自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年8月30日土曜日
学校の物語がブラック企業の物語になった
最近、見かけるようになった評価
エヴァンゲリオンのネルフ機関はブラック企業
子供にしか扱えないような兵器を作って、子供にそれを説明無しに押しつけるって馬鹿でしょ
∧∧
(‥ )本来、エヴァンゲリオンは
\‐ 大人って理不尽だよね
という子供の物語なの
でしょうけどね
(‥ )企業というよりは
物語全体が学校というかな
そこから逃げたいけど
逃げちゃ駄目だ、なのだ
そもそも少なくとも
日本の物語の多くは
学校というこの嫌な
日常から脱出したい
というものなんだが
*この日常から脱出したい、というのはシンデレラでもそうなので、これ自体は日本の物語の特徴ではなく、人類が持つ、日常に関する不平不満と向上心の現れだと思った方が良いのだろう。
∧∧
( ‥)いずれにせよネルフや
ゲンドウお父さんのやり方が
槍玉に挙げられるってのは
時代が変った証拠ですかね?
( ‥)低賃金労働で
‐□ 成り上がった日本は
豊かになった時点で
それが通用しなくなった
第一次、第二次と進行した
より派生的で新しい産業は
ITしかり、Amazonしかり
apple、googleしかり
日本でもアメリカでも
かつて成り上がった
中間層を支えるような
豊かで大きな雇用を
生み出せない
利潤を上げるために止むを得ない措置ではあったが、賃下げを行った。これは低賃金労働者の発明に他ならないし、派遣社員というのは単にそれを体現した、便利で遠回しな言い方にすぎぬ。ブラック企業とは恥知らずにこれを行った老人の悪手にすぎぬ。これは状況がこうなってしまう前に生まれておいしいところを取った、歳を食った正社員たちの勝ち逃げでもあるし、格差の発明でもある。成り上がった年寄りと、しわ寄せを食らった若い世代との断絶でもある。
未来を奪われた人間の失望は深い。もはやそれは理不尽な学校などという生易しいものではない。今となってはセカンドインパクトが起きてほしいと思う人の方が多いかもしれない。実際に起きれば地獄だけども、勝ち組と負け組が確定して覆せなくなると、人は趨勢が決まったゲームの盤をひっくり返そうとする。これは必然。
∧∧
(‥ )エヴァの一期は1995年
\‐ 新劇場版まで10年以上
2014年の今年
すでに19年目ですか
(‥ )産業と雇用のあり方が
変ってしまって
受け取り方や解釈が
変ってしまったんだな
認識に変化を強制する
現実の変貌
それを引き起こすのに
十分な時間だね
考えてみればエヴァンゲリオンの世界には、少なくとも描写の上では格差というものが見当たらないし、低賃金労働者というものも見えてこない。杭打ち機のハンマー音が響く世界は昭和のそれで、あの音を覚えている人間は40代以下ではもはやいないのではないだろうか? 今では多分、基礎工事に使われる杭とその孔は、ドリルなどで静かに掘る方法に取って代わっているはずだ。あれは復興と発展の記憶で、美しいかもしれないが、もはや色褪せた過去なのだとも言える。時代は変るのだ。
∧∧
(‥ )どうしたもんですかね?
\‐
(‥ )解釈が変ること自体は
どうでも良い話なんだ
問題はこういう産業や
雇用の変化が
作り手側に及ぼす影響だな
実際、すでに
及んでいるわけで
解釈の変化はその発露に
すぎない
消費者がいなくなれば解釈うんぬん以前に作り手は生活ができなくなる。経験は継承されず、もはや作ることはできない。格差が広がれば、例えば極端に考えれば学園ラブコメなどはジャンルとして成立しない。そもそも学校に通える人間が限られてしまうからだ。そうなると存在する消費者の数以上に創作は成立が厳しくなる。格差はかように市場を分断して小さくしてしまう。小さな世界で住める者はごく限られたものになり、その有様は萎縮する。
∧∧
( ‥)どうしたものですかね?
( ‥)日本の場合、格差は
‐□ 同一集団の
老人と若者で起こっている
老人共は死ぬし
同一集団の中で問題は
自己解決される
ニートや引きこもりは
裕福な親から子供への
財産の移動だとも言える
それは問題解決の
ひとつのあり方でもある
そうはいっても
もう一工夫必要だよな
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