自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2017年1月13日金曜日
言い訳にもそれなりな根拠があるものだ
∧∧
( ‥)言い訳?
(‥ )例えばこんなことがあった
組織というのは、それが大学であれ何らかの研究機関であれ、予算が必要だ。
だから広報をしなければならぬ。
広報するとなると取材されることが必要だ。
取材するのは雑誌などであるのだが、編集だけでは自力で取材できない。編集の仕事は本来が編集だ。だからライターが必要だ。
∧∧
(‥ )というわけであなたも
\− 編集に
ライターとして雇われて
取材にいくことがあった
(‥ )取材だから下調べが
予め必要だ
時間は一週間程度だな
色々調べて
本も発注して
目を通したよ
組織というのは時に神経質だ。取材には広報も立ち会った。
待っていると研究者がやってきて資料を手渡してくれた。
それはwikiを紙に打ち出したものだった。
∧∧
( ‥)それはそれは
( ‥)wikiってのは
−/ 誰が編集してるか
分からないから
仮にwikiを参考にしても
全部後で裏を取らなければ
いけないものだ
だからこそwikiを読む必要はない。
予め全部調べておけば良いだけだ。どうせ裏を取るのだからそういうことになる。
∧∧
( ‥)でも相手はwikiを出して来た
(‥ )ははっ
もしかしたらそのページを
編集したのは
彼だったのかもな
まあしかし、それは無いだろう。帰って調べればそのwikiの日本語版は英語版を簡略に訳したものだったからだ。写真も同じである。
しかも予め調べた以上のことは載っていなかった。というか、それ以下である。記事が短いからその場でさっと目を通しただけで分かった。何も新しいことは書かれていない。相手に根掘り葉掘り尋ねて、色々抽出して、それでようやく記事を書けるだけの情報を手に入れた。
∧∧
(‥ )あなたが研究者に
\− 取材するってことを
しなくなったのは
それ以来だよね
(‥ )まあこれが言い訳って
やつなのさ
研究者なんて、自分たちの学生時代を見れば分かることだが、ピンキリなのである。なんでお前が学芸員とか教員とか教授なんかやってるの? 場違いでしょ? もっと素質のある人にポストを空けるべきでしょ? 今すぐ自殺しろよ、という連中がごろごろいることは誰もが知っていよう。
∧∧
( ‥)ピンキリだからこそ
広報まで同席した
取材の場で
wikiを打ち出した紙を
資料として渡す人が
いるのもまた当然なのである
(‥ )まあ実際
同じ組織でも
もっと上の役職になると
資料は多いし経験も豊富で
話も面白かったからな
もちろんこれは下っ端と管理職の違いでもある。下っ端は作業が多くて面倒くさい。なんで広報なんかのために自分の時間を割かねばならないのか? 顔を見ればそれがありありと分かるものだ。
∧∧
(‥ )反対に出世した管理職は
\− 予算の確保と説明が
仕事なのであり
その必要性も痛感している
のである
だからむしろ積極的に
話をするのである
(‥ )それに経験豊富で
知識もネタも多いからな
思い出のアルバムだけでも
話を延々と続けられる
まあそれだけの違いだろう。
∧∧
( ‥)ともあれあなたとしては
取材なんかもうどうでもいいと
( ‥)またwikiを渡されちゃあ
−/ たまらんからな
死ねばいい
∧∧
( ‥)そしてそれがあなたの
言い訳なのだな?
(‥ )取材って面倒くさいだろ?
しないですむなら
しない方がいいべさ
人間ってのは怠惰だからな
こういう言い訳するのよ
少なくとも俺はするのよ
面倒だからね
ああそうねえ
これは慇懃な軽蔑なのだ
∧∧
( ‥)もう少しましな言い訳は?
(‥ )研究者と言えども
出来る奴なんて
ごく一握りなんだ
だったら全員切り捨てても
結果はほとんど変わらん
取材なんか必要ないさ
影響が出るにしても
誤差の範囲内
∧∧
(‥ )科学者や研究者の
\− ほとんど全部は切り捨てても
構わない
(‥ )実際、国家は研究職を
切り捨てにかかって
いるだろう?
そう言う判断なのよ
まあ実際、研究者なんて全員、切り捨ててもいいんじゃないのか? だって連中、自分たちが税金で運営されているにも関わらず、説明も広報する気もさらさらない。そんな連中、切り捨てられて当然だろう?
少なくともこう問われることは確実だ。切り捨てて欲しくないのなら、それに対してお前はどんな言い訳を用意しているのですかな? と。
だがしかし
だがそれでも国家は研究職を切り捨てきれない。
それは単に未来の不確実性のためだ。誰のどんなくだらない研究が歴史を変えるか分からない。これはひいては民族の命運と国防の問題にも関わることだ。
敵に抹殺される恐怖
自分を殺しうる敵に対する憎悪
ここに不確定性が加わることで、かろうじて研究職とは存続が許されているにすぎぬ。
∧∧
( ‥)恐怖と憎悪と不確定性が
不滅である限り
科学は滅びぬ
(‥ )だがそれは同時に
ぎりぎり延命される
それだけの話にすぎぬのだ
延命できる程度の最小限度がかろうじて許される。
なれば取材もそれと同じであろう。
最小限度以外は必要ないし、ほとんどすべて切り捨てても良い。そんなことしなくても自分でどうとでもなる。確かに論文を書くならそれでは駄目だろうが、自分が書くのは論文ではないのだ。
∧∧
(‥ )実際、どのみち
\− 取材するにせよ
しないにせよ
自力で予め調べないと
だめなわけだからね
(‥ )そいでな
調査を追求すると
それに反比例して
取材の必要性も
薄れていくのよね
∧∧
( ‥)でも監修者の話を聞くと
分からなかったところが
分かるでしょ?
(‥ )この前の本みたいにかい?
そりゃあ
この分野では
日本ではこの人しかいない
って人に聞いてるからだよ
要するにこれ、その人以外、ほとんど全員、切り捨てて良いってことでもある。
∧∧
(‥ )まあそういう一線の人の
\− 後継者を継続培養するために
その他全員がいるのです
けどもね
優秀な人以外はいわば培地
(‥ )同じことよ
それだって後継者1人以外
切り捨てて良いって
ことだからな
1人だけが、1人+後継者で2人になった、それだけの話。
まあ培地には培地としての価値があろう。培地があるからこそ有用株が継代培養できる。だが同時に、培地は所詮は培地なのだ。菌株じゃない。培地には培地の価値があるが、それは菌株としての価値ではない。
∧∧
( ‥)だから切り捨てても
すべては誤差の範囲で
変わらない
( ‥)だーからもー
−/ 面倒くさいことは
しないのさー
∧∧
( ‥)でも言い訳だ
(‥ )そう 言い訳さ
だがここには
投資に対する利益が
どれだけ上がったのか?
という現実があるのだ
投資に対して見返りが
wikiじゃあ困るんだよね
言い訳にも、それなりな根拠があるものだ。
そして切り捨ての動作にも根拠がある。
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