自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年6月29日木曜日
その発見 誰が支配している?
封鎖した小さな室に酒瓶を入れ、小さな出口に詰んだ炭に火入れをして酒を加熱処理する。
つまりhilihiliのhilihili: さあ 燃えて落ちろ反証人間めの続きである
∧∧
(‥ )それにしてもこの
□− 12世紀初頭中国の書
北山酒経に記述された
直火火入れは
興味深いですね
(‥ )調べないと分からんが
ローマ帝国における
ワインを煙でいぶす
加熱行程の部屋fumarium
あれもこういうものか?
∧∧
(‥ )それを考えると
\− 火入れの最古の記録は
ローマなんですかね?
(‥ )どう…だろうな
それこそもっと調べないと
分からんな
それにしても仮にそうだとするとパスツールの低温殺菌は奇妙な再発見だということになる。
もちろん原理を把握したのは彼が最初であり、彼の功績だ。
∧∧
( ‥)でも仮にローマが
結果論とはいえ
低温殺菌をしていたのなら
西欧はパスツールが
再発見するまで
それを失っていたことになる
喪失期間は1400年ぐらい?
( ‥)原因はなんだろうな?
−□
西欧は涼しいから酒の傷みが遅かったからであろうか?
日本や中国が加熱処理で酒を防腐したのは、気候が暑いせいであったろうか?
あるいは地産地消が当たり前なので、近代以前の西欧では傷む間もなく酒を飲み尽くしたということであろうか?
∧∧
(‥ )でも西欧とかだと水が悪いから
\− 葡萄酒やリンゴ酒を作って
飲んでたんじゃなかったっけ
(‥ )そういう記述あったよな
イエスの時代の
中東もそうで
だから彼らはパンを食べ
ワインを飲むのだとも
聞いたが…
この場合、酒は嗜好品ではなく重要な飲み水なので、傷む間もなく酒を飲み尽くす、ということはありそうにない。
あるいは酒を加熱殺菌することは非常に大変で手間がかかるからであろうか?
手間がかかるなら、手間をかけた分の利益と見返りがないと加熱処理する意味がない。
ではどうなれば手間の報いである利益と見返りが成立するであろうか? 例えば大規模生産と保存。あるいは長距離輸送と商業展開というような、国家と経済の発展が無いと酒の加熱殺菌、長期保存は現れない、ということかもしれぬ。
この説明なら、西ローマ帝国崩壊後、ワインの低温殺菌が西欧から喪失することを説明可能ではある。
そしてさらに言えばだ
∧∧
(‥ )1116年には中国で火入れが
\− 実行されていて
その一方で
日本の火入れの記録が
1568年だというのも
おかしな話だよね
(‥ )酒みたいな重要な嗜好品の
生産工程が450年も
伝わってこないって
あまりにも変だからね
しかも、なんか話を聞くに、日本酒の火入れ技術は単純に中国から伝わったわけではどうもないっぽい。
∧∧
( ‥)独自発見だとすると
火入れは多聞院日記の記述より
さらにさかのぼるにしても
日本の火入れが中国より
遅れたのは
それまで必要がなかったせい
かもしれない
( ‥)酒なんてみんなで作って
−/ いるものだからな
原理は分からなくても
熱処理すれば
酒は長持ちするって
誰か気づくんだよ
そもそもその極端な例がパスツールなのである。彼は原理を把握していたからたった一人で全行程を構築できた。彼の業績が業績たるのは発見そのものよりも、発見の過程と方法論なのである。そもそもそれが科学というものだ。
だから原理の把握を二の次とすれば、熱処理、という発見自体は誰かが必ず気づく。
へたな鉄砲でも数撃てば当たる。パスツールがいなくても熱処理だけなら群として発見可能。
実際、どうもローマ、中国、日本で気づいたらしいのはすでに見た通りだ。
問題は、なぜそれぞれの発見に時間差があるのか? ということだろう。
∧∧
(‥ )なんだろうね?
\− 何が火入れの発見を
支配しているんだろうね?
(‥ )大規模生産と流通拡大が
原因だと思うけども
調べてみないと
分からんなあ
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