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2018年4月28日土曜日

メンデレーエフは原子を信じていなかった


 
 本を読む。
 
 ∧∧
(‥ )周期表を作った
\‐  メンデレーエフさんって
    原子の存在を信じて
    いなかったんだね
 
  (‥ )役立つ概念だとしか
      思ってなかった
      みたいだな
      著作の「化学の原論」
      物質の構造に関する
      原子仮説
      で述べていることは
      おおむねそういう内容だね
 
 メンデレーエフが作った周期表は原子量に周期性があるというものであり、その原子量はドルトンが原子仮説に基づいて作り上げた概念である。
 
 ∧∧
( ‥)原子論から作られた概念に
    よって立っているのに
    原子を信じていない
 
  ( ‥)まあ説明に必要な概念が
    ‐/ 存在するとは
       限らないからな
 
 実際、仮説が真理であるとは限らないし、役立つ仮説が正しいわけでもない。
 
 ∧∧
(‥ )反対にドルトンさんは
\‐  原子論によって倍数比例の法則
    とかに到達したけど
    彼のモデルに合わせて
    数値を丸めたりしたからね
 
  (‥ )もちろん
      モデルがないままに
      誤差のある実験を
      誤差のまま振り回して
      もらっても困るから
      ドルトンのやり方にも
      一理あるんだよな
      仮説に沿って数字や
      データは丸めるべき
      ものでもあるのだ
 
 そうであるからこそ、原子論の有効性を認めつつも、しかし役立つからといって証明されたわけでもない、これはあくまでも役立つ概念だ。そう慎重な立場をとるメンデレーエフの立場もまた当然なのであった。
 
 ましてや原子量に端数が出ること(同位体のせいだが、ドルトンの原子論では本来ありえない現象である)は、この時代すでに知られていた事実。メンデレーエフの立場は当然と言えば当然なんだろう。
 
 実際、非常に厳密に言えば、ドルトンの原子が結局は素粒子でできていた以上、彼の原子論はアトムそのものではなかったわけである。その意味ではドルトンの原子論は確かに概念でしかない。
 
 それに原子量の測定は原子の存在を前提としなくても、もはや可能だ。
 
 ∧∧
( ‥)それでも化学式を操り
    原子量から周期表を作った人が
    原子の存在を
    信じていたわけではない
    というのは驚きですな
 
  (‥ )話じゃ聞いていたけど
      読んでみれば
      わあ本当だ
      という感想だね
 
 
    

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