自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年12月22日日曜日
自殺攻撃のインパクトに眼が曇る
勝った側でも負けた側でも
∧∧
( ‥)自殺攻撃はしばしば
見られる話
(‥ )若い少年兵に自殺的な
攻撃をさせておいて、
熟練した老兵が
自殺攻撃で混乱した敵陣に
突撃してくる、
これで勝ったとされる
軍隊があったよな
というか、自殺攻撃で敵軍を追い払えばそれで勝ちだ、そういう戦い方も事実としてある。そしてこれは誰でも今や良く知っている話だ。
∧∧
(‥ )それを考えると、
\‐ WW2における日本軍の
特攻攻撃をどう扱うべきか、
例えば、
自殺攻撃だから駄目です
だから負けたのです
そんな簡単な話では
ないのは確かだと
(‥ )一般的にはあんなことを
するから負けたんだ
そう言われるが、
実際には負けそうだから
特攻攻撃したんだとも
言える。
さらにだ、
勝った側も負けた側も
特攻攻撃をした事例がある
自殺攻撃で勝っている
事例もある
それを考えると、
そんな単純な話では
ないとも言えるよね
あるいは自殺攻撃や自爆、特攻の結果には、別の要因や条件が効いてくるし、それを考慮しないと戦争が理解できない、と言うべきか。
∧∧
( ‥)戦争なんて理解する必要は
ないのだ、そう言う人も
いるでしょうけどね
(‥ )戦争は運営だろ?
しかも国のすべてを賭けた
運営だよね?
それを理解する必要はない
というのは、
馬鹿げてると思うけどな
というか、そのような判断こそ自殺的ではないか。言うなれば、自殺攻撃なんてするから負けるし、そんなことをするような国が日本なのだ、と賢し気に批判している時点で多分、致命的な過ちを犯している。
∧∧
(‥ )逆にですよ、これこそ
\‐ 賢し気な見解かもだけど、
零戦のような高度な工業製品を
特攻に使ってしまうのは
高度な訓練を必要とする
パイロットを失うことと
合わせて、致命的な損失だ、
とも言えますよね
これも良く言われることだけど
この指摘はむしろ
特攻うんぬんではなく
そこが問題なのだ、
ということを示している
(‥ )特攻を愚かな運営というのは
簡単なんだ。
だが実はこうではないか?
日本の特攻が
うまくいかなかったのは
日本が海洋国家であること
近代の海洋国家で
あるにも関わらず、
工業化が遅れたこと
むしろこれが原因なのかも
知れない。
海洋国家だったら、どうしても海を越えねばならなくなる。必然的に戦争は艦船や飛行機に頼るものとなる。どうしても複雑で高度な機械を使うし、高度な機械を扱える訓練された兵士が必ず必要になる。
もし、これが陸戦だったら、安くて訓練もされていないような新兵や少年兵に祖末な武器や爆弾、地雷を持たせて、あるいは素手で突撃させてもそれなりな成果が上がりうるし、事実としてそういう戦い方はよくある話だ。
だとしたら、特攻それ自体を問題とするのはむしろおかしい、とも言えるし、運営の重要な部分を見落としているとも言える。そうではないか?
∧∧
( ‥)高度な機械や訓練された
兵士を失うのは愚かだ、
それ自体、そこまでは
良く聞く意見なのですけどね
(‥ )だが理解がそこで停止して
いると思わないかね?
じゃあ、その原因は何か?
そこで運営の愚かさ、
と答えてしまう。
それこそが実は愚か
なのじゃないかね?
そうではなく、むしろ
工業力とそれを支える知識
教育と人材の供給、
さらにそれを強制する
海洋国家としての立ち位置
ひいては日本の地形に
原因がある
そう見るべきでは
ないかね
無理もない話なのだが、否定する人も肯定する人も、自殺攻撃の”自殺”という部分が持つインパクトに眼を奪われすぎなのじゃないだろうか。
考えてみれば特攻をたたえる人も(皆と国のために命をなげうったのだ、讃えるのは当然だろう)、その反対に特攻を愚かと考える人も(高度な機械と兵士をなげうったこと自体は確かに愚かではあるのだろう)、どっちも”命をなげうった”という点に注目してばかりで、肝心の工業力や国の立地、それを実現するだけの教育と工業力と人材育成の必要性、こういう部分には全然注目しないらしい。
∧∧
( ‥)教育に頭が回っていない
人々なのだと?
