自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年8月15日金曜日
本は偏食が推奨されるろくでもない文化なので
進化学において重要なものとは何か?
例えば人によっては曰く
それは分子遺伝学であり分子系統学です。分子遺伝に基づいた系統解析を見てご覧なさい。と。
∧∧
(‥ )それに比べれば
\‐ 古生物学はあまり
貢献しませんよ、と
そういう見解を持つ
人もいるんですね
(‥ )それはあれよね
古生物学と
化石のデータ抜きで
系統解析すると
素っ頓狂な結論が出てくる
そういう話を知らんの
だろうな
例えばの話、化石のデータがないと、哺乳類がワニよりもトカゲに近いことになる。というやつ。
∧∧
( ‥)まあ、遺伝子を用いた
系統解析なら
化石抜きでも同じ結論へは
至れるのですけどね
( ‥)ところがさ
‐□ それだけだと
やっぱり
分からないことが
一杯出てくるのだよな
植物の進化なんかがそうである。被子植物が単系統であることはまず確実なんだけども、他が分からない。そもそも種子が一回だけ進化したのか、実は複数回なのか? そういう問題が出てくる。同じことは脊椎動物に関しても結局のところ同様だ。哺乳類よりトカゲがワニに近いことが分かっても、それだけの話である。
というか、そもそも、形態をデータにしようが、遺伝子の塩基配列をデータにしようが、それを使って出してきた分岐図や最尤系統樹に時間という概念があるのか? という問題。
∧∧
(‥ )そのままではデータの
\‐ 分布を可視化している
だけではないのか?
という問題ですかね
(‥ )そのままでは
進化の論証には
ならないんだよな
というか
そのままでは
系統樹というのは
血縁関係も示さんよ
これは、そもそも進化論の成り立ちから考えれば、明白ではなかろうか? ダーウィンは論証を行う際に、当時は今のような系統解析というものがないから分類体系を用いたのだけども。
∧∧
( ‥)ダーウィンさんの論証は
”進化を前提すると形質の
分布パターンをより積極的に
説明できる”
というものなんだよね
(‥ )言い換えるならば
形質の分布パターン
そのものは
必ずしも
進化という結論を
示すものでは
ないんだよね
分布パターン自体には
時間という概念が
ないから当然なんだがな
あるいは例えば、ダーウィンがガラパゴスの動物相を論証に用いた時、ここは新しく成立した火山島だから、という論点を使ったことを忘れるわけにはいかないだろう。ここにはあからさまに時間という概念の導入がある。生物と形質の分布パターンを説明する際に、地質学という学問で扱っていた”時間”という概念を用いた、そう考えるのが妥当。
無視されがちだけども、ダーウィンという人は、本来は地質学者であるということを忘れてはいかんだろう。
∧∧
(‥ )まあ、当時はナチュラリストで
\‐ 一括されてて
細分化もされていない
わけだけどね
(‥ )だけどな、
ダーウィンのスタートは
地質学であった
これは重要だよ
そもそも進化論自体が
地質学の応用だからな
そして化石は
示準化石として
地質学の重要な鍵なのだ
つまり例の話である。チャールズ・ダーウィンという人を生物学者と考えるのはむしろ誤りであると。
そして翻れば、分類どころ系統樹でさえも形質の分布パターンを示すにすぎない、ということを考慮すると、進化という、時間を加味した世界観が分子系統樹や分岐図だけで成り立つわけが無い。これは明白ではなかろうか?
そもそも人間の系統樹はあの人の子供が誰々である、という記述から編まれていることを考えるべきなのだろう。つまり、具体的な親子関係から描かれた人間の系統樹と、系統学が出力する”系統樹”はまるっきりな別物だ。少なくとも無邪気に同じだと考えるわけにはいかない。
∧∧
(‥ )でも、たぶん冒頭の人は
\‐ 同じだと考えているのだと
(‥ )邪推をするとだな
本を読み過ぎじゃ
ねえかな
本を読むと馬鹿になるとはよく言ったものだ。実際、本というのは肝心なことについてまるで書いていない、上っ面の集積体なのだから。
∧∧
( ‥)でも?
見てくれの美しさに
夢中になって
そればっかりを読む
( ‥)食い物だと
‐□ そういう偏りの
悪影響がすぐに
指摘されるけど
本だとなあ
どういうわけか
見過ごされちゃうの
だよね
本とか読書には、文学だの文化だの知的だのという馬鹿げた厚化粧が塗りたくられている。読む者もそれを安易に鵜呑みにしすぎる。
こういう虚構を蹴飛ばして、肝心なことをしなければならぬ。そうでないから私たちの理解は化粧品まみれの嘘となるのだ。
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