれば
    水の沸点は100度である、は棄却されると。

    (‥ )そういうことになるね。

 こうした考察から、人によっては”水の沸点が100度である”は反証できるので科学であると述べるだろう。

 でもこの推論とか論評にはたぶん、前提がある。水の物性は原理的に均一である。

 ∧∧
( ‥)そんなもんですかね?

    (‥ )少なくとも水は人間よりも均一であるという
        暗黙の前提というか知識があると言えばオッケー?


 ある人がタバコを吸ったら肺がんになった。別の人がタバコを吸ったら肺がんになった。ゆえにタバコを吸うと肺がんになる(必ず)。といえるのかというと・・・
 ∧∧
( ‥)そんなことにはなりませんよねえ

    (‥ )タバコ吸っている人が全員、
        肺がんになるわけじゃないからな。

 必ず肺がんになるという結論は導けない。

 逆にいうとこう。私はタバコを吸っても肺がんになっていないのだからタバコは肺がんの原因ではない、とも

 ∧∧
( ‥)言えませんねえ。

   (‥ )言えないだろうね。

 人によってはこう思うかもしれない。タバコが肺がんの原因であるという仮説は反証可能性をもたないと。

 ∧∧
( ‥)だから疑似科学だって言うことも可能?

   (‥ )可能じゃないか?
       少なくともそう言う事はできるよ。
        意味がないだけでね。

 たぶん、水で言えるような強力な論証の過程(?)が、生物という均一でないものを記述する場合にも当てはまるだろう。そう考えて反証可能性がどーしたこうしたという基準をそのまんま進化理論にあてはめたこと、これが進化論は反証可能性をもたない、というおかしな誤解が誕生した原因。

 ∧∧
( ‥)でも、このあたりの話って
    色々錯綜しているから難しいですよね

    (‥ )まあ、おいおい検討するさ。

 

2009年4月17日金曜日

奇跡

 
 信仰はテストするものではないとした場合、ではその身に起きた奇跡とはいかに解釈するべきなりや?

 ∧∧
( ‥)どうするんです?

      (‥ )さーねえ

 
 信仰は信ずるものであって、経験に基づいて検証するものではない。ではその身に起きた奇跡という経験によって信仰を深めるとはいかなることなりや?
   

 個人的な提案:奇跡は最小限に。





自分は誰だ?

 
 景気が回復しているかどうかはテレビや世の中の人の話を聞いていても分からない。

 ∧∧
( ‥)なんで?

     (‥ )思うに彼らはさほど景気に
         敏感じゃないからな。

 テレビなんて不景気知らずなジャンルだったし。

 ∧∧
( ‥)過去形?

     (‥ )過去形らしいね。

 どうもずいぶんひどいらしい。年にして前年比数パーセントの割合でスポンサー料が減っているというのは本当だろうか。理屈の上でいうとここ数年で20パーセントは消滅したことになるけども、そうなのか? にわかには信じられないけども、そういうことは確かにしばしばある。ジャンル全体で数兆が消滅することだってある。消費者の心は移り気だ。というかそうでなければ人間ではないし、サルでもないだろう。

 ∧∧
( ‥)おいちゃんは景気に敏感?

     (‥ )どうだろう。昔はかなりよく反映していた
         と思うけど・・・・。

 もうかなり前、4年か、あるいは5年前であったか。あるいはさらに前かもしれぬ。墓掃除のバイトをした時、

 ∧∧
( ‥)景気がよくなってきた、そういう話を
    聞いたんですよね。

     (‥ )個人的にもそういう実感というか手応えは
         感じたなあ。じょじょに良くなってきていると。

 墓掃除のバイト、気楽なバイトではあるが、まあ色々あって人が集まるかどうかは景気に非常にシビアに左右される(というかこの話、前にも書いたよね)。

 ∧∧
( ‥)バブルの頃は時給あたり50円だか
    100円弱だか上がったんでしたっけ?

     (‥ )数値はちゃんと覚えていないが上げたらしいね。

 だが、景気が下向くと、再びもとの水準に戻ったのだそーな。そして4年だか5年前、すでにじょじょに人の集まりが悪くなってきたと聞いた。景気はよくなってきていると感じた。しかし、もっと良くなったと感じても、テレビではずっと景気が悪い、悪いと言っている。そしてその次には実感がねー実感がねーと言っていた。ようするに彼らは文句をいっているだけらしい。というか文句を言うことで儲けていたらしい。まあ、それも当然、テレビは政策立案者でも計画者でもないし、ましてや経営者でもない。言葉を売る人々だ。

     ( ‥)というわけで、テレビの言う事は
         信用できない。特に景気に関しては。
 ∧∧
( ‥)あら、おいちゃん疑心暗鬼

 では今の自分は景気をどのくらい反映しているのだろう?

     (‥ )それが分からない。
 ∧∧
( ‥)まあ、今まで反映していたものが
    まるで反映しなくなる時がありますからね。

 いやな思い出は消費税5パーセントの時。みんながタクシーを使わない。みんなが趣向品(特殊なもの)を買わない。バイト先は壊滅状態。景気が回復した時、顧客はまるで総入れ替えだった。なにもかもが変わったらしい。だが、今ではまだみんなタクシーを使っている。驚くべき事だ。100年に1度だの、500年に1度の大変革とか知識人は言うけれど、そんなもの信用できない。今でもまだ、タクシーをみんなが使っている。

 ∧∧
( ‥)でもタクシーのおじさんが言っていましたね。
    過当競争で実入りが悪いと。

     (‥ )まあねえ。状況が変化しているので、
         景気は反映していても、苦しいのかもしれない。
         あるいは逆かもしれない。

 とはいえ、にわかには分からないこともある。1ヶ月に13万しか稼げないよ。あるタクシーの運転手さんが言った。おかしい、計算上、このおっさんは・・・・

 ∧∧
(‥ )おいちゃんのある本の原稿料を
 □-  二ヶ月半で稼ぐことになりますね

     (‥ )・・・・効率ずっとよくね?
         おいらよりも景気がはるかにgood?

 テレビに出ている人々は言った。この人が怒る気持ちは分かると。まあ、確かにそれを言う彼らは単位時間あたりもっとはるかに稼ぐだろう。いかに衰亡しつつあるメディアとはいえ、テレビってのはまだ図体がでかい。そしてたぶんではあるが、こういう局面でブラウン管の向こう、二次元世界で虚構な表情を浮かべて”分かります”というのが彼らの仕事。当然。推論ではあるが。

 ∧∧
( ‥)おいちゃんは?
    分かる?分からない?


     (‥ )理解できないことは分からない。
         分からないものは論評できん。

 では自分は誰でどこに立っている?


     ( ‥)自分の座標が分からない。
 ∧∧
( ‥)あら行方不明

 

2009年4月16日木曜日

気づいているのではないか?

 
 創造論者の論法というのは間違っている。というか実際のところ宗教的に極めて危険な要素をはらんでいる。

 ∧∧
( ‥)そうなの?

     (‥ )仮説を論証する過程を理解していないとか
         そういう点を抜きにしても、彼らの論法には
          まずい部分があって・・・

 あれをそのまま応用すると聖書の内容もまた否定されるだろう

 ∧∧
( ‥)なりますか

     (‥ )なるだろうね。今、ここではその方法について
         詳しく語らないけど。

 でっ、そのことを踏まえて思うのだけども・・・。ヴァチカンとか、神学者とか、もうずいぶん前からこういうことに気づいているんじゃねーの?

 ∧∧
( ‥)どうなんでしょうね?

