自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年9月5日木曜日
彼は民主主義が蠢くグロテスクさに恐怖した
日本に真の民主主義はない。
∧∧
(‥ )こういう意見は、
\‐ 言い様は違えども、
何度もしばしば
色々な人の様々な言い方で
繰り返し述べられてきた
ものですよね
(‥ )これを見るたびに
思うのだけども、
プラトン流のイデア論って
根深いものなのな
ここではないどこかに、ここでは実現されていない真。つまり理想状態が存在する。
....という無意味な信念。
いや、こういう言い方は不当かもしれない。信念という言葉、それ自体がそもそも無意味なものだからだ。
*信念は信念それ自身の正しさを述べていない以上、信念とはそもそも空虚な戯れ言だよね、という意味で。
∧∧
( ‥)ともあれ、言い換えると
最初の発言はあれですよね
ここではないどこかに
本当の民主主義がある、
という主張ですね
(‥ )なんか馬鹿げてると
思わないかね?
この言い様は、
俺様の考える理想の
民主主義でないものは
民主主義足り得ない、
という主張だよな?
なにその、これが理想だという意味不明な主張?
なんだその、理想の抽象概念が実在するという、訳が分からん確信?
∧∧
( ‥)そんなもの、どこにも
ございませんと
(‥ )まあ、いくらでも
真が実在すると
主張することは
できるけどね。
何年、何月、何時、何分、この場所の議会と選挙と投票と、あるいはその結果が理想の民主主義です。
と指定する。
∧∧
( ‥)それは私がそれを理想の基準、
いわば理想の原器として
指定した
それだけの主張でしょ?
(‥ )どっかに理想的実在が
ございますなんていう
たわ言にはこれ以上の
正当性なんかありゃせんよ
言い換えれば、これでもう
十分に真理として正当だ。
そういうことではないかね
これは何々である。
それは定義と指定だろうけども、定義も指定もそれ自身で自分自身を正当化できるはずがない。殺人鬼が自分の行為を正義と述べようと、聖人が己が行いの結果を正義であると正当化しようと、その時、その場所でその人物が成した事がなんであるか? 彼ら自身によって定義された正義というレッテルは、行為の中身について何も答えてはくれないだろう。
だが、だからこそ、これぞ理想の原器なり、そう指定する事は誰でいつでも勝手に任意にできるのだ。
しかしもちろん、これはそれ以上のことを語っているわけではない。
∧∧
(‥ )民主主義とは政治体制の
\‐ ひとつですよね
(‥ )政治という”まつりごと”を
動作させる仕組み。
言って見ればエンジンだよね
あるいはエンジンの動力を
何かに伝えて動作する
仕組みのことだよな。
こういうものを評価するには
それの今のここでの
用途は何か、
それに見合った性能や
出力やコストは何か?
条件を満たしているか
それこそが評価されるべき
熱効率100パーセントこそ理想エンジン、伝達率100パーセントが理想的な仕組み、そうでないこんな機械を使うなんてテラワロスwww
∧∧
( ‥)と笑うのは勝手だけど
その時、その場所においては
それが精一杯だったら
それで取りあえず
作業進行するべき
( ‥)現実ってのはそんなもんで
‐□ いくら理想を語っても
その場、その用途に
合っていなければ
無意味なのだ
そもそも
これは理想の民主主義ではない、という言い様が述べているのは、
理想の民主主義というイデアが実在する
という主張、それだけではないだろう。
∧∧
( ‥)私はそれを知っている、
私は真理の在処を知っている
私は真理を認識できる
そういう主張が含まれて
いますよね。
(‥ )なんとも高慢ちきだが
それ以上に、
間抜けな主張だと
思わないかね。
これは私のような知性を持つ者だからこそ、理想の民主主義を判別できる、という主張ではないのか?
しかし、ここでどうしても思い出してしまうのがタキトゥスと軍人皇帝たち。
∧∧
( ‥)国家の中枢にいた政治家
であるタキトゥスさんの
思い描いた理想は実現される
ことはなく、
帝国は共和制に戻ることも
市民社会に戻ることもなく、
広大な版図は宗教で統一され
権限を集中した皇帝によって
統治され、
養成された官僚が事務処理を
行い、
軍隊は市民軍から遠く隔たり
騎兵が主力となっていく
( ‥)そのすべてではないけども
それを用意したのが
軍人皇帝時代なんだよな
少なくとも過渡期だった
わけだよね。
教養ある理想に燃えた政治家ではなく、どちらかというと無教養な者も含めて名も知られぬままにみじめに死んでいった成り上がり者と、彼らの試行錯誤、失敗して死んだ屍、これこそが答えを出した、という事実。
当たり前の話なのだ。
失敗、死、我こそ指導者にふさわしいと名乗りを上げた者の立候補、そしてつかの間の成功、そして失敗、死、
その果てしない連続。
ここにあるのは試行錯誤の過程であって、解の探索に他ならない。これ自体は絶え間ないクーデターで起きたことだけども、民主主義は選挙と落選でこれを行う。ここに教養だの知性だの入り込む余地はない。少なくとも、必然でも必須でもないだろう。
∧∧
( ‥)それを考えますとね
(‥ )理想だ、イデアだって
馬鹿なこといってないで
手を動かした奴こそが
結果を手にする
結果をもたらす
そういうことだよね。
当たり前だよな。
それを踏まえるに、理想の民主主義、それを言って語って一体全体何をどうするつもりなのか?
∧∧
( ‥)民主主義は知能を必要と
しない仕組みである
( ‥)多分だけどね、
‐□ 自分は知的だと
思い込んでいる人間は
知能も知性も必要としない
民主主義がそれでも動く
そのグロテスクな有様に
恐怖しているのだと
思うよ
知能も知性もないのに動く。まるで頭も持たぬ動物が手探りでいつの間にか這い寄っているような恐怖。
知的なそこのあなた、民主主義が示すそんなおぞましい有様があまりに恐ろしいので、理想の民主主義なんぞという、ありもしないイデアに恋こがれておりませぬかな?
頭も感覚器官も持っていて、あなたに眼を向け、にこやかに微笑んでくれる、そんな民主主義が存在すると思ってはおりませんか?
しかし、この子は理想の彼女ではない、そうすべてを否定する人が自分自身の可能性を閉じてしまうように、そんなありもしないものへの恋で、あなたは一体何を生むのでしょう?
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