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2015年4月28日火曜日

信じていることはほとんど全部妄想

 
 
 ∧∧
( ‥)例えばの話
 
  (‥ )生産効率が上がったのに
      賃金が上がらないのはなぜ?
      この質問をする人は
      生産効率が上がれば
      賃金は無限に増大する
      そう考えているわけだよね?
 
 そうでなければ、作業効率=賃金の上昇、なんて発想はしないだろう。

 だが実際にはそうはならない。

 例えば1秒で車が出来たとする。材料費や制作費、工作機械の維持費はただ同然。だのになんということでしょう! これが10万円で売れるのである。
 
 原価0で10万の利益。破格の商品である。
 
 だがしかし、これは次のようことでもある
 
 ∧∧
(‥ )言い換えればあれだよね
\‐  効率が事実上
    無限大にまで改善されても
    1台の車を売って
    手に入れられるのは
    10万円が限界です
    そういうことだよね
 
  (‥ )1日で1台売れたら
      日給が10万円だ
 
 
 でも1ヶ月に1台売れるだけなら月給10万円である。
 
 ∧∧
( ‥)そして実際には
    作るのに時間がかかるし
    作るためにはお金もかかる
 
  (‥ )つまり作業効率が
      無限大でも
      賃金はどこかで
      必ず頭打ちになるし
      実際にはもっと速い時点で
      頭打ちがくるのだ
 
 賃金は必ず頭打ちになる。それもかなり速く。
 
 しかし、かつての世代はこれが良くわかっていなかったらしい。
 
 例えば日本よりも欧米の賃金と生活水準が高いとする。なれば、西欧の賃金に追いつくまで、低賃金労働者である日本人の賃金と収入は上昇し続ける。低賃金で作られた同質の商品は欧米の商品を駆逐する。
 
 ∧∧
( ‥)しかし賃金が上昇し切って
    頭打ちに達すると
    その強みは終わる
    賃金として使える利益は
    すべて使い尽くしてしまい
    これゆえに
    それ以上、賃金が上がることは
    原則あり得ない
 
  ( ‥)だけどおっさんたちは
    ‐□ 経験上
      賃金は上昇するものだと
      思い込んでいるから
      賃金の上昇は必ず
      頭打ちになることが
      理解できない
 
 だから、おっさんたちは、今を我慢すればいいのに、なんで若者はすぐ会社を辞めちゃうの? と不思議そうな顔をする。自分の経験が世界の理だと思い込んでいるわけで、これはつまり阿呆なのだ。
 
 だがしかし、
 
 生産効率が上がったのに、どうして賃金が上がらないの? それは貧しくなったから? それとも払わないから貧しくなったの? そういう質問が出てくる。
 
 ∧∧
(‥ )ようするに若者も
\‐  頭の出来はおっさんと
    同じということですか
 
  (‥ )おっさん世代の遺伝子を
      混交したのが子供の世代だ
      集団的には同質だからな
      変わる訳が無いね
 
 つまりどうも、右肩上がりの成長は無限に持続できる。持続できないのはそれを阻む悪い人たちがいるからだ、そう考える点ではおっさんも若者も同じらしい。
 
 ∧∧
( ‥)つまりですよ
 
  (‥ )俺たちが信じていること
      このほとんど全部は
      ただの妄想だ
 
 これらをすべて放棄しないと、多分、道を見つけられぬだろう。
      

 
 

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