     (‥ )1000年以上も神を論証しようとしてきた人々だ
          気がつかないわけがない。

 例えば、どうもざっと聞いた限りでは”最節約な見解からすれば神が存在すると考える必要はない”という懐疑的な見解がありうること。これ自体にはもう何世紀も前に気がついていたらしい。

 ∧∧
( ‥)まあ、、、当たり前っちゃ当たり前な
    ひとつの答えですからね

     (‥ )つまりこう。誰か気づく、これは必然。

 誰か気づけば、それはおおよそ彼らが共有する情報になりうるだろう。少なくとも文章として記述されればそれは何世紀にも渡って残り、誰かが忘れても、誰かがいつか必ずそれに気づく。

 創造論は結局のところ、論証の過程におかしな点があったり、あるいはダブルスタンダードになっている。あのままでは

 ∧∧
( ‥)聖書の記述をおかしな論証でもって
    否定することに道を開いたり、、、

     (‥ )あるいは信仰は理性によっては決して正当化できない
         という結論に道を開くことになる。

 たぶん、あれは宗教的に極めて危険な思想。というか宗教者の、特に真面目に本を読んでいる人で、なおかつ中途半端にしか考えていない人、自分の論証の過程に穴があることに気がつかない不注意な人は、

 ∧∧
( ‥)宗教の側から見ても極めて危険だと。

     (‥ )科学は論理的であるから正しいのだ、といったら
         間違っているだけでなくて危険であることと同じ

 で、思うに、神学者達はどの程度、この危険を認識しているわけ?

 ∧∧
( ‥)というかすでに議論の形で現れているのでは?

     (‥ )たぶん、そうでないかと思うのだよねえ。

 こんど調べてみるか。たぶん、何世紀も前に誰かと誰かが激烈な言い合いをしているだろう。

 
 

2009年4月14日火曜日

心と体とマルサスと

 
 マルサスの人口論

    ( ‥)あいもかわらず読んでます
      -□
 ∧∧
( ‥)まだ読み終わってなかったんですか。

 当時の英国ではすでに斉一主義的な考えが定着していたのかどうなのか、

 現在、観測可能な事柄から推論することを否定したら、どんな物事も正当化できちゃうでしょ? それってやばくね? 

という論法が出てくる。ああ、ごもっとも。とはいえ、こういう思考の延長線に進化理論があることを考えると、当たり前な論法であると同時に危険な論法でもある(教会による社会秩序の根幹をゆるがしかねないという点においては)。

 そして、心がハッピーだと疲れはあまり感じないが、だからといって肉体の疲労が存在しないわけではない。というか疲労の度合いは同じじゃね? 翌日の体の痛みはオレの場合、同じだよ。という論法もでてくる。

 ∧∧
( ‥)人間が心の力で肉体の限界を突破できる
    ようでいて、そんなことは不可能だという
     主張を展開するために出されたものですね。

      (‥ )これも当たり前の主張だな
       □-

 しかし、当たり前であるけども、ここから言えそうなことが少なくとも2つ。

 マルサスは心身二元論で考えていたのだろうか。というか、魂は神の元へ還るという考えに基づけば、多分、そうでないとおかしい。たぶんそう。

 その上で、マルサスは体が心に与える影響が大であることを示した。しかしそれって魂があるという立場からすると(その主張の動機も解釈もどうあれ)、究極的にはものすごくやばくね?(当時の英国としては)

 ∧∧
( ‥)究極的には魂は肉体の虚ろな反映にすぎない
    ということになりますよね?

      (‥ )これって、当時の英国では
       □-   どの程度、思想犯罪に相当するんだろう?

 あまり相当しなかったのだろうか? たぶん、そうであろうとは思うけども。

 あるいはそうは解釈されなかったということだろうか。

      ( ‥)例えばダーウィンの「種の起源」には
        -□ アダムとエバが人類の祖であることを
          露骨に否定したとしか思えない記述が
          出てくるけど。
 ∧∧
( ‥)当時はどう認識されたんでしょうね?

 一部の人はこれは過激だ!!と憤慨(あるいは賞賛)したんだろうか?

 ∧∧
( ‥)そもそもそう解釈されたんですかね?

      (‥ )されていないかもしれない。
       □-  というか分からん。

 ダーウィンは「種の起源」で人間に関してほとんど記述していない、彼は過激さを押さえたのだ、しばしばそう言われる。

 しかしあの記述は、その日は雲ひとつなく太陽がそれに陰ることはありませんでしたが、日食がありました。という程度には過激だと思う。人間は獣から進化したと(あえて)言わなかった事柄と、人類の祖は1組のカップルではないでしょ、というのとどっちが過激だろうか。

 ∧∧
( ‥)どうなんでしょうね?

      (‥ )さてなあ

 
 謎である。


2009年4月13日月曜日

頭に悪い言葉

 
 先に書いた「馬鹿だ馬鹿だというまえに」で示した通り、頭に悪そうな言葉を書き連ねれば売れるのではあるまいか?

 ∧∧
( ‥)? 具体的には?

     (‥ )あー、、、その、なんだ、

 私たちは他人や地球によって生かされているから、生きる価値がある。だからこそ他人や他の生き物を大切にしなければならないし、それでこそ自分と自分の命も輝く。

 ∧∧
( ‥)はあ、それはそれは・・・・・

     (‥ )この企画、やめようね。


 頭と心の健康に悪影響が出る事、必定

 

2009年4月12日日曜日

馬鹿だ馬鹿だという前に

 
 世の中、馬鹿ばっかりだ。どいつもこいつも馬鹿ばっかり。

 こういうことを言う人はいっぱい、いるんだけども。

 ∧∧
( ‥)でも、そんな分かり切ったことを言っても
    しょうがないですよね

     (‥ )平均以上(それもかなり上の人だけ)が頭がいい。
      □-  そう設定すると自動的に人類の半分以上というか
          過半数は馬鹿ってことになるからなあ

 ∧∧
( ‥)馬鹿ばっかというよりも

     (‥ )我々の大半はお馬鹿さんであるという前提で
         商品を生産するべし。

 馬鹿ばっかなんて言う人を尻目に、おいらは馬鹿向けの商品大量生産、作って作って大儲けさー。と考えて

 ∧∧
( ‥)でっ? 何を作るんですか?

     ( ‥)それが分からん・・・・・・

 この場合の馬鹿ってのは平均なんだ。それは統計という作業を通じて出されるべき値であり、そして私たちと称している私たちそれぞれは

 ∧∧
( ‥)個人であり、結局、個々の数値なんですよね

     (‥ )なんということだ!! 私は我々ではない!!
         我々でない以上、馬鹿が望むものは分からんぞ!!

 というわけで統計学が必要となり、事実、学生のみならずビジネスマン向けの統計学本が売れる。

 ∧∧
( ‥)でも、今必要なのはもっと手っ取り早いものですよね

     (‥ )体にいいものを食べるより、焼き肉!!
         これが世の中ってもんよ。


 ∧∧
( ‥)体に悪いものとか頭に悪い言葉とかを
    集大成すればいいのでは?

     (‥ )むう。それなら確かに
         手っ取り早いな。


 つまりあれか、古今東西の本からアホじゃねーのこいつってものをかたっぱしから集めてつなげればオッケー。

 ∧∧
( ‥)あー、フランケンシュタインですね

     (‥ )おっ、なんか背徳感があるねえ。



 ただ、これではたぶん、企画が通らない。

トライポッド


 ウェルズの宇宙戦争。遠路はるばる火星から地球にやってきた火星軍。使用するはアルミ製(らしい)三脚戦車。

 ∧∧
( ‥)だから19世紀の英国軍の大砲でも、
    当たれば壊れちゃうんですよね。

      (‥ )まあ、だいぶ以前にも話題になったけども
          超長距離の遠征軍だからねえ。
          軽量で廉価版な兵器なんだろうね。

 だから英国軍の大砲で三脚戦車を1機破壊された火星軍は、一度撤退、長距離から毒ガス弾を発射して英国軍の防衛ラインを沈黙させる。

 ∧∧
( ‥)現代風にするのならあれですか
    イージス艦みたいなものになるんですかね?

