*の続き
∧∧
(‥ )衰退の原因は若者がいけないのだ
\- 堕落しているからだ、そう
考える人は多いのですよね
(‥ )その理屈はたぶん、
こういう推論よね
:これまでうまくやっていた
:今になってうまくいかないのは、今の人がいけないに違いない
∧∧
( ‥)まあ、外見上は理路整然としてますね
( ‥)だが実はこうだったらどうしよう
:これまでうまくいったのはたまたま
:今になってうまくいかないのは以上の条件が崩れたから
∧∧
( ‥)条件が崩れたのは若者のせいだ、それが
先の意見でしたけども、この推論は
もっと幅広い意味を持っています
(‥ )今までうまくいったのはライバルが
いなかったからではないか?
例えばそんな感じでね。
:これまでうまくいったのはライバルがいなかったせい
:今、うまくいかないのはライバルがいるから(当たり前)
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(‥ )見方を変えればですよ、
\- 今、うまくいかないのは若者のせい
という見解はライバルを無視して
いるのだとも言えますね
(‥ )韓国が技術を持つわけがない、
中国が技術を持つわけがない。
インドが以下うんぬん。そういう
発想なのだと言えるな。
もちろん、”持つはずがない”なんてことはありえない。同じ人間だから、頭の出来は白人だろうがアジア人だろうが、日本人でもアフリカ人でも中国人でも韓国人でもインド人でも同じだ。
ようするに若者のせいにするのは逃げでもあるし、しかし、老人からすれば経験上、当然な結論なのでもある。
∧∧
( ‥)経験上ねえ
( ‥)レバーを押すと餌が出る。
ハトはレバーを押すことを覚える
レバーを押す、餌が出る、
利益と報酬で動作が
固定化されるのだ
ここで定期的に餌を出すようにする。するとハトは餌が出た時にたまたましていた行動をただ反復するようになる。
∧∧
( ‥)その動作に因果関係もないのに、
利益で動作が固定されるようになると
(‥ )経験も理論もそれ自身では
まったくの無力。そういう世界の中で
最初の若者が、という言い様が
以上のようなことだったら
どうなると思う?
:うまくいっていることと自分の動作を、検証しないままに因果関係があると思い込み、動作をどんどん強化した
:今、うまくいかないのは、オレのやり方を若者がしないせいだと思い込んでいるのだが、実はそもそも彼の成功体験には因果関係など最初から存在しておらず、彼の経験はまったくの虚構でしかなく、当然、彼の打開策も無意味な思い込みである
∧∧
( ‥)自分の成功体験が実は単なる虚構でしか
なかったというのは耐えられないこと
でしょうね
( ‥)若者が安全パイを選ぶというのなら
それは老人でもそうなんだよ。
うまくいっていたという
過去の安全パイに逃げて、過去の
動作をただ繰り返すだけなのだ。
よく考えてみたまえよ、若者の成れの果てが自分ではなかったか?
ああ、経験するのは良いよ? しかし、その”うまくいっていた”とやらが因果関係もない思い込みだとしたら、さて、どうなる?
オレはこうしてきた。ああ、それはいいけども、その成功体験が単なる虚構だったら、一体全体どうなると思う?
ほら、自分を知的生物だと思い込むから、迫り来る破滅を回避することすらできない。