節足動物界における陸の王者。それが昆虫。
地上のありとあらゆる環境に進出し、その種数は他のすべての動物をも凌駕する。
しかるにその王者である昆虫が、なぜ海にいないのか?
∧∧
(‥ )...調べたけど
\− これ論文あるね
なになに..
昆虫の呼吸器官である
気管は潜水に
向いておらず
魚の捕食に対処できません
(‥ )ああ...なるほどな
まだ論文を精査したわけじゃないが、いろいろ調べた限り、この解釈がおおむね正しいように思われた。
この地球の覇権を争った動物群は事実上、ただ三つ。軟体動物、節足動物、脊椎動物のみ。
デボン紀に顎のある魚、つまり有顎な脊椎動物の出現で、他の動物群は敗北し、退却を余儀なくされた。深海に逃げるか、夜に逃げるか、あるいは隙間に逃げ込むか。相当な防衛手段を持たない限り、脊椎動物が我が物顔に闊歩する昼間の世界に戻ることはできない。
∧∧
(‥ )昆虫は空気呼吸するから
\− どうしても浮上しなければ
ならない
昼間でもそうせざるを
えない以上
それは魚にわが身を
さらすわけだ
水面まですぐの
池ならともかく
水深のある海では
自殺行為だよね
(‥ )一応
空気呼吸をやめて
その弱点を
克服する方法も
ないわけじゃ
ないんだが...
いろいろな事例を眺めたけども、昆虫が空気呼吸をやめて鰓呼吸かそれに準じる呼吸形式に進化すること。これ自体は可能であるように思われた。この場合、空気の補充が必要なくなるので、浮上するという弱点は克服される。
∧∧
( ‥)じゃあなぜ
海洋昆虫は
存在しないのか?
(‥ )甲殻類に
負けるからじゃね?
実のところ、呼吸形式は究極的には弱点にはならない。それは海に戻った爬虫類や哺乳類がいることを見ればわかる。
多分、問題は、魚を含めて海にすでに存在するライバルに勝利する長所。それが昆虫にはないためだろう。
∧∧
(‥ )昆虫の長所は
\− 飛翔と変態だけども
これって水中では
役に立たないからな
(‥ )それでも海洋昆虫を
想像せよと言われると
そうだなあ
強いて言うと
鱗翅目と膜翅目かなあ
鱗翅目と膜翅目。つまりガとハチ。多分おそらく、この二つが水中進出した時に、甲殻類に勝利できる条件を潜在化しているように思われた。とはいえ、この二つのグループ。構造上の問題も同時に抱えていたのである。
∧∧
( ‥)どっちも流動食しか
食べられなーい
(‥ )んーきついように
思えるけども
どーだろうねー
*海洋昆虫は事実上、存在しない=>ちなみに潮だまりに進出した昆虫ならいる(言い換えると塩分は海洋進出への障壁になってはいない)。さらにいうと外洋に進出した昆虫自体はいる。ただしこれはウミアメンボであって、原則的に潜水するわけではない。