自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2015年8月1日土曜日
銃は錯誤な全能感を与えうる
∧∧
(‥ )現在の中国というと
\‐
(‥ )集団で組織的に
理詰めで動くって
イメージかなあ...
実際のところ、かの国は個人が自立していてばらんばらん。日本人のように皆に合わせて手を抜こうとか、そういう発想はどうもない。
とにかくやる気も真面目さも不真面目さもばらんばらんである。少なくともそう見える。誠意のある人は誠意があるが、駄目人間はとことん駄目人間。ある意味清々しい。
∧∧
(‥ )でもなぜか国のやることは
\‐ 集団で理詰めですか
(‥ )軍隊的なんだとも
言えるよな
毛沢東のやった
大躍進ってそうだろ?
皆でたたら製鉄の真似事をすれば鋼鉄を一気に大量生産できるじゃないか。
この発想は確かにいかにも筋が通っている。それに経験的でもある。特に農民を集めて集団で敵を粉砕したゲリラ戦の王者からすれば当然の発想なんだろう。
∧∧
(‥ )でも実際にはうまく
\‐ いくわけがない
(‥ )砂鉄や鉄鉱石と木炭から
鋼を作るというのは
容易なことじゃないのよな
日本のたたら製鉄だと
水の無い
良い場所を選んで
一度地下を掘って
断熱構造を作る
そこまでして
熱を逃げないようにして
そうして鉄を溶かすまで
温度を上げるそうだな
中国は製鉄が日本よりも
進んでいた国だけど
原理は同じだろうね
そうしないと熱が逃げてしまって鉄が溶かせない。こんな技、日本人、中国人、関係なく、普通の素人では無理な話。案の定、大躍進は大失敗に終わった。製鉄に限らない、あらゆる面でそれをして、食料供給さえ満足できず、ついに大量の餓死者が出た。
∧∧
(‥ )考えてみれば主席が行った
\‐ ゲリラ戦って
銃を使った戦いなんだよね
(‥ )銃は画期的な
武器なんだよな
弓でもない
弩でもない
力も技も必要ない
世の中にはアレクサンダーのファランクス、ローマのレギオン。こんな重装歩兵軍団が古代において幅を利かせたのは、当時は貧弱な弓しかなかったからだ。そうしたり顔で言う人がいる。だけどもそれは嘘だろう。
弓の最強種、合成弓は紀元前のメソポタミア時代からレリーフに登場するし、弩だって、それをそもそも作ったのはギリシャ人である。弩が現れてもファランクスは健在だった。ローマに至っては弩どころかバリスタを使いよる。
∧∧
( ‥)問題はむしろ弓兵の数を
そろえられるかどうか
なんでしょうね
(‥ )弓も弩も腕力が必要だ
名人芸だから
数をそろえられない
銃はそれを根本から
変えたのだよな
銃さえもたせれば
何千、何万もの歩兵が
飛び道具を撃つことが
できる
だから、銃を使った戦争は、一見すると素人でも名人と同じことができることを示すように見える。
∧∧
(‥ )でも実際はそうではなく
\‐ 名人が作った工場が作った銃が
素人を支援する仕組みだった
わけだね
(‥ )毛さんはあれだなあ
そこんところを
見誤ったのだろうな
素人を大量動員すれば名人と同じことが出来る。そう考えたからみんなで製鉄なんて考えたのだろう。少なくともそう考えていたのなら筋は通る。
だが実際には、名人が作った機械の支援で素人が名人化されていただけだった。
∧∧
( ‥)だとしたら素人の大量動員の
大躍進がうまくいくわけがない
機械で支援されない
徒手空拳の素人に
プロのまねをさせよう
そういう試みだからね
( ‥)確かあれだよな
‐/ 毛さんはゲリラ戦での
成功体験をあまりに
普遍化しすぎて
大きな過ちを犯した
そうやんわりと
評価されることに
なったんだよな
大きな過ちにしては犠牲者があまりにも多すぎるが、そこはそれ、踏み込めぬ領域があろうというものだ。建前と本音は違う。
それにしても、軍隊的に大量動員を行えば現実を操作できる。それは、昨今の中国の株価操作についても見えることやもしれぬ。
∧∧
(‥ )下落を止めるために
\‐ 株を売れないようにしよう
持ち株を売るな
むしろ経営者は自社株を買え
以上あらゆる指示と実行が
一気呵成に大量に
筋は通っているんだけどね
(‥ )筋は通っているが
おかげで市場の信用は
木っ端みじんで
中国発の大恐慌が
起こるんじゃねえか?
と思われるような有り様
論理的に考えるって
やっぱ危ないのな
論理は結果も前提も保証しない。論理は保証されない前提の内部に含まれている結果を導くだけである。つまり、論理的に言うと論理は結果を全然保証しない。これゆえ、筋を通しただけで満足するのは致命的であるし、論理的な人間はあまりにも危険である。
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