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2018年4月4日水曜日

権威を馬鹿にしたいから地動説

 
 ∧∧
( ‥)ぶっちゃけた話
 
  ( ‥)ガリレオって
    ‐/ 業績はそんなに
       ないんだよね
 
 太陽の黒点、月に地形があること、木星の月、金星の満ち欠け


 なるほど大きな発見だ。これによって天空と地上がまったく異なる存在で、異なる物理法則が成立するはず、という古代物理学の前提は崩れた。少なくともその一助になったことは事実。
 
 ∧∧
(‥ )ほかにも
\‐  大地の見かけの不動性を
    慣性で説明する試み
    円軌道を地上の物理学で
    説明する試み
    落下速度が時間の二乗に
    比例するという考察
    落下と慣性の組みわせで
    物体の動きを記述する試み
 
  (‥ )でも結局あの人
      法則を見つけるとか
      全部を説明する理論を
      作成するとか
      そういう業績は
      上げてないんよね
 
 ニュートンやケプラーに比べてぱっとしない人。それがガリレオ・ガリレイ。
 
 ∧∧
( ‥)でも知名度は抜群だ
 
  ( ‥)裁判にかけられた
    ‐/ それゆえに知名度が
       ある人なんだが...
 
 ガリレオは科学の普及に功績があった人。そう言われることもある。これって要するに、悪く言うと学者というよりはサイエンスライターだったということだ。

 そして大事件を引き起こしたので結果的に歴史に名を残し、実績以上の名声を得たのだとも言える。
 
 以上を踏まえると、地動説がなぜこの時代から急激に普及したのか分かるように思われる。
 
 ∧∧
( ‥)大事件だったから?
 
  (‥ )いや、ローマ法王という
      西欧最大の権威を
      おちょくったから
      そして地動説は
      ローマ法王と教会を
      馬鹿にできる道具に
      なったからじゃね?
 
 
 ガリレオが裁判にかけられる理由となった著書「天文対話」は1632年に出版。ローマ・カトリックに叛逆するプロテスタントとの戦争である三十年戦争の真っ最中だ。
 
 ∧∧
(‥ )読者はそこまで
\‐  知らないだろうけど
    ガリレオさんはこの本の中で
    ローマ法王の意見を
    全否定して侮辱したんだよね
 
  (‥ )しかもイタリア語で
      書いてるんだよな
 
 ようするに、大反乱に対して戦争している真っ最中に、その最高司令官であり神聖なる象徴であるローマ法王を一般人が読める言語で公に馬鹿にしてこき下ろしたわけで。
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ裁判するわ
 
  ( ‥)ガリレオってどうも
    ‐/ しちゃいけない事を
       しちゃいけない時に
       空気を読まずに
       してしまう
       しかも悪気がない
       という
       困った性格らしくてなあ
 
 そしてその結果、本人も望んでいない形で裁判となり、そして過剰な名声を得た。そう解釈すべきだろう。
 
 ∧∧
(‥ )そしてそのあげくに
\‐  地動説も普及したかもと?
 
  (‥ )その可能性は
      考えるべきだ
      一般人が地球が動いている
      なんて理解できるわけが
      ないだろう?
      そもそも地球が動いている
      直接証拠なんて
      どこにもないわけだからな
 
 証拠もないのに皆がそれを信じる。そこには証拠でなくて動機があるはずだ。
 
 ∧∧
( ‥)それは権威をバカにしたい
    権威から自由になりたい
    そういう欲求では
    なかったか?
 
  (‥ )そう解釈した方が
      むしろ自然だろう
 
 一世代後のニュートンの時代には地動説が当たり前になっていた。しかし地球が動いている間接証拠が手に入ったのは、それからさらに後のことだ。

 つまり証拠はないし、それを理解する背景知識を持つはずもない。それにもかかわらずそのずっと前から皆が信じる。そこに証拠はなく、あるとしたらそれは動機だ。そしてガリレオが業績以上に有名な理由とは、教会に叛逆した、というイメージである。
 
 もちろんこのイメージは間違いだ。ガリレオは良かれと思って空気読まずに以上のようなことをしただけなのだから。
 
 それを考えれば、この間違ったガリレオのイメージ、これこそが地動説受容の理由だと受け止めるべきだろう。
 

 

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