売れる本、売れる本。
∧∧
(‥ )ダイエット、お金儲け、成功術、
\- ファッション、おしゃれなどなど
(‥ )ようするに自分の適応度を上げることに
役立ちそうな本が売れている。まあこれは
生物としては当たり前だな。
外見やファッションで他人に負ける本とか、散財してしまう方法とか、はたまた社会的地位を棒に振ってしまう方法集とか、そんなものが売れるわけがない。
考えてみれば血液型占いの本とかが売れるのもそのせいなんだろう。人間をわずか4つに分類して断定的に、そのくせ言質をとられないようにあいまいな表現で個々のカテゴリーを述べる。それが血液型占いの本。
∧∧
( ‥)人間を推し量るツールとして
使われるわけですか。
(‥ )そんな真剣に採用しているわけじゃないだろうけどね。
でもたいていの人間が血液型の類型化されたキャラクターを
知っているのはそのせいだろ?
推し量るとまではいかないまでも、なんか相手を知るヒントぐらいにはなるんじゃね? という程度には受け入れられているんだろう。さもなきゃこんなに普及したりしない。
タイプが4つというところもたぶん、売りになっているんじゃなかろうか?
∧∧
( ‥)なぜ?
(‥ )4つなら暗記しやすいだろう?
星占いだとこれが一気に3倍、12個になる。おまけに惑星の運行だの位置だのが入ってくるから大変だ。
∧∧
( ‥)でも朝のテレビ番組とかでは星占いしてますよね?
(‥ )テレビかあ、懐かしいなあ。
ともあれこう? 星占いは占い師(専門家)が提供するものだが、血液型占いは皆がやっている。
∧∧
( ‥)むう、確かにお酒の席で血液型占いの話は
出るけども、星占いの話は出ませんねえ。
(‥ )血液型はすでに占いですらないからな。
あれはあまたの数ある人間を4つの類型化されたカテゴリーに押し込めちゃって”いる”ものであって、星占いは文字通り占い。未来を見るものである。
(‥ )天体の運行は規則正しいし、それは時間になるし
時間となればそれは占いになるからね。
∧∧
( ‥)確かに占星術は未来を推し量る
方法論のひとつでしたからね。
天動説体系であろうが地動説体系だろうがメソポタミアだろうがケプラーだろうが星占いはどっちにしろ、どれにせよ単純な体系じゃあない。
∧∧
( ‥)だから未来を論ずるものになったんでしょうけど
-□ 逆にいうと一般庶民からは手の届かないものに
なったのかもしれませんね。
(‥ )だからこそプロがいたんだろうけどねえ。
もっともある人がこんなことを言っていた。雑誌の編集部に入って一番最初にやった仕事は”星占いのコーナーを担当すること”だったそうな。
∧∧
( ‥)あらら、じゃあ星占いのコーナーはでまかせ?
占星術の理論体系に沿ったものじゃないわけ?
(‥ )全部が全部でまかせじゃないだろうけども
他の雑誌やテレビの星占いを見て、てきとーに
書いている事例はあるみたいだね。
つまり雑誌やテレビ、それぞれの星占いがなんとなく共通の未来を論じているのは同じ天体の動きを見て解釈しているからではなく、お互いにぱくっているせいかもしれない。
(‥ )ともあれ、”理論体系にそっていない”という意味で
でまかせなやり方で書くには、やはり血液型占いの
方がたやすいだろうなあ。
∧∧
( ‥)そういえば星占いの本が本の売り上げの上位に
入るってことはなんか覚えがないですよねえ。
星占い。過去の天文学であるし、実際の自然現象である上に、惑星や星座をキャラクター化しているから面白い理論体系なんだけども、本にすれば売れるってわけでもないのかもしれぬ。
∧∧
( ‥)それに皆が知りたいのは占星術の理論体系
そのものではないですよね。
(‥ )もともと未来を論ずるものだからね。
個人的には理論体系の方に興味があるんですけどね。