自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2015年8月28日金曜日
知事のことは笑えないよな
女の子にはサイン、コサイン、タンジェントよりも、社会のこととか、花の名前とか教えた方が良いのでは?
∧∧
(‥ )鹿児島県知事さんが
\‐ こういう主旨の発言をして
炎上しちゃったみたい
ですね
(‥ )最近の新聞は捏造や曲解が
ひどいから
報道を鵜呑みにするのは
危険なんだけども...
∧∧
( ‥)とはいえしかし
(‥ )おれたち
このおっさんのこと
笑えないよね
例えば、エジプトのピラミッドを見て、すげー、と驚き。これを作れる文明がこのまま発達すれば月まですぐいけたんじゃないのか?? そう考えるのが我々である。
この話=>hilihiliのhilihili: 古代エジプト文明では月までの距離すら分からない
∧∧
(‥ )実際にはそんなことできない
\‐ 古代エジプト文明に
三角法はない
つまりサイン、コサイン、
タンジェントがないのである
三角法が無い以上
月までの距離は分からない
つまり古代エジプト文明が
月までいくことは
原理的に不可能
(‥ )時々次のように
言う人がいるよな
学校の授業は、もっと役立つことを教えるべきではないのか? 例えば洗剤を二つまぜると塩素ガスが発生するとか、肥料のやり方とか。
それを踏まえれば、女の子は花の名前を覚えた方がむしろ良い、というのは以上と同様、単なる合理主義であろう。
そして、このような日常的合理主義に立って考える人は、むしろ普通なのである。
彼らからすればサイン、コサイン、タンジェントなど無駄の最たるものであろう。
一体、社会に出て三角法が役立つ場面などあったであろうか?
三角法なんて何の役に立つのwww ほとんどの人間はそう思っているのではないか?
そう思っているから、
古代エジプト文明が発達すればすぐに月までいけるだろう
と思い込んでしまうのではないのか?
もちろん、実際にはそんなことはない。三角法を知らない古代エジプト文明はどうあがこうが、月までの距離を計測できない。これでは月に到着できる以前の問題である。
かように、学校で教えられる無駄知識こそ、人類の歴史が生み出した財産なのだ。しかし、多くの人は合理主義的観点から遺産の価値を値切る。そして学んだことも忘れて、ピラミッドすげーと、上辺だけを見て感嘆しておる。
∧∧
(‥ )それを考えると
\‐ 鹿児島県知事さんの発言は
単に普通の
合理主義的なものだよね
(‥ )このおっさんのこと
俺たちは笑えんぞ
*ちなみに古代エジプト文明ではピタゴラスの定理すら知られていなかったようである。
∧∧
(‥ )古代エジプトでは
\‐ 縄を3:4:5にして
直角三角形を作ったと
まことしやかに
言われているけど...
(‥ )それは
根拠薄弱だそうだな
一方、古代メソポタミアではピタゴラスの定理は知られていた。これを用いた計算が複数、粘土板に出てくる。ピラゴラス以前の話なので、三平方の定理と呼ぶ方が良いのだろう。そもそもピタゴラスはエジプトやメソポタミアで知識を学んだのである。
∧∧
( ‥)でも幾何学的な証明を
始めたのは
ピタゴラスから始まった
古代ギリシャ人たちで
(‥ )そしてピタゴラスの定理と
ユークリッドの幾何原論を
組み合わせて
そこでようやく
初歩的な三角法が
成立するんだ
このさらに先で、月までの距離を知る方法が編み出されるようになる。それはもう紀元後のことであり、ギリシャ人を王とする古代エジプト最後の後継国家、プトレマイオス朝エジプトがローマに滅ぼされた後のことであった。
古代エジプトの延長に月はない。それはメソポタミアとギリシャとヘレニズム国家とアレクサンドリア図書館の先にある。
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