あいも変わらず暑い日々。図書館の帰り、公園のベンチでぼんやりしてふと脇を見ると、粘菌がはびこっていた。
以前ここには切り株があったのだが、腐朽し、多分、クワガタの幼虫探しなのだろう、人に壊されて、崩れ、腐朽し、そして崩れ...。
今では地下に残った木材の残りを食べているらしい、菌類の塊だけが残るのみ(画面右上の白いのがそれ)。
黄色いのが粘菌だけど
∧∧ 菌を食べているの?
(‥ )
‐(‥ )さてどうだろうね?
落ち葉を這い進むその姿は印象的だ。
さて
図書館では「月と不死」N・ネフスキー 東洋文庫 平凡社を借りた。
∧∧
(‥ )ネフスキーさんは
\‐ ロシア人で日本にきて
民俗学を研究して
柳田国男さんとかとも
親交があったと
(‥ )日本人を奥さんに
したのだな
留学中ロシア帝国で政変
帰国した時はソ連
スターリン体制下で
夫婦共々捕まり粛清か...
子供は生き残れたらしいが
むごい話よな
ともあれ、「月と不死」にはその題名となった論文が載っている。ネフスキーが沖縄の宮古島で取材した民話。
月と太陽がアカリヤザガマという男に命じた。人には若返りの水を、ヘビには死に水をあびせよ。
アカリヤザガマとは、明るい者、つまり輝けるものという意味らしい。アカリヤザガマは地上に来ると疲れて用を足した。その間にヘビが若返りの水を浴びてしまった。困ったアカリヤザガマは人間に死に水をあびせた。
この報告を聞いた太陽は怒り、罰としてアカリヤザガマに、永久に立っているように命じた。それが月の模様である。かくて人は死ぬ存在となり。ヘビは不老不死となった。
∧∧
(‥ )これは月が不老不死の
\‐ 象徴だったことを示す
物語だろうと
(‥ )満ち欠けを繰り返す月は
死と再生の象徴だ
ほとんど似た神話は
アフリカにも
あるみたいね
人類の普遍的な世界観
なんだろうな
∧∧
(‥ )日本だとかぐや姫だって
\‐ そういう話ですからね
(‥ )天から降り来たる
月人たちは
冷酷無情な心を持つ人々で
不老不死不滅の存在
まさにままだねえ
∧∧
( ‥)取りあえずこれで
文章は書けるし
確認は取れましたね
( ‥)ところで疑問なんだが
‐/ ギリシャ神話とかでは
月のこうした不死性は
どうなっているのかな?
∧∧
( ‥)月の女神アルテミスは
ちょっと影薄いですかね...
(‥ )ギリシャ神話で死と再生を
象徴するのは月ではなく
アフロディーテだよね
彼女とアドーニスの関係は
メソポタミア神話における
イシュタルの冥界下り
だからな
あるいはプルートーンにさらわれた女神ペルセポネーがそれに該当する。内容は変形してこそいるが、同じと言えば同じだ。豊穣の女神は地下に数ヶ月隠れる。女神は消え、しかし復活する。すなわち死と再生。
しかしこれは月ではなく、むしろ季節の話だ。
では、不死の月たる女神アルテミスは、はて、どうであったか?