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2017年1月10日火曜日

せめて笑顔であなたのために

 
 
 ゴマモンガラを描くのは面倒くさかった=>https://www.google.co.jp/search?q=balistoides+viridescens&biw=1098&bih=878&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0ahUKEwiV_PHK4LXRAhUHf7wKHZEgDi4…

 
 ∧∧
(‥ )一応、色付けまでは
\−  終わったな
 
  (‥ )サンゴを破壊し
      隠れているエビやカニ
      ウニの棘も装甲も
      ものともしないで
      噛み砕いて食べる
      フグに仲間だ
 
 こんなものがいる世界である。生半可な装甲では役に立たない。

 はるか太古の地球では貝殻で体を覆った頭足類が海の覇王だった。しかし今の地球では見ての通り、貝殻もばりばり噛み砕く魚類が海の王者である。頭足類が海の覇王から滑り落ちたのは当然であった。
 
 ∧∧
(‥ )現在の海において
\−  頭足類はイカのように
    貝殻を捨てて
    高速移動するか
    あるいはタコのように
    擬態して活動するしか
    ないのである
 
  (‥ )何億年もの生存競争で
      世界の有様は
      一変してしまったのだ
      そもそも魚類だって
      当初は
      外骨格生物だったのに
      それを放棄して
      軽量化高速化の道を
      突き進んできたからな
 
 ∧∧
( ‥)という話を今書いている
    ところなんだけども
 
  ( ‥)本を作るというのは
    −/ 読者を
       どう馬鹿にするか?
       という作業でもある
 
 人間は自分が馬鹿にされていると分かると激怒するが、ああ、しかしだ、作業上はそうせざるをえないものだ。これ悲しいけど現実である。

 ∧∧
(‥ )人間、自分が知っていることは
\−  すでに把握しているので
    そのまま相手に伝えれば
    分かると思いがちですからなあ
 
  (‥ )だが人がなにかを
      把握している時
      把握している何事か
      だけではない
      把握に必要な
      背景知識を
      大量に
      把握しなければいかん
  
 
 実際、現在の地球における魚と頭足類の進化とその帰結は、かつての地球では外骨格性の魚が優勢であり、さらに古い時代では外骨格性の頭足類が海の覇王であったという事実を把握しないと理解できない。
 
 ∧∧
( ‥)一般的にそんなこと
    知られていないから
    一から解説しないといけない
 
  ( ‥)でも一から解説すると
    −/ 話が長くなるから
       人間は
       本を閉じちゃうんだよね
       馬鹿だろう?
       まあ馬鹿なんだけどさ
 
 我々人間が賢いわけがない。生存に必然でない知識に脳の活動を振り分けるなど自殺も同然。
 
 背景知識を把握する苦痛たるや、それはそれは大変なものなのだ。
 
 例えば地球の歴史を知っている人などいないだろう?
 
 それを一から把握して結論を理解しなければいけない、それは苦痛であろう?
 
 そもそも把握されるべき地球の歴史は見つかる化石で区分されているなんて知らないだろう?
 
 だから歴史はかつて栄えた生物群で特徴付けられているなど知らないだろう?
 
 それは当然、生物群の栄枯趨勢があったということだが、それは生存競争によって推進されたものだとは知らないだろう?
 
 そうして現在の世界があるのであって、それを知るには現在の世界を知るだけでは駄目で、過去の世界と現在の世界が相互に関連しているのだということを知らねばならないが、そんなことは知らないだろう?
 
 というか、この説明自体にもう耐えられないであろう?
 
 我こそ読書家である。我は大量の文字を読むことができる知識人なり。そううそぶく連中とて、所詮は動物程度な存在なので、こんな面倒な説明を把握したりしない。というよりも出来ないのだ。
 
 読書家なんて連中は、愚かを具現化させたようなみじめな存在で、ただただ分かったような要約を読んで、分かったという自己満足だけを知って悦に入っているだけなのだから。

 
 ∧∧
(‥ )とまあここまで読者を
\−  馬鹿にしてこけにして
    動物扱いして
    そしてどうします?
 
  (‥ )道は二つだな
 
 道は二つしかないのである。分かったような要約を羅列して、分かった気になったという錯覚をひたすら売りつけるか…
 
 ∧∧
( ‥)あるいはそもそも
    読者に本を読ませないか
 
  ( ‥)俺としては
    −/ 読者に本を読ませない
       という選択肢の方が
       性に合うんだよなあ
 
 ∧∧
(‥ )あんたは我がままで
\−  自分が楽しいことしか
    したくないからな
 
  (‥ )読者が喜ぶことって
      つまらないんだよ
      つまらないことは
      したくないんだよねえ
 
 いや、なんだってそうだし、それは自分だってそうだろう。
 
 ∧∧
( ‥)立場を変えれば
    作り手がいやいや
    やってることを
    あんたは喜んで見てる
    ことがあるのだな
 
  ( ‥)そうだなあ
    −/ 俺は野球に興味はないが
       乱闘には
       少しばかり
       ほんの少しだが
       興味あるね
 
 それそれ、殺し合え、殺し合え、相手にボールぶつけたれ
 
 ∧∧
( ‥)最低だな
 
  (‥ )めんどくさいルールを
      見てるの嫌いなんだよ
 
 誰でもそうだ。野球を娯楽と思えない人間には、野球にルールがあること自体許せない。それはめんどくさい背景知識を知りたくない読者と同じようなものなのだ。余計なことなど知りたくないのである。なんで俺がそんなどうでもいいことに脳を使わねばならぬのか? めんどうくさい。

 弱ったものだ。読者と同じ自分がここにいる。
 
 ∧∧
(‥ )でもさ野球の乱闘って
\−   参加しないわけには
     いかないから
     選手は嫌でも
     ベンチから出ないと
     いけないのだよね?
     あれって茶番でも
     あるわけでしょ?
 
  (‥ )ほらほら
      作り手側はいやいや
      作っとるだろ?
      ほらほら
      娯楽なんてこんなもんさ
 
 娯楽なんてこんなもんだ。

 作り手はうんざりした顔で心底嫌そうに客へものを出すものだ。こればっかりは仕方あるまい。
 
 ∧∧
( ‥)せめて笑顔で出して
    もらいたいもんですな
 
  (‥ )はっはっはっ
      だから
      好きなものしか
      作りたくないのよねえ


 
 
  

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