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2015年4月3日金曜日

そして理屈だけが骨張って残った

 
 人間は言葉で物事を考え、説明し、それを人に伝える。
 
 ∧∧
(‥ )言葉は分類であり
\‐  分類は定義であり
    文法は論理である
    非常に楽観的に考えると
    定義された言葉を
    論理的に配置すれば
    それは真実を語る
 
  (‥ )まあ実際には
      そんな保証はどこにも
      ないのだけどな
 
 定義が正しいのか分からない
 分類が正しいのか分からない
 そして
 そもそも言葉の指示対象が定義できるものなのか、分類できるものなのかも分からない
 
 というか人間が認識する分類や言葉のほとんどは定義もできないし分類もできないものだろう。少なくとも画一的に普遍の定義を与えることは不可能だ。
 
 ∧∧
( ‥)だから同じ名詞でも
    文脈ごとに違う意味に
    なっていることが
    普通ですよね
 
  (‥ )例えば
      人は皆同じく兄弟だ
      だがお前は人として駄目だ
      こういう言い方もあろうな

 
 これ、同じ”人”という言葉を使っていても意味が明らかに違っている。
 
 最初の”人”は、同じ祖先から生じた子孫で平均すれば遺伝子も性能も同じ個体の集合である、という意味合いだ
 
 だが次の”人”とは、個体同士の関係をうまく築く事が出来ない個体に関する非難になっている。
 
 ∧∧
(‥ )まったく意味が違うけども
\‐  外見上は同じ”人”という
    言葉になっている
 
  (‥ )人間の多くは
      文脈から言葉の意味を
      そのつど探っているのだな
      だが全員が同じように
      出来るわけではない
      そして
      これが出来ない人間は
      以上の言い様に対して
      次のように反論するかも
      しれないな
 
 
 あなたは、人は皆同じだが、私のところは人として駄目だという。それはおかしい。人は皆同じなのだから、私が駄目ならあなたも他の全員も駄目なはずだ。ゆえに私だけが駄目なのではない。はい論破。
 
 ∧∧
( ‥)理屈っぽいやつだと
    嫌われますかね?
 
  ( ‥)実際には理屈っぽいの
    ‐□ ではなくて
      言葉の意味を推し量る
      動作が消失して
      理屈だけが残った状態
      なのだろうけどね
 
 まあ、理屈だけが残ったら理屈っぽくは見えるだろう。肉が薄くなって骨が見えるようになれば、骨の総量は変わらないが、骨張って見えるのだ。
 
 これを考えると前にした例え話
 
 車を修理した人が、車を馬鹿だ馬鹿だと蹴ってばかりいた人間を”馬鹿なのは車じゃなくてお前じゃん”と評した。この時、言われた側は次のように反論した。お前は俺を修理できるのか? できないよな? できないのだからお前も馬鹿だ。馬鹿の馬鹿から馬鹿と言われるのだからお前は大馬鹿だ。
 
 このような言い様、これもまた以上と同様、同一の名詞はすべからく同じ物事を指示するという非現実的な設定から出発した誤謬だと言える。
 
 ∧∧
(‥ )同じ馬鹿という言葉でも
\‐  車の修理が出来ない人
    と
    人の修理が出来ない人
    とでは
    意味も指定範囲も
    まるで違う
 
  (‥ )ようするに
      意味が違うのに
      ”同じ名詞だ”という
      一点張りで
      混乱した言及を
      行なっているわけだ
 
 かように、言葉で物事を考えてはいけないし、言葉で物事を理解してもいけない。
 
 もっと良く言えば、辞書的に言葉を使っても、言葉の指定範囲には必ずぶれが生じる。文中の言葉が何を意味するのか、それは文脈から絶えず推論しなければならぬ。これに失敗すると理解も失敗するだろう。
 
 これは=>hilihiliのhilihili: 言葉で考えてはいけないの続き
 
 とはいえ
 
 ∧∧
(‥ )でも誤謬の根源は
\‐   これだけではないのだと?
 
  (‥ )多分なあ
      以上に加えて
      もっと変なことを
      やっていると思うのだよね
 
 

 
  

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