      (‥ )それでも地雷とか近距離からの
          対戦車ロケット弾とかにやられちゃうだろうなあ。

 だから機関銃みたいなものとか、そういうもので接近する敵を撃退しなければいかんのじゃなかろうか。

 ∧∧
( ‥)まあ、火星軍ですから熱線ですか。

      (‥ )熱線を放つ武器をそなえた
          小さな触手とか、漫画やアニメに出てくる
          アホみたいに強力で直進するレーザーとかで
          歩兵から弾道ミサイルまで迎撃するのかな。

*直進する:この場合、大気の屈折とか地球の磁場とかに影響されて進路が曲がり、長距離にあるものを迎撃できなくなるようなことが”ない”、という意味。つまりアホみたいに遠くのものに正確に当たる、なかなか強力なオーバーテクノロジー。なんか色々あって雲も貫通。すげー。

 ∧∧
( ‥)地上をなかなかの速度で行軍できる
   イージス艦みたいなもので、大火力の兵器も
    もっていると。

      (‥ )でも地雷やRPG-7で足や装甲が破壊されちゃう
           程度の防御で、軽量。

 風の強い日にはぐらぐら揺れている。

 

1万と2000


 WW2 のさなか、連合軍に降伏し、さらに寝返った(というと聞こえが悪いけども、まあそういうことで)イタリア。ある小さな島で同盟軍として一緒にいたイタリア軍1万とドイツ軍2000(後に援軍500が加わったという話)はなし崩しに交戦状態へ突入。そしてなぜかどういうわけかイタリア軍が全滅。

 これは10000 vs 2500 でも書いたけども、やはり、なぜに? Why? 

 ∧∧ この戦いをモデルにした映画では
(‥ )なんかドイツ軍が悪役っぽいですけど
 □-
     (‥ )実際の史実はどうなんだかね?

 物量にひいでたドイツ軍にイタリア軍が圧倒されたーとか、映画ではそういう設定らしいのだけども、でもどっちも駐留軍なんだよねえ。

 ∧∧
( ‥)単純に考えれば物量はイタリア軍の方が
    多いはずですよね?

     (‥ )1人あたりの物資が同じでも
         人員が5倍だもんなあ・・・・
         弾数だって絶対的には5倍だよねえ?

 撃ち合いしたらドイツ軍はあっという間に(普通に考えれば敵より5倍速く)弾が尽きちゃうよねえ(これは相対した兵隊さんがお互いに同数だけ撃つとした場合)。

 ∧∧
( ‥)仮に同時に弾が尽きるという条件だったら
    単位時間あたりイタリア軍は
     5倍撃ってくることになりますよね?

     (‥ )そのはずだよなあ・・・・

 5倍の弾って、、、、地獄やがな。それなのになんで勝つ? なんで負けるの? それともこの前提がおかしいのだろうか。

 さて、知人と話していたら、彼はこういった。仮に自分がイタリア軍だとしよう。国からの命令が(多分、確実に)錯綜していて、どうしたらいいのか分からない時、戦闘が始まっちゃった場合、あなたならどうしますか?

 ∧∧
( ‥)困っちゃいますよね・・・・・

     (‥ )えっ? 戦闘? 誰とどこと????
         たぶんこうなるよね。

 混乱したのがいけないんですかね? でもこれだけで充分に負けるのかね。

 逆に考えればこう。もし自分たちがドイツ軍だったらどう? 友邦国のイタリアで政変が起こったらしい。おまけに敵方になったのだという。昨日までの友軍はいまや敵。しかもその敵と自分たちはひとつの島にいて、相手はこちらの5倍。今すぐ島から脱出しましょー!!と言うのは簡単だけども、そもそもそんな輸送能力が手元にあるのか?

 ∧∧
( ‥)あのー、正直言ってまじビビリな状況ですよね?
    輸送手段があってもそんなすぐに脱出は不可能ですよね。

     (‥ )孤立無援、というかそれに近い状況で
         相手は武装した5倍の軍勢。普通に考えれば
         ひとたまりもないよなあ。
 
 全滅、死ぬ事この瞬間に決定、震え上がること間違いなし。

 いや、もう、こんな状況に置かれたら、よくは知らんけど、本当にこうだったらもはや背水の陣。死にものぐるいで戦ってなんとか脱出するしかないのではなかろうか。あわよくば勝とうなんて考えないんじゃないかい?

 ∧∧
( ‥)いくら航空戦力がドイツ軍にあったといっても。

     (‥ )制空権を握られていながら徹底抗戦する守備隊が
         優勢な相手に甚大な損害を与えた例だって
          あるしなあ。

 ましてや相手の数の方が多いのだ、航空戦力があるから勝つだの考えたり、そもそも5倍の敵に対して積極的に戦いをいどもうとか、殲滅しようなんて考えたりするんだろうか。援護の下、とにもかくにもすっとんで逃げるのが普通じゃないの? 

 
     ( ‥)それなのになんで戦ったあげくに
         しかも勝っているわけ?
 ∧∧
( ‥)謎ですね。

 
 そして映画はフェアに描かれていたのだろうか。5倍の、しかも先日まで友軍であった敵を積極的に叩こうとしたという”設定”らしいのだけども、調べないと何もかもが謎である。

夢を見た

 
 夢を見た。

 妙に四角い顔なわりにはなかなかハンサムで髪の長い男なんだが、首からいきなり節足動物みたいな足がたくさん生えていて、わーきゃー言いながら周りを走って後をつけてくる。うっとおしいので、髪の毛をむんずとつかみ、思いっきり放り投げてやった。がつんとどこかに当たってバウンドしてた。

 しばらくしたら、頭はそのままだが、体が四角い箱になって一生懸命後をつけてくる。果てしなくうっとおしいので、蹴倒してやった。

 そしたら今度は通常の人間の姿でニコニコ笑って近づいてくるのだが、そのさわやかな笑顔が、それはそれはこれ以上はないというくらいうっとおしいので、手元にある何かをつかみ、そして・・・

 ∧∧
( ‥)でっそこで夢が醒めたと

      (  ̄  ̄)夢というのは理不尽だ。最初に
            ○○○してやればよかった。

 ∧∧
( ‥)もう少し夢的な方法で
    穏便にお願いします。

      (‥ )では、例えばマジカル・リリカルサンダーでオッケー?


 ∧∧
( ‥)具体的には?

