( ‥)そーさのー
人間を3つに分ける
∧∧
( ‥)またA群、B群、C群の
話ですか?
似たような感じだけども、
世間一般が考えてそうな順位
論文と教科書を読む研究者>普及書を読む読書人>漫画、小説を読む人
∧∧
( ‥)不等式でね
(‥ )不等式でね
読書人が考えているらしき順位
普及書を読む読書人>論文と教科書を読む研究者>漫画、小説を読む人
∧∧
( ‥)あなたはどう順位付けします?
(‥ )こうかな?
論文と教科書を読む研究者≒漫画を読む人>普及書を読む読書人
∧∧
( ‥)でも本を買う人はですよ、
普及書を読む人たちだと
思いますけどね。
(‥ )それはわかっておりますよ。
基礎的なことを書いた本には
こんなの知ってると不満をこぼす
でもちょっと教科書に近いのりの
本は読まないか難しいと文句が出る
これ普遍よね。
普及書を読む人は教科書や論文には目を通したりはしない。これは間違いのもとであるし、だけども教科書を読まないから自分では間違いに気づかない。
∧∧
( ‥)つまりどう考えます?
( ‥)普及書ってのは可能な限り
基礎を押さえて無害でないと
いけない、そういうことさ。
∧∧
( ‥)教科書を読まない人は
(‥ )嘘も間違いも自分では気づかん。
だから、普及書は無害であるべき。
∧∧
(‥ )お客はそれを望んではいない
\- ようにも思えますけどね。
(‥ )お客が大喜びするからといって
レストランはドラッグ入りの
料理を出すわけにはいかんのよ。
∧∧
( ‥)UFOとか2012年にベテルギウス
爆発とか、平気でそういう本を
出す会社もありますけどね。
(‥ )あれは洒落だから。
あまりに嘘っぽすぎて、真に受ける人がいても、むしろ信じたその人の罪になる。そういう洒落た料理である。
( ‥)ロウで作ったサンプルを
-□ 世にも珍しいなんとか、と
言って出すようなもんだよ。
∧∧
( ‥)本気で食べる人がいたら、
その人が悪いのだと。
残念ながら客のご要望とやらに答えるわけにはいかないなあ。
∧∧
(‥ )実際、ご要望に応えると
\- どうなるかというと。
(‥ )ネオダーウィニズムは間違っていた
とか、オレ様進化論を考えた、とか
地球が周期的に大量絶滅を
起こしていたとか、
そういう本になるね。
というか、実際にあって、研究者や院生からひんしゅくを買っている。
∧∧
( ‥)客のご要望に答えておるがな。
(‥ )それが問題だって話
なのだがな。
∧∧
( ‥)お客の要望に答えるのは
個人の自由ですからね。
(‥ )そして研究者や科学の実際の分野と
乖離してしまう。でもその手の
読者は教科書を見ないから
乖離は是正されない。というか、
そもそも乖離していることが分からない。
読書する人と研究者の間には絶望的なギャップがあってそれが埋まらない。これを是正しようと考えても、それは教科書を読まない人間に教科書を教えようとするようなもの。科学コミュニケーションとか言われるものは結局のところ自己矛盾の塊のような行為であるし、ターゲット自体がそんなこを望んでいるようには見えない。つまるところ、まあうまくいくわけないよね、というありきたりな話。