自己紹介

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2014年2月14日金曜日

夜の散歩


 ああ、疲れた
 
 ∧∧
( ‥)でも眠れない
 
  ( ‥)考えてみれば当たり前だな
      今の時間は自分の
      リズムだとお昼頃だ
 
 仕事は依然として非常事態のままであるが、取りあえず一仕事終わったのである。疲れたといえども眠れないのなら散歩へいこう。
 
 
 ∧∧ フクロウさんが鳴いてるね
( ‥)
 ‐( - -)いつも思うが、彼らは
      良い声で鳴く
 
 トゥー トゥー トゥルット トゥー トゥー
 
 ただ一度だけ
 
 トゥ トゥ トゥルッ トゥ トゥ

 とやたら短く早口で鳴いて、それから聞こえなくなった。
 
 一体何があったのか?
 
   そういえばこの前は
 ∧∧ 昼間鳴いてたよね
(‥ )
 ‐( - -)シラカシの林で
     聞いたよな
 
 常緑樹であるシラカシの樹々があると森は暗い。そのせいなのか、しかし、鳴くのは一度だけなのだ。小さな声に聞こえるのは夜の静かな環境でなかったせいかもしれない。何度か聞いた事はあるが、昼間に聞こえる声はいつも1回きりだった。
 
 ∧∧ 眺める夜景はどうよ?
( ‥)
 ‐( ‥)これがなかったら
      やってこれなかった
      気がするよ
 
 今年は2014年。
 
 20年前は1994年だった。
 
 ∧∧ 20年長いね
(‥ )
 ‐( - -)長いようで短く
      短いようで長いな
 
 20年前、ひとつの論文が出た。
 
 20年も前の論文だ。今から見ると古いが、それを書いた人はそれを足がかりに後につながる今の地位を築いた。
 
   その論文の詳細な紹介
 ∧∧ したことないね
( ‥)
 ‐( - -)近い事はやったけど
      そんな興味をもたれた
      ことはなかったなあ
      ちょっと残念だよね
      その後のことも含めて
      書ける事がいっぱい
      あるんだけどな
     
  
 世間一般では、今でも20年よりもずっと前の古い知識に、新しい聞きかじりの知識が少し混じったままで凍り付いている。
 
 ああ、こんなことでは…
 
 そう思ってしまうけども
 
 いや、本来、それが当然なんだろう。実際、地球は丸い、地球は太陽の周りを回っている、そういう知識と中世的な知識が我々の中ではごちゃ混ぜだ。
 
 
 ∧∧ 今回も古い論文が多いよね
( ‥)
 ‐( ‥)36年間続報無しの話とか
     1996年の論文とか
     そういうのを引用して
     いるからなあ
 
 探せば知っていると思っている分野の、これはなんだろう? というほころびの向こうへ言って見れば、必ず知識の巨大な空所があることに気づくのだ。
 
 見方を変えれば、どこへいっても自分の知識は完璧だとも思えるが、見方を変えれば、どこへいっても自分の知識も理解も20年か30年は遅れていることに気がつく。
 
 
 ∧∧これからどうしましょうか?
( ‥)
 ‐( - -)どうしようかねえ
 
 まあ、どうするもなにも、これまでと同様にやるだけの話。こんな仕事に意味があるのか、ないのか、20年前なら仲間と熱く語り合ったかもしれないことも、今となってはどうでも良い話に成り果てた。仲間たちも皆、消えた。仲間という言葉も意味をなさなくなった。もう誰も残っていない。いや、そもそも最初から誰もいなかったし、言葉の意味も最初からなかったのではないのか?
 
 ∧∧ ただの自己満足だからね
(‥ )
 ‐( - -)知らなかったことを
      見る面白さを
      ただ続けている。
      それだけだからな
 
 結果が欲しいというのは当然だろう。しかし、結果を見た事がない以上、結果のために仕事をしているわけでないこと、これもまた明らかだ。
 
 単に面白さを見つけようとしているだけなのだ。 
 
 ただ、今はさすがに疲れた。
 
 ∧∧ おや、眠くなってきましたか
( ‥)
 ‐( - -)散歩とはするものだね
 
 
 そんなことを考えて帰った。
 

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