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2013年9月11日水曜日

真理こそ打倒すべき敵

 
 ∧∧
( ‥)つまり?
 
  ( ‥)そうねえ、この前、
      ネットで見たのは
      こんな言い様であった
 
 ピタゴラスは数学の天才だったが、彼は無理数を発見した者を殺した。真理を見つけた者を否定する。こういうことが今も行われていないか?
  
 ∧∧
( ‥)...ピタゴラスさんが数学の
    天才だ、というのは
    多分、言い過ぎでしょ?
 
  (‥ )あの人の業績はよく
      分からないし、
      ピタゴラス教団の業績は
      ピタゴラス教徒のもの
      だからね
 
 個人の業績が不明瞭なのだ。
 
 ”無理数を発見した者を殺した”、のがピタゴラスかどうかにいたっては、さらによく分からない。少なくとも発見した者が始末された、という逸話はあるが、諸説あって(ピタゴラス自身がやった、という逸話もあるにはある)ひどく不明瞭(原典探索中)。
 
 ∧∧
( ‥)でもまあ、そいうところを
    抜きにすれば上の文章は
    おおむね意味は通じますね
 
  (‥ )こんな感じに言い換えれば
      いいわけかな?
 
 数学史において大きな業績を上げたピタゴラス教団は、数学を宗教とした教団であった。彼らは数の比で世界を示せると考えたが、いかなる数の比でも示せない数、つまり無理数の発見に恐怖し、見つけたものを殺した。このようなこと、今でも行われていないか?
 
 ∧∧
(‥ )...なんか、むしろ長く、
\‐   回りくどくなったね

 
  (‥ )うほっ、厳しい現実
      
 ともあれ

 
 ∧∧
( ‥)数学という証明と演繹から
    得られた知見を、
    己が信念でつぶしてしまう
    という矛盾
    それが起きるのは事実。
 
  (‥ )真理を追求する者が
      真理をつぶすとは
      いかなることか?
 
 ああ、しかし、ピタゴラス教団や古代ギリシャ人には、彼らなりの言い訳があるんだろう。
 
 ∧∧
( ‥)守るべき真理、それは
    数の比で示せる
    美しい世界
 
  (‥ )プラトンだって
      先生の教えた
      無理数の証明を
      どうでもいい理屈で
      矮小化して、
      無理数だって数の比で
      示せるんだって、
      トンデモ主張を始めたり
      するからね
 
 それを考えると、数学を知らぬ者は入ってはいけない、そう書いてあったというプラトンの学校。だがしかし、彼が掲げた”数学”とは一体なんだったのか?
 
 ∧∧
(‥ )彼には守るべき真理があった
\‐  そういうことでしょうね
 
  (‥ )じゃあ、結論は
      簡単よな。
 
 真理は答えありきであって、現実と結論をゆがめてしまう。理想の真実、つまりイデアとは、どこにもない単なる虚構。
 
 ならば。打倒すべき敵、すなわちそれは真理なり。
 
 あるべきは、あるべき姿ではない。
 
 
 

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