例えばこんなことを言った人がいる。
日本のプログラマーが待遇のよい外国へ流出しないのは日本人は英語がへただからだ。日本の経営者が日本のプログラマーを買い叩けるのは、英語の壁のおかげである。
∧∧
(‥ )そんなわけないよね
\− 金になると知ったら
人は英語を覚えるよ
(‥ )でも海外へいかない
それってさ
英語を覚える
手間を考慮すると
採算が取れない
つまりは
海外の支払いは日本と
五十歩百歩だという
ことなんよね
さらにいうと、冒頭の話を聞けば、こういう与太話を本気にして海外へいったプログラマーが少数とはいえ、必ずいるはずであった。
しかるに海外へいったと自慢げに話すプログラマーが、さらに言えば海外で成功したと自慢するプログラマーは事実上いない。
∧∧
( ‥)要するに全員
失敗したのだろ?
(‥ )まあそうだろうね
おそらく、全員気がついたのだ。海外の給料は日本と同じであったと。
∧∧
(‥ )そして全員が失敗した
\− そりゃ言えんよな
だから黙ってる
(‥ )誰も何も言わないとは
そういうことだよね
冒頭のような言葉を信じる人間は、多分、イラストレーターは年収100万を超えない、という話を聞いて。嘘だあ。それってコミケの売り上げを入れていない数字でしょww と笑う人間と同じようなものだろう
あるいは、ラノベの売り上げって1タイトルで60万ぐらいだよ、と聞いて、そんなに少ないわけないだろ! ラノベ作家が増えたら困るからお前は嘘をついているんだ! と怒り出す人間と同じようなものなのだろう。
∧∧
( ‥)でもさー
そういう人たちはいても
そこから先の人は
誰もいないんだよね
(‥ )みんなさ
自分がやってみて
気がついたのさ
イラストレーターは年収100万を超えない。
ラノベの1タイトルの売り上げは60万がいいところで、執筆に半年かかったら月収10万の計算です。
皆、この事実に気がついて口をつぐんだのだった。自分がここまでしかいけなかった現実を話せなくなったのだ。
同じことがプログラマーについても言えるだろう。全員失敗したのである。海外の給料は日本と変わらず、さりとてそれ以上に手が届く才能は自分にはなかったと。
そんなこと、言えるわけない。