Fence of defense の Nightless girl
( ‥)ああー、懐かしいなあ
-/ 高校の美術部でこの歌が大好きな
奴がいてなあ
∧∧
( ‥)ヘビーローテーションしてましたと
あやつは今頃、何をしているのだろか?
∧∧
(‥ )ノートに漫画を描いてましたよね
□-
(‥ )描きたいこと、書きたいことがいっぱい
あったんだろうな、話が大雑把で
しょっちゅう飛ぶし、飛躍するし
設定は途中で変えちゃうし
強引に終わらせちゃうし
でも、そうねえ、どっちかというと漫画の王道みたいなストーリー性はあったかなあ。単に好きな漫画のコピーだったのかもしれないが(内容は多分、80年代のジャンプ系だと思う)。
∧∧
( ‥)好きな漫画のコピー。
でも、最初は誰でもそうですしね
( ‥)絵がすごーく手抜きで、おいちゃんから
-□ 見てすら基礎がなってなかったけど
∧∧
( ‥)でも致命的なのはそこではないと
(‥ )絵に対する執念がないのよね
執念や固執がないと技術は向上しないし
へたうまにもなれない。
∧∧
( ‥)彼は高校卒業後、予備校には入ったけど
-□ 実際にはほとんど登校せず。
そのまま何年も修学も就職もしないで
ぶらぶらしていたと。
そのうち、あなたは大学を卒業して、
しかし就職はうまくいかず
てきとーにバイトやって生活するように
なって、立場自体は2人同じになりましたと
( ‥)オレは高校最後の春休みがそのまま
継続しているんだ、そう言っていたな
同期ではあきれていた奴もいたが、
個人的にはそんなことは
どうでもよかったよ。
まあ、別にいいじゃないか、そんなこと。春休みを死ぬまで続けたっていいさ。彼のそんな生き方は見ていて楽しかった。
問題はだ、そこではなく、絵に対する執念がなかったことだ。確かにおかしなことに執着したり、くだらない思い込みに固執するとろくでなしのトンデモくんになる。その点、彼はさほど問題なかったし、むしろおかしな執着がほど良い面白さを作っていた。だがしかし、肝心な絵の部分に執着しなかったのはやはり痛い。
∧∧
( ‥)今、何しているでしょうね?
(‥ )分からん。さらに何年か後に
就職したから、おいちゃんよりは
まっとうな人生を歩んでいる
はずなんだけどね
そうね、結局、漫画家ってエリート中のエリートなんだよね。
∧∧
( ‥)1人の漫画家さんの背景には
芽が出なかった人々や
それにすら至らなかった
有象無象が山のようにいるのだと。
それこそ分子の数千倍の分母が
あるような
( ‥)あいつ、光るものは持っていたと
-□ 思うのだけどね。でもそれだけじゃ
だめなんだよな。
欲しいなら欲しいものだけをひたすら追いかけていけば良かった。あるいは、それは本当に欲しいものじゃなかった、だから走らなかった、そういうことだろうか。