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2017年1月24日火曜日

本は娯楽ではない 元来は魔道のものだ

 
 本の感想文を読めばだいたい分かる。
 
 ああ、この人は最初の部分しか読んでいないな。
 
 ああ、この人は最初と最後だけ読んだよね。時間がない時に批評をでっちあげるよくある手段だよな。学生がさぼる手と同じだよ。
 
 ああ、この人は読むための基礎知識が無いよね。だからこういう解釈をする。教科書読めばいいのに。
 
 ∧∧
(‥ )というか大概の批評って
\−  この程度なものですよねえ
 
  (‥ )新聞でもamazonの批評でも
      なんでもいいけど
      所詮は学生のさぼりと
      同じ程度なもんさ
 
 
 つまり明白なのである。世の読書家は娯楽として本を読んでいるのであると。
 
 読書家達は俺様はこんな本も読めるすごい読書家なのであるぞ、と自慢したいという、そんな娯楽のために読めもしない本を読んだふりしているのであると。
 
 ∧∧
( ‥)本は娯楽じゃね?
 
  (‥ )今ではそうだな
      確かにそう思われてる
      でも本来は
      どっちかというと
      魔道のたぐいだろ
 
 一般人では歯が立たぬ計算と記述、そして記号による情報の保存とその再生。

 シュメールの粘土板から始まり、本とはむしろ魔道のたぐいであった。
 
 ∧∧
(‥ )まあ今でも本に魔力があるとは
\−  思われてはおりますなあ
    本を読むと頭が良くなると
    信じられていますからね
 
  (‥ )それある程度は事実
      なんだよね
 
 これもまたシュメールとメソポタミア以来、変わらないことなのである。
 
 国家官僚に必要な能力とはなにか? 

 それは無味乾燥でつまらない文章を何万、何十万文字も正確に読めることなのである。
 
 これを踏まえれば明白であろう。例えば、
 
 教科書を分かりやすく書いてくれれば僕でも分かるのに..

 だの
 
 お役所らしいくだらない文章
 
 だの
 
 なんでこんな国語のテストがあるの? なんでこんな意味が取りづらい文章を出題する? 馬鹿なの? それとも日本語に欠陥があるの?
 
 だの、こうした意見が全部負け組みのたわ言でしかないことは明らかだ。

 分かりやすく書かれていなくても内容が下らなくても、文章を正確に記述し、なおかつそれを数十万文字根気よく読める力、それを国家は求めているのであり、そのためだけに国民をふるいにかけるのだ。
 
 いわば、国家官僚とは選ばれし魔法使いなのである。
 
 そうして選ばれずに、大量に脱落したものたちが以上のようなたわ言を述べる。これが何千年も繰り返されたこの世の理。
 
 教科書を分かりやすく書いてくれればなど、敗北者の自覚せざる敗北宣言でしかないのだ。
 
 ∧∧
(‥ )本を読むというのは
\−  その訓練になるのですな
 
  (‥ )だからあれよ
      短い文章しか
      読めない人間は
      もう負け組みってことで
      人生諦めるべきなのよ
 
 そしてそんな人間は本を娯楽だと見なすだろう。
 
 まあ別に娯楽な本があること自体は構わないのだが、娯楽な本があるからといって、すべての本を娯楽と見なすのは愚かというものだ。
 
 ∧∧
( ‥)本は本来、魔道のたぐいである
 
  ( ‥)やれやれ本を書く俺は
    −/ 娯楽の提供者に
       なるべきなのかい?
       それとも大魔導士に
       なるべきなのかい?
 
 ∧∧
( ‥)お前、中二病なんだろ?
    大魔導士になっちまえよ
 
  (‥ )また気楽に
      いってくれるねえ
 
 
    

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