自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年3月17日日曜日
PM2.5 今、世間で何が起きてる?
妙なことがある。
∧∧
(‥ )PM2.5で検索すると、
\– 1000分の2.5ミリ以下の
微小粒子である、そういう
情報がちゃんと出てきます
(‥ )だが、PM2.5が話題になると
どういうわけか中国由来の
有害物質、それも固体を示す
本来とは全然違う意味の
単語として使われて
いるわけよ。
*PM2.5は本来、1000分の25ミリ以下の微粒子を指す。つまり土ぼこりの非常に細かいものでも、黄砂でも、地元周辺から舞い上がった土ぼこりでも、タバコの煙の粒子でも、あるいは硫酸エアロゾルでも良い。こうした微粒子は肺の奥深くに入り込むので、たとえそれが土ぼこりであっても、当然、体に悪い。
**一方、中国で話題の大気汚染とは、硫黄を含む石炭を燃やして排出されて出来た二酸化硫黄などが水分と反応して出来た硫酸エアロゾルのこと。つまり、水滴である。ただし、硫酸は蒸発せず、微粒子となるとそのまま大気中を浮遊して健康被害をもたらす。どうも世間一般的には固体だと思われているらしい。
***つまり、硫酸エアロゾルはPM2.5に該当する微粒子だが、PM2.5に該当する微粒子のすべてが硫酸エアロゾルではない。PM2.5が検出されたからといって、それが中国の硫酸エアロゾルであるとは限らない。むしろ、身近なもの由来の、別の微粒子の方が多いことになる。
例えば3月10日(=>hilihiliのhilihili: 3月10日の太陽と、黄砂?)に関東で土ぼこりが舞い上がって、それはそれは大変な有様だったのだけども、この時の騒動を書いた記事でこんなのがあった
そこでは、
10日に都心やその周辺を襲った猛烈な黄砂、あるいは煙霧、これら正体は土ぼこりで、その土は強風で北関東から運ばれてきたのだろう
そう正しく書かれているのだけども….
∧∧
(‥ )この記事はtumblrでも
\– 目撃しました。
あの黄砂、あるいは煙霧は
北関東から飛んできた
土ぼこりである、そういう
部分だけが抜粋されて
reblogされてましたね
(‥ )だがおかしなもんでな
リンク先の元記事を見ると
あの嵐の最中にPM2.5の
濃度が増大した
だからやはり
中国から来て堆積した
PM2.5が舞い上がっていたの
ではないのか??
この件を気象庁は
どう考えているのか??
という意味合いのことが
最後に書かれているわけよ
途中まではまっとうな記事なのだ。だが、最後の最後でPM2.5がまたもや本来と全然違う意味に置き換わって、陰謀論や危険を煽る内容になっている。
*つまり途中までは関東の土ぼこりなのでしょう、と言っているのだが、最後のところで、PM2.5はすべからく硫酸エアロゾルである、という間違った定義が顔を出すことによって、話がおかしくなっている、ということ。
**土ぼこりでも小さな微粒子はPM2.5に該当するので、こういう場合におけるPM2.5の濃度上昇は単純に土ぼこりと考えて問題ない。そうである以上、PM2.5の濃度上昇=中国産硫酸エアロゾルの上昇、ではない。
∧∧
( ‥)まあ、土ぼこりもどっちみち
体に悪いし、危機を煽っても
結果的には効果的なんです
けどもね
=>hilihiliのhilihili: PM2.5という言葉/土ぼこりをなめちゃいけない
( ‥)だけど、オチが間違い
–□ なのは問題だよな。
ネットで検索するとPM2.5、その本来の意味がちゃんと出てくる。
だが、会話や記事になると途端にまるで違う意味、つまり中国の汚染物質を限定的に指す言葉になる。
∧∧
( ‥)テレビ、あるいは新聞のせいですかね?
( ‥)んーーーー、、、、テレビを
–□ 持たず、ラジオを持たず、
新聞も読まない身としては
世間で何が起きているのか
さっぱり分からんな。
だけども、世間の用語に大きな影響力を与えるのはテレビとかなんである。
多分、テレビがおかしいことを言っているのだろう。テレビらしいと言えばテレビらしい。
悪い言い方をすれば、マスゴミは所詮はマスゴミなのだ。
とはいえ、これは大いなる矛盾でもある。
先の記事と同様、ネットの書き込みにおいても、
PM2.5の濃度が上昇したから、ほら、中国の汚染物質が混ざってる、マスゴミはこれを隠蔽している!
