自己紹介

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2011年6月8日水曜日

だから苦しめ

 
 科学者は何でも分かる

 ∧∧
( ‥)うそやがな

    (‥ )ところがだ、この勘違いは
        科学を批判する人でさえ
        するのだ。

 科学にも分からないことがある。これは科学は何でも分かる、という前提に基づいた意見に他ならない。

 ∧∧
( ‥)でも実際の科学って
    「なんだこれー?」
     ですよね。

    (‥ )分からないから色々な理論を
        あーでもない、こーでもない
        そう提案するわけでね。

 科学にも分からないことがある。これを言った時点で(言い方にもよるが)、僕は馬鹿です、と自称したも同然。

 分からないから途方にくれて科学する。これ、より正確。たぶん。

 ∧∧
( ‥)でっ?

    ( ‥)皆が分からないことを分かろうとする

 そんな人間が、みんなに分かるように説明するってどういうことよ。

 ∧∧
( ‥)みなが分からない問題も解けるから
    みなにうまく説明できると
    思うのでは?

    (‥ )既存の枠組みでは解けないから
        既存の枠組みの超越を試みて
        成功した。そしたら余計に
        分からないことを言うよ。

 科学者はただ言えばいい。こうです。後は肩書きが決着をつけてくれる。

 ∧∧
(‥ )肩書きは信用できない、
\-   どいつもこいつも
     利権、御用、癒着じゃないか
     そういう意見が蔓延

    (‥ )そういうのはな、中途半端に
        頭が回る連中の言い分なんだ。

 普通の大多数はただただ普通に生きていて、そんなこと考えもしないし、当然、意見も表明せずに黙っている。

 例えばの話、夏休みの宿題はどうすればいい? 何人かは自力であっさり解ける。何人かは自分が馬鹿だと分かっているから頭のいいやつの答えを丸写しする。でも少数だが必ずいる。考えて自力で解くのだが、間違いだらけ。

    (‥ )さーて。一番のお馬鹿さんは
        誰かな?
 ∧∧
( ‥)ああ、そういう?

 頭が良いやつはごく少数。頭が悪い圧倒的多数は、しかし要領が良い(賢いのだとも言える)。中途半端な少数派、絶対少数にもなれず、能力もなく、しかし要領が良いわけでもない。こういう連中が無駄に頭を働かせてスローガンをばらまく。

 しかし、こういう少数の、自力で正しい答えを見つけられず、しかし自分を馬鹿だとは気づかず、それでいて意見を振りまく連中。こういう連中が一番危ない。そしてこういう連中がまず幅を利かせる。なんといっても勘違いしやすい、しかし皆に受ける間違いを思いついてべらべらしゃべるから。

 ∧∧
( ‥)なんとします?

    (‥ )答え合わせの日がくるだろ?
        それまで待てばいいのさ。

 テストの日は必ずくる。

 夏になって電力が足りなくなった。放射能で被害って出たっけ? エコエネルギー使ったら、うわわわん、電力も電圧も一定しないよーーー 当然、時給が下がる。

 ∧∧
( ‥)採点の日、ですか。

    ( ‥)答えが間違っていたことはな
        時給が下がるという結果を
        必然的に従うのさ。

 赤の他人が死んでも人はなんとも思わないが、時給が下がることに人間は耐えられない。

 ∧∧
( ‥)失敗は苦痛であり、
    苦痛から逃げることで
    正しい解答に復帰するのだと。

    (‥ )人間を知的生物だと考えるのは
        その点ではまったくの間違い
        なのさ。

 恐怖と苦痛を感知するからそこから逃げる。そして妥当な解を試行錯誤で見つけ出す。さあ、だから苦しめ。そうでないと正しい解答にいきつけぬ。

 ∧∧
( ‥)科学者は?

    ( ‥)苦しんでのたうち回るまで
        待っていればいいのさ。

 まだ答えは必要とされてはおらぬ。今、必要なのは世の中は不正に満ちていて自分たちは被害者なのだ、というお話だけだ。困ってないからお話に群がる余地も余裕もある。

 本当のテストはこれからだ。現実に追いつめられた時、夢は必ず挫折してその翼がへし折れる。高慢ちきな鼻っ柱がへしおれた時、黙って手を差し伸ばせばそれでよい。

 あなたたちはゴールでずっと黙って待っていればいいんだよ。その日がくるまでみんな見向きもしないもんさ。


 人間は知的生物などではないよ?
 
 


 

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