ふとクローニンの言っていたことが気になって確認。やはり、岩波文庫版「種の起源」は一部の訳が第1版ではなくて、第6版の原文にそったものになっているらしい。
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( ‥)なにゆえ?
(‥ )分かりやすいからじゃない?
原文を読むとおよそ
第1版:選択されることで個体の利益が得られるのなら個体がコミュニティーの利益に適応する
この文章が
第6版:選択された変化でコミュニティーが利益を得られるのなら、個体はコミュニティーの利益に沿ったものへと適応する
になっている。クローニンによるとダーウィンはこういう単語や表現の書き換えをあっけらかんと、しかも相互に、つまり集団→個体、個体→集団、といったあんばいでやっているそうな。
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( ‥)後世になってダーウィンは淘汰の単位をどう
考えていたんだろうと問題にされるゆえんですね
(‥ )まあ、ダーウィンにとっては個体が単位だから
彼の問題提起とその解決策がここにはなかった
と言われる/考えられるのなら表現にこだわらなかった
のかもしれないんだけどね。
ただ、注目したいのは岩波文庫版を訳した八杉という人は、どういうわけか第1版を訳しているはずなのに、少なくともここの部分は第6版に沿って訳しているらしい。ちなみに文庫版では上巻の120ページ。
それにしてもこういう変則的なことをした(らしい)のは
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( ‥)第6版の文章の方がなんか分かりやすいから?
(‥ )たぶん、そうじゃねーか?
少なくとも、第6版を調べて
そうか、この文章はこういう意味か!!
と思ったのではないのかね?
そうでも考えないとこの変則的な訳は理解不可能。文庫版の他の箇所についてもこういうことがあるのだろうか?
さて、
ダーウィンのパンジェネシス仮説を調査中。こちらも訳が変っぽい。もっとちゃんと調べないといけないけども。
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(‥ )ダーウィンさんのパンジェネシスって、体細胞と生殖細胞
□- 遺伝型と表現型、ホルモンの作用とか、そういうことが
区別ついていないから必然的にごちゃまぜっぽいですね
(‥ )そういう現象を全部、一括して説明する仮説っぽい
よねえ。現代人からすれば間違いなんだけど。
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( ‥)植物の体細胞変異/枝変わりの
-□ アナロジーで動物も論じているんですね
(‥ )プラナリアみたいな動物なら
ありな考え方なのかな?
パンジェネシスの作用は現在の遺伝子と同時に、体の中を移動して情報を伝えるホルモンの役割も仮定されているようなので、それなりに整合的であるいっぽうで、やっぱりどこか変。
( ‥)とはいえ、無数の粒子があって体の各器官の
有り様を支配するというのは、
∧∧
( ‥)細胞それぞれが遺伝子を持っているとか、
形質はむしろ量的遺伝子に支配されているとか
そういうことを思わせますね。
まあ、それも当然で、そうしたことで起きる実際の現象を説明するために提案された仮説、それがバンジェネシスなんだけども。
(‥ )これが彼の進化理論にどう影響を与えたのか
□- むしろ、相互的な影響なんだろうけど、
それを検討する必要があるなあ。
∧∧
( ‥)なんか先、長そうですね・・・