自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年12月13日金曜日
檻の中にいる人間
∧∧
( ‥)つまり
( ‥)その会社は業界唯一の
‐□ 企業で独占状態でね
厳密に言うと、二社あるのだが、それが連合している。つまり唯一の独占状態。法的に外部のものが参入できない仕組みにもなっているとか。
∧∧
(‥ )昔、その会社に納品したこと
\‐ あるよね
(‥ )べつにおいちゃんみたいな
フリーに限らない、
色々な会社に発注をかけて
それを一手に管理監督する
わけだよ
いわゆるゼネコンなんだが、聞いた限りでは本来のゼネコン(建設とそれに関わる業者を一手に監督する企業)とは違って、どうもやり口が悪質。
∧∧
( ‥)それでも最初の人たちは
やる気やこだわりが
あったのだと
( ‥)二社が合同して最初の
‐□ 取り組みだったからかな
皆、年齢のいった人で
ここはこうでないと駄目
ここはこうしてくれ、
そういう意見やこだわりは
もっていたよねえ
人をあれこれ指図する鼻持ちならない点はあったけども、まあ、やる気やこだわりはあった。
∧∧
( ‥)ところがその5年後ぐらいに
再び発注を請け負った時
(‥ )若い連中になっていたのだが
こいつらがろくでもない
連中でな
傲岸不遜、お前ら下請けなんか人間じゃない、人間なのは俺たちトップの正社員だけ、みたいなのり。
こだわりも主体性もまったくない
∧∧
( ‥)ところが、
ああ、じゃあ
他の奴探せよ
ばいばーい、って言ったら
(‥ )手のひらを返すとまでは
言わないが、
途端に下手に出てきてな
まあ、経験がないから他の人を探す当てが無かったんだろう。若いってのはそこんところが悲しいねえ。
それに、いくら自分では、俺は下請けをこきつかえるエリートなのだ、と勘違いしていても、しょせんは組織の下っ端でしかないんである。
納品できません、で怒られるのはそいつなのだ。
とはいえは、わずか5年あまり。経験がないとか、勘違いしているとか、それだけじゃない。ゼネコンはピンハネするとか、そういう揶揄のレベルではないことを平気でする連中に成り果てていた。
あるいはそういう連中に代替わりしていて、中身のないすっからかんになっていた。そういうべきか。
例えばゼネコンのくせに一切指示や計画を示さずに、今、仕事している、仕事している、今、検討しているから待って、待って、としか言わない。
その区画のその内装は真っ白、しかし〆切と期限はどんどん迫ってくる。
とうとう業を煮やした”発注元の担当者”が、あろうことか独自のつてで小さな町工場に頼み、彼とその町工場でその箇所は完成させるはめに。
∧∧
( ‥)そうしたらなんの仕事も
してないゼネコンが
町工場に支払われる金額の
八割をこちらによこせ、
と要求してきたって話でね
(‥ )発注元の担当者が
ぶち切れてな、
おい、仕事もできないお前らが何、金をピンハネしようって言うんだ? お前んとこの社長と俺は知り合いなんだからな。発注主は俺たちだぞ? それ分かって言ってんのか? 小僧??
まあこういうのりでピンハネは三割かそのくらいだかになったらしい。
∧∧
(‥ )担当者が全員若いだけの
\‐ 勘違い未経験者だったの
でしょうね
(‥ )統括できない、
仕事ができない
できないから押しつける
無責任だから催促する
だけど無能だから
発注できない、
計画できない、
立案できない、
でもゼネコンである以上
ピンハネをしないと
いけない
泥縄、行き当たりばったり
そういうことだろうねえ
ゼネコンは若いぺーぺーな連中ができるようなことじゃない。
∧∧
( ‥)ゼネコンがそんな簡単に
うまくいくなら
(‥ )ボーイング787は
もっとスムーズに
飛んでるんじゃねーの?
*ボーイング787:ここでは設計自体はボーイング社が自社で行ったが、各国企業を、以前よりも多数集めて生産したボーイング787がトラブル続きだった話のこと。これは安易な理解かもしれないけども、ゼネコン業なるもの、指示を出して催促して値切ってピンハネして組み立てれば良い、なんていう安易なことなら、こんなことにはならない。ゼネコン業とはそりゃあ難しいことなのでしょう、という意味。言い換えれば、これに成功すればボーイング社無敵、ということに。
**もちろん、こんな理解で正しいのかどうか、より正確にはちゃんと文献を読む必要あり。
∧∧
(‥ )でもこの事柄は色々なことを
\‐ 示唆していますよね
(‥ )安易に下請けに指示をだす
立場になると、
ゼネコンもできないくせに
いばりくさる、そういう
勘違い能無し野郎になる
そういうことだな
まあ、それを考えると、大企業なんてチンピラの集まりだろ? という揶揄は実際のところまったく正しいとも言える。
上司が馬鹿だ、無能だ、というのもそういうことの反映である面もあるんだろう。上司は統括する立場であって、実力もないのに統括する立場になったら勘違い能無し野郎になるのは当然。
∧∧
( ‥)そしてこの話はもうひとつ
別のことも語っている
(‥ )大企業は外部の変動を
緩衝してくれる
緩衝剤になってくれる
だが、これは同時に
逃げ場のない檻でもある
檻の中にはルールがある。牢獄に牢名主がいて上下関係があるように、檻の中にいる人間は、そこがいくら巨大企業でも、単なる生身の、ただの肉のかたまりだ。
∧∧
(‥ )実はいくらでも攻撃できるし
\‐ むしろ牢屋内部の
階層構造という
肉轢き器の中にいる分
攻撃に弱いとも言える
(‥ )連中自身も
勘違いしているが
やつらはたった一人の個人
組織の単なる消耗品でしか
ないんでな
いくらでも替えの効く
ただの部品なのだ
人間は容易に堕落する薄っぺらい動物だ。薄っぺらいから自分と自分の人生に価値があると思うが、それは幻だ。幻だからそれは容易に破壊できる。破壊されるのが怖いから檻から出られないのだ、とも言える。
∧∧
( ‥)しかし檻の中にいるからこそ
轢きつぶされる
檻が快適だから忘れてるけど
実は八方ふさがりでもある
( ‥)勘違いしたテレビという
‐□ 企業に対して
スポンサーから攻めろ
という考えがあるが、
あれは確かに
有効だろうねえ
檻の内部にいるからこそ、一人の人間に対して石を投げ込むことがどんな効果を持つか。その恐ろしさを一番思い知るのは檻の外にいる人間じゃない。檻の中にいる人間だ。
そして一人、一人殺していけば集団は身震いを始める。
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