火星には色々な形をした暗い模様があって、それぞれおおまかに分類されて、いわば分類群としての名前がつけられた。大きなものには海、比較的小さなものは湖、形によって入江や湾、細長いものは川とか運河。
その運河は、実際に本当に運河であって土木工事の産物であり、火星人がいる証拠である! そう主張したのが19世紀後半のアメリカ人、パーシバル・ローウェル
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(‥ )そのローウェルさん
\− 明治維新の日本に来たし
日本の本を書いてたのは
知ってたけど
日本の文化は
中国、欧州からの
輸入品だけからなる
接木文化だと言ってたのだね
(‥ )接木ねえ
まあそうかもだけど
それを言ったら
世界全部がそうだけどな
地球上の全ての国家はダリウス大帝によるアケメネス朝ペルシャ帝国のぱくりと言った人がいた。
まあそうだろう。ダリウス大帝の道路の整備と駅伝制、知事を置くことによる分割統治、度量衡を統一した地球最初の大帝国。後発のすべての国家がなにかしらペルシャ帝国の制度を受け継いでいるのは当然であった。
あるいはこの地球の全ての作品はメソポタミア神話のぱくりである。
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(‥ )ローウェルさん曰く
\− 日本には独自の哲学が
存在しないそうですが
(‥ )んー
独自の哲学なんて
この世にただ一つ
ピタゴラスの演繹主義しか
ないと思うけどな
ピタゴラスの演繹主義は中国やインドでは出現しなかった。あれこそ独自の哲学だろう。そしてピタゴラスは計算に興味が持てないギリシャの田舎の無学なおっさんであり、西欧哲学は全てこれのぱくり。
∧∧
( ‥)西欧の独創性って
一体何?
(‥ )さあ? 例えばの話
西欧のアルファベットって
ギリシャ・ローマの
文字を使っているけど
あれって元ネタは
アラブ・ユダヤ系の
フェニキア文字とかで
さらにさかのぼれば
メソポタミアの
楔形文字のぱくりなんよな
知らない人間は自分は独創的だと思い込めるだろう。しかしちょっと知識があれば自分が過去の誰かのぱくりの集合体だと気がつくものだ。
例えば、なるほど、知っている人間なら、エヴァンゲリオンは幼年期の終わりのぱくりだと言い立てるのだろう。しかし、幼年期の終わりとはそもそもがヨハネの黙示録であるし、そもそもの元ネタはメソポタミアの創世神話とイナンナ女神の冥界くだりなのである。
∧∧
(‥ )ローウェルさんって
\− 西欧の元ネタも知らない
無学だったん?
でもラテン語とか
ギリシャ語とか
引用してたみたいだけど
(‥ )アルファベットの起源とか
キリスト教もそもそもは
メソポタミアの創世神話が
元ネタになってるとか
そういうことがわかったの
ローウェルよりも
およそ後だからじゃね?
ちなみにローウェルのこういう日本観は、「火星の生命と大地 46億年」丸山茂徳 ビック・ベッカー ジェームス・ドーム で紹介されており、さらに著者たちもアメリカ文化が世界を席巻してグローバル化していく今、いずれ日本は衰退すると書いていた。
∧∧
(‥ )出版は2008年12月
\− これってイラク戦争勝利の
5年後で
リーマンショックの
4ヶ月後だよね?
(‥ )ブッシュJrのもとで
アメリカが繁栄の絶頂を
極めて一国主義を
ぶいぶい言わせてた
時期だよね
その時に書いていた
本なわけだから...
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(‥ )...まあそういうことか
\−
(‥ )まあそういうことだな
世界は賢い人間が思うようには進まなかった。この先にあるのは以前の歴史の繰り返しに過ぎず、オリジナルも独創性もない。いや、そもそもそんなものは最初から無かったのである。