      (‥ )100万ボルトの電撃で、内部の液体が沸騰して
          すぽぽぽーんと飛び出します。眼球が。

 ∧∧
( ‥)マジカルでもリリカルでもないですね。

      ( ‥)じゃあ、マジカルシャベル。
          いいシャベルはすっごいらしいよー

 
 今度、夢に出たら決着つけたる。夢のなかなら自由自在で法律は及ばない。

 ∧∧
( ‥)まさに治外法権

      (‥ )思想犯罪、大爆発
 

 

火星人

 
 先日、ふとテレビをつけたら宇宙戦争がやっていた。なんかスペクタルな部分だけ見たいので、家族な描写の時は消す。喰われろ、逃げろ、襲われろ。

 それにしても、へー、意外というか思っていたよりもはるかによく出来ていた映画じゃないですか。河を渡ろうとしたり、軍隊があっさり全滅したり、地下室に逃れるところもちゃんと描かれていた。

     (‥ )火星人が人間を喰う描写が暗示だけで終わっていたが。
 ∧∧
( ‥)そこは原作でもあまりに正視に耐えないという理由で
    主人公、自らがはぶいていたじゃないですか。
    ぶっすり刺してちゅーちゅーしているだけでも
    充分でしょ。

 *注:原作、宇宙戦争は主人公の回想という体裁で描かれている。

 ただ、映画では火星人(?)の三脚戦車がちと強過ぎ。原作の薄氷を渡るような火星人のスリリングな作戦展開がなかったのはやはり残念。

     (‥ )吹けば飛ぶような超長距離遠征用の部隊でも
         奇襲攻撃と電撃戦で大勝利!! これ大事。
 ∧∧
( ‥)はあ、まあそうですけどね。

 あまりに強いせいか、毒ガスの描写はなかった。

     ( ‥)あとなあ、家族描写なんてどうでもいいから
         俳優はニコラス・ケイジあたりでひーひー
         一人で泣きながら逃げて欲しかったけど。
 ∧∧
( ‥)はあ、それで地下室に閉じ込められたり
    発狂したりするんですか?
     そりゃまた地味な映画ですねえ。

 火星人もキノコでないのがなんか残念。


 ∧∧
( ‥)キノコというよりは
    実際には、事実上、脳だけ状態なんでしょ?

     (‥ )彼らにとっての乗り物は
         人間の洋服と一緒。
         というか第2の体。

 時代を考えると興味深いのは、ウエルズの進化観がかなり用不用説。というかほとんど完全に用不用説だったらしいこと。ダーウィンの自然淘汰説が凋落(というかそもそも誰が自然淘汰説を理解していたのかが問題なのだけども)していた時期に書かれたせいか、火星人の姿と進化論っぽい説明はいわゆる偽ダーウィン主義状態。

 *偽ダーウィン:ダーウィンの進化論と言いながら、実際にはダーウィン以前の”進化論”を信じていた人たちとその思想、その他のこと。というか、こういう人たちが表舞台からさっていったのは、それこそ20世紀の前半〜後半にかけてではなかったか? 今日、手元に届いた某特集号も、一部の書き手はげろげろだった。
 

 

2009年4月11日土曜日

ギリシャ語

 
 新約聖書は本来、ギリシャ語で書かれていた。まあそういうわけでギリシャ語版の聖書を購入。


     ( ‥)読めません
       -□
 ∧∧
( ‥)そりゃそうです

 イエスは悪魔に問われて言った。お前の神をテストしてはならぬ。

 ∧∧
(‥ )英語ではtestなんですよね
 □-

     (‥ )ギリシャ語ではどういう意味だったのかね?

 イエスよ、お前が神の子であるのなら高いところから飛び降りても平気なはずではないか。
 悪魔よ、その提案をテストすること、それを私は拒否する。

 これをどう受け取るべきか。

 ∧∧
( ‥)常識的な解答ではありますね
 □-

     (‥ )たぶん、宗教者としては正しい解答
         だが検証すると破綻してしまうので
         それを拒否したのだとも受け取ることも可能。

 さて、ギリシャ語ではどう受け止めるべきなのか。

 ∧∧
( ‥)でもギリシャ語でも英語でも、
    基本的には同じ意味であるはずでしょ?

     (‥ )自分たちの聖典をヨーロッパの宗教学者たち
         は可能な限り正確に理解しようとしたはずだからね

 するとこの問題はむしろ神学の領域か?

 ∧∧
( ‥)悪魔の問いに対するイエスの答えはいかなりや?
    それは争点をずらすためのものだったと考えるべきか
     否か? という問いがかつてあったと思います?

     (‥ )さあ、どうだろう?

 
 ただ少なくともこう解釈することは比較的可能。神は検証するものではなく、信仰はテストするものではない。宗教は科学ではなく、それは経験で確認するものではない。
 

2009年4月10日金曜日

谷のスミレ

 

 ここの数日、時間を見て歩く、ざっと調べました。北へ1.5キロ。東へ2キロ。南へ1キロの範囲。

 ∧∧  アップダウンが激しいですね
( ‥)
  -( ‥)東へいく2キロの間に谷が2つあるとはね。
      知らなかったなあ。

 当然といえば当然なんだけども谷には川が流れていて、それは下流(といっても1キロ程度)になるとそれなりに大きくなるものもあれば、ごく小さくて、人間が周囲をコンクリートで固めてしまって幅1メートル強ぐらいしかないものもある。

 ∧∧  どの谷もこうした川による浸食なんですね
(‥ )
 -( ‥)そうだろうね。

 谷の幅は狭いところでも100メートル、広いと200メートルあまり。深さはたぶん、十数メートル、20メートル、あるいはそれ以上。古い農家や大きくて極端に裕福な家はあまりない。大きさは常識的、かつ比較的新しい住宅が整然と並んでいる。多分、かつては田んぼがあって、それが開発されたんだろう。
 
 川が支流になっていて、谷が分岐している箇所もある。そのひとつ、小さな支流の上流の場合、その小川はすっかり蓋をされていて、そこの深さは建物でいうと3階あまり。あるいはそれ以上。小さな谷が丸々全部、うねうねとした住宅地に変貌している。さらに上流は公園で終わり、谷はつきていた。

 そうこうしながらついに見つけました、マルバスミレの群落。家からおよそ2キロ北東。


 ∧∧  大きな谷の斜面の切り通しの赤土の壁と
( ‥)
 -( ‥)手入れのよい谷の斜面際の林に
   -。 生えているね。

 Googleの航空写真を見ても分かるけども、家の近所には南北に延びる緑地帯が何本もあって、それらは斜面を反映している。ようするに急斜面なので開発されず、そのまんま緑が残っているということらしい。それは実際に歩いてみると、河岸段丘であったり、あるいは小川による谷の斜面を示していることがよく分かる。

 そういう場所に残っていたマルバスミレ。でもこういう斜面の森は概して汚い。しばしば竹が生えていたり、手入れもされず、ごみごみとしてスミレは多くない。あってもタチツボスミレ。印象としていうとマルバスミレは手入れされていない林には生えていないらしい。

 ∧∧  でも、乾いた日当りの良い場所にも
(‥ ) 湿った谷にも生えているんですね
 -( ‥)
    そういうえり好みのなさはタチツボスミレに似ているんだけどね、
     タチツボと違って、マルバスミレは分布に
      妙にむらがあるよね。

 こんど見つけた群落(というの?)も、近所の公園の群落からお互いの距離が1.5キロも離れている。周囲の緑の状況や、見た限りではたぶん、この近辺には他に群落はないらしい(2株だけそこから1キロ南東の公園に生えていたけども)こんなに孤立していると絶滅の可能性がかなり増すのだろうか、それともそうでもないのか。

 まあ、本当に他にマルバスミレがないのかどうか、さらに調べてみよう。
 

2009年4月8日水曜日

未来予想

 
 宇宙アッシリア。人類が宇宙に進出したはるか未来。しかしそこには依然として中東の覇王アッシリア帝国が・・・・。とまあ、そういうことが実際に起きなかったように、国だの民族だの宗教だのは永遠の存在でもなんでもなく、うつろうものでございます。

 ∧∧
( ‥)だから未来予想は難しいんですね

     (‥ )予想してはだめだな。すくなくとも
         お話を作る時はぷっつん切れなくては
         だめだ。

 端的にいってしまえば、未来を予想してどうするSF、予想とは科学がすることです。SFは科学じゃないざます(要約:小説は論文ではない)

