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2013年3月25日月曜日

さあ、いくがいい。幸せな破滅の道を

 
 
 ∧∧
( ‥)他人の評価を気にしてばかり
    いるから幸せになれない。
    どう思います?
 
  ( ‥)そうねえ。
 
 遭難した。今、2人のガイドのどちらかについていかなければいけない。ガイドとしての能力は、片方は評価が高く、片方は低い。
 
 ∧∧
( ‥)高い方が二日酔いですとか
    そういうことが無い限り
 
  (‥ )どっちについていくのか?
      これは明瞭だ。
 
 結果も明瞭である。確率的に、ではあるが明瞭だ。
 
 ∧∧
( ‥)人が他人の評価を気にするのは
    当然ですね
 
  ( ‥)評価とは究極的には命なんだ
    –□ 他人の評価を推し量るのも
       自分の評価を気にするのも
       当然だろうな。
 
 困ったことに。評価が低いと金も情報も人も話も仕事も集まってこなくなる。
 
 
 ∧∧
( ‥)そりゃ、もってくるのは
    人間ですからね
 
  (‥ )そんな評価を気にするな、
      という言い回しは、
      世捨て人か、さもなきゃ
      あれだよね。
 
 みんなあの会社の株に群がってるけど、あの会社は粉飾決算してるよ
 
 ∧∧
( ‥)と、言っているような場合
 
  ( ‥)この評価は
      評価に値しないから
      破棄すべき
      そういう状況だよな
      
 
 ∧∧
( ‥)評価も評価の対象になる。
 
  (‥ )A君は君の絵をぼろくそに
      言ってるけど、あいつ、
      見る目ないし、
      へただし、浮いてるし、
      気にするな、というか
      気にしてもらうと困る
      お前さんの絵がおかしく
      なってしまうからな。
      こういう事例ね。
 
 *A君に対して意訳すると、「へたくそで能無しなお前ごときがこの人の絵に間違った評価を与えるんじゃねえ、今すぐ自分の舌を食って死ね」という意味。
 
 評価も評価の対象になる。この世界に逃げ場はない。
 
 
 ∧∧
(‥ )それでも逃げたくなる時が
\–   あるのでしょう
 
  (‥ )僕らの世界は声にしない
      疑心暗鬼と罵詈雑言だ。
      評価という牢獄から
      脱出したくなるだろうなあ
      世界は苦界だよ。
 
 ああ、しかし、幸せという脱出経路は破滅の道なのだ。
 
 ∧∧
( ‥)なぜかと申しますに
 
  (‥ )歩き続けないと同じ場所に
      いられない。
      登り続けないとずり落ちる
      それがこの世界だからだ。
 
 ああ、もう幸せになりたい、そう平穏の世界に腰を落ち着けた途端、
 
 ∧∧
( ‥)浸食が始まると
 
  ( ‥)浸食し切る前に死なない限り
      楽園は崩壊し、
      それ以上の苦しみが
      待っているのだ。
 
 自由は不幸の道、幸せが破滅の道、というのであれば
 
 評価とは命と生存に関わる統計的な数値である、というのであれば
 
 ∧∧
( ‥)他人の評価を気にするから
    不幸になるのよ、という
    主張は
 
  (‥ )自由は不幸の道と
      言っていると同じ。
      
 
 評価という数値を道具に、解を自力で探索しなければいけない以上、確かに自由は不幸の道に他ならない。
 
 ∧∧
( ‥)他人の評価を気にしないのが
    幸福の道なのよ、という
    主張は
 
  (‥ )幸せは破滅の道と
      言うがごとし。
 
 評価という数値もなく、道具もなく、ただ安泰な世界に腰を降ろせば、浸食が押さえ切れない。体力は落ち、脳の活動は衰え、心は嘘と肯定だけになり果てて残骸と化す。これは世界の摂理。すなわち、幸福は破滅の道なり。
 
 
 ∧∧
(‥ )つまり、最初の意見は
\–   正しいわけですね
 
  (‥ )タバコを吸うと癌で
      死ぬ可能性が有意に
      増大する、
      そういう意味合いで
      現実を記述している。
      つまり正しい。
 
 さあ、だからいくがいい。幸せな破滅の道を。
 
 
 ∧∧
( ‥)でも、自由な道もろくな
    もんじゃないですよね
 
  (‥ )いや、だから不幸になるよ
      と言っているわけさね。
 
 

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