∧∧
(‥ )もう、お家に到着した頃
\- ですよね。
(‥ )眠っている時間だね
さて
∧∧
( ‥)どう思います?
( ‥)人の顔を描くのは難しいの
-□ だよなあ。
なぜかというに、単純な話、人は人の顔を識別し、その表情を読み解く能力があるので
∧∧
( ‥)ちょっとの違いを
感知して違和感を感じるの
ですよね
(‥ )言い換えると、これ、違和感のある絵は
ほんのちょっとだけ手直しするだけで
良い場合もある、そういうこと
なんだけどもね。
人間は相手の表情の筋肉やわずかなしわ、それが生み出す輪郭の微妙なカーブを感知するので、それを考えて描くと、それでずいぶん印象が変わる場合がある(当たり前だけども、人間でも他の動物でも、顔に限らず、体を描く際にもこれは同様)。
∧∧
( ‥)問題はそれを普段は自覚して
いないことですよね。
( ‥)2枚の女性の写真を見せる。皆が
-□□ こっちが良いと選ぶ。だけども
なぜ選んだのか理由を説明できない
そればかりか違いも分からない。
種明かしをすると片方は瞳に光が入っていて、もう片方は入っていない、それだけの違い。頭はその違いを感知しているのだが、心はその違いが分からない。おまけに色々と違いを指摘したり、好む理由をこねくり出すのだけども、それが全部はずれている(ありもしない違いを申し述べている)。
∧∧
( ‥)ようするに判断の根底にある
脳内部で行われている計算は
自覚されていないって
ことですね。
(‥ )人の心は脳が行っている
膨大な計算の上っ面。
心とは脳の計算が生み出す
実体のない影みたいなもんだ
そう受け取ればいいかなあ?
少なくとも心はなぜ自分がそう判断したのか、自分ではすぐには、あるいはまったく理解できない、というどうしようもない代物で
∧∧
( ‥)あげくに本当じゃない理由を
べらべら勝手に申し述べると。
( ‥)何でもそうなんだが、絵に対する
-□ 他人のこうすればいいと思うよ、も
自分のこうすれば良いのではないか?
さえも、全部あてにはならんのよね。
絵に限らない。そもそも物事の評価や書評やアドバイスのほとんどすべてがスカなのは多分、このせい。脳計算を自覚していない上っ面の影でしかない”心”が感じ申し述べることだもの、あたるわけがない。考えてみれば科学がこういうものを放棄したこと自体、まあ、そういうことなんだろう。
∧∧
( ‥)そうなってくると、試行錯誤する
しかないですよね。
(‥ )試行錯誤はそれ自体が検索に
あたることだから、それこそが
考える、ということだよな。
心が行う”考える”はどうもあてにはならない。現場のことをなーんにもしらないお飾りの社長が言っているたわ言とあまり変わらないと思う。
∧∧
( ‥)あるいは待つか。
(‥ )脳内で行われている演算は
絶え間なく続いているから
いずれ答えを出してくれる。
現場の判断が上に上がってくれば、お飾りの社長もまともなことを言えるだろう。たぶん。
∧∧
( ‥)ようするに
(‥ )なにか感じたら、感じた事
それ自体はかなり正しい
のかもね。
しかし、感じた事に理屈をつける心の考えはあまり信用しない方がいい。信用するよりも試行錯誤。手を動かしてみればいい。
∧∧
( ‥)でも、絵をうまく描けないと
疲れるのですよね。
がっかりもしますしね。
(‥ )そういう時は休めばいいさ。
森を見て、落ち葉を見て
空を見ればそれでいい。
きっと頭の中で大量の計算が行われている。そのうちにぴんとくる。