自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年2月28日金曜日
創造論者を笑えるかね?
雨が降る
( ‥)昨日、いや日付が
変わったから一昨日か
26日は暖かくて
かきよせられて堆積した
雪もずいぶん溶けたのだ
∧∧
( ‥)昨日の27日と本日28日の
雨でほぼ溶け切るでしょうね
バレンタインデーから二週間。暖かい神奈川でここまで雪が残ったのは、やはり異例だろう。
さて
アメリカは他の先進諸国に比べて創造論を信じる人々が多い
∧∧
(‥ )迷信深い国、とも
\‐ 揶揄されますね
(‥ )迷信深くても
軍事力さえ維持できれば
超大国になれるって
ことでもあるんだが
あるいは、ビッグバンで宇宙が始まったと信じていなくても、進化論を信じていなくても、国民の大部分がそういう世界観であっても、一部の人間と科学者と技術者さえがまっとうな理論を採用していれば問題ないのだ、そういうことだとも言える。
*あるいは知的格差が極端な国であり、あるいは移民によって知的エリートを世界中から輸入できるからこういうことが可能なのであって、ここがいかれたらアメリカは超大国の地位をあっさり手放すことになる。そういうことなのかもしれない。
と、まあ、迷信、知的、信じる、エリート、という言葉を以上、使って来たけども。
∧∧
( ‥)進化論を信じる人も
実際には進化論を
理解していない
ものなのだと
( ‥)マイナスや無理数、虚数を
‐□ 発明したからこそ
僕らは二次方程式を解く事が
できる
だが、こうした発明を否定してギリシャ数学まで戻ろう、という人がいる。
というか、最初っからギリシャ哲学レベルでとまってしまう人がいる。
考えてみれば当たり前なのだ。ギリシャ哲学は小さな地方都市レベルのおっさんたちの対話から始まった。ようするに、ギリシャ哲学とはおっさん理解であって、頭のくたびれたおっさんや、教科書を読まないで、真理を見つけた! と勘違いする若造がたどり着く掃き溜めみたいなもんである。
人は、一人で考えるとプラトンに流れ着く、そう言うべきか。
∧∧
( ‥)そして、
ギリシャ哲学にまで後退した
彼らには二次方程式と同様に
進化論が理解不能に
なってしまう
(‥ )プラトンのレベルにまで
後退すると
ダーウィンは
理解できなくなって
しまうのでな
ダーウィンの進化論というと、斉一説を大々的に採用したことに特徴があるけども
∧∧
(‥ )もともと斉一説は地学の
\‐ 概念なんですけどね
(‥ )ぶっちゃけたことを
言っちゃうとな
実は生物学と進化論は
相性が非常に悪いの
だよね
非常に厳しいことを言うと、生物学者にとって、ダーウィンと進化理論は本来、理解不可能な学問なのだと言える。少なくとも分類を基礎とした生物学は、進化理論と敵対していると言った方がいい。
ダーウィンを生物学者だ、と言うのはこういう意味において致命的な間違いだ。
∧∧
( ‥)事実、ダーウィンさんは
種の実在を否定した
(‥ )論証するべき種の起源
種を否定することで
この論証を初めて
成功させたのだ
これは、科学としては画期的な拡張だけども、生物学の範疇では本来、ありえない論法だ。というか系統学者でさえもここはどうにもつまづく場所であるらしい。種の実在論を唱えた系統学者もいる。
科学者でさえもそうである
一般人の理解にいたっては
∧∧
(‥ )創造論を信じるアメリカ人を
\‐ はたして笑えるのかと
(‥ )まあ、笑えないだろうね
ダーウィンの拡張には他にも、あるいはもっと難解な部分がある
たとえば
種、これはあくまで便宜的な概念だが、種と我々が呼んでいるものは、本来であれば、一定の姿をとどめることができないものである
∧∧
( ‥)これは非常に難解な部分で
あるのだと
(‥ )これを忘れるとな
「種の起源」で彼が
何を言おうとしているか
それが意味不明に
なっちゃうんだよね
ダーウィンの拡張には他にも色々な部分がある。性淘汰もそうだろう。
例えばある人はこう言った。ダーウィンは自然淘汰だけでは説明が不十分と見た。
この指摘自体は正しい
ただしこれはクジャクの尾羽などを見れば明らかであり、そのためにダーウィンは性淘汰を考えた、ウォレスなどはこれを無理矢理自然淘汰の枠内に押し込めようとして、ダーウィン死後、彼の業績を破壊してしまったのだが、
こうした歴史的経緯や現実を無視して論者は言う
ダーウィンが自ら自覚したように自然淘汰は不完全であり、ゆえに進化論も不完全である。
∧∧
( ‥)あからさまな誤読だね
( ‥)これが教授だとかって
‐□ ほざくわけだろ?
