自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2014年9月27日土曜日
小さな社会に自由はなく、大きな社会の批判は中身のない愚痴
例えばの話、もし、自分が人口数万人の都市国家の住人であった場合、祖国を批判する自由があるのだろうか?
∧∧
( ‥)たとえ民主制の国でも
そんな自由があったかと
( ‥)批判はあるはずなんだ
‐□ ただ、それは
現在の政権に対する
批判になってしまうよね
要するに、そういう世界の政治的な批判は、すべて政治的な派閥争いではないのか?
∧∧
( ‥)そりゃそうだよね
たった数万ですよ
しかも民主制なら
批判は政治的野望と
直結だからね
( ‥)数万の人口とはつまり
‐□ 1000人の学校が
数十校あることに
なるわけだね
実際にはもっと狭い世界である。古代の民主制では女性の政治参画は無かった。つまり実態は半分。さらに子供は除外される。人口比は高齢化が進んだ今よりもずっとピラミッド型だろう。
∧∧
(‥ )学校に例えると10校程度
\‐ あるいはそれ以下の規模
だよね
(‥ )アテナイ市とかが
総力戦を挑んだ時には
5000の市民兵を
出撃させているから
政治的な参加者は
実際にそんなもんだという
ことだよなあ
このような規模の国家は小さな村よりは大きい。田舎の村には人口1000人なんてものがある。だが、小さな村の集合体程度の規模だとも言える。
学校で例えるのなら、全校を上げてのイベント参加、同じ都市の仲間であり、別の学区でもある他校に戦績において負けられない、我れ先にとイベントへ参加せよ。そんな状況で、こんなイベントになんの意味があるのか? そういう声を上げられるかという問いでもある。
こんな世界で、しかも全員が兵士になることが義務づけられている世界だ。政治的な発現は、即、派閥抗争に直結するだろうし、それを避けることはできない。
∧∧
( ‥)そもそもこの世界で
徴兵拒否する自由が
あったのか? でしょうね
(‥ )無いから国民皆兵
なのだろうな
そしてこの社会で、例えばの話、
民主制は腐っている、この国に民主制はない、この国は全体主義だ、相互監視でお互いに足を引っ張り合っている、政治が腐り切っているのだ。戦争は間違っている。
そう発言できるか?
∧∧
( ‥)無理じゃね?
というか
それを言う自由はあるけど
周囲からぼこられるか
政治的な野望と見なされて
派閥抗争に巻き込まれて
あるいは殺されるよね
( ‥)一方、4世紀
‐□ もはや巨大国家になった
ローマ帝国では
ラクタンティウスが
ディオクレティアヌス帝を
帝は皇帝を4人にして
軍隊を増やした
そのために増税した、と
批判したのだよな
これ自体はキリスト教徒の迫害を行った帝を貶める行為であったのだろうけども
∧∧
( ‥)でも言い換えると
”そういう発言の自由を
行使できる”
そういう状況だったとも言える
少なくとも国防のために
軍事指導者の皇帝を4人に
増やした帝の処置を
そんな理由はおかまいなく
そのおかげで敵から
守られている状況であるのに
一方的に批判することができた
(‥ )社会が巨大すぎて
相互監視が行き渡らない
のだな
だからそんなことが言える
実際、帝国には様々な
諸勢力が存在するのだ
そういう状況下で
まつろわぬキリスト教徒が
迫害されるのは
当然じゃないの?
とも思えるし
キリスト教を国教にして
国家を統制しよう
そう考えるのも
当然とも思える。
どっちにしろ言えるのは、村には自由はないけども、帝国には自由があり。村には相互監視による強制された一体感があるけども、帝国にはそれが無いため、統制が必要だ、ということなのだろう。
実際、我々自身がそういう自由を今、行使できている。
この国は民主制じゃない、この国は出る杭を打つ相互監視に基づいた全体主義だ、世の中は腐り切っている
私たちはそう発言することができるし、そう発言しても殺されることはない。徴兵を拒否しても良いし、徴兵に反対することもできる。
∧∧
( ‥)小さな社会では
こんな自由はない
(‥ )例えば小さな会社でも
こんな自由はないのだ
従業員2人の会社で、相手に面と向かって、この会社は腐り切っている、なんて言う馬鹿はいない。そんな抽象論の愚痴ではなく、具体的にこうするべきではないか? と言う。この時点で、その発言は政治的な主導権を求めるものとなる。
小さな社会では、ただの愚痴をこぼす権利はない。
言っても良いが、殺し合いになるか、リンチにされるか、そのどれかだ。
∧∧
( ‥)つまりそんな自由はない
( ‥)小さな社会には自由がない
‐□ 大きな社会では
政治的批判に中身が無い
そういう前提に立って
もう一度文献を
見直してみようか
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