(‥ )肯定する人も否定する人も
教育と結びつけてはいるが
その教育とは
所詮は道徳であり
道徳としてしか
考えておらず
工業力と技術という
難しい側面に
思いをいたすほどに
高度な把握をしていないし
それが出来るような
教育を受けていない。
そういう皮肉な結果
なのではないか?
道徳は現実を操作する理論ではない。道徳でラジオが動いたり飛行機が飛んだりはしない。
つまり、道徳で物事、ましてや国の運営を考えるのは愚劣。
ブログ アーカイブ
-
▼
2013
(712)
-
▼
12月
(66)
- プレセペ星団
- かに座の写真と青い空のシュロヤシと
- 火星、順行中
- おとめ座の火星
- 機械仕掛けのダッチワイフと答えたら、その人工知能は本物だ
- 直接選挙制という大衆的弊害
- 無理数の宇宙
- 私のいる世界は割り切れない世界
- 取引先の社長が若くて頼りにならない場合
- さあ、世界の鍋の中へ
- ロジカルシンキングは地方都市のおっさん向けだからね
- 骨董品は骨董品だ 新しい機能はそこにない
- 物差しが有効であるには現実と照らし合わせないといけない
- 売らねばならぬのだ
- 幸福、不幸、大滑落
- 経験が必要な場面で論理という机上の空論を持ってくる
- カノープス:理解は無知の裏返しである
- 以前のように無邪気でいられるのか?
- 直角定規による木星運行の誤差は数分の1度程度?
- 星占いの日々
- 自殺攻撃のインパクトに眼が曇る
- 削除の機能が無いんだか、あるんだか
- 冬の到来と木星の逆行
- 理想的な喫茶店もお客がいなければ意味がない
- 無様なり知性の宮殿
- 公理体系の宮殿自慢
- ご都合主義的な設定、それがワープ
- 認識論を自然科学だと思い込んだ報い
- 敗北と批判の空虚さがリンクするは必然
- 祭られぬこともなき、取るに足らない祟り神
- 人間力、という駄々ごと
- 墨絵のごとき月夜
- それは発想が絶望的に素人な
- デッドライン・フォーティー
- 対案が示せないので詩人になりました
- 未来人が僕らに選択肢を教えてくれる時
- 根幹がファンタジーかと問われれば肯定も否定もできず
- 信念とはすっからかん
- 分かりやすい話を信用するには条件が多すぎる
- 2013年ふたご座流星群その2
- 2013年のふたご座流星群(極大)
- 何もかも口先だけだねえ
- ふたご座と木星とワサトと
- 文系と理系は患者さんの色が違う たぶん
- ふたご座δ星ワサトと木星
- 檻の中にいる人間
- コメントが痛い領域に偏る、必然的な可能性
- この競合と絶滅と偏りはいかに理解すべきか?
- ああ、陰謀論って占いなのな
- 状況が変動する時、そこから利益をむさぼる詩人たちがいる
- 12月10日のISSと金星
- 例えば階層化された社会で学園ラブコメは存続するのか?
- 長距離走が苦手で絶滅する
- 自分であることを証明できるか? それは問いが間違っている
- 図書館からの帰り道、月はおよそ12度動いていた
- 跳躍扉
- 本を読んで、分かった、では困る
- 秋の紅葉 散りゆく学名
- 12月6日 夕暮れの下の三日月と金星
- 来たれ! ジャガランディ
- 鮮やかに紅葉
- 合衆国派 VS 世界帝国派、という切り口
- もう誰も残っていない
- やっぱ下が水星だったらしい
- 「つむじ」と「うなじ」を間違える
- どれが水星なのか
-
▼
12月
(66)