いいやなあ、こんな馬鹿理解ごときで教授のポストにしがみついて給料をもらうってか?
実に愚昧な話ではないか
馬鹿な教授は馬鹿なライターと寸分足りとも違わない。いや、ポストにしがみついているだけにその老醜たるや悲惨を通り越して死に値する罪。
∧∧
(‥ )これでアメリカ人の
\‐ 創造論者を笑えますか? と
(‥ )まあ、こういう悲劇はだ
個人がどんなカリキュラムで
授業を受けたかって
問題でもあるのでね
40、50以上では駄目だ。100年ぐらい前のカリキュラムで知識を押し込められたようなものである。一世紀前の亡霊、ただの死に損ないだ。これでは創造論者を笑えない。
ブログ アーカイブ
-
▼
2014
(726)
-
▼
2月
(55)
- これがマカロンか
- 創造論者を笑えるかね?
- 文脈にそったしかるべき省略
- 2月26日早朝の金星と月
- 手元の手札で、さて、何が出来る?
- 理解をギリシャ哲学にまで後退させる
- 確かに進化論は証明されてはいない
- 希薄領域
- どうしても退屈しのぎが必要だ
- 脱成長する時、老人はちんけな復讐の喜びを忘れられない
- 多分、戦争が政体を決定する
- イタリアのオオカミ 神奈川のオオカミ
- 努力オタクは崖から突き落とすに限る
- ファシズムとは理想化された民主主義
- 色づく夜空と火星と月とスピカ
- 灰色の牢獄
- 南から来る雪と太平洋沿岸における物流の混乱
- 頑張る姿を讃える人には耐えられない状況だろう
- わずかな違いは、ふーん、それで? に還元される
- 夜は考える時間
- この世界がただの遊園地だったらどうする?
- 雪道の散歩
- 雪とフクロウ
- 雪かきの午後
- 彼はよろめくように歩いていった
- 気温0度 湿度80% 積雪38センチ
- バレンタインデーの雪
- 例えば不吉な予言
- 夜の散歩
- 多分、世界中が古い定規だらけ
- その古着にはもう、うまく入らない
- 帰り道の話と証言を取る話
- 骨董品だけに考えが骨董品
- 未来を決めるのは言葉ではないでしょう
- 調停者
- 命短し、はかなし男子
- 10日にする9日の話
- 世界が変わるなら人生はこうでないだろう
- 2年前の閏年の雪の話
- 気温2度 湿度90パーセント
- 積雪は35センチだった
- 積雪26センチ
- 気温3度 湿度80パーセント
- スーパーは空で気温は5度だった
- 自由は不幸の扉を開けて待っている
- 3700km弱から眼で見えるようになる?
- 軌道上を二つの光点がチェイスするように見えるだろう
- こうしたいと言っても全員駄目だったからこうなったんだ
- 雨は雪に
- 不幸になる権利を行使せよ
- 自由の結果を決めるのは私たちではない
- 2014年2月2日における濃霧の記録
- 濃霧の夜 深海の眼球 透明な世界
- 光り輝く二つの未来
- いつか月夜の晩にラム酒の樽を転がそう
-
▼
2月
(55)