自己紹介
- 北村雄一(北村@)
- イラストレーター兼ライター 詳しくはhttp://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili あるいは詳細プロフィール表示のウェブページ情報をクリック
2013年9月19日木曜日
その冒険は暗い物置で起きていることだった
∧∧
( ‥)どうよ?
( ‥)....んんんんんー
‐□ 賛同しがたいが、
全体としては
良いように見えるね。
ただ、一部の反論は
駄目かもな
社会性行動の進化と、脳の増大はリンクしている。しかるにこの化石種は脳が小さい。あなたはこの動物が社会性であるというが、脳の大きさからして、その推論はおかしい。
いや、食肉類においてそれは無い。この論文を見よ、食肉類では脳の大きさと社会性には関連性がないと書いてある。
∧∧
(‥ )...いや、この原論文は
\‐ 生活域が進化の過程で
変化することで、
かつて手に入れた
社会性を二次的に失う
場合があって、
それゆえ相関性が不明瞭に
なるという話では?
(‥ )つまり、
大きな脳が進化してから
社会性を二次的に失う
大きな脳だけが残る
という話で、
脳が小さくても社会性は
成立する、という話では
どうもないらしいの
だけどね
まあ、いいや、反論が一部おかしいからといって、論拠の根幹が崩れたわけではあるまい。もちろん、反論が効力を失ったということは、最初の指摘がまだ生きているということでもある。
さて
hilihiliのhilihili: 魔法がファンタジーだと勘違いしては駄目だ、逃げるんだ!の続き
∧∧
(‥ )魔女。人よりも薬学や
\‐ 植物の知識がある人間が
その知識をいかして
寂しい我が身と
悲しい境遇から
薬物を使い、空想に逃避する
(‥ )ひそかにしこしこ
やっているということか
∧∧
( ‥)下品な...
( ‥)そういえば
‐□ ハリーポッターのハリーも
階段下の物置のような
部屋に閉じ込められてたな
彼はどうなったのだろうね
どうなったのか知らぬが、これを踏まえれば、なんと、あれはまさにファンタジーの王道ということか。
∧∧
( ‥)怒られそうな言い様だな
( ‥)だが、閉鎖された
‐□ 世界からの脱出。
これこそが創作なのだ
渇望。それが心を飛翔させる原動力になる。
科学の力で星まで飛べばSFに、ほうきにまたがって夜空へ舞い上がればファンタジーに、過去と現実の扉を開けてあるはずもないハーレムな青春へ飛び込めばライトノベルに
∧∧
( ‥)全部、ひとつの狭い部屋で
起こっている出来事ですか
(‥ )すべては冷たく自分を
見つめる
周囲の眼から逃れて、
暗く狭い部屋に
閉じこもって
しこしこやっている
ことにすぎぬのだ
本とか絵ってのは
そういうものよ
かつて、魔女狩りにおびえた老婆のように
∧∧
(‥ )なんかそれを考えると、
\‐ おばあちゃん、
かわいそうですね
(‥ )かわいそうかは知らんが
笑うに笑えんな。
ああ、誰かが書いていた。夜、秘かに調合した秘薬なるものを飲み、ほうきにまたがり、気分は高揚し、心は若返り、空を飛んでいるような軽やかな気持ちになるも、それは一時。やがて夜が開けて朝日が差し込み、残るのは日差しに照らされた醜い本来の自分の姿と、疲労とむなしさと罪悪感。そして恐怖。
∧∧
( ‥)それを考えると、
SFに科学を、
ファンタジーに魔法を
ラノベに見栄と自制心を
与えるってあんまりですね
(‥ )冒涜ですよ、冒涜、
しこしこやってる
聖域に土足で踏み入る
暴挙ですよ
それを考えると、魔法は闇と夜の世界にいればよかったのだよね。日差しの差さぬ都会の喧噪の片隅、忘れられた建物の裏路地、夕闇の中の十字路。そこいれば、そこにいれさえすれば。本来の魔法なんていうおぞましい、体系化された理屈に触れることもなかったはずだろうに。
( ‥)光の下に行くべきでは
なかったのだ。
どれほどの大冒険を
成し遂げても、
すべては階段下の
暗い物置で起きている
ことなのだ
∧∧
( ‥)それはそれであんまりだな
そう思えば、SFは本来ならば皆に夢を、誰でも魔女になれる夢を与えられるはずではなかったか?
∧∧
( ‥)なんで?
(‥ )星の世界は夜の世界だろ?
果てしなく続く圧倒的な夜
これを手にしないとは
なんともったいない。
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