     ( ‥)とはいえ、共通項がなくてはお話は理解不可能だし
       -□ 実際、人間には共通項があるんだよな。
 ∧∧
( ‥)ジックラット? いやジッグラトですか?
  -□ 人間の高いもの志向は新宿でもマンハッタンでも
    今だに健在ですからね。

 現在の摩天楼は神殿ではなくて、どちらかというと住居に近いのだけど。似たものが泥製でないではない。シバームのような泥の高層建築都市があったり、マリ共和国の泥のモスクがあったりするわけだし。

     (‥ )レンガや、より近代的には鉄筋コンクリートを
         使うにしても、それは似ているともいえるよな。
         
 ∧∧
( ‥)まあ、化学反応で硬化するコンクリートや焼いたレンガと
    日干しレンガはずいぶんちがいますし、接着剤や防水代わりの
     アスファルトも同じではないですけど。

 だから、こういうのを延長すればおかしな、それでいてなんか現在に少しだけ似ている未来像が描けるか。

     (‥ )ティグリス河の河口に広がる泥の摩天楼。
         焼結することなにし、ほぼ類似の強度を達成した
         驚異の日干しレンガと防水アスファルト
 ∧∧
( ‥)まあ、アスファルトも色々改良してなんか知らんが
    ”画期的”にすごい、と設定したらオッケーかもですね。

 鉄筋は錆びやすいし、まだ鉄器が一般的でない(のか?)だから青銅筋で。

 ∧∧
(‥ )なーんかちんちくりんな世界ですね
 □-

     (‥ )馬がいなくても動く馬車や戦車を設定すれば自動車だ。
         でも品種改良でアホみたいにすごい家畜で動いてます
          でもいいんだよな。

 ∧∧
( ‥)町が糞だらけになっちゃいますよ

     (‥ )それ、19世紀とかのイギリスでも問題になったことだし
         排ガス公害と同じだろ?

 そういえばスーパー生物やスーパー家畜で宇宙航行までしちゃぞってSFも時々あったよね。

     (‥ )地球の長い午後のツナワタリってそれだしなあ。
      □-  オールト雲の彗星で育つ植物を構想した人もいたし
         スーパー家畜って意外と古典的なアイデアなんだよね
 ∧∧
( ‥)スーパー馬で電車が動いていたりするんですか。

 
     (‥ )イギリスの初期の路面電車は馬引きだったと記憶している。

 ∧∧
( ‥)意外と近代に至るまでそうだったんですね。

 こうなると産業革命をむかえたアッシリア帝国というなんじゃそれ世界もありっちゃあり。


     ( ‥)まあ、掟破りに怪鳥ズーの力を封じ込めた箱
       -■ の力で飛びます、動きます、でもいいんだけどね。
 ∧∧
( ‥)でも未来アッシリアの飛行機って、自動車とかも
    そうでしょうけど、ぜーんぶ木製ぽいですね。
 

     (‥ )木材って貴重な資源なんだよ。
         初期の列強の軍艦は木製だし
 ∧∧
( ‥)森林資源を確保しないと
    軍隊も維持できないってことですか。

 森を求めて戦争でもしているんだろう。

 ∧∧
( ‥)レバノン杉があっというまに
    禿げ山に

     (‥ )むう、アッシリアはさらに侵略戦争を
         広げなければいけないな。
 
 

2009年4月7日火曜日

宇宙アッシリア

 
 そういえばこんな話を聞いた事がある。聖書はもともと英語で書かれていたと信じているアメリカ人がいる。

 ∧∧
( ‥)正気とは思えませんね
    ほとんど都市伝説の
    のりじゃないですか

   (‥ )まーそうだよなあ

 確かにいくらオオナマケモノの爪が”悪魔の爪だー”と思い込むやつがいるといっても、聖書はもともと英語です、と本気で信じる奴は、さすがのアメリカにだってそうはいないだろう(信じている奴はイエスやモーゼが、グッドモーニング、ハウ、アーユー? とかのたまうと本気で思っているんだろうか)。

 ∧∧
(‥ )とはいえ、英語スピーカーが
 □-  これだけ多いことからすると
    将来は英語聖書だらけに
    なってもおかしくないですね。

  (‥ )まああれだな。
      メソポタミアの人々から
      すればだよ、
      自分たちの洪水伝説や
      楽園伝説、
      粘土から製造された人間
      こういう要素だけが
      異宗教、異言語の聖典に
      おける要素として
      生延びることになるとは
      予想できなかったように、
      これから未来では僕らには
      思いもよらぬ事が
      起きるだろうね
 

 それを考えると、これから未来、ウルガタ聖書だのセプトアギンタだのが消滅して英語聖書だけになったとしても、

   (‥ )そうであったとしても
       さらに5000年後の
       世界では英語聖書さえ
       残っているか怪しいな
 ∧∧
( ‥)全然別の言語で、
    しかもまるで別の
    体系と宗教のもとで
    伝承されていて、
    キリスト教すら
    影も形も残っていない
    そういうことがありうる
    というわけですか。

 実際、それがメソポタミア文化に対して起こったことである。いくら今の我々が大量の情報を蓄えることができるといっても、時の流れや文化の興亡の中では失われていくものがあるのはどうしようもない。

   (‥ )実際、ID論ってあれだろ
       政教分離の世界に
       適応した創造論で、
       ようするに進化した
       ものだよなあ。
 ∧∧
( ‥)まあ、確かにID論は
    そう受け取れるものですねえ

 
 思想や宗教のこのような進化というか変化が続いたら、5000年後にはどうなるか分からない。想像も予想もつかない。例えばの話、アッシリアの人に、5000年後の世界を描け、と言ったらどうだろう。まあそもそもそんなSFみたいなものを書く文化がないと思うので、こういう注文自体が理解不可能なのかもしれないけど(つまり、こういうことが起きるくらい時代と地域で文化やら考えやらに大きな変化が起きている)。

 それでもなお、思い描いたらこんな感じか?
 

 アッシリア暦5728年。偉大なるアッシュルバニパル269世は、讃えられてあれ、宿敵、大エジプト帝国のファラオを戦場で打ち破り、その捕虜を殺し、その手を打ち落として塚を築き、ついにシリアをアッシリアのものとしたのである。皇帝陛下の威光は北はアムダリア、南はアラビア、西はインドにまで届き。ついに世界の半分を手中に・・・・

 ∧∧
( ‥)なんかあれですねえ
   規模をでっかくしただけですね

  (‥ )超巨大な王宮は
      スーパー日干しレンガと
      スーパーアスファルトで
      できてるんよ。
      高さは500メートル
      ぐらいで、
      昇り降りは階段ね。
      デザートは品種改良された
      リンゴサイズのナツメヤシ

 

 チグリス・ユーフラテスの下流にはマンハッタンも真っ青な日干しレンガの巨大ジックラット群。駄獣に引かれる無数の輸送車があまねく諸国の物品を運び入れ、輸出用アスファルトを満載した船が行き交う繁栄の都。ああ、アッシュルバニパル。その繁栄と治世、たたえられて栄光あれ。

そもそもアッシリア人がアッシュルバニパルとか言うわけないんだけど。どっちにしても5000年後のことなんか分からないよなあ。

 分からない。分からないのなら、いっそのことこう。

 銀河の3分の1を支配する宇宙アッシリア帝国は、宿敵の宇宙エジプトと宇宙戦艦(日干しレンガとアスファルトで建造、人力と帆で駆動)で戦っている時、突如、鉄器生産で銀河に覇をとなえる宇宙ヒッタイトの奇襲を受け、、、、

