自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年3月30日土曜日
じょじょに起きる現象を理解する
∧∧
( ‥)どう?
( ‥)んーーーー
‐□
人類の出アフリカ以降に起きた大量絶滅。昔から、これは氷河期(氷期)の終了による気候変動が原因だ、という説と、人類による狩りが原因だ、という説がある。
∧∧
( ‥)...まあ、あなたは
人類が原因説を
採用していますよね。
(‥ )もろもろの理由からそうだろ
□‐ と思うのだけども、
言い換えればだよ、なぜ
かなり多くの研究者が
人類原因説ではなく、
気候変動説を採用するのか
あるいは”した”のか、
それを把握する必要が
あるよなあ。
人類が原因説を採用するある人は曰く、それは、多くの研究者の関心は、本当に最後の最後、大量絶滅が進行するその最後の記録そのものではなく、より古い記録にあったためである、と。
∧∧
(‥ )とっ、解釈できる文章が
□‐ 出てきましたね
(‥ )研究者が当時の生態系を
再現することを
目的とすれば
絶滅の過程そのものを
クローズアップしない、
というのは当然かもね。
そして、再現した生態系で
絶滅を説明するのも
また、当たり前だなあ。
例えば生態系的な説明では曰く、氷期にはパッチワークのような植生と多様な植物が生えていた。この寒く乾いた世界は、氷期の終了と共に、緯度ごとにグラデーションとなった一様な世界になった、これが絶滅の原因である、というような説がある。
∧∧
( ‥)少なくとも、この文献は
氷河時代の気候を
推し量った論文であり
資料ですね
( ‥)絶滅の説明はともかく
‐□ 当時の様子を知る
ために必要な
文献ではあるよな
もちろん、こういう絶滅説の場合、人類というそれまでの生態系になかった要素は自動的に考慮されないことにもなる。
∧∧
( ‥)この場合、人類が原因説は
原理的に成り立つわけがない
( ‥)んんんんーー
‐□ しかし、それだけ
なんだろうか?
例えばの話、あいつら気に入らねえ。全滅させるべきだ! 殺せ! という意見がある。
∧∧
( ‥)でも? そういう一気に抹殺する
ような力は非現実的。
やるにはもっと小さな
作用でもいいのだと
(‥ )例えば1年間に相手の人口、
個体数の1パーセント、
いや0.1パーセントを
奪うだけでもいい。
これを100年、1000年、1万年続ければ
∧∧
( ‥)数学的にはともかく、
現実的には絶滅がおこる
でしょうね
(‥ )ところが計測的には
困ったことにだ
1パーセントならともかく、
0.1あるいは、0.01とかの
減少率だとリアルタイムで
観測している人には
それが見えて
こなくなるわけだ
以上はたとえ話にしても、つまり、リアルタイムでは測定不能な作用でも、地質学的な尺度では破滅的な効果を及ぼす場合がありうる。そういうことは分かる。
∧∧
( ‥)昔から指摘されることですね
現在進行形では計測できない
だが歴然とした結果をもたらす
作用がありうる。しかし、
これをはたして
科学できるのか?
そういう問題と議論。
(‥ )こういう場合、もしも
人類が出アフリカ以来、
連綿と日記を
残していたとしても、
人類がマンモスを滅ぼした
直接的な原因であっても
「最近、マンモスを
見なくなりました」
なんて、
彼らは書かないよな
10年でマンモスが急減したとかならともかく、地質学的には瞬間に近いが、しかし人間にとっては長大な時間、1000年、1万年かかって起こる現象を実感として書き遺すことはありえないだろう。
仮に「最近、マンモスを見なくなりました」という日記が残されているとすれば、
∧∧
(‥ )それは局地的、短期的な
□‐ 気候変動や個体群の移動、
消滅などの記述であって、
種族の絶滅そのものの
記録ではないでしょうね
(‥ )しかもだ、日記に該当する
化石記録は
連続記録ではなく
さらに非常に断片的な
記録になるわけだよね。
化石記録は進化の記録を残すにはおおむね十分な頻度で残るように見えるけども、絶滅の過程は残すのは難しそうだ。
∧∧
( ‥)絶滅とは生物種が移動できず
進化もできない状態、つまり
急激な現象
(‥ )進化記録は残せても、
絶滅記録は荷が重い。
つまり断片的な記録から
こういう現象をどう見るか
なにを抽出するか、
どう抽出するのか?
そこ問題だよねえ。
もちろん、ふーんだから化石なんか信用できないのさ、だから俺様の理論を見るぴょん、とかそういう何も知らないありがちな馬鹿は放っておくとして。
∧∧
( ‥)研究者の議論や
採用した仮設、その根拠、
それを支えた方法論、
それらは理解しなければ
ならないのだと
(‥ )たとえ間違っていても、
間違っていると
思っていても
なんであれ、
その仮説の理由を
理解せねばならんのだ。
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