自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年12月19日木曜日
公理体系の宮殿自慢
物事を公理体系にしようと画策する人はいっぱいいる。
∧∧
( ‥)定義、前提、それらを
公理とし、
公理に基づき定理を証明し
定理を新たな公理として
新しい定理を証明し
壮大な公理体系を作る
(‥ )不思議なことなんだけど
古代ギリシャ以来、
そういうことを無駄に
したがる人たちは
いっぱいいるのだな
ただ、全体から見れば多数派ではない。あくまでも少数派だ。
∧∧
( ‥)でも、いなくなることはない
むしろ
”賢い”人に多い
( ‥)プラトンはそうした
‐□ 流れの先駆者だった
その後を色々な人々が
続いていった
そんな感じかな?
SFは科学でなければいけない
そう主張する人々もそういう人々なんだろう。
あるいはゴジラ映画のここが科学的におかしい、ブラックホール砲が科学的にうんぬん、という意見とか(*以前いた)。
∧∧
( ‥)科学的におかしいって
ゴジラ自体がすでに
おかしいがな
(‥ )ゴジラはお話の大前提
だからオッケーなんだとさ
大前提から何かを導きだす。それは公理体系的な思想があることを示す(単に理屈っぽいだけなんだけど)。
∧∧
(‥ )でも、本当に
\‐ 公理体系だとしたら
ゴジラから
演繹的に導きだされた事柄
それだけで
映画を作らないといけなく
なりますよね
(‥ )そういうお話を見てみたい
気もするけども。
実際には無理だよね。
*例:ゴジラという怪獣が実在する、という前提から怪獣が実在する、だから新しい怪獣がやってくる、という結論を演繹的に導けるか? という問題。
仮に導けるとしてもそれはキングギドラを必然的に導きだすか?
以上からするに、前提以外の怪し気な動機や衝動から答えやキャラクターが導かれていることは明白。というか当たり前。
∧∧
( ‥)だとするとゴジラは良いけど
ブラックホール砲は駄目
この選別は
物理学うんぬんじゃなく
公理体系うんぬんじゃなく
論理や演繹でもなく
実は認識の問題であると
(‥ )ようするに批判者は
心理学と
自然科学をごちゃまぜに
しているんだよな
というか、
なんちゃって公理主義者
そんな感じだねえ
あるいは自分が感じた不快感という心理を物理学で補強しているだけかもしれないし、あるいはたんに
∧∧
( ‥)世間の認識と自分の認識が
単にずれている可能性
(‥ )例えば世間のイメージだと
ブラックホールってのは
なんでも吸い込む穴だ
だから例えばの話
そういう演出を
行っても観客は喜ぶ
だが彼は、
ブラックホールとは
そういうものでない
ことを知っていた、
だから違和感を感じた、
それだけの話だろ
もっとも、この件の人の場合、超小型のブラックホールを射出して、それが相手に当たった場合、ほとんど何も起きずに貫通してしまうだけだってことは全然理解していなかった。ようするに彼の知識は、ブラックホールは何でも吸い込む穴ではない、ということを知っていた、それだけだったのだろう。
*地球の表面の小さなでこぼこを上り下りしても重力の差はほとんど感じられない。だが地球の半径を2分の1に圧縮すると、表面の重力は4倍になる。4分の1にすると16倍。8分の1にすると64倍。体積が小さくなり、重心までの距離が近づくにつれて距離に対する重力の差が大きくなる。光も出さないほど重力が強まる大きさ、センチ単位にまで圧縮すると地球はついにブラックホールになるが、この時、その周囲の重力の差は非常に大きくなる。例えば小さな物を落としても、物体の部位によって落ちる速度が全然違うので引きちぎれてしまう。つまりこうしたブラックホールを相手に打ち込めば、ブラックホールの軌道上周辺のものはことごとく破壊できる。ただ、これが作用する領域はごく狭い。特に人間が比較的容易に扱えるようなマイクロブラックホールを相手に打った場合、影響が出るような破壊が生じるか疑問。多分、単純に貫通して、地球を回る軌道に乗るだけ(その後、徐々に軌道速度は落ちて、最終的に地球の中心にまで落下して落ち着く)。
世間の認識と自分の理解がずれる。それを科学の知識を使って説明する。それ自体は別におかしなことじゃない。
しかし、そこで言えることは、せいぜいが、理屈と知識で考えればここがおかしいですよね、であって、これをもって映画が悪い、ということにはならない。
∧∧
( ‥)お話の基本は
ボーイミーツガール
(‥ )その時点でほとんど
嘘っぱちだからな
嘘に嘘を重ねる
それがフィクションよ
映画ってのは売れれば成功なわけで、消費者の認識に沿えば良いわけで、この時、少数者の認識や評価は当然、切り捨てられる。映画が多くの人に買われないと意味がないものである以上、一般人の平均的な知識と認識に合わせれば良い。
∧∧
(‥ )ブラックホール砲がおかしい
\‐ というのは、
正しいかもしれないけども
一般の人にとっては
どうでも良いことである
(‥ )そしてゴジラが良くて
ブラックホール砲が駄目
という基準は、
自然科学では
正当化できない。
それはただの認識論、
心理学の話だね
自然科学じゃないのだ
そもそも映画は
自然科学じゃねえしな
映画は心理学に沿っていれば良いのであって、自然科学に沿っている必要はない。単純に観客の素朴な自然観に違和感無くはまればそれで良いんである。
だから自然科学うんぬんもさることながら、フィクションというのものは現実と照らし合わせれば間違いだらけである。*例:なんの取り柄も無い主人公の周辺に形成される巨乳ハーレム。
∧∧
( ‥)だけども批判者は曰く、
ゴジラは良いけど
ブラックホール砲は駄目だ
ワープは良いけども
ガンダムは嘘くさい
( ‥)人間、どうしても無駄に
‐□ 理論武装したく
なるのだな、
公理体系ごっこを
無性にしてしまうわけだ
なぜそうなるのかよく分からない。ただ、ちいちゃな都市の何も知らないおっさん(プラトン)が彼らなりに必死で考えて、見た目は壮大な知の体系を築き上げたように、おっさんたちはどうしても公理体系の宮殿を作りたいのかもしれない。
∧∧
( ‥)そして、俺の宮殿すごいだろ
お前の宮殿、ばーか、ばーか
となじり合う
(‥ )人間、こういうが
好きだけど
あれかね、これは
宮殿自慢か?