 ∧∧
( ‥)なんかいよいよグダグダですね

    (‥ )グダグダも
       突き抜ければいいのさ

 
しかしこれでは、突き抜け具合がまだ足りない。

 
 

 

ウルガタ聖書

 
 アメリカのアニメ、ザ・シンプソンズを以前見たらこんなシーンがあった。主人公達の隣の家にすむアホみたいに(失礼)信仰心の厚い一家がいて、うぜーやつらだと思いつつ、主人公が訪ねると、その家のゲームが聖書からの引用句の当てっこだかなんだかで。

 ∧∧
( ‥)でっ、ウルガタ聖書ー!!って台詞が
    出てくるんですよね。

     (‥ )なんのこっちゃと思っていたら、ウルガタって
      □-  4世紀のラテン語訳聖書のことなのな。

 新約聖書、旧約聖書。旧約聖書はユダヤ教の聖典。もともとはヘブライ語。あるいはより広域で通用する言語のアラム語で記録や編纂されたり。後にはギリシャ語訳の七十人訳聖書(セプトアギンタ)が現れる。

 ∧∧
( ‥)でっ、これをさらにローマ帝国で使用されるラテン語に
    訳した、あるいは編纂したのがウルガタ聖書であると。

     (‥ )牧師になろうとしたダーウィンもこの辺りの勉強を
         したのかねえ?

 したはずだよねえ? 理屈の上ではそうだよな。

 取りあえず、それを知る事ができそうな本を購入。ウルガタ聖書とセプトアギンタは、まあ、後に改めて買うといたしましょう。

 それにしても聖書かあ、やっかいだよねえ。翻訳の時、なにがどうなっているのか、第3者には把握しきれない。

 ∧∧
( ‥)19世紀のイギリスでギリシャ語やラテン語が
    必須の教養だったって、当たり前ですね

     (‥ )なるべく原典に近くいるべきだろうからなあ
      □-   ましてや国教会が国家を支えているわけだし。

 そういえば昔、ギリシャ語などを解するがゆえに、母国語の聖書しか読んでいないキリスト教徒(少なくとも本人達はそう自称している、あるいはそれに近似の宗教者)による宗教の勧誘を心底軽蔑している人がいたが。

 ∧∧
( ‥)まあ、、そう感じるのも無理ないかもですね

     (‥ )イスラームではクルアーンの翻訳は禁止されていると
         記憶しているけども、それは確かに正しいと思えるな。


 神がその言語で指示を与えたというのなら。確かに預言者の伝えた言語で聖典を読み、聞き、話し、そして理解するのがもっとも正確。しかもできれば当時の社会状況や常識や世界観を考慮して。


 ∧∧
( ‥)しかしギリシャ語、ラテン語というのは・・・・
  -□
     (‥ )ダーウィンじゃないけど、困るよねえ。
      □-
 
 英語もろくすっぽ分からないというのに、ラテン語で知っていることというと、学名で名前を作る際に関わる決まり事(それもうろ覚え)と文法と活用が異様に感じたということ。ギリシャ語に至ってはアルファベットが訳分からん、ということだけ。

 

2009年4月6日月曜日

実験不可能は非科学なり

 
 科学のコンテンツに感想文を追加したわけだけども。


     (‥ )ようするにこう?実験不可能な仮説は非科学なり、
         この主張は自分自身を肯定できない。
 ∧∧
( ‥)あるいはできたことがないと。

 ”実験不可能な仮説は非科学である”という論法それ自体は実験でこそ、その妥当性が確かめられるべきで、そうでないと自分自身を正当化できない。

 ∧∧
( ‥)ゆえに成り立たないと

     (‥ )まあ、”実験不可能な仮説は非科学である”という
         この前提の是非は科学的に判断する必要はない
         そう設定することもできるのだけどね。

 問題はそう設定してしまった場合、”実験不可能な仮説は非科学である”という主張は何をもって正当化するのかってことなんだよなあ。
     

 ∧∧
( ‥)聖書にそう書かれているのです

      (‥ )だったら問題解決・・・

 にならねーーっ、もし仮にそう書いてあったとしても聖書、それ自体の妥当性をどう論証すれば良いのだぞなもし?

 ∧∧
( ‥)信仰以外に正当化は不可能では?

      (‥ )なんかそれっぽいよなあ。
 

2009年4月5日日曜日

スミレを探して

 
 イラストは朝の8:00には上がったのだが、そこから今度はテキスト作り。


     ( ‥)学会もあったのだがそれはあきらめよう
 ∧∧
( ‥)やむをえませんね

 昼頃、終了。というわけで現在はスミレの季節。近所のスミレはどうなっているのだぞなもし? と散策。河岸段丘ぞいに南へ700メートルほど移動して、そこから500メートルほど東へ。時々、電車から見ていた丘(より正確には河岸段丘の2段目?)の上の林にいったら、それは東向きの斜面に広がる森の一部だった。

    (  ̄  ̄)えっ、まじっすか
 ∧∧
( ‥)以前ちょっとだけ見た谷の向かい側にあった
    森ですね

 東西およそ200メートル強。南北におよそ400メートル。しかも公園でもなんでもなく(googleの地図上では白紙)、なーんの手入れもしていない。さりとてこういう場所にありがちな粗大ゴミだらけでもない。自転車とバイク、たぶん90センチ水槽とかが谷間に落ちていたくらい。周囲からあまり見えず(ほとんど孤立した盆地状態)、周りにある家々は比較的高級そうな新興住宅地だからかもしれない。

 ∧∧  なんで誰もいないんでしょうね?
(‥ )
 -( ‥)本当になんにもないからでしょ。

 家の近所の公園のようにホレスが住み着くというわけでもないらしい(今日、ひさしぶりに見たおっさんは禁止されているのにあいかわらず水鳥に餌をやっていた、寂しいのかもしれない)、というか今の時期はいいけど、あそこは6月をすぎれば蚊のものすごい大群が現れること、まずまちがいない。あの手の森はどこでもそうだ。樹はうっそうと茂っているがそれだけで、池や沼のような見所があるわけでもない。

 ∧∧  スミレも皆無ですね
( ‥)
 -( ‥)タチツボスミレすらないとはなあ。

 公園を出たところで外来種のアメリカスミレサイシンが生えていたので、ひとつ持ち帰る。それから図書館にいって帰り際に、いつもの公園のさらに北側にある森へいく。公園は小高い丘になっていて、頂上でスミレが生えているのを確認。

 そのさらに帰りにいつもの公園へ寄る。マルバスミレ(ケマルバスミレ)が幾つも咲いている場所を見つけた。ちょうど先ほどの公園の頂上とほぼ同じ高さ、向かい合って距離は200メートル強ほど。あちらはスミレ、こちらはマルバスミレ。

 ∧∧  なんででしょうね?
(‥ )
 -( ‥)なぜなんだろうねえ?

 
 南北およそ1.7キロ、幅500メートルの範囲内にスミレはパッチ状に生えていて。比較的よく見るのがタチツボスミレ、人家などで見るのがヒメスミレ。スミレは比較的少なめでぽつぽつある感じ(先の公園の頂上にたくさんいたのは例外的)。マルバスミレは南北30メートルぐらい、東西300メートル程度のごく狭い範囲のみで生息確認。


ウェイン

 
 統合失調症とされる人の中には町で会う人物が、集団で自分を追いかけていると解釈する場合があるという。つまり多くの人が”個々の個別の出来事であろう”と解釈する事柄を、”同じ原因に由来するひとつの現象だ”と解釈するらしい。少なくとも、そう解釈してしまう人々がいて、そのような判断をひとつの症例と見ることがあるのは事実。

 ∧∧
( ‥)そういう症例と判断は疑似科学と少し状況が似ている?

