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2013年12月27日金曜日

さあ、世界の鍋の中へ

 
 紀元前6世紀の人物ピタゴラスは数字と数の比を宇宙の根幹とみなして、それを宗教とした。紀元前5〜4世紀の人物プラトンはその伝統を受け継いだ哲学を広めた。
 
 ∧∧
( ‥)そういう2〜300年あまり
    続いた伝統の成果を
    ユークリッドが
    アレクサンドリアにおいて
    紀元前3世紀初頭に
    まとめたものが
    「原論」
 
  ( ‥)古代ギリシャの数学は
    ‐□ 世界には真理、あるいは
      理想的な原型とも言うべき
      イデアがある
      それは定義と公理と演繹で
      証明、発見できる
      そういう考えに基づいた
      ものなんだよな
 
 いや、数学というべきではないのかもしれない。それは宗教であって哲学であって人生の指針であって
 
 ∧∧
( ‥)数道って感じですかね?
 
  (‥ )剣道とか茶道とか
      そういうのと
      同じ感じと見るべきかもね
 
 宗教、信念、確信、理想、貴族的なエリート感覚、演繹、証明、定義、数学
 
 これらがごちゃまぜになった、おっさん理論、それが数道、とでも言えば良いか。
 
 いかにも地方都市のおっさん、例えばプラトンが飛びつきそうな内容ではないか。
 
 彼が無理数を抹殺しようとした暴挙も、こう考えると分かりやすい。
 
 数学では暴挙でも、数道と考えれば作法だろう。
 
 そしてさらに、ここから数学を抜いちゃったものが
 
 ∧∧
( ‥)ロジカルシンキングだと
 
  (‥ )まあ、そんな感じじゃね?
 
 そうね、そういう意味ではロジカルシンキングとはピタゴラス教団の劣化コピーだとも言える。
 
 そして多分思うに、現在と同じ劣化は多分、古代でも同様に起こった。
      
 
 ∧∧
(‥ )ポリス時代に盛んだった
\‐   数学や哲学も、
     ローマ時代に入ると
     人生訓を述べただけの
     ストア哲学や
     エピキュロス哲学に
     なっちゃうんですよね
 
  (‥ )劣化コピーになって
      おっさん哲学に
      なっちゃったんじゃね?
      今も昔も人間のやる事には
      限界があるからな
 
 ああ、そういえば「絶望先生」でこんなネタがあったじゃないか。内容と題名が合っていない本が多すぎます。先生のこの一言から、図書委員同士による、内容に合った題名を考えだせ、という勝負が勃発するという話。*「絶望先生」第七集 69話「バラバラの名前」
 
 ∧∧
( ‥)ああ、
    「世界の中心で愛を叫ぶ」を
    「オーストラリアの観光地で
     人灰をばらまく迷惑な
     日本人観光客」に
     変えたりとかね
 
( ‥)当時ベストセラーだった
  ‐□ 「国家の品格」も
     勝負のネタにされてね
    「新橋ガード下の上司の愚痴」
     に変えられただろう?
 
 ああ、いいねえ。元の本は読んだ事無いから知らんけども、「新橋ガード下の上司の愚痴」とはすばらしい響きじゃないか。
 
 ∧∧
( ‥)…ローマにおける
    数学を取り除かれた
    ギリシャの劣化哲学は
    「ガード下飲み屋で語られる
     上司の愚痴」ですか
 
  (‥ )挫折したおっさんに
      数学なんか無理な話だでな
      なんちゃってロジックで
      うさんくさい人生訓を
      垂れるしかないわけよ
 
 嘘だ、というのなら、ではなぜだ? ロジックというのなら、なぜ証明が出てこない? なぜ数学を無視する? 論理を賞賛しつつ、プログラマーを唾棄するのはなぜだ? なぜ論理式が出てこない?
 
 逃げているのだろう? 自分の学力が足りなかったゆえにこそ、今ここにいる。自分の過去の結果、それが今だ。そのことは誰よりも自分たち自身がよく知っているのだ。そうではないか。

 現在日本におけるロジカルシンキングも、ロジカルシンキングの元がアメリカだというなら、アメリカのビジネスマンも、そして古代ローマの悪戦苦闘もそういう文脈で見た方が、多分、より現実的だろう。
 
 無数のおっさんが狭く煮え立つ鍋の中でもがき苦しんでおる。
    
        
 

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