自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年8月16日土曜日
考えてみれば僕らは判断を外注している
例えばこの薬には効果がある、ということを示すには統計的な調査をしないといけない。
∧∧
(‥ )たまたま効いたり
\‐ たまたま効かなかったり
するからね
(‥ )こういうのは論理では
どうにもならないのだよな
効いたから効くはずだ
効かなかったから
効かないはずだ
そういうことには
ならないのだ
論理では扱い切れない
領域なのだ
言い換えれば人間は、個人個人では論理の徒であって、それができない。だから、効いたから効くはずだ、効かなかったから効かないはずだ、としか判断できない。そういうことでもある。
∧∧
(‥ )統計的な効果の有る無しは
\‐ 個人ではなく
集団が判断することである
(‥ )失敗した者は数を減らし
成功した者が数を増やす
進化的な過程は
個人が行うものではない
集団が行うのだ
端的にいうと、集団が統計的な判断を下す以上、個人がこのような判断能力を持つ必要は本来無かった、そういうことになる。
つまり、人間にそんな能力は本来、必要なかった。そういうことになる。
∧∧
( ‥)統計的な判断は
むしろ個人の外へ
外注されている
人間個人には
統計処理をするような
能力は
本来実装されていない
( ‥)政治家が漫画を規制しよう
‐□ そう言い出すのも
多分そのせいだろうな
彼らはただの一人の人間だ。人間には統計的な因果関係を判断する能力がそもそも無いし、そのような必要性もなかった。だとするのなら、彼らが”あるに違いない”、”そうでなければならない”と考えて、まるで機械のように信念に基づいた行動を愚直に反復するのは人として当然だと言える。
機械的に反復する。それが私たちだ。それは知的な行為かもしれないが、判断ではなかったのだ。
∧∧
(‥ )進化的なアルゴリズムが
\‐ 個体には実装されていない
だとすると
解探索を行うことさえ
個人には無理だ
そういうことだよね
(‥ )これは極論ではあるな
人間は個人でも
試行錯誤できるからね
とはいえ、限度があるのは否めない。だから近似的な意味として、こう言えばどう?
人間個人に出来ることは思いつきに固執して、自滅するか生き延びるか、そのどちらかを選ぶのみであると。
人間個人では統計的な判断や解探索さえも不可能であると。
近似的にはそうなのであると。
そしてこの近似解から個人が逃れることは、ほとんど無理であると。
∧∧
( ‥)これが人間が持つ
最大の弱点ですかね?
( ‥)組織が持つ最大の
‐□ 弱点かもしれないな
組織はひとつの集合だけど
組織化されているだけに
ひとつの意思を持った
一つの存在として
振る舞う事を強制されて
いるからね
内部で派閥抗争があっても、組織は組織だ。
組織は、個人の集合体であるにも関わらず、効果の有無や妥当な選択肢を見つける解探索さえも出来ない、そう見るべきなんだろう。
実際、会社という存在がどはずれて馬鹿っぽく見えるのはこのせいではなかろうか?
何が正しいのか、何が効果的なのか、どれを選ぶべきなのか? それを見つける能力が会社には本来備わっていない。そう考えれば、会社が見せる、どはずれた馬鹿さ加減も理解できようというものだ。
あれは人が愚かなのではない。人だから、組織だから、組織化されているから、ひとつの存在だからこその限界かもしれぬ。
会社が馬鹿なのではない。会社であるからこその限界だ。
∧∧
(‥ )エリートの集合体である
\‐ 国家官僚でさえ
そうなのでしょうね
(‥ )国家官僚となるとなあ
税金を使ってるからな
書類と組織化と
手続きが必要なのだ
そうでなければ
いけないんだよね
クールジャパンにプロデューサーという顔を据えてしまうのもそのせいなんだろう。AKBを使うのもそのせいだろう。顔を据えなければいけないし、何か具体的な存在を示す固有名詞が必要なのだ。それがプロデューサーでありAKBである。そうでなければいけないのだ。書類とはそういうものであり、血税を使う責任とはそういうものだ。たとえ結果的に税金の無駄になってしまうとしても、税金を使うとはそうであらねばならぬ。
∧∧
( ‥)でも、だからこそ
クールジャパンなんて
うまくいくわけがない
( ‥)プロデューサー
‐□ AKBという個物
残念だけど
それは個体なんだよね
個体である以上
なにが有効か
なにが効果的か
どの解が正しいか
そういう判断は無理だ
そうだ。個人である私たちは自分の信念と一緒に自殺することしか出来ない、それを念頭に置くべきなのだ。人間は演算素子でしかない。演算素子は演算に参加こそしているが、自分一人では計算することができないのである。そして僕らはオンオフで計算に参加しなければならぬ。生き残るか、あるいは死ぬか。演算に参加した私たち、唯一の義務がここにある。
これはhilihiliのhilihili: 演算完了のためには死んでもらわないと困りますの続き
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