自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年3月13日水曜日
撮影モードと黄砂陰謀論
hilihiliのhilihili: どうも関東ローム層由来でいいらしいのさらに続き
背景を一応、説明すると。
∧∧
( ‥)去る、3月10日は中国から
飛んできた黄砂が関東に
飛来するだろう、そういう
予報がされていた日でも
ありました。
( ‥)その当日に関東は午後から
–□ 空が黄色く染まって
えっ?? 何この黄砂?
すごくね??
という反応だったわけだ
だがその後、気象庁からこれは黄砂ではなく、煙霧という気象現象、平たく言うと関東で舞い上がった土ぼこりでした、という発表があり、それが各報道機関を通じて流されると
∧∧
(‥ )中国に配慮したマスコミの
\– 陰謀ではないのか?
気象庁は乗っ取られている
のではないか? そういう
陰謀論が出てきたと
(‥ )あの土ぼこり自体は
関東ローム層から舞い上がった
もので良いとしても、
見た目は黄色。
まさに黄砂だからね。
この黄砂、すげー、と
思っているところで、
黄砂じゃない、と言われると
はあ? とは思うよな。
というか、おいちゃんも
思ったよ。
∧∧
(‥ )煙霧というが、煙霧の画像は
\– 白く青っぽいけど、
10日のは顕著に黄色だ
画像を比較すればそれは
明らかである。
ゆえに10日の黄色い空は
煙霧ではないだろう
やはり黄砂に違いない
そういう主張もありますね。
(‥ )ああ、気持ち分かるよな。
10日のはあまりにも黄色で
印象が強烈すぎるもの。
ただ、画像ってのは撮影時の状況やモード、撮影時の操作で印象が全然変わってしまう。例えば以下の2枚の画像は、自分がその10日に連続して撮影したものだけども。
∧∧
( ‥)まあ、なんていうか、全然
–□ 違いますね。
(‥ )撮影時のモードを変えたのだ
ちなみに画面左の空に見える
黒いぼやけた点はレンズの汚れ
中央にぼんやり見えるのが
距離およそ3キロ先の建物
画像自体は黄色い方が現実に
近いけども、少し、暗いね。
明るさは下の方が
現実に近いかな。
撮影時刻は15:32だ。
さらに、撮影する時、強制的にフラッシュを炊くと、黄色みはまったく消えてしまうが、白黒のコントラストがもっとクリアになった画像を撮ることも可能。
∧∧
( ‥)というか実際にそういう
映像を撮ったけども
( ‥)黄色の雰囲気がまるっと
–□ 消えちゃったから、
画像データを削除したの
だよね。今から思えば
もったいないことしたな
つまるところ、青っぽく、コントラストが強い煙霧の撮影画像も、本来当時の風景それ自体はもっと黄色かった可能性がありうる。最低限、そういうことはここから言える。
つまり撮影時のモードや条件が分からないと、画像の印象だけから、”10日の現象は煙霧ではありえない”、とか、”10日のものは黄色いから黄砂である”、と断言することは、多分できないだろう。
とはいえ、
∧∧
( ‥)とはいえ、たわいもない
陰謀論と簡単に片付ける
わけにはいかんと
(‥ )陰謀論も理論なり。
理論の予想が当たった時、
その陰謀論の確からしさは
増大する。
例:自民党内閣の時、マスコミはラーメンの値段だの、漢字の読み間違いだのを、まるで政治家の資質がないかのように叩いた。それが民主党になると、不正献金や脱税ですらまるでスルーするかのような扱い。マスコミは日本国を破壊しようと画策するスパイであり、工作員である。だから自民党が政権を取り戻せば、必ずやどうでもいいような値段だの漢字だの、そういうバッシングをするだろう。
∧∧
( ‥)でっ、安倍さんが食べた
カツカレー3500円を
マスコミが叩いた時、
そらみたことかと。
( ‥)あの時ね、
マスコミ工作員説は
ある意味においては
陰謀論でなくなったのだ。
理論の予言が的中したならば、その理論は確からしくなる
∧∧
( ‥)確からしくなる=妥当
とは限らないわけですけどね
天動説でも天体の動きは
説明できる。
(‥ )確かに天動説は正しくない
だが、天動説でも現象を
理解する手助けになるし
事実として役に立つ。
ならば、予想を的中させた以上、マスコミ工作員説が正しくないとしても、役に立っているではないか、そういうことは言える。
理解と予測の役に立っている
∧∧
( ‥)つまり状況は深刻である
(‥ )陰謀論が蔓延する状況が
深刻なんじゃないんだ
陰謀論がきちんと機能を
果たせる状況が深刻。
ようするにマスコミは今、
陰謀論で予想できるような
そういう怪しげな
挙動をしている。
そういうことだからね。
このような背景を考慮した時、先のいわば、「黄砂陰謀論」も、たわいもない話であると簡単に切って捨てるわけにはいかないだろう。少なくとも、今、ああいう解釈が出てくる背景には色々なことがあったのだ。
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