という声が上がったのだから。
∧∧
( ‥)マスコミがPM2.5の意味を
きちんと伝えていないから
誤解が広まって、
その誤解からマスコミの
陰謀論が強化されている
(‥ )矛盾した話だが
状況自体はそういうこと
なのかもね
マスコミの二枚舌や信頼性の低下は置くとしても、PM2.5という用語自体の混乱はどうもそういうことではないか?
ああ、そういえばいたな。黄砂を煙霧と言い換えたのは詭弁だ。煙霧は塵が舞い上がる現象。だとしたらそこには堆積した黄砂も混ざっているはずだ。つまり言葉の定義を用いた詭弁で、黄砂を煙霧と言い換え、黄砂ではないと否定し、中国に配慮したのだ。つまり気象庁は中国に乗っ取られている。そしてこれではまるで....
∧∧
( ‥)炉心融解という詭弁と
同じだと。
(‥ )実は言ってることは
ある程度正しいのだ。
少なくとも、言葉の定義が
混乱して、意思疎通が
おかしくなる、という
意味ではね。
問題があるとしたら、以上を言ったご本人自身が言葉の定義を混乱して用いて理解しているので話がめちゃくちゃになっているという点にある。
あるいは、炉心融解、あるいはむしろ、メルトダウンという言葉が巻き起こした騒動について言えばこうなる。
メルトダウンというと、ひとつにはチャイナシンドロームのような意味合いがある。つまり臨界状態を維持したままの核燃料が格納容器どころか、その外装、さらにはコンクリート壁を破壊し、堆積物をも融解降下、ついには地下水と接して水蒸気爆発を起こすという意味。
∧∧
( ‥)でもメルトダウンが
崩壊熱による燃料棒の融解
ジルコニウム合金と
ウラン燃料が溶け落ちて
容器底に落下するという
意味だとすると、それは
もう起こっている。
(‥ )水から露出した
ジルコニウム合金が
水蒸気と反応し、
酸化する過程で水素が
発生する。
つまり、水素爆発があった時点で崩壊熱による燃料棒の融解はとっくに起きていることになる。これは明らかだ。
実際、この指摘は2011年の震災の後、原発がぱーんした2、3日以内にはもう言われていたことだけども。
*例えばスリーマイル島の事故を受けて、たぶんこうだという見解はすでにしかるべき場所であった。
**一応、書いておきますと、崩壊熱と臨界状態は別ものです(熱を出すということは臨界している証拠じゃないか!! と、当時、言い立てていた人がいたので)。
∧∧
( ‥)でも? 世間の人は
お怒りである
政府もマスコミも
メルトダウンと言わない、
欺瞞だ!
許せない、と。
( ‥)そりゃあ、臨界反応による
–□ 際限ない融解と降下では
ないからね、
メルトダウンとは言わんさ
だが、言葉と定義に混乱した人は、炉心融解って言うけどさ、それごまかしだろ? それはメルトダウンだろ? つまり臨界しているんだろ?? なにを誤摩化しているんだよ??
∧∧
( ‥)と、怒りだす
(‥ )今回のPM2.5も同じだよな
言葉の意味を独自解釈して
意思疎通ができなくて
不安感と見捨てられたという
怒りが起きている。
マスコミ工作員説と相まって
不信感が増大している。
そしてこれは、皮肉にもマスコミの怠慢とその結果だろう。それにしても、一体全体、今、世間では何が起きている?
ちなみに
∧∧
(‥ )tumblrのreblogも
\– 罪作りですよね
(‥ )そうねえ、あれは抜粋だから
前後の文脈から解放されて
元記事と意味が全然変わったり
するものだけど
ただし、今回、というかここで話題にした最初のreblogの場合、これが幸いして、間違ったオチは無視され、正しい部分だけが拡散した、そういうことらしい。
*追記2014.0228 全体をやや手直しして補足説明を追加
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