あるいはクジャクが尾羽を広げて自慢するように、ハンターが大物を仕留めて自慢するのと同じで、自分自慢のひとつなのかもしれない。確かに、人間は自分自慢と自分アピールの動物なのであった。
∧∧
( ‥)でも、こうした行為は
自然科学ではない
(‥ )やってることは
生物学の範疇なんだがな
作った物は
自然科学でもないし、
実際には公理体系でも
ないんだよね。
ただのなんちゃって
公理体系でしかないのだ。
実際、この手の人が数学をしているのを見た事がない。なんちゃって公理体系である証拠だろう。
数学しているように見えても、それはすでに知られた方程式をいじっているだけで、それ自体は数学でもないし、物理学ですらない。ただの算数だ。
∧∧
( ‥)単に問題集を解いている
だけじゃんよ、
という話
(‥ )そんなものは
算数かもしれないが
自然科学じゃないだでな
だが、人間は、特に賢しい人は、こういうなんちゃって公理体系を作り上げ、自慢するのが大好きである。
ブログ アーカイブ
-
▼
2013
(712)
-
▼
12月
(66)
- プレセペ星団
- かに座の写真と青い空のシュロヤシと
- 火星、順行中
- おとめ座の火星
- 機械仕掛けのダッチワイフと答えたら、その人工知能は本物だ
- 直接選挙制という大衆的弊害
- 無理数の宇宙
- 私のいる世界は割り切れない世界
- 取引先の社長が若くて頼りにならない場合
- さあ、世界の鍋の中へ
- ロジカルシンキングは地方都市のおっさん向けだからね
- 骨董品は骨董品だ 新しい機能はそこにない
- 物差しが有効であるには現実と照らし合わせないといけない
- 売らねばならぬのだ
- 幸福、不幸、大滑落
- 経験が必要な場面で論理という机上の空論を持ってくる
- カノープス:理解は無知の裏返しである
- 以前のように無邪気でいられるのか?
- 直角定規による木星運行の誤差は数分の1度程度?
- 星占いの日々
- 自殺攻撃のインパクトに眼が曇る
- 削除の機能が無いんだか、あるんだか
- 冬の到来と木星の逆行
- 理想的な喫茶店もお客がいなければ意味がない
- 無様なり知性の宮殿
- 公理体系の宮殿自慢
- ご都合主義的な設定、それがワープ
- 認識論を自然科学だと思い込んだ報い
- 敗北と批判の空虚さがリンクするは必然
- 祭られぬこともなき、取るに足らない祟り神
- 人間力、という駄々ごと
- 墨絵のごとき月夜
- それは発想が絶望的に素人な
- デッドライン・フォーティー
- 対案が示せないので詩人になりました
- 未来人が僕らに選択肢を教えてくれる時
- 根幹がファンタジーかと問われれば肯定も否定もできず
- 信念とはすっからかん
- 分かりやすい話を信用するには条件が多すぎる
- 2013年ふたご座流星群その2
- 2013年のふたご座流星群(極大)
- 何もかも口先だけだねえ
- ふたご座と木星とワサトと
- 文系と理系は患者さんの色が違う たぶん
- ふたご座δ星ワサトと木星
- 檻の中にいる人間
- コメントが痛い領域に偏る、必然的な可能性
- この競合と絶滅と偏りはいかに理解すべきか?
- ああ、陰謀論って占いなのな
- 状況が変動する時、そこから利益をむさぼる詩人たちがいる
- 12月10日のISSと金星
- 例えば階層化された社会で学園ラブコメは存続するのか?
- 長距離走が苦手で絶滅する
- 自分であることを証明できるか? それは問いが間違っている
- 図書館からの帰り道、月はおよそ12度動いていた
- 跳躍扉
- 本を読んで、分かった、では困る
- 秋の紅葉 散りゆく学名
- 12月6日 夕暮れの下の三日月と金星
- 来たれ! ジャガランディ
- 鮮やかに紅葉
- 合衆国派 VS 世界帝国派、という切り口
- もう誰も残っていない
- やっぱ下が水星だったらしい
- 「つむじ」と「うなじ」を間違える
- どれが水星なのか
-
▼
12月
(66)