     (‥ )外見的には似ているかもね。
         でも原因が本当に共通かは分からない。

 ダーウィンのパンジェネシス仮説はそれなりに整合的ではあるのだが、体細胞と生殖細胞と、遺伝子とホルモンを区別していなかった(区別できなかった)ので、結果的に間違っていた。

 ∧∧
( ‥)同じようにデータからおかしなグラフを引いているという
    外見が同じであるからといって、原因が同じとは限らない。

     (‥ )そうかもしれないし、そうでないかもしれない。

 ただ、宇宙人に何かされた、宇宙人は人間をさらうという信念と、アメリカ政府がUFOを隠蔽しているという解釈は因果的に近いかもしれないし、アポロの写真を見て、月に人類がいっていないと解釈するのは疑似科学にだいぶん近いかもしれない。写真を見る前に地球の風景をちゃんと見ようね、みんな。

 さてさて、専門書籍を見なければ何も言えませんなーと言いつつ、ネットでたわむれに検索かけたらLouis Wain(ルイス・ウェイン)という人がひっかかってきた。どこかで聞いた事のあるようなエピソード、そして初期に描いたというネコのイラストを見てははーんと思って調べたら。

 ∧∧
(‥ )おいちゃんが中学時代に読んだ本に載っていた
\-  ぷっつん切れたネコの絵を描いた人でしたね

      (‥ )タペストリーみたいな絵柄なんだよな
          発症前はイラストレーターだったとはなあ。

 初期のネコの絵とイラストレーター時代の絵と発症して病院で描いた絵と、まあ見てみれば、確かに同一人物の描いた絵ですね、これは。

 ∧∧
( ‥)人間、そう簡単に絵柄は変わりませんか

      (‥ )基本は同じだからなあ。

 あるいは違う人がいくら外見上は違うように描いても、元が同じだと、やっぱ同じじゃねーかこれってこともある。

 ∧∧
(‥ )明の初代皇帝、朱元璋の肖像画には
\-   端整な顔と醜い顔の2つがあるんですよね


      (‥ )端から見るとあからさまに同一人物だけどね。

 顔の特徴、同じやがな。

 

2009年4月4日土曜日

動物署長

 
 交通安全を子供に教えるために、動物達が1日署長になったというイベントがあったそうだ。


     (‥ )信号無視するとライオンに喰われるとか
      -   喰われるとか、喰われるとか、喰われるとか
 ∧∧
( ‥)なに、妄想しているんですか。

オタマジャクシ

 
 オタマジャクシの絵を描きながらふと思う。昔、イギリス人研究者と話をした時、その人はオタマジャクシが嫌いだった。

 ∧∧
(‥ )言われれば、普通にグロいかもしれませんね
\-

     (‥ )半透明で目が妙に人間っぽいし、
         足が生えかけのやつなんて半分
         ちいちゃな人間みたいだしなあ。

 短い足がぶらんぶらんしてるん。

 ∧∧
( ‥)お腹の渦巻きも意味不明ですよね?
  ‐@〜
  
     (‥ )まあ、腸なんだけどね・・・・

 さて、これをあと2匹、描かねば。

 

 

心身二元論

 
 心身二元論。つまり心と体は別にそれぞれ存在するという考え方。考えている心と体が別々である、というのになんで心の思う通りに体が動くわけ? とかなんとか説明するべきことが多い考え方、というか、、、、

 ∧∧
(‥ )突っ込みどころが満載?
 □-

    (‥ )例えばだけどさ、

 酒を飲むと人が酔っぱらうことを、心身二元論者はどう説明したわけ?

 ∧∧
( ‥)酒を飲むと体が酔っぱらうから
  -□ 心も酔っぱらう振りを強いられるのです

     (‥ )まあ、説明にはなっているね、

 

2009年4月3日金曜日

変圧器

 
 昨夜はお花見をした。残念ながら皆さん寒がりで、あまり長時間はできずに2次会へ。ともあれ、変圧器とVVVFの話をした。

 ∧∧  VVVFって、例えば京浜急行とかの奇妙な発車音の
( ‥) 由来でしょ?

     (‥ )検索によると、
     \-   ミー、ファソラシーードレミーファーソー
          だという人もいるみたいだ。

 たしかにそんな感じな音だよね、あれ。

 ∧∧
( ‥)モーターの回転数を変えるための
    変圧器だかなんかなんですよね。

     (‥ )機械には詳しくないが、そうみたいだよね。

 某船の中にある変圧器は巨大だそうな。

 ∧∧
( ‥)船自体が大きいからでもありますよね

     (‥ )スクリューがモーターで駆動している船は
         大型船で幾つかあるけど、見てみたいね。

 さながら発電所搭載船。

     ( ‥)見たいなあ
       -/ 努力すっか
 ∧∧
( ‥)あなた、意外とこういうのでやる気が
    でるんですね・・・・・・・
 

2009年4月2日木曜日

定向進化

 
 そういえば先日の朝、寒い中、公園を散歩していたらノバラの花にハナバチが来ていた。もしかしたら、というか、まず確実に冬眠からさめた女王だよね、あれ。さすがハナバチ。元気です。

 ∧∧ 事実上、温血動物なんですよね   b u uuuuu,,,,,,,*
( ‥)
  -( ‥)寒さにもへっちゃらです

 これから蜜を集めて、もうしばらくしたら、もっさりとした暖かな毛皮を着た、もこもこの娘達が産まれてくるだろう。

 さて

 定向進化。かつて一部の古生物学者が提唱した非ダーウィン進化論。生物はある方向に進化するという、分かったようでいて、実のところ、これ説明になっていないという理論。ダーウィンだったら、化石記録をただもったいぶって言い換えただけじゃね? と突っ込んだだろう。

 古生物学はかなりな期間、集団遺伝学に興味を持っていなかったという。というか今も大部分の人はそうかもしれない。グールドの断続平衡説もそういう流れで産まれたんだろ、とも言えるわけだけども。

 とまれ、集団遺伝学に興味をもたなかったのも、ひいてはどうもちゃんとダーウィニズムを受け入れなかったらしいのも、それは当然と言えば当然。

 ∧∧
( ‥)地層の対比とか、そういうことに化石を使う以上
    進化がどう進行しようが関係ないですよね

     (‥ )進化があること自体は受け入れても
         進化の機構に興味をもたなくても
         仕事に支障はきたさないだろうからね。

 だから進化理論、それ自体にあまり(あくまでもあまり、あるいは比較的)興味がなかったというのは理解しやすい。生態学者ならダーウィンのアイデアや集団遺伝学に基づいて結果を予測し、研究することができるし、詳細な論文があるわけだけど、古生物学ではどうなんだろう。いや、あることそれ自体は間違いないんだ。例えば、

 ∧∧
(‥ )某Uさんの論文は化石記録が示すものが淘汰か中立的な
 □-  変動かを論じたものですよね

    (‥ )これはかなり例外的な論文だけどね

 後はものすごく大雑把な話になると、石炭紀に気候が乾燥化したから魚は陸に上がったとか(昔の本にはよく書いてあった解釈だけど、今は怪しい)、淘汰という現在確認できる現象が過去にあったと仮定して、化石記録と環境を結びつけるというものか。

 ∧∧
( ‥)筆石の模型を作って、形態によって沈む速度を
    調べるっていう試みがあったとか・・・

    (‥ )水は温度によって粘性も密度も全然違うから
        形態を緯度や古環境と関連づけて論じることも
         可能だったりするのかな?

 可能であるかどうかは知らない。しかし、ともあれ、ひとつ言えることがある。ここで述べたこれらの背景にあるアイデアは定向進化でもなんでもなく、ダーウィン的な、ようするにまっとうなものだというわけで。

 ∧∧
( ‥)古生物学でも生態に関する限りでは
    自然淘汰説を用いているというわけですね

    (‥ )現在の生態学とかに比べたら、さすがに制限あるみたいだけど。
        使っていることは使っているわけだ。


 だが、ここで最初の疑問に戻ってしまう。


     (‥ )じゃあ、なんで新しい進化論を考えたわけ?
         あるいはなぜそういう人たちがいて
         それなりな勢力を持ったのよ?
 ∧∧
( ‥)さあ?

 そもそも理解不可能なのが、定向進化それ自身。これ、一体全体なんの役に立つ理論なのね?

 ∧∧
( ‥)角が大きくなったり飾りが過剰な化石ほど
    後の時代です。と主張するのに使う。

     (‥ )いやあ、、、それ、良く言えばこれまでそうだったから
         今度もそうだろう、だけど。悪く言えばトートロジーじゃね?

 こんな主張を”はいそうですか”と受け入れる人がいただろうか。というか、そんな主張で論文を書いたり、化石の年代を推論したりして受け入れてもらえたのだろうか。

 とてもそうは思えない。


     ( ‥)オズボーンとか、向き定まってまーすと
         言ってみただけなんじゃねーだろうな
 ∧∧
( ‥)さあ? どうなんでしょうね

 今度、調べてみよう。


     (‥ )ところで、おいちゃんはpaleobioと
         paleontrogy をごちゃまぜにしているだろうか?
 ∧∧
( ‥)さあ?
 
 でっ、オズボーンとかの立ち位置って何ね?
 

2009年4月1日水曜日

アヒル

 
 家禽のアヒルは野生のカモよりも翼は小さく、足が発達している。これをダーウィンは用不用説、つまり獲得形質の遺伝で説明したのだけども。

 ∧∧
( ‥)なんで淘汰で説明しなかったわけ?

     (‥ )よく分からないけど・・・
         使用しない、つまり選択圧がかかっていない
         こういう状況下なのに形質状態が固定されている
         ように見えるからじゃないかな?

 もし使わないというだけだったら大きな翼と小さな翼という特徴がごちゃまぜになっていてもいいはずなんだが、、、と解釈した、、、、

 ∧∧
(‥ )、、、のですかねえ?
 □-

     (‥ )淘汰からはずれているのになんで中立な状態でないの?
         なぜ多型じゃないわけ? と解釈したのではないかと
         思うわけだが。

 ダーウィンがしばしば使用した論法、つまり必要がなく、淘汰から解放されているのにどういうわけか”消滅”という状態に固定されてしまっているものを説明する時に使った仮説、用不用説

 ∧∧
( ‥)パンジェネシス仮説だと、縮小した器官からは
 □-  ジェンミュールが生殖細胞にあまり伝えられないので
    退化が消失まで至りうることを説明しているようですが・・・

     (‥ )使用しないとジェンミュールがますます生産されなく
         なったりする、そういう理屈かな?

 さてどうなのか。

 ∧∧
( ‥)でっ、現在ではどう説明されるべきなんです?

     (‥ )羽を縮小させたものの方を人間が残した
         、、、の、かねえ?

 ∧∧
( ‥)飛翔力のある奴は逃げちゃったとか?

     (‥ )逃げないやつは甘えん坊の子供っぽいやつで
         歩くけど、羽はまだ小さいとか?

 家禽にはどういう淘汰がかかっているのだぞなもし?

 

淘汰の単位

 
 種の起源を読むを少し追加したのだけども。ダーウィンは時として種が種を滅ぼすとか、種の利益とか、あるいはcommunityの利益という表現をした。だから進化理論の祖は淘汰の単位をどう考えていたのだ? ということが現在に至るまで、科学史家だの科学哲学者だの研究者だのによってしばしば議論されてきたのだけども。

 ∧∧
( ‥)どう思います?

    (‥ )ざっくり言うと、淘汰の単位は個体。
        そしてその延長で系統群を記述しているから、
        表現があいまいになる余地があったと解釈
       
 系統は遺伝する変異/相違/特徴を共有している(当然、二次的にそれを無くしてしまうものもあるけども)、そのことから不妊カーストがどのように進化したのか? とか、中間種はなぜ存在しないのか、なぜ種ははっきりと識別できるものとして見えるのか、とかそういう現象をダーウィンはもろもろ説明した。

 ∧∧
( ‥)ダーウィンさんの”詳細な説明”の目的は
    淘汰の単位ではなくて、現象の説明、それそのものだと。

    (‥ )そういう場合、個々の説明において
        淘汰の単位がどれだとか、いちいち解説しないだろ?

 無頓着に記述の形式を変えたりしたのも、どっちだかよく分からない表現が散見するのもそのせいじゃね?


    (‥ )逆に考えればだ、群淘汰を採用していたら
        ウシや野菜を食べちゃっても血縁が生き残っているから
        品種改良できるっしょ、なんて説明はしないよね
 ∧∧
( ‥)まあそうですね。種の保存のために犠牲になるのである
    というでしょうね。

 だいたい、群淘汰で考えていたら不妊カーストを問題視したりしないだろう。コロニーのために犠牲になっているのです、それではいおしまいにするさね。そういえば「利己的遺伝子」の書評で、不妊個体の何が問題なの? と訳の分からん書評を書いていた奴がいたが、まあ、群淘汰で考えていたらそれに近似な思考になるだろうさ。

 だからクローニンのいっていることや、トリバースの言っていることはおそらく正しい。ダーウィンの考えは血縁淘汰に近く、少なくとも群淘汰ではない。

 とはいえ、むしろ個人的に今、ひっかかっているのは。ダーウィンは”個体を淘汰の単位”だと本当に考えたのだろうかということで、


    (‥ )パンジェネシス仮説に従うと無数のジェンミュールが
     □-   器官や部位から生殖器官へ、そして子孫へと
         伝わるわけだが。
 ∧∧
( ‥)先祖返りも少量のジェンミュールが祖先から伝達されてくる
  -□  それが突然発現する。そういう風に
     説明しているように見えますね。

 こういう場合、たしかに”個体を通して変異は淘汰される”のだけども、同時に個体は無数のジェンミュールの系譜を束ねたものになるわけだよね? 

 ∧∧
( ‥)彼は個体ではなくて、個体の内部にある
    ジェンミュールを淘汰の単位とみなしうる
    というわけですか?

    (‥ )理屈の上ではそう考えていたとしてもおかしくないだろ?

 パンジェネシス仮説は体細胞と生殖細胞の区別が、というか双方が個体の中では独立している、という動物的な世界観(?)ではなくて、体細胞変異や体の一部から全体を再生する植物の世界観(?)に多くを負っているいるっぽい。

    (‥ )植物の個体って体細胞変異が現れて、それが別個体に
        なりうるという点では、いわゆる高等動物のような個体
        じゃないよね。
 ∧∧
( ‥)まあそうですね。

 1本の樹を無数の個体の集合だとは普通考えないけども、時にというかしばしば彼らは生殖細胞を介在させないまま他個体を生み出すし、それまでと違ったものさえ作り出す。

    ( ‥)こういうアナロジーに基づいたパンジェネシス仮説を
       展開したダーウィンにとって、淘汰の単位は個体なのか?
       それとも無数の個々のジェンミュールが単位なのだろうか?
 ∧∧
( ‥)さあ? 考え過ぎかもしれませんよ。

 

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