自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年12月7日土曜日
跳躍扉
例えばの話、距離はある程度制限されるが、有効範囲内であれば即座に空間をつなげるドアがあるとする。
∧∧
( ‥)どこでもドアみたいな
もんだね
( ‥)ただ、接続出来る距離が
‐□ 100キロとか200キロ
なわけだ
これが本当にドアの大きさであったとする。
∧∧
( ‥)これがあれば敵陣の前に
突如として軍隊を
出現させることが
出来るかというと
そうはいかない
(‥ )ドアだけに通り抜け出来る
人数は一度に一人だけ
だからな
敵陣の前に、ぽん、とこの跳躍扉を出現させて、そこから兵隊がひょこひょこ出てきたら。
∧∧
( ‥)いい的だよね
撃たれまくって死んじゃうね
( ‥)敵陣よりも充分離れた
‐□ 場所に出現させて、
縦に並んだ兵隊を
行軍させながら扉を
通過させて、
そうして向こう側で
陣形を組まなくちゃ
いけないなあ。
武器を使うのなら、その扉に合わせた大きさにするか、あるいは分解して運ばなくちゃいけない。
∧∧
( ‥)補給だってそうでしょ?
弾薬も水も食料も
扉を通れるサイズでないと
運べない。
供給力は扉の大きさに
制限される
(‥ )この跳躍扉は画期的な
技術である一方で、
前近代的な仕組みでも
あるわけだ。
だが、賢しい人はこういうことを無視して言うだろう。
なんで敵陣の真後ろに扉を出現させて奇襲攻撃しないの? 馬鹿じゃないの??www
∧∧
(‥ )まあ、ここまで露骨な技術力の
\‐ 限界にここまで露骨な無知を
さらけ出して笑う人は
そうはいないでしょうけど
(‥ )でも、こういう構図、
技術の限界を知らないから
めちゃくちゃなことを
言うってのは
実は普通にあることでな
本をたしなむ文化人は
特にね。
さらにだ。仮に敵も跳躍扉を持っているとする。
∧∧
( ‥)そりゃあ自分がある技術を
持っているのなら
相手も同じ技術を持っていると
考えるべきですからね
(‥ )だが、相手の扉は
トラックや電車を通せる
大きさだったらどうなるか
∧∧
( ‥)勝てるわけがありません、と
( ‥)もしも相手が複線の
‐□ 線路を通せる扉を
建造できる技術があったら
状況は絶望的だよね
単線ならいって帰って、いって帰ってを交互に繰り返すことになるが、複線の線路を通せるとなったら、扉の前方に停留場みたいなものを作り、物資や人員を下ろして、そして負傷者や休暇の兵士をのっけてそのまま帰る。これを同時に行える。
∧∧
( ‥)さらに幅があって
トラックでこれをやられたら
路線を作る必要もない
もう、あっという間に
敵軍が前方に出現してしまう
(‥ )戦車も通せるから
圧倒的だよな
たちまちのうちに
こちらは追いつめられて
しまうわけよ
対するこちらが何をするかと言えば、例えばそれこそ敵陣の真後ろに小さな扉を出現させて、敵が気づく前に可能な限り武装した兵士を送り込んで戦う、とかそういうことになってしまいそうだけども。
やはり賢しい人は言うだろう。なんでこんな無謀な作戦を兵士にさせたの? 馬鹿じゃないの?? 馬鹿ばっかwwww
∧∧
(‥ )技術的な限界があって
\‐ それでもなにかしなければ
いけない場合、
無茶をするのは必然
なのですけどね
(‥ )人であるから愚かな
選択をするのは当然。
だが、愚かな選択が
頻発するとなると、
愚かだけでは説明できない
そこんところ考慮しないと
いかんよな
”愚かな選択”が頻発するとしたら、それは愚かだけでは説明できない。それを愚かだ、馬鹿だ、とだけで説明するは、それこそが愚かなり。
∧∧
( ‥)選択肢の背景にある
技術的な限界を
見極めないといけない
( ‥)それを見極めるには
‐□ 本を読む程度の文化的な
生活とたしなみでは
不十分なんだよね。
つまるところ、この手の知識人に問題があるとすれば、彼らは本を読む程度で満足している点に、おそらくある。
これはhilihiliのhilihili: 本を読んで、分かった